火曜日, 12月 28, 2010

年の瀬に携帯は壊れたけれど。

忘年会ラッシュも30日でようやく終結。。
今年はやけに多くて、数えたら月の2/3は飲んでた。

1回1回セーブしたつもりだけど、
それでもさすがに胃腸が弱っていて、
先週末は、仁鍼堂にて強烈なヤツをやってもらいました。。。

ありがとう、院長。

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仕事は今日(28日)まで。
実は結構やることがあるんだけど、
気持ち的には既に“余熱”で働いてる状態であります。

今年は山やクライミングが充実したのはもちろんよかったけど、
それ以外も本当に「文化的」な1年だったな。

こんなに時間の使い方が変わったのは20歳の時以来かも。

20代の10年間を仕事モードで駆け抜けたので、
自分の中では、最近は「別人の自分」に接しているような気分。


落語、映画、本、美術展、音楽・・・
「芸術系」の好きなものに存分に時間(と、お金(笑))を
費やした1年だったように思う。

そういう時間を通じて、人間関係が広がった1年でもあったし。


「忘年会」とか「年忘れ」という言葉は
日本独特のものだと聞いた事がある。

人生って、たぶんトータルするとイイ事よりも
悪い事のほうが多いんだと思うんだけど、

そういった悪いことを、年越しとともに忘れて
「来年はまた明るい気持ちでスタートしようよ!」という
前向きな言葉ともとれるし、
年を越す事で、前年のいろんな事を“なかった事にする”という
日本人らしい都合のよさをあらわした言葉、という気もする。

ただ、いずれにしても、人って「リスタートしたい」って
思いが常に頭の片隅にあるんじゃないかなー とは思う。


人生に「If」はないけど、もし今晩私の目の前に神様が現れて、

 「明日から別の人間に生まれ変わらせてやってもいいよ」

って言われても、私はたぶん断るだろうな~。。。


トホホなところが超いっぱいあるけど、
今の自分が結構気に入ってるからね。
20代の一時期、あんなに自分が嫌いだったのに。

30ウン年かけて創った甲斐があったよ(笑)。


私は「ガンバッテ」人生生きてないので(笑)、「来年もガンバロウ」
とは思わないけど、来年も、「なんだか今日は1コ良い事あったな~」と
毎日思えたらよいと思うし、そうなるように暮らしたい。

結局、1分の60回が1時間で、1時間の24回が1日で、1日の365回が1年だという事だからね。

当たり前のこと、なんだけど。


正直あんまり年末の実感はナイですが、では皆様よいお年を~

水曜日, 12月 22, 2010

「夫婦の信頼」は年末の風物詩

知り合いのサイトに寄稿した記事がアップ。
お時間あれば。

第1便~ 旅の“OMOTENASHI”に想う
http://epstein-s.net/archives/category/visits_kyoto

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さて。
いつもの面子で、今年も「落語聴き納め」。

※本当は志の吉君で締めだったのに、
 会社の忘年会に潰された・・・。チッキショ~!


【医と可笑し~ 立川談春独演会】

・談春の雑談
・「人はなぜ癌になるのか」 ~慶応大学教授公園
・癌をテーマに活動する団体への寄付セレモニー等
 -- 休憩 --
・談春「芝浜」


実は、チケットを買った時はまったく知らなかったんだけど
(第一そんなアナウンスはほとんどなかった!)、
製薬会社がスポンサーについた癌撲滅のチャリティーイベントだったらしく、
単なる落語会ではなく、途中に癌に関する講演が挟まったりしてビックリなイベントでした。

講演自体は、癌の発生のメカニズムと最新医療の様子を
分かりやすく説明していて「ナルホドな~」とは思ったんだけど・・・
いかんせん心の準備が・・・・(苦笑)。

完全に「落語を聴くぞ」モードで会場に行ってるから、
なんというか、パワポのデータとか見てると段々仕事な気分に・・・(苦笑)。

談春の噺は1本のみ。「これで“独演会”はナイヨナ~」と思ったけど、
癌のチャリティーにささやかながら貢献したわけで・・・マ、いっか。

そんなわけで、ある意味初体験の落語会になっちゃったわけなんだけど、
やっぱり最後は談春師匠キメテくれました。

『芝浜』


 # 腕はいいがサボってばかりの魚屋の勝五郎。
 # そんな勝がある日芝の浜で革財布を拾います。
 # 財布の中には大金。勝は「これで借金を返し、飲んで暮らせる」と大喜び。
 # これを心配した女房は、「財布を拾ったのは夢だったんだ」と大芝居をうち、
 # 勝が再度働きに出る意欲を持つように仕掛けます。
 # 心を入れ替えて働き始めた勝五郎。女房は3年後の大晦日に、ついに嘘を打ち明け・・


なんだかんだ言っても、落語ファンはコレを聴かないと
年末って気分になれないよねー。

大ネタだけど、とても有名な噺だけにやってる人は大勢いて、
私もこれまでに、実際の高座だけでなくCDなどでも何度も聴いているけど、
談春師の「芝浜」はこれが初めて。

談春版「芝浜」は、魚屋の勝公がこれでもかと単純でバカな感じに描かれていて、
そのあたりはなんというか「立川の香り」というか、
要は談志の心得が見え隠れしてた。

この噺は忠実にやろうとすると、勝五郎が革財布を拾うまでのシーンが
とても長いんだけど、談春版はこのシーンは回想のみ。
談春は、最後の女房に嘘を打ち明けられた後、勝が3年間断っていた酒を
飲もうか飲むまいか逡巡するシーンに長く時間を割いています。

完全に筋を知っている話でも、
最後のシーンで、・・・・やっぱり泣きました(苦笑)。

だって談春版の勝五郎、カワイイんだも~ん!

酒を飲みたい!でも飲んだらまたダメになる!って悩むトコとか、
嫁に「バカやろう!」「言う事聞け!」と怒鳴りちらしながらも、
心底女房に惚れてる様子が伝わるんだよ。ダメンズにはたまらないかも(笑)。


途中、地噺っぽく談春が解説を入れてたんだけど、

 「財布を拾ったのは夢だったと分かった勝五郎は
  その後、心を入れ替えて真面目に働くようになり・・・って~話なんだけど、
  人間そんな簡単に心を入れ替えられねーやね(笑)。でもまあ、一生懸命
  働くようになったわけで・・・」


って話を入れて、なんだかやけに納得しちゃったんだよ。

そりゃそーだ。
人間、そんな簡単に変わらないよ。

噺家も、そう思って喋ってるんだ。なんかホっとした。


・・・・なにはともあれ、消化不良な部分もありましたが、
年末気分を味わったからヨシとしましょう。

今回は会場が関内だったので、
帰りは中華街で、知る人ぞ知る、身体に優しい薬膳中華料理を出す小さなお店で、
身体に良さそうなお食事と、身体に悪そうな大量の紹興酒(笑)を
頂いて帰りました。

楽しい面子と飲むお酒はホント美味しい。


私は前職が出会い業だから、当時は

 「寒い季節には人恋しくなる・・・云々」

っていう広告コピーをよく書いてたけど、
私自身がこの時期に珍しく人恋しくなるのは、
寒いからじゃなくて、「芝浜」の夫婦に感化されるからかもしんない(笑)。

本当の意味での「信頼」が、あの夫婦にはある気がするから。

月曜日, 12月 20, 2010

時は待ってくれないから。

8日がジョンの命日だったので、
ビートルズを聴く事が多い今月。

聴けば聴くほどやっぱビートルズって偉大だ・・・・。

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冬は気分も落ちるし、今年は早い時期から忘年会エンジンがかかっていて
宴席ばかりだから疲労もたまり気味なのだけど、
昔に比べると、「酒のせいで翌日の休みがフイになる」
みたいな飲み方はもうしたくないしできないので、
週末は、ちゃんと有効に時間を使えている気がします。


で。
今年も行ってきました。「ダイヤモンド富士@高尾」。

個人的にはもはや「登山」とは言えない高尾山ですが、
さすがに4年目(5年目?)となるとこれだけは外せない。

最近は、これをもって「今年も終わるなー」という
『〆』気分になったりします。

空には雲ひとつない快晴。
寒いながらもちょっと登ると汗ばむような陽気で、
登山には申し分のない一日でした。

大してルート図も見ずに、おしゃべりしながらユルユルと登っていけば
あっという間に薬王院。その先はすぐ山頂。

正直疲労はほとんどなくて、手前ミソですが
高尾山に登ると、4~5年前から自分の登山レベルが飛躍的に
上がっている事を実感します(マア、逆にそれに慢心してちゃダメだ
という戒めの気持ちも感じるけど)。

今年はズバリの23日に都合がつかず、ちょっと手前の週末。

そのせいなのか、京王線のCMが弱かったのか、
今年は昨年に比べるとギャラリーはグっと少なめ。
日没に向けて山頂に登っていくので、途中下山する方に
「今から登るの?泊まり?」なんて何度か聞かれて、
ダイヤモンド富士の知名度が若干下がった感がありました(笑)。

ていうか「泊まり?」・・・・って(笑)。
高尾山で泊まりかー。ある意味やってみたいかも。


山頂には日没の30分程前に着。

事前に陣場のほうから登ってきた友達と合流後、
せっかくだから山気分を楽しもうと山頂でコーヒーなんか沸かしてたら
あれよあれよという間に日が沈んでしまい、
富士山山頂にお日様がかかったのを見れたのはほんの十数秒・・・(笑)。

「わ、わ、わー」とか言って眺めに行った頃には、
もうお日様はすっかり富士山の後ろに隠れてしまっていました。

なんていうか・・・、なんのために登ったのやら(苦笑)。


でも、なんかそれも私らしくていいかなと個人的には思った。

山に登るという行為の中で、「山頂」や「サンセット」は
確かに“到達点”ではあるけど、重要なのは実はそこではナイっていうのが
私の人生観なわけだし。

時は待ってくれないし、日が沈んで初めて「あ、ワタシ出遅れた!?」って
気が付いちゃうのも、自分らしくていいや(笑)。

・・・サンセットを見たかどうかより、ある目的に向かってみんなで進み、
今年も“その日”に元気に山頂にいることができたというのが、何より嬉しかった。


下山は、年に一度の「故意にナイトウォーク(笑)」で、
1時間程度で下りてしまいます。

最後に、八王子のフラっと入ったにしちゃー味のある沖縄料理屋で、
プチ忘年会ってことで、美味しいお酒とゴハンを頂いて帰りました。


今年も色々あった。
楽しい事もあったし、辛い事ももちろんたくさんあった。
それでも、こういう1日を過ごすと

「う~ん。今年はいい1年だったかもな。うん、そうだな」

っていう気持ちになれるモンです。

単純。そして安あがり(笑)。


*そんなわけで、すっかり日が沈みきった
 シルエットの富士山の写真が残るばかり。

水曜日, 12月 08, 2010

ルール大事。経験も大事。

私が読んでる仕事系メルマガの先週号
http://www.faith-h.net/tabid/84/EntryID/50065/Default.aspx

う~む。面白い。とても示唆に富んだ話だ。

リーダーの素質の話でありながら、「役割論」でもあるね。
私はさしずめフォロワータイプで決してリーダーにはなれないけど、
それが私の役割だし、そんな自分にわりと満足している。

仕事に限らず、与えられた立ち位置で最大のポテンシャルを
発揮できる生き方をしたいと思う。

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また山ネタですが、ちょっと前に
こんなのにもシレっと参加したりして。

机上講習
「チャレンジ!初めての冬山」by カモシカスポーツ

http://kamobaba.jugem.jp/?day=20101202

最近すっかり壁にハマってしまっているわけですが、
山のほうもちゃんとレベルアップしてゆきたいという願いを込めて(笑)。

講師はカモシカの笹原さん。
すごいユルくて、お話上手な人でした! 一発でファンになった。
こういう人に学校で授業をして欲しい~(笑)。

笹原さんのお話がうまいので、
楽しく話を聞いているうちにあっという間に2時間が過ぎた感じです。

基本的には冬山未体験、もしくは初心者の人のため講習なので、
必要な装備や歩き方など、冬山の基礎技術がメイン。
「知らなかった~」ってことはそんなに無かったけど、
改めて基礎知識を固めるという意味でとても勉強になった。

山岳会に入ってれば
この辺りはもっとクリアになるのだろうけど。

山岳会加入者がまわりにめっきり増えたことだし、
来年はちゃんと会に入ってやろっかな。。。


登山は何より経験がモノをいうので、
一般の登山書に書かれていない「本には書いてないこと」
をたくさん聞けるのがこういう講習会の醍醐味。

登山では、「テント内で煮炊きしない」とか、
「12本爪アイゼンは○○の場所で使ってはならない」とか、
そういう身を守るためのルール(主に『コレやっちゃダメ』ってのが多い)
みたいなことがたくさんあって、それはそれで大事なわけなんだけど、
一方で実際の登山シーンでは、ルールより、いかに自分の中で「生き抜く」
ための方法論を見つけるかなんだよね。

そういう絶対的な基準のない中で、自由に(それは「自由に」であっても
「勝手に」ではない)できることが登山の面白さなわけだし。

笹原さんは、そういう事を十分理解したうえで説明してくれるので、
一応通りいっぺんの説明をした後で、

「・・・と、いう事に基本はなってるけど、今は道具も良くなってるし、
 全然そんなこと気にしなくていいと思いますね~」

という結論に持っていくんですよ。このユルさ!分かりやすい!(笑)

参加者の質問中も、インナーの新しい素材の話が出たりすると、
「それってなんですか?」って、笹原さんのほうが逆にお客さんに聞いちゃったりして。

すっごい好感持てる。知ったかぶりせずに素直に聞いちゃうなんて
人間のフトコロの大きさが出てるっていうか。

大体、登山用品店が主催する講習会なので、
道具に関する話が主体になるかと思いきや、開口一番、

「別に、夏山の道具で使い回せるものはたくさんあるんですよね。
 だから、よっぽど厳冬期に厳しい登山するとかじゃないのなら、
 ほとんど代用がきくんですよ」

と。

すごいな!

・・・でも、これぞ商売上手。だと思う。

結局、そういうお話のほうがお店のファンになって、
またカモシカで道具を買おうって思うもんね。


結局、「信頼」こそが人やモノの品格を決めるんだろうなー。
「信頼」は、転じて「尊敬」や「愛情」にもなるわけだし。

なんか「冬山」の勉強をしに行ったのに、
人間観察みたいになってしまいましたけども(笑)。

山に登る人たちが共通して持っている、

「自分の事は自分の責任」

という芯の強さを、また垣間見た気がします。

素敵だな。

これからも、強く、楽しく、山に登りたい。


*冬山もクライミングもケアする山岳保険は
 いきなり金額が上がる。それだけ、死ぬぞって事なんだな(笑。

月曜日, 12月 06, 2010

表現はしても、伝えることはない。

先日、年代がバラバラ(私は真ん中)な人がいる宴席で、
ラジオの話で盛り上がった。
私より少し上の世代は「スネークマンショー」、
私達の世代は「オールナイトニッポン」や「ヤンパラ」が響くわけで。

でも、今の20代ってそもそもラジオを聴いた記憶が
あんまないみたいなんだよね。

ラジオが若者の新しいカルチャー発信源になっていた時代は、今や昔・・・・。

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お芝居を観てきました。

青年団リンク本広企画
『演劇入門』
原作:平田オリザ/脚本:岩井秀人/演出:本広克行


やーーー 良かった!
すごく良かったよ!

演劇に興味がないというか、
芝居独特の「オオゲサ感」に違和感を感じてる人にこそ観て欲しい。

これまで友達の縁で平田オリザさんのお芝居は
何度か観させてもらっていて、わりと関心を持っていたので、
このお芝居の原作である「演劇入門」も既読でした。

原作は別に脚本になっているわけではなくて、ごく普通の文体。
平田さんの真骨頂である「お芝居と日常の境目を究極に曖昧にする感じ」の
理論が、とても分かりやすく書いてある本です。

今回の芝居のほうは、脚本家である岩井さんがこの原作を大幅にアレンジし、
若い頃に様々なお芝居を経験する岩井青年が、「なんか違うな~~」と
思っていた芝居の手法に少しづつ手を加えて、
自分なりの方法論を見つけていく・・・というスタイルで進んでいきます。


すごく印象的だったのは、途中平田さん(のダミーである人形(笑))が
解説する人役で出てくるシーンがあって、その平田人形に、演出家役の人が

 「この芝居で君が伝えたい事はなんだ! メッセージは!?」

と詰め寄った時に、平田人形が

 「表現したいことは無限にあるけど、伝えたいことは特にない」

と言う場面。


・・・モノっすごい共感しました!!

私も、考え方はかなりそれに近い。

自分が生み出すものは、文章やデザインに特定の「意味」を持たせない事で、
観る人の感性が強く刺激されるモノであって欲しい、と、思ってる。

私の書くものは、「私を理解してもらうため」のものでも、
「人を感動させるためのもの」でもなくて、
「無限に生み出される自分の中に存在する“表現”を、アウトプットする手段」だと思っている。


・・・こういう考え方って、落語とかもそうなんじゃないかなー。
落語も、古典は噺の本筋が決まっていて、そこに演出家である噺家が
様々な表現を加えていくわけだ。

だけどそこに、噺家独自のメッセージが加わる事はあまりないし、
舞台装置は扇と手ぬぐいだけだから、高座に広がる世界観は、
すべて聴き手の想像力にゆだねられるわけで。

聴き手はそれだけ難易度が高いわけだけど(何しろ全部自分で考えないと
いけないわけだから)、その分、共鳴した時の感激とか、自分なりに
理解が深まった時の「なるほど!」って感じはひとしお。


もちろん私は、宝塚や劇団四季のようなお芝居を否定しているわけではなくて、
当然ながらあれもひとつの方法論で、あの舞台の中に日常では到底あり得ない
言ってみれば「汗臭くない」ドラマを観て感動する・・っていう考え方もあると思う。

観客の目の中にハートマークが出て、「わ~~~ 素敵ね~~(ウットリ)」
みたいなね(笑)。

新感線とかナイロンのお芝居も、今回の平田さんの考え方とは全然違うし、
昔の状況劇場とか天井桟敷みたいなアングラ系なんて、もっと違う・・・
というか、そもそもみんな「演劇」という概念でくくる事自体に無理があるような(笑)。


・・・なにはともあれ、目の前で、役者さんの息遣いが分かる距離で
観ることができるのが芝居の醍醐味。

演出の本広克行氏は「踊る大走査線」なども手がけた
売れっ子演出家だし、こういう著名な人の名前をきっかけに
お芝居を体験してみるっていうのもいいかもよ。

商業演劇は、チケット8000円、1万円が当たり前の中、
3000円台で楽しめちゃいますし(笑)。駒場で今週末まで。よろしければゼヒ。


*原作の本のほうも面白いのでおすすめ。

木曜日, 12月 02, 2010

ひとりでも、たくさんでも、山はいい。

私はスマートフォンは持ってないけど、
持ってたとしてもフォースクエアは
できないような気がする。

「自分の居場所をわざわざ人に教える」なんて、
私の価値観の中では絶対にあり得ん・・・。

自分の価値観と世の中が、ますます離れていくことに
一抹の不安を覚える昨今・・(苦笑)。

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こんなの↓に行ってきました。

谷甲州×山野井泰史「ひとりで山に登る」

 『単独行者(アラインゲンガー)新・加藤文太郎伝』
 『ヤマケイ文庫 垂直の記憶』発売記念講演会



1)谷甲州さんの執筆秘話
2)山野井さんの単独行をテーマにしたスライド&エピソード
3)二人のトークセッション

という3部構成。

・・・まーーー とにかくヘンです(笑)。

これまで、登山で名の知れた人の講演会とか講習会を
何度か聴きに行ったけど、みんなことごとく変。

上手く説明できないんだけど、
「居心地のいいヘン」とでもいいましょうか?(笑)

海や山に行った時に感じるようなあのリラックスできる空気を、
人間そのものが持ってるって感じの人たちなんだよね。


今回は、「単独行」がテーマでした。

私は、特別単独行が好きだというわけではないです。
実際、単独で山に登ったのは数えるほどしかないし。

でも、単独行というのは山登りの原点だという気はします。

技術的な点から言えば、単独も複数も登山であっても、
全員が登山に関する知識や道具を持ち、
「連れて行ってもらう」感覚で登ってはならないわけで、
それは単独も複数も関係ない というが山登りの基本。

その一方、精神面で言うと、単独行というのは複数で山に行くのとは
根本的に違うモノなんじゃないかという気がします。
それは、水泳とスキーくらい違うんじゃないかと。
どちらも楽しいんだけど、楽しさの種類がまったく違う。


それっぽい言い方をするのであれば、「自然との対話」は、
ひとりで登ったほうが・・というより、ひとりで登ることでしか
できないのじゃないかと。

山野井さんも言ってたけど、
「ひとりで山に登ったほうが、山は大きく見えるし美しい」し。
「ひとりで山に登るのは、より安全な登山だ」と。

実際は、遭難事故は単独行が圧倒的に多いんだけど、
「単独行が、より安全な登山だ」と彼が言うのは私もなんとなく賛成です。

ひとりでいれば100%自分の速度で進めるわけだから、
自分のレベルを正確に知ってさえいれば、決して無理をすることも
ペースを乱されることもないわけで。本来であればね。


・・・・それにしても山野井さんですよ。

あの人何度も死にそうになってるし、
山屋の宿命として、友人を何人も山で亡くしてるわけでしょう?

そういう、ひとつのエピソードだけで
映画が1本作れちゃうような経験を、

「まぁ、僕もこの山では死にそうになっちゃいましたけどねー」

みたいに飄々と語っちゃうって・・・すごいよね。
オオゲサなところが全然ないの。

それでいて、決して俗世から完全に離れてないわけで、
抜群のバランス感覚の持ち主なんだろうなと思う。

講演会ではわりと前のほうに座っていたので、間近に手を見てたんだけど、
あの短くなった指で5.11や5.12を登るって、正直驚異的だと思う。
いったいどういう身体の構造してんだ・・・。


なかなか刺激になる講演会でした。

私はプロを目指してるわけでも、ストイックな登山を
追求しようとも思ってないけど、
もう少し、単独で山に行こうという気分になった。

日常的にわりとひとりが平気な人なので、単独で山に行くと
ある種の孤独感が強烈に増幅されて、周囲の人への感謝の気持ちが
強くなるしね。

あ。
別に普段も感謝してますけれどもね。みなさんに(笑)



*単独行の永遠の名著といえばコレですね。
 ただ、「登山のイメージを著しく暗いものにした
 新田次郎の責任は大きい」、という人も、一部、いる。

月曜日, 11月 29, 2010

蹴りとパンチで、突き進む。

お金があったら欲しいもの。
テンピュールのベッドマット。
ハーレーダビッドソン。
冬山グッズ。
スキャンダイナのスピーカー。

・・・んー。。女子として、なんか間違ってる気がする。

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人には、

「今あるものを壊して前に進みたい人」と、
「今あるものを守りたい人」

の2種類がいるな、と思う。

どちらがいいとか悪いとかではないし、
同じ人でも年齢や環境とともにそれは変わっていくのだろうし、
ひとりの人の中に2つの要素が混ざり合ってるケースが多いだろうけど、
それでも「壊したい人寄り」とか「守りたい人寄り」っていうのは、
なんとなく、ある。

私は、私自身がかなり「壊したい人寄り」だから、
結果として周囲の友達も「壊したい人寄り」が多いし、
「壊したい人」の気持ちは、なんとなく理解できる。


・・・ああ。そーいや、
この人も、結構「壊したい寄り」の人だな・・・(笑)。

というわけで、今年も友人のテコンドーの試合を応援しに行ってまいりました。
@格闘技の殿堂、後楽園ホール。





私はテコンドーという格闘技自体、彼女の試合を観るようになってから
ルールを知ったんだけど、
結構「殴り合い」「蹴っ飛ばしあい」というイメージが強い格闘技。
女子は顔にマスクするけど、男子は防具は一切なし。

リングの近くにいると、キックを受けた時の「バフっ」っていう、
肉が肉にぶつかる独特の音が間近に聞こえるので、私なんかは
それだけで「痛っ!」と思わず口に出しちゃう。

私もジムでボクササイズ程度のことはするから、
殴ったり蹴ったりというのが、わりと心をスッキリさせるってことは理解できるんだ。

でもこと試合となると、当然「殴られる」事もあるわけで、
そういう時に、常に心を折られずに冷静でいるっていうのは
相当な訓練が必要なんじゃないかと思う。

それは、キックやパンチの技術的なトレーニングと同じかそれ以上に、
ハードなトレーニングなんじゃないかと。

普段は普通の社会人である彼女は、仕事以外の
ほとんどの時間を犠牲にして、そういうトレーニングをしているわけだ。

試合の勝敗よりも、そういうこれまでの努力を思うと、
本当に応援にも力が入るし、純粋に「すごいなー!!」と思う。

頑張っている人って、本当まぶしい。

・・・ま、結果として彼女は優勝したので、
結果のほうもついてきてるわけだけどね。

しかも3連覇! いや~ すごいっす。マジで!!

引退なんて事もチラっと言っておったわけですが、
個人的には、これからも「自らの蹴りとパンチで、壊して進む」
という作業を繰り返していって欲しい気がします。

そーいう時の彼女のほうが、生き生きしてみえるからね(笑)。


とにもかくにも。

Mちゃん、ホントおめでとう!!
そしてお疲れざーす!

私も刺激を受けたし、元気をもらったよ!

解禁しただろーから今度飲み行こう~(笑)

木曜日, 11月 25, 2010

苦しくも美しい「“壁”の向こう側」

「キンシノ」その8、行ってきました。
皆勤賞継続中~。
志の吉君はナント「火焔太鼓」。
あの場所で!そのネタを!?

ある意味すごいチャレンジャー。

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心に漠然とした迷いがある時に、映画や本を乱読(乱観?)するのは
私の10代からの性癖だという気がする。

あまり人に相談したりしない人なので、
本や映画から抜け出しのヒントを得たいんじゃないかと。
自立してるといえば聞こえはいいが、つくづく可愛げナイなー(笑)。

というわけで、また映画を。


『ベルリン 天使の詩』
フランス、西ドイツ合作映画(1987年)
監督:ヴィム・ヴェンダース

 # 寿命というものがなく、長きに渡り地上を見守ってきた天使達。
 # しかし、サーカスで空中ブランコに乗る女性に想いを寄せる天使カシエルは、
 # 永遠の命を放棄し、地上に降りる決意をし・・・


いやー 情緒的。 とにもかくにも情緒的な映画でした。

台詞(というより、キャスト達の心の声)が非常~に多い映画で、
映画というより、詩の本を読んでいる気分になります。
映像は、途中に挟まれる挿絵のように世界観を広げる「脇役」というか(笑)。

映画はほぼ2/3まではモノクロで、天使カシエルが地上に降りた瞬間から、
画面はカラーに変わる。「時間」や「色彩」の概念がない天使の世界からの変遷が
ある意味とても分かりやすくて、美しい。

この映画は、なんといっても壁崩壊前のベルリンで
撮影されていることに意味があるんだと思う。

ベルリンの壁は、天使の世界と人間界を分断するメタファーにもなっていて、
「どっちが素晴しいか」ではなくて、どちらの世界にもそれぞれ複雑な感覚が
渦巻いているんだ ということを言いたいんだと思う。


印象的なのは、地上に降りたカシエルと元天使が出会うシーン。

「元天使」はこの地上には結構いて、天使達は、争いや憎しみや死のない
天使の世界から、限りある時間と、痛みや苦しみが存在する人間界に
自ら選んで降りてきたわけで。

・・・結局、痛みや苦しみがあったり、限りある時間だからこそ、
この世は魅力に満ちていて、素晴しいモノなんだという事なんでしょう。。


私は数年前にベルリンで「壁の残骸」を実際に見てきたけど、
とても複雑な気持ちになったのを今でも覚えています。
「パワースポット」って言葉があるけど、逆に「アンパワースポット」
って言葉があるんだとしたら、ベルリンの壁周辺は、まさにそんな感じ。

20代以下の人は違うだろうけど、私には「ベルリンの壁」は
まだ“歴史”ではないからねえ。。。
壁によじ登った東ドイツ市民が(東ってところがポイント!)
壁をブチ壊すニュース映像は今でもよく覚えてるよ。

でも物理的な「壁」は崩壊したけど、その後、本当の意味での
東西ドイツ統一に、未だにドイツは苦しんでいるんじゃないかと。
(でも、ドイツは大好き! また何度でも行きたい国です)

今回の天使だって、その後何十年にも渡り、地上に降りた
自分の選択が「正しかった」と思い続けられるかなんて分からないしね。

一度築かれた「壁」は、一夜のうちに崩壊できるほど
単純なモノではないんだろうな。


泣いたり、憎んだり、苦しんだり、嫉妬したり、恐れたり、傷付けたり・・・・

そういう、自分の持っている「負」の概念に、
いかに正面から向き合っていくかという事こそが
「生き切る」という事なんだとしたら、
天使の世界は、確かに「生きている」とは言えないもんね。


うーん。。。。
人間が生きるってなんて大変なんだ。まったく(笑)。

*「天使」といってもオッサンなんですどね。

月曜日, 11月 22, 2010

「私って素晴らしいですよ」とアピールする時、あなたはどうする?

ちょっと前に流行ったWeb2.0やRSS。
今では話題にものぼらない。
今はスマートフォン、ソーシャルアプリにクラウド・・・etc.

嗚呼・・・ネットの仕事は
いったいとこまで追いかければいいんですか~

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何年も前から観たい観たいと思っていながら、
都合が合わなかったり、気が付いたら終わったりしてた
イベントに、ついに今年行ってまいりやした。

『世界のCMフェスティバル』in TOKYO

フランス発のこの催しは、
映画館で、世界中の気の利いたCMを一晩中流し続けるという
オールナイトイベントです。

全体が5部編成で、途中休憩を挟みながら、欧米はもちろん
モンゴル、クロアチア、モルジブ・・・といったような、
何語を使ってるかもハッキリしないような国(笑)のCMも延々流していくわけです。


・・・・私にとって「CM(広告)」とは、まさに「食い扶持」であり、
この仕事を本気で始める原点でもあったわけです。
残念ながら休刊となってしまった「広告批評」は、
ある意味私が、編集職を“生涯の仕事”と決めたきっかけでもあり。

もちろん最初は、モノ創りにとって広告は「敵」だと思っていた。
スポンサーの意向は、表現者にとって制約と退屈をもたらすものだし、
それは結果として自分の仕事のモチベーションを下げると思ってたしね。

・・・でも、こういう商売で長く仕事を続けると、
広告なしで成り立つ媒体なんかほぼ存在しない事は痛いほど分かるし、
芸術ではなく、商売でやる以上、どうせそこに制約をかけられるのなら、
じゃあその制約の中で「どれだけ自由に表現してやろうか!」という
チャレンジャーな気持ちで楽しんじゃったほうがいいし
(そうでもしないと精神力が続かん(笑))。


・・・広告って、例えばテレビ番組なんかだと、
ビデオを撮るときにスキップされちゃったりする存在だけど(笑)、
実はとても奥が深いし面白い!

昔、「ショートショートフィルムフェスティバル」を観に行ったけど、
あれよりはもっと直感的じゃないだとダメなぶん、広告は作るのが難しい
んじゃないかとすら思う。

「広告」というと、

 こんな商品がありますよ~
 こんなところがこの商品のいいトコロですよ~
 ○○円ですよ~ いかがですか~

という訴求をするものだと思っちゃうけど、
実は全然そんなことないんだよね。

むしろ、そういう広告は今はダメで、
観ている(読んでいる)人に、数秒後に、
「・・・ナルホド!」とか「・・・いいね!」とか、そういう“気付き”を
与えてくれるものが、購買意欲をそそるというか。

人間同士でもそういうトコあるじゃん?

 私って○○な人です。
 私って○○な経験してます。
 私って・・・・

と、直球な説明されると、なんか早い段階でその人のことを
みんな分かった気になっちゃって、「お腹イッパイ」になるというか。
週刊誌の吊広告と同じ。
タイトルだけ見て、「もう中身分かったから買わなくていいや」みたいな(笑)。

でも、話してる合間合間で、「アレ?この人ってもしや○○経験者?」とか、
「この人、なんか○○が好きみたい?」とか、「その人を知るためのヒント」みたいな
ものをもらったほうが、想像力が広がってその人により興味を持ったりしない?


人間って、基本的にはどんな人でも「想像したい」「学びたい」生き物だと私は思っていて、
それは「本能」に近い欲求なんじゃないかと思うんだよね。

その「本能」に訴えるためには、広告は、その商品なりサービスの魅力を説明するものではなくて、
そういう人間の「知的探究心」を上手に刺激するべきなんではないかと。

これだけ情報が氾濫している現在では、
そうも言ってられない部分もあるけどね。

なかなか勉強になるイベントでした。


・・・な~んて事を、会場で考えていたわけではもちろんなくて、
そこではただただ「へ~」とか、「あ、これ面白い!」とか、
楽しみながら関心してただけなんだけどね。

何よりオールのイベントなので、深夜2時3時は、
オールナイトイベント独特のあのどーしよーもない気だるさが
会場全体に漂っておりまして、私も途中何回も落ちておりました。

午前5時過ぎに閉幕し、早朝独特の芯まで冷える寒さの中、
うっすら明るくなり始めた新宿の空を眺めながら、

 「ああ・・・・。なんだかなー。私の人生ってナンナンダ・・・・・」

とか思っちゃうところも、オールナイトイベント帰りの
お約束の空気感って気がします(笑)。

もちろん、ボンヤリ感は翌々日まで消えず。

10年前は、帰って数時間寝ればシャキっとしたのにねえ~。

ええ、寄る年波には勝てないですともさ。
しかし、年をとるという事自体が、私の「生きてきた証」だしねー。

こればっかりは、どーにもなりませんのよ(笑)。

木曜日, 11月 18, 2010

フランス流の「起死回生」

先日、知り合いのオウチの「芋煮会」にお邪魔した。
なんというか、心があったまる味だった。

・・・・東京生まれ、東京育ちで両親も東京出身の私は、
いわゆる「郷土料理」みたいなモノがないんだよ。。

ふるさとのある人って羨ましいな。

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寒くなってきましたねー。
日照時間が短くなると、気分が塞ぎがち(科学的にも立証済み)。

てなわけで、せめて賑やかな映画で。

「オーケストラ」
監督: ラデュ・ミヘイレアニュ

フランスの映画ですが、主な舞台はロシア。

 # 共産主義全盛期のロシアで、天才指揮者がユダヤ人の楽団員を
 # かばったためにボリショイ楽団を解雇。劇場の清掃員として30年の日々を過ごす。
 # ある日、楽団の理事の部屋を清掃中、パリからのオ-ケストラ
 # 招聘依頼のFAXを見つけ、彼はかつての仲間を集めて、自分達が
 # 憧れのパリで「にせボリショイ楽団」として演奏することを思いつき・・・


基本的にはコメディなんですが、そこはフランス。

米国風の「ガッハッハ」という笑いではなく、
エスプリの利いた「ニヤっ」という笑いです。

個人的にはこういう映画、好きだな~。


かつての楽団の仲間達はみんな苦しい生活を強いられているんだけど、
明るく生きている。

自分の気持ちに正直で、苦労してパリに行っても
演奏そっちのけで金儲けしちゃったりして全然ダメな人たちなんだけど(笑)、
その思いの「芯」の部分に揺らぎはない。

あの時代のロシアやヨーロッパの文化や社会情勢、
あとはフランスが諸外国からどんな風に「憧れられていたか」が
分かると、もっと楽しく観れたと思うんだけどね。

それに、コミュニズムって難しいしさー。

ヒトラーやスターリンは論外だけど、共産主義というイデオロギー
自体が悪なわけではないので、その辺りの解釈もしっかり
理解できてないと、本当の意味でのこの映画の深さ・面白さは分からないのかもしれない。

欧米の映画を観ると、「政治」と「宗教」の歴史的知識は、
映画の面白さを理解するためには必須だなーと思ったりします。


物語はとても単純で、最後は、寄せ集めのニセ楽団がパリで
公演を大成功させるという、ある意味お約束のラストなんだけど、
このラストのまとめ方がすごくいいっ!!

物語のもうひとつの軸として、主役の天才指揮者が、
パリの若手バイオリンソリスト、アンヌ=マリー・ジャケとの
共演を熱望し、その背景には、かつてこの二人の間に運命の出来事が
あり・・・・というエピソードがあるんだけど、ラストシーンでは、
言葉でなくて、演奏と、その間に挿入される、その後の楽団の成功の様子を
描いた映像を挟むことで、この二人の間の距離が一気に縮まった様子と、
幸せなラストを予感(あくまで“予感”)させる終わり方になってるんだよね。

なんていうか、ラストにまったく無駄がない。

劇的なオーケストラの演奏終了=ラストなので、
エンドロールが出ると、「ああ~。楽しかったなー」と、
観客がすぐ余韻に浸れるんですよ。

私は映画は(よっぽど嫌いじゃない限り)エンドロールまで観る派なので、
心地よい余韻がポイント高かった。

あと、「イングロリアス・バスターズ」でいい味出してた
メラニー・ロランがとてもいいよ。
全体的に痩せぎすで幸薄そう系なのに、何故か目がいってしまう女優さんです。
ケイト・ブランシェットみたい。


「一度どん底まで落ちた人達の再起のサクセスストーリー」

って、よくあるっちゃーよくあるんだけど、
こういうテーマが観る人に元気を与えるのは間違いないわけで、
それをどう描くかという観点で言えば、私はヨーロッパ的な
感覚が自分に合ってるなと思う。
再起のストーリーでも、どこかに湿っぽさが残るというか(笑)。人間らしい。

クラシック、いいねー。

クラシックは全然分からないけど、
思わず帰ってクラシックに浸りたくなる映画ですヨ。

火曜日, 11月 16, 2010

破線を歩くと、何かが見える(かも?)

今月の「SWITCH」超カッコイイ~!!
夢の(?)親子表紙。買いだ。

人生につまづいた時は、やっぱ 愛 っすか。

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山です。
久々の奥多摩。そして久々の破線コース。
(破線コース=メインルートではない登山道(廃道や悪路など))

---<山行メモ>-----------------------------
※時間はメモってないのでかなりテキトーです。

奥多摩駅 08:45
(林道)
海沢探勝路(海沢三滝)
大岳山 12:30
御岳山 14:30
御岳駅 16:00

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秋の気配もスッカリ下界に降りてきていて、
空気ヒンヤリ、奥多摩の紅葉も最盛期。

どこを歩いても冬を前にした「最後のオシャレ」
を楽しむ木々がいっぱいで、飽きない山登りでした。

そこそこ歯ごたえのある行程だったけど、
破線コースといっても、わりと標識があったりして親切な道。
むしろ登山者が少なくて静かなのでいいかも(朝、奥多摩の駅に
着いた時は、あまりの人ごみにそりゃ~驚いたけども)。

どちらかというと、登山道にアプローチするまでの
最初の1時間以上の車道がクセモノで、今回はココでやられた感じが・・・・(笑)。

今回は、コースの間にかなりの数の滝があって見所満載!
マイナスイオン浴びまくってきました。








個人的には「ねじれの滝」が好きだなー。
自然物につける名前は、「まんま」っていうか直球でイイ。

馬に似てるから「馬の背」とか、
鍋みたいだから「鍋割山」とかね。


ところどころ立ち止まる時間が長かったので
トータルでは長かったけど、コース・メンバーともに
とっても快適な山行でした。

山頂からは遠くに富士山(そして手前には知らないオニーサン)





今回は女3人(山ガール、ではないけど(笑))、おしゃべりしながら
楽しく歩いてるうちになんとなく山頂に着いてしまうという・・・(笑)。なんかラッキー。

御岳から先は登った事のあるコースなんだけど、
記憶はところどころしか残ってない・・・。人間の記憶なんて曖昧だな。

で、御岳神社でこんなの発見!





賽銭箱の左右にあるので、あきらかに狛犬を
意識しているわけなのですが・・・・なにコレ?

犬? 豚? バク?

なんていうか、こういうの大好きです。
職人がテキトーに「もー、こんな感じでよくね?」とか言って
作ったっぽい作品(や、実際はちゃんと作ったんでしょうけども)。

御岳は昨今流行のパワースポットだし、ほぼ山頂まで
ケーブルで来れるので、たくさんの人でにぎわっていました。

奥多摩や丹沢で紅葉を見ると、
ああ、低山の季節だな~。と・・・

そして最近は、いい感じの岩や壁を見ると
ああ、登ってみたいな~。と・・・・(笑)


しばらくは、また身近な山を楽しみたいと思います。

(とか言いながら、ヤマケイの冬山特集はシッカリ
ゲットなんですけれども)。

木曜日, 11月 11, 2010

“絶対に”抜け出せない絶望。

デール・カーネギーの「人を動かす」はビジネスパーソンの必読書だけど、
こないだ取材した方がこの本の話をしてて、私も全く同じところで
納得したので、妙にシンパシーを感じた。

いわく、

 『人は、自分のためにしか動かない。』

・・・ホンマやで(笑)。

-------

えーが。えーが。

「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」
監督:大森立嗣
出演:松田翔太、高良健吾、安藤サクラ

 # 施設で兄弟のように育ったケンタとジュンは、はつり(解体業)の
 # 仕事をしている。劣悪な労働環境、先輩の執拗ないじめ等の中から
 # 抜け出すため、先輩の車をブチ壊して逃亡する二人。そこには、以前
 # ナンパしたブスでおつむの弱いカヨちゃんも付いてきて・・・


嗚呼・・・・ また救いのない映画を観てしまった(苦笑)。
何故か、こういう退廃的な映画ばかり選んでしまうな。。。

日本に限った事ではないけれど、
人生ドン底からスタートしてしまうと、
もうそこから抜け出す事はほとんど不可能なんだよ。

「地道な努力を重ねれば、必ず報われる時が来る」・・・・?
「小さな徳を積んでいれば、誰かが必ず見てくれている」・・・・?
「黒人のスラムからヒーローが生まれるような、アメリカンドリームがある」・・・?


・・・・違うでしょー。そう、思いたいけどさ。
それはあくまで、「そういう環境にいる人」の話。

救いのない人もいるんだよ。何をやっても。
それはもう、絶望的なまでに。

この映画でも、主役の3人が学がない事を描くシーンが
何度も出てくるけど(八戸を「はちど」と読んだり」)
結局は、教育(=学校ではナイ)の問題はとてつもなく大きいんだと思う。

この映画では、ケンタの兄(同じ施設で育ち、傷害事件で網走にいる)が物語的に重要な
意味を持っていて、そういう社会の最底辺にいる人達が向かう先は、

「人生に諦めて廃人になってしまう」
 か、
「壊しても壊しても抜け出せない人生に苛立って、はけ口を“死”に求める」

か・・・・・ なんだよね。はっきり言って2択。

なーんの救いもない。生きるって辛すぎる。


でも・・・・「見ろ!これが現実だ!」という事を、
これでもかと見せ付ける映画でした。

映画という“エンターテイメント”に、夢やロマンを感じたい人は
観ないほうがいい映画だけど、映画としてはとても意味のある作品
だったと思います。邦画らしいといえば、らしい。

ちなみにこの映画、キャストが個人的に結構いいです。

・松田優作の息子
・奥田瑛二の娘
・宮崎あおいの兄
・そして監督は、なんと大森南朋のオニーサン

と、実は「親兄弟の七光り」と言われかねない
俳優がたくさん出てるんですが、それぞれ存在感あったなと思う。

二世俳優は七光りを受けてる分、辛口に評価されちゃうところがあって大変だけど、
やっぱり二世ならではの「血筋」があるからこそ、いい役者になっていくのかな。

「トンビは鷹を生」まないけど、「蛙の子は蛙」なのだなと。


松田翔太は、お兄さんの龍平よりも父親の持ってるあの独特の「狂気」を受け継いでるね。
まー、「白い犬の義父」ができちゃうくらいだから、お父さんよりも洗練されてるけどサ(笑)。

今回、作中にかなり「松田優作を意識した演出」があって、そこはちょっと
作戦すぎて個人的にどーかと思ったんだけど、それは本人というより監督の問題だからなー。

でも、まだまだこれからの監督さんなので、
これからの作品も楽しみです。


てか、安藤サクラさんですよ。

奥田瑛二と安藤和津の間に生まれて、ナゼ・・・・。

や、モノスゴーイ将来性のある役者だと思いましたけどね。
すっかり好きになりましたけどね。
ちゃんとすれば、ちゃんとした娘さんなんですけどね。

でも、ナゼあの容姿。。。

うーむ。
「遺伝子の不思議」を感じずにはいられません(笑)。

水曜日, 11月 10, 2010

「背中で語る」人になるために

とてもデリケートな話だが、尖閣諸島の映像流出問題は、
「世の中が作る“正義”=本当の正義」ではないことを
如実にあらわしていると思うよ。個人的に。

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心から楽しそうな人とか、嬉しそうな人を見ると すごく元気が出るよね。
ウキウキして、こっちまで笑顔になっちゃう。

いつもクールが身上ってのもアリだけど、
私は、その人が感じた喜怒哀楽を素直に表に出す人はステキだと思う
(それはきっと、自分にない才能だからなんだと思うんだけど)。

話をするときだって、愚痴や噂話は時々はストレス解消にはなるけど、
自慢話や、人を揶揄するつまらない冗談で場を盛り上げるくらいなら、
何もしゃべらず、無口でニコニコしている人のほうが何倍も印象がいい。

私も、そんなふうになりたいなー と思う。


そんな私のお手本のような人が、ハッチさんなのだ!

・・・って、ココに着地したかったんですけどね(笑)。

というわけで。
ハッチハッチェルバンド@渋谷ですのよ。

今回はNHKラジオの公開収録ってことで、
無料ライブなんでございますのよ。

久々に大きいホールでハッチさん見たな~。

一緒に酒が飲める距離にいるハッチさんは気さくなオニーサンだけど、
ああいうステージにいるハッチさんはオーラがあるし、なんつーか「部長」みたいだ(笑)。
リーダーであり、プレイヤーであり、自分が一番楽しんでる部長。

ラジオの収録で、これだけのキャパのホールを使うっていうのも
さすがNHKならではだったけど、
ラジオだっつーのに、いつもより気合の入った一張羅を着たメンバーが
やけに面白かった。映像は残らないのに(笑)。

今は全国ツアーの最中なのでかなりお疲れかと思いきや、
全然いつものテンションでMCを飛ばすハッチさん。
通風なのに、それすらも楽しむハッチさん。

「カッコいい」という定義は人によってまったく違うけれど、
ハッチさんの生き方は、まさに私の考える「カッコイイ」。


ハッチハッチェルの「綱渡りの歌」って歌に、

  人生は 綱渡りの旅 終わりまで楽しも~う

ってフレーズがあるけど、まさにアレを地でいってる人なんだよな~。
安全な太い道を歩く旅は、安定はしてても「楽しくは」ないんだよね。

私は20代の頃って歌詞の入った曲に思い入れがなかったので、
最近改めて「歌詞」について考えてみたりもして。

「来年は隣に並んでくださいよ」と、しきりに言ってたハッチさんですが
(=今回のライブ会場はNHKホールの隣なんですわ)、
遠からず、本当にそんなビッグアーティストになる日がやってくるのかもね。

「ご近所的距離感」がなくなってしまうのはファンにはちょっとサビシイけど、
そんなふうに、MCはオッサンのボヤキ節なのに(笑)常に前に進んでるって
すごいと思う。


・・・人が、人に与える影響はほんのわずかだけど、
人が人に影響を与える時は、「言葉ではない“何か”」を
媒介としていることが多い。

音楽だったり絵だったり・・・っていうのは分かりやすいけど、
そういうモノがない人だって、普段のちょっとした態度から、
無意識に相手に何らかのメッセージを与えてると思う。

それは、例えば「こんな話したら“かっこいい”と思われるだろう」とか、
「こういう服を着たら“カワイイと思われる”はず」みたいに、
本人の意図する(希望する)方向とはまったく別の次元で。


薄っぺらな人が口にする仰々しい格言より、
無口な人のさりげない行動のほうがハッとさせられ、大きな影響を受ける。

そんな、いわゆる「背中で語れる人」を、
私も目指し続けていきたい。


*ステージの写真を撮りたかった!・・が、当然撮影NG。
 しかしライブビートのロゴは吉田戦車。・・・NHKって、この10年ですごい変わったよね。
 昔から、本多勝一に影響されてNHKに対してなんとなく不信感があるわけなんだが、
 経営体制と番組作りとは別問題なのだな~ と改めて思ったりする。

金曜日, 11月 05, 2010

「分かって欲しい」は、4大欲求。

「~じゃないですかー」っていう言い回しって返答に困る。

自分と同世代の人に「この年になると、人付き合いも減るじゃないですかー」とか、
女性に「そういうのって女はすごく傷付くじゃないですかー」って言われても、
「いや・・・・私は別に。。。」とは、ナカナカ言いづらい。

感覚的なものって多数派・少数派はあっても、
絶対的な指標はあり得ないからサ。

究極キビシイのは「私って○○な人じゃないですかー」ってヤツ。

・・・そんなん知らんがなっ!
私は自分の事ですらよく分かってないんだから(笑)。

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知り合いのバンド仲間の繋がりで、
あるWebサイトを少しお手伝いしている。

『エプスタインズ』


音楽系の人を中心に、映像、文章などの
クリエイターが集まって制作しているサイトで、
一応通販サイトという事になっているんだけど、
中心になってるのは読み物・・なんじゃないかと。

なんだか不思議なサイトなんですわ。これが。

これまで幾度となく、友達のサイト作成や広告作成を
仕事と関係ないところでお手伝いしてきたけど、
今回のように、利益とかそういうのを超えたところで
リーダー(?)の赴くままに作ってるサイトを手伝うのは初めてかも。


昔から、仕事柄カメラマンやイラストレーターなど
俗に「クリエイター」と呼ばれる人たちが周りに多いので、
そういう人たちと一緒にいると、なんていうか、自分が“なじんでる”感じがする。

なんでなんだろーなー と思うんだけど、
結局は、そーいう世界の人達っていろんな意味で「他人がどうでもいい」
と思ってるからなんだと思う。

だからこっちも過度に気を遣うこともなければ、
自分の考えを押し付けたり、逆に自分を抑制しすぎたりすることもナイ。


大体クリエイターって(特に私の周辺のクリエイター)、
金持ちはまずいないし(笑)、世の中的にはわりと付き合いづらいタイプの
人も決して少なくない。

でも、それは自分のエゴを押し出してるからじゃなくて、
自分なりの確固たる思想や表現を持っていて、
その「絶対に譲れない部分」が目立つからなんじゃないかな。


私はいわゆる「オレが、オレが」っていうタイプの男の人が好きじゃないけど、
クリエイタータイプの人は、自己主張はしても、
それは「オレがオレが」っていうのとはちょっと違うんだよね。

もちろん、彼らは世の中に「作品が」どう見られるかは気になるんだろうけど、
「自分が」どう見られるかにはあまり興味がない人が多いかな。
または、「こう見られたい自分」が他人と大きくずれてるか(笑)。
だから、日常のちょっとしたツマンナイ自慢話で自己主張する必要がないんだよ。

実際私自身も、そういう人達のことは、言葉の説明ではなくて
日頃の行いとか「作品から出る意味」から理解しようとするしね。

もちろん、私だって「自分を分かって欲しい」という欲求はあるけど、
結局、人間の核になる部分を言葉で説明するのなんて、本当に難易度が高い
・・・というより不可能だしねー。

一応物を書いたりする仕事もやってる人が、
こういう事を言うのもアレなんですけどね(笑)。


他人の事を理解するためには、
豊富な知識、多角的な経験、そして膨大な時間が必要で、
しかもきっと100%の理解は永遠にない。

だからこそ私は、どんな人とでも「理解しあう努力」ができるよう、
いろんな経験と知識を身に付けたいんだな~ と思う。


 「愛情」の反対は、“憎しみ”ではなく“無関心”だ。

って言葉があるけど、少なくとも人に対し、
「無関心」にだけはならないように努力したい。


・・・ま、そーやって考えてると、腹の立つヤツがいた時も、
「まだ腹が立ってるだけ、愛があるかも」と、自分に言い訳できるしさ(笑)。

月曜日, 11月 01, 2010

与太郎はバカではない。に賛成です。

週末の登山はさすがに雨天中止。
実は、山行が雨天中止になったのはこれが今シーズン初めて。
私の運ももはやココマデか・・・。

宿坊に泊まる「修行登山」、
煩悩丸出しの私はすごく楽しみにしてたのにな~。

------

先週末、出張後に新幹線を降りたら19時30分すぎ!
こりゃ~間に合うかも。場所も八重洲だし。

・・・ってことで、諦めていた志の吉君独演会へ滑り込みセーフ。


立川志の吉八重洲独演会<その23>
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前座 ※遅刻につき名前分からず。噺も知らないヤツだったな・・・
志の吉 牛ほめ
 --- 仲入り ---
志の吉 五人廻し
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「牛ほめ」はわりと軽い噺で、
志の吉君も高座でよくやるのでリラックスした感じ。

 # バカの与太郎が、叔父の新築した家を褒めればお小遣いを
 # もらえるかもと聞いて、父親から褒め方の口上を教わる。
 # しかし、そこは与太郎。叔父にとんちんかんな事ばかり言って・・・


自分でも言ってたけど、彼は与太郎噺が上手なんですよ。
私も志の吉君の与太郎噺、好きです。

落語の世界ではもっとも偏差値が低い(笑)登場人物といわれてる
バカの与太郎ですが、落語の舞台となる江戸では
バカはバカなりに役割を与えられていて、与太郎は時に凡人には考えつかない
ような斬新な行動に出て、周囲の人を感心させたりもするんだよね。

ご存知家元・立川談志は、「与太郎はバカではない」という理念をもっている。
ナルホド納得。現代で言えば、自閉症やLDの子供達が、あるジャンルで
天才的な能力を発揮することがあるけど、それと同じ事を談志師は与太郎に感じるのかも。

現代社会では、確かに弱者やマイノリティーに対する差別に関して
とても神経が使われていて、公共の新聞やテレビで差別的な言葉や
発言が出ることはまずないけど、一方、そういう差別は人間の心の中には
ずっとくすぶっているわけだ。

江戸時代には、バカな与太郎は周りから「バカだ、ダメだ」と
罵倒されまくるわけだけど、社会の中に与太郎のようなダメな子を
受け入れる場所とシステムがちゃんと存在していたし、
世の中も、本人に悪態をつきながらもそういう人を決して見捨てなかった。

現代社会は、表面的にはやさしいかもしれないけれど、
本当の意味での「優しさ」ではないよな・・・・ と、与太郎噺を聴くといつも思います。


で。
2本目は「五人廻し」。

先週錦糸町でネタ下ろしして以来、シツコイくらいに(笑)
高座にかけてるんだと思う。

やるたびに課題が見つかって、やるたびに上手くなる・・・
きっと今はそういう時期なんだと思うなー。

本人いわく「これまで避けてきた廓(くるわ)噺に
そろそろ挑戦しなくちゃ」ということでしたが、
いえいえ、とっても聴きごたえありましたよ。

志の吉君は、落語界では超がつくほど「真面目派」
なんだと思うけど、マ、男子である以上、

『エロ』

は、時代や世代を超えて共通かつ永遠のテーマですから(笑)。


早く次のネタおろししないかな~。楽しみ楽しみ。
(ひとつの噺を上げるのにどんだけ時間かかるんだって話だよ。
 ま、聴いてるほうは勝手なことを言うもんです)

木曜日, 10月 28, 2010

今日は、お酒について学んでみよう。

グルーポン系サイトが、飲食から
エステとかのビューティ系に走り出した。

うーむ・・・・・クーポン系サイト衰退の兆候か。。

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多い時期には週3~4回、今でも最低週1回は外で飲んでるわけだし、
家でもちょっとビール・・・くらいはしょっちゅうだから
生涯飲量はかなりの量になるわけだけど、
口にするアルコールって意外と限られているモンです。

ビール、ワイン、焼酎、日本酒・・・。
せいぜいお土産の泡盛といったところ。

国内ではほとんど手に入らないレアなアルコールは別として、
ウイスキーなどの洋酒は、昨今ハイボール人気で多少口にすることが
ある程度で、私はほとんど縁がナイといってよい。

・・・こりゃイカン!(や。別にいけなくはないんだけど)

というわけで、友達に誘われて、
ニッカが主催するウヰスキーに親しむイベントに行ってまいりました。

「ブレンダーズバー」
マイブレンドウイスキーづくりに挑戦


だいたいわたくし、恥ずかしながら今回聞くまで
ウイスキーの原料が何かもよく知りませんでした。

会場のバーはニッカの直営店で、普段はごく普通のバーとして
営業しているところ。そこで、ニッカの販売促進イベントとして
定期的にウイスキーに関するレクチャーを行っているわけです。

以下、ウイスキー好きには当たり前(らしい)の知識・・・


○ウイスキーは、麦を燻して抽出した液体を、
 じっくりじっくり醸造し、高い度数のアルコールに仕上げる

○ウイスキーの原酒は実は無色透明、
 あの独特の香りと琥珀色は、樽から染み出してくるんだって

○一度の蒸留行程で作ったまじりっけのない大麦麦芽のウイスキーを
 「ピュアモルト」というんだけど、実際に販売されているのは、
 口当たりがよく、品質の安定供給ができるブレンデッドウイスキー
 (モルトと、他の穀類が混ざったグレーンを混ぜる)が主流なんだとか。

○ちなみにニッカには、北海道の余市と宮城の宮城峡の
 ふたつの蒸留所があり、それぞれ製法も味も違う。


今回は、ニッカのブレンデッドウヰスキーを作る際に
メインで使われている6種類のモルトを使って、
「自分だけのオリジナルレシピのウイスキーを作ろう」っていう趣旨なんだけど、
この味オンチの私でも、6種類のモルトの違いはなんとなく分かった。

60度以上のアルコールなので、まーほとんど「アルコール味」なんだけど(笑)、
海の近くである余市で蒸留されたモルトは、潮の香りがしてビックリ!

もちろん詰められた樽によっても味も香りもまったく違うし、醸造される場所でも違う。
そういう繊細な飲み物なんだね~。ウヰスキーって。

配合が1%違えばまったく違う味と香りになるので
ブレンダーの力量が問われる飲み物だそうで、
ニッカのウヰスキーファンの中にも、「2代目のブレンダー○○さんが一番好きだ」
なんて感じで、ブレンダーごとにファンがいたりするんだそうだ。

コレクター癖、アカデミック癖がある男の世界だ~。

あたしは美味しきゃなんでもいいもん(笑)。


ちなみに私が自分でブレンドしたウイスキーは、
どうも口当たりが辛口で、自分で作っておいてナンですがイマイチだった・・・・(苦笑)。

最後は自分でブレンドしたウヰスキーを飲みながらのフリータイム。
法律の関係で作ったウイスキーは持って帰れないとの事で、
そりゃ大変!と、その場で片付ける事2時間
(もちろんレクチャータイムはとっくに終わっている)。

水分量としてはいつもの飲み会の数十分の1ですが、
そりゃ~ま~ したたかに酔っ払わせていただいたわけですよ(笑)。

マ、そこまでいっちゃうと、例のごとく
「どーせ酔っ払ったら味なんて分からないじゃん!」って話になるんですけども。


*ブレンド体験用の6種類のモルト。
 スポイトを使って、メスシリンダーで測って
 フラスコで混ぜるのだ! ザッツ・理科!!

月曜日, 10月 25, 2010

山の想い出の残し方

こないだ初めてスカイツリーを真下から見た。
タワーより、押上の交差点周辺がほとんど変わってないことに衝撃。

周りには商業施設が続々と建設されてたけど・・・
できればあのまま、ションボリな商店街の感じを維持して欲しいよ(笑)。

------
八ヶ岳へ行ってきました。

今回は、ピークハントが目的ではありません。

知り合いのスケッチ教室に通う方たちと、
天狗岳の中腹にあるしらびそ小屋までの2時間の「スケッチ登山」。

私の母世代の方とか、普段運動をしてない方も複数いたので、
コースタイムを2~3割増しにしてノンビリ歩きです。

登山を始めてしばらくたった頃、とにかく自分の力試しをするために
スピード重視の登山を何度もしたけど、心に残る山行はスピードや
山の知名度・難易度だけでは決してないと実感してからが、
本当の私の「登山歴」のスタートなんじゃないかナと思う。

もちろん力の限界に挑む山登りも好きだけど、
ただただ、いろんな人と山に出かけ、自然と対話することはとても楽しい。
そういえばスキーに熱中してた20代、なかなかレベルが上がらずに
壁にぶつかった時にそんなことを感じたな~ と思い出した。

山では既に紅葉は終盤。
山全体が染まるような紅葉ではないんだけど、
時々真っ赤になった木々が顔を出して楽しませてくれます。

恐竜みたいなこんな倒木も!





自然の造形ってオモシロイな~。


初日は2時間半ほどでしらびそ小屋に着。
通年営業の素朴な山小屋です。

小屋のすぐ横にあるみどり池は、
山の池によくある「池? 水溜り?」くらいの
ささやかな池ですが(笑)、小屋の番犬、14歳のキチ君が
たそがれていました。哀愁のある背中だ。





すっかり日暮れが早くなった昨今、
山ではさらに寒さも増してきていました。
初日はストーブの近くでお酒を飲みながら談笑。
山の夜は静かに更けていきます・・。


翌日は薄曇。

せっかくのスケッチ登山、私も絵を描こうか迷ったんですが、
まあ才能もないので(笑)、今回は2班に分かれ
小屋周辺でのスケッチ組とは別に私は一番近いピーク「中山」目指してピストン。

中山は、もちろん八ヶ岳の中ではマイナーな山。
山頂には標識もありません。

でも、逆にこういうマイナーな山に登るチャンスってあまりないので、
逆にかなり嬉しかった。
しかも空荷で、一緒に登った人が大学から登山をするベテランだったのでな、
結構な急坂だったけどコースタイムのほぼ半分で到着。ビバ、空荷!

ピークのすぐ先の展望台からは、以前天狗に登った時のような
アルプスを一望できる景色が広がっていて、これを見ると本当に
「ああ・・・・。登って良かったー!!」とシミジミ思うわけです。
山に夢中になる瞬間だよね。





計2時間強の山行を終えて宿に戻ると、
既にスケッチ組は色付けまで終わってました。








すごいすごい!!

これだけの時間でこんな作品が描けるなんて!
なんてウラヤマシイんだ。。。

・・・・絵が上手な人って、見たものをそのままには描いてないよね。
必要なところを上手に強調して、逆に不要な部分は思い切って省略する。
時には見えていない色や要素も加えて、
全体のバランスをうまーく整えていくんだよね。

これって、人間関係でも通じることかも。

相手のマイナス要素ばかりを突いたり、
自分が丸裸になるほど自然体で接するんじゃなくて、
互いが心地よい距離を保ちながら、自分も相手も、不要なところは目をつぶり、
互いに一番良く見えるような適度な飾りつけはしたほうがいいのじゃないかと。

ちなみに私は絵を描くと、なんでもかんでもギューギューと
書き込もうとする癖があります。絵に性格が出てる(笑)。

・・・こうやって短い時間でササっと絵を仕上げる才能があれば、
どこに行っても、自分だけの「オリジナルな想い出」を残せて
本当にいいなーと 感心しました。

この日お誕生日の人がいたので、
持ってきてもらったケーキと小屋のコーヒーで
ハッピーバースデー。

こういうプチイベントもすっごい楽しい!


・・・なんだかんだ言って、こんな風におだやかに過ぎていく時間が
本当に素敵だと思えるようになったのはここ数年。
それまでは、休日なんて、前日朝まで遊び歩いた休息時間でしかなかったし、
自己主張してナンボ、人に認められてナンボという部分がどこかにあったような気がする。


年取ったなー(笑)と思うと同時に、
今の自分が、30数年生きてきて一番スキかも。

もちろん時には腹を立てたり、自分が大嫌いになったりは今でもするけど、
それも含めた「私(わたし)生活」を「OK!」と思えるようになりました。

ダテに年を取ってないね(笑)。


来週も山登り。
天気予報はイマイチだけど、なんとか晴れてくれるとイイナ~。

金曜日, 10月 22, 2010

小さなチャレンジの積み重ね

先週から親指の爪周辺が化膿し、
先日、痛み限界で病院に行く。

おかげで痛みはほぼ引いたものの、
親指から得体の知れない水分が出続けてます。

ちょっとスプラッター。

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続きますが、落語です。

来週の独演会にどうしても都合が付かないので、
「月イチ志の吉」の個人ノルマを達成すべく(笑)。


【ぶらぶら寄席 @錦糸町】
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立川志の八  高砂や
立川志の吉  五人廻し
  --- 仲入 ---
立川志の吉  寿限無
立川志の八  宿屋の仇討
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久々にイロモノなし、新作なしの高座で、なんかホっとした~(笑)。
ある意味これが「落語の王道」。

志の八君は志の吉君の弟弟子(つまり志の輔の二番弟子)で、
昨年二つ目になったばかり。
私と同い年なんだよね。なのに落語の世界では超ヒヨッコ。すごい世界だ。

去年か一昨年かに見た時は、正直どうしよーかと思うくらい
イマイチな前座さんだったんですが(笑)、すごい上手くなってて驚きました。

もともと声がイイ人なので、上手くなってくると聴き応えがある。
最後の「宿屋の仇討」なんて、間の取り方とか絶妙で聴き入っちゃったものー。
今回は2本とも、熊さん八っつあん的な人とかお侍さんとか、
ザ・江戸の男みたいな感じのキャラが出る噺だったので、子供だとか女将さんだとか、
登場人物にバリエーションがある話もぜひ聴いてみたい。 今後が楽しみ!


で。志の吉君。
今回はやっぱ「五人廻し」が良かったなー。

ネタ下ろし! 超ラッキ~。


さすがに最近は「聴いたことない噺」に出会う事は少ないけど、
この噺は、高座で聞いたのは数回しかないかも。

 # 関東の遊郭にある「廻し」という習慣。人気の遊女が、
 # 一晩に複数の客をとって部屋でお客を待たせるという制度だが、
 # 今の風俗のようにお客ありきでなく、遊女もお客を選べた時代なので、
 # 中には一晩中待ちぼうけを食わされて、太夫(男性従業員)に文句を言う
 # 客も少なくない。
 # そんな中、人気の遊女・喜瀬川に待ちぼうけを食らわされている5人の客が
 # 次々に文句を言ってきて・・・・


落語をよく聴く人というのは、マクラの部分で
この後なんの噺を始めるのかが凡そ想像つくんだけど、
今回吉原の話をし出した時は、「おおーー!」と思った。

私、廓噺って好きなんだー。
男と女の絶妙な駆け引き。
スマートにカッコつけたい男のトホホな姿と、惚れたフリして男を騙す遊女のゲーム。
でも時には「紺屋高尾」みたいに、純粋な心を持った遊女もいたりして・・。

しかし、個人的に、廓(くるわ)噺や、呑み助の出る噺が苦手だと感じる志の吉君。
心の底から「イイ人」さがにじみ出てる志の吉君には、
遊女の噺は共感できないというか、やっぱり大変なんだろうね~(笑)。

それでも、あえてそのジャンルに果敢にチャレンジする姿勢は
本当にすばらしいと思う。応援のしがいがあるよ。


しかし!
今回の「五人廻し」はよかったよ~~。

この噺の聴き所は、待ちぼうけを食わされて腹を立てた客達が、
ただ怒鳴るのではなくて、様々なタイプのクレームをつけて
お金を返してもらおうとするところなんだけど、
そのお客ひとりひとりの個性が存分に出てたと思う。

これまで独演会では彼のネタ下ろしをたくさん聴いたけど、
実は今回が一番、もしくは「千両みかん」に次いで良かったんじゃなかろーかと。

覚えたばかりの噺は頻繁に高座にかけるだろうから、
たぶん来週の独演会でもやるような気がします。

行けなくてつくづく残念だ。。。

やっぱり人は、日々の小さな事の積み重ねで、
いくつになっても無限に成長してゆけるのだな。

水曜日, 10月 20, 2010

こぶ平に学ぶ、「王道に近道なし」。

月イチの「仁鍼堂」
もうすぐ1年になるけど、月1回でも体質の変化を確実に感じます。
劇的な変化はなくても、風邪やアレルギーへの耐性はかなり上がった。

なんでもそうだけど、じっくり・しっかりと時間をかけて
コツコツと構築したものは、長持ちするし、強いなと思う。

“ホンモノ”に近道なんて、ないね。

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自分で選ぶ時は決してチョイスしない落語会に、
母親のお誘いで行ってきました。


【しんきん寄席 @曳舟】
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林家たこ平  「厄払い」
林家しゅう平 「宝塚パロディー(?)」
 ---仲入---
林家英平    ※マジック
林家正蔵   「悋気の独楽」
------------------------------------


噺家の側から言うと、いわゆる「営業興行」ってヤツです。
地元の信用金庫組合が合同で、普段懇意にしていただいている
お客様をご招待する・・・っていうやつですね。

下町の中小企業っていうのはわりと信金との関係が強いところが多いけど、
私の実家も商売をやってるので、ご多分に漏れず
信金には「いいお客さん」てワケで、その絡みでのご招待です。


今回、やっぱりお客さんのお目当ては正蔵でしょうね。

逆に言うと、それより前の3人は、
個人的にはちょっと「うううううう~~~ん」。

ミュージカルさながらの歌やマジックは、あまり落語とは言えず、
普段落語に親しみのない人はいいのかもしれないけど、私的には若干消化不良。


そんなわけで、正蔵ですよ。

正蔵は、ご存知 元「こぶ平」。
こぶ平といえば、爆笑王・林家三平の息子ってことで
海老名家の長男として、若い頃からTVに出てましたよね。

でも落語の世界では、若くして落語をおろそかにして
映像メディアに露出したこぶ平は、どちらかというとキワモノ扱い。

関西のお笑い系噺家(さんまや鶴瓶など)同様、
真摯に噺に取り組むことはないだろうなと思っていました。

でも10年前くらいから、テレビへの露出を一気に減らし、
かなり噺家としての修行を積んでこられたみたいです。


落語の世界では「正蔵」という名前は大名跡。
それこそ、お父さんの「三平」に比べると格違い。

・・・私は、どちらかというと「こぶ平」時代の芸が荒れたイメージが強いので、
彼が正蔵を襲名したときは、正直「えー!そりゃないだろ!」と思いました。
(余談ですが、ドラマ「タイガー&ドラゴン」の阿部サダヲ演じるダメ息子は、
 明らかにこぶ平がモデルですよ・・・ね?(笑))


でも・・・・今回、噺を聴いてイメージが変わりました。

うまいんですよ。ちゃんと。10年きっちり修行したんだろうなー。
前の3人で物足りない気分だったのでその影響もあるのかもしれませんが、
それを差し引いてもちゃんと上手い。

演目の「悋気の独楽」は、

 # お妾さんの元へ嬉々として通う旦那に嫉妬した女将さんが、
 # 小僧に旦那の後をつけさせ、様子を探らせると・・・・

というお話なんですが、女将さん・若いお妾さん・旦那・小僧と、
年齢もタイプもまったく異なるキャラクターが出てくるのでわりと難しい噺だと思います。

こぶ平・・もとい、正蔵のような人は、どうしても
女性キャラの“らしさ”が出ずに苦労する傾向がありますが、
意外にも違和感なかった。
ま、色気ムンムンのお妾さんに比べれば、
嫉妬に燃える女将さんのほうが板についてたけどね。

ま、最近は男性のほうが嫉妬心は強かったりもするので、
このお話も、男女が逆転してもリアルかもしれないね(笑)。


噺家はまったく生きる世界の違う人だけど、
人の成長を見るのって楽しいし、何より刺激になるね。

こぶ平時代のメディア露出も決して無駄ではなかった。
あれがあるからこそ、芸の深みが増すのかもしれない。

何をするにも「始めるのには遅すぎる」なんてことはないんだなー。

私もガンバロ!


*こぶ平時代から比べるとだいぶ痩せてた。

月曜日, 10月 18, 2010

「完璧なバカ」をやる。

超久々にナンパされました。
しかも、50~60代の人に(笑)。

バイクで信号待ちしてたらタクシーが横付けしてきて、
窓から運ちゃんが「おねーさん、今度一緒にツーリング行こうよ!」って。

その時家からかなり遠くを走っていたので、ほんの1分程話して
「そりゃ家が遠いな~」なんて事になって終わりでしたが、
去り際に「気を付けてー」「運転手さんも~」なんて挨拶しあったりして。

ナンパ自体が久々でしたが、こんなにホノボノした
ハートフルなナンパは生まれて初めてだよ(笑)。

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悲劇は突然訪れるものですが、
ラッキーも突然舞い込むものなんですYO!

というわけで、ケガをして行けなくなってしまった
お友達の代打という事で、急にお芝居に誘われました。


「鋼鉄番長」
劇団 新☆感線






 # アイドル 沢々尻モニカ の誘拐は、とある学園が仕組んだものだった!
 # モニカの追っかけ兼ストーカーで、超自業自得でサイボーグになった不良男、
 # 兜剛鉄(橋本じゅん)が、陰謀を暴くため学園に乗り込んだ・・・


超~~嬉しスっっ!!

新感線、実はこれが2回目です。
古田新太が客演するお芝居を結構観るので、
スッカリ観たことある気になってたんですが。。

しかも、正規ルートのチケットだけど
週末で前から7列目って!!どうなのよ!このラッキー!

役者さんの飛び散る汗や息遣いがマイクを通さずとも聞こえる距離なので、
「これぞ芝居」の空気を堪能させて頂きました。
(※今回主役で出番の多い橋本じゅんさんの、荒い息遣いもバッチリでしたわよ。
 りりかちゃん、ウラヤマしかろ~( ̄ー ̄) )


今回は、新感線お得意のいわゆる「ネタもの」ってやつで、
ストーリーはわりとどうでもよくで、まあ要は「ドタバタ」です。

新感線って、劇団としてお芝居をやるより
ひとりひとりがいろんな場所でソロで活躍しているイメージがあるんだけど、
今回は新感線の主要な役者が総動員。

そりゃー 楽しくないわけないっしょ!(笑)


今回は舞台が学園モノで、どっちかっていうと年代の設定が「昭和」
っていうか、80年代。なので、もうズバリストライクな笑いが出るわ出るわ。

今回客演の坂井真紀は、スケバン刑事の明らかなパロディー、
田辺誠二はマッチの明らかなパロディで、
当時をリアルに知っている世代にとっては、思わず目をそむけたくなる(?)
ようなシーン満載です。

細かい部分でも小ネタの仕込み満載で、
そういうところの「笑いのツボ」って人によって違うから、
生徒会長・天王寺扮する古田新太が、あるシーンで去り際に

「よろしくメカドック!」

って言ったのが、私、おかしくておかしくて仕方なくて、
そんなに笑うトコじゃないのに、ずっ~とジャブのように
効き続けておりました(笑)。


今回は席が近かったので、私的に赤マルな吉田メタル氏の
ナイスバディも堪能。

私の大好きな

「プロとして、本気で、完璧に、バカをやる」

という事に徹底していて、
もちろん爆笑モノなんですが、歌やダンスのシーンではそれまでの
苛烈な稽古を思わせる完璧さで、なんだか思わず「ジーン」としてしまいました(笑)。


「とにかく頭の中カラっぽにして、涙出るほど笑ってってよ!」

っていう脚本・演出のメッセージが強く感じられる、
良質のエンターテイメントでした。


お芝居って、人気の劇団は(主に経済的事情で(笑))なかなか足を運べないけど、
一度観ると、やっぱりまた行きたくなっちゃうね~。


ケガしたお友達にはとても申し訳ないのですが・・・
誘ってくださったHさん、本当にあざーっす!


*帰り路、信州フェアやってた。客引きは変なりんごキャラ(笑)。
 蕎麦打ち実演のブースは、蕎麦粉が舞い飛び、
 個人的にかなりデンジャーゾーンです。

金曜日, 10月 15, 2010

過酷な現実に現れた“プレシャス(宝物)”

前に友達の家に遊びに行った時に、
トイレに貼ってあった百人一首の一句

「田子の浦に うち出でてみれば・・・・」

が、ナゼ「田子の浦ゆ」ではないのかが
気になって気になって、かれこれ1ヶ月以上気になっている次第。

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なんか久々かもね。映画。
秋だし、映画観よーっと。もっと。

「プレシャス」
監督:リー・ダニエルズ


 # 母親の虐待、父親の性的虐待、中学生で実父の子を出産、学校からは退学処分・・
 # ハーレムで不遇の人生を送る16歳のプレシャスが、
 # フリースクールで読み書きを学び始めたことをきっかけに
 # 人生の新しいステージへと進んでいく・・・


期待していたものとはちょっと違った。

これ、アメリカの映画なんですけどね。

なんていうか・・・・、こういう映画って、
日本人には結構難易度高いんだと思う。

社会の中である意味「暗黙の了解」として存在する
差別や貧困の土壌が、日本とアメリカではあまりに違いすぎるんだよね。

ハーレムの今も続く黒人の過酷な生活の現実、
主人公プレシャスが両親から受ける過激な虐待、
プレシャスの体型(あそこまで太るのは、日本人には至難の技でしょう)、
中学生で妊娠しても中絶しないという事実(これは、経済的な問題に加え
宗教的なものも大きいのだと思う)

・・・・変な表現なんだけど、そういうベースの部分があまりに
“カッ飛び過ぎて”いて、どーも琴線に触れてこないというか。


余談だけど、私はジャズボーカルをやっていて、
当然ジャズはブラックミュージックなわけだけど、
Summer timeとか、日本人には死んでも歌えないなー とか思うわけですよ。

それと同じような、「・・・・や。無理」って感じを、この映画にも感じた。
実際、アメリカの人たちはこの映画をどう観たのかしら?(特に黒人の人) 興味あります。


この映画も、アメリカらしく最後はわりと決着をつけるエンディングになってて、
壮絶な人生のプレシャスにも手を差し伸べてくれる人がいて、話の終盤には
自分に手を上げる母親もまた、苦しい精神状態にあるひとりの人間であることを
知ったプレシャスが、「本当の愛を知る」・・・という感じで終わるんだ。

でも・・・・なんていうか、すっごい消化不良なんだよ。

プレシャスは、実父の子供を2人産んでいて、
最終的には母親とも絶縁。

精神的には大きくステップアップしたわけだけど、
「で、どうなるの?」的な感じで、すごくザラっとした不安感が残る。

アメリカの映画として、なんとしてでもラストを
強引に「心温まるラスト」として作り上げた・・・という感が否めない。

・・・いいとか悪いとかっていう評価ではないところで観ると、
さすがアメリカ、飽きさせない演出が随所にあって
映画として完成してるなー とは思うんだけど、
個人的にはとにかく最後まで、「あれ? あれ? あれれ・・・?」っていう、
チョイずれ感を持ちながらの2時間でした。


重い社会問題や政治をテーマにしたアメリカの映画は、
結構見方が難しいね。。。

欧州の映画のほうが、ダメなものは徹底的にダメなまま、
「救いようない~~~」って感じのまま終わったりするので、
正直私はそっちのほうがしっくり来る。


だって、現実の社会ってそうだからね。

頑張った人には、ちゃんと結果が付いてくる・・・・わけじゃないのが現実。
頑張ったって、ドラマも、感動も、ご褒美も、なーんにもない時はいくらでもある。

だけど私は、「そういうものだ」と思っているし、
だからこそ人生には、2つ目・3つ目のチョイスがあっていいのだと思うし。

アメリカとヨーロッパでは、映画に求めるものが
根本から違うんだなーって改めて感じました。


・・・こういう映画を観ると、私は「セカチュウ」ノリのお涙確定映画が嫌いだけど、
映画というのは色々な種類のものを観ておいたほうがいいなと思ったりもするね。

なんであれ、本や映画から「作者の感性を受け取る作業」は
それだけで楽しかったり、学べたりするね。

木曜日, 10月 14, 2010

「変わらない芯」を持ち続けることは、いいことか。

次号のヤマケイは「脱・メジャーコース登山」。
脱、したーい! 買いだな。

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なんだ?忙しい。
連休明けから。

・・・まあ、10月で期変わりで大きな人事異動があって、
今までの2/3くらいの人数でこれまでと同じ事をやれ
って状況になっているので、バタバタするに決まってるんだけど。

でも私は、粛々と仕事するだけなんだけどねー。
仕事に情熱ないって罪だな。
いちいち腹立てないで済むので健康的ではあるけど。

10年前の自分が今の私の隣にいたら激怒されそうだ(笑)。
それくらい違うもん。別人。

ま。それはいいとして・・・。

****
週末にまたもハッチハッチェル、ハッチさんのソロライブに。

吉祥寺の喫茶店(決してカフェではない)で定期的に開催される、
大好きなイベント。ハッチさんのライブは、私的パワースポットです(笑)。

今回は「体育の日」だったこともあり、
お店のデコレーションも万国旗。
なんだか回を重ねるごとにデコラティブになっていくわ。

そこでハッチさん、衝撃の告白。

「痛風かも」

キタよーーー!
キングオブビール、40代のハッチさんにもついに痛風の試練が!(笑)

そんなハッチさん、10数年振りに2日間酒を抜いてテレビなんか観てたそうで。

そんなハッチさんが久々に観たテレビに、
ハンダースの話が出て「セツなくなったよー」という話をしてました。

ハンダース・・・・懐かしいな。知ってる?
いわゆるGS全盛期に、若干色モノ扱いで出てたバンド。
もちろん私も現役時代は知らないのだけど、わりと懐メロ番組が好きだから
そういうのではしょっちゅう観た。
そのハンダースのメンバーを追いかけ、「あの人は今」的な番組をやってたらしい。

清水アキラとアパッチケンはまだ芸能界で現役なのだけど、
桜金造は選挙落選後に政治色がついて芸能界の仕事が激減、
アゴ勇は、訪問販売の営業をやっているんだって。

・・・そーいや、ジャニーズで一世を風靡した某グループのメンバーと、
ネット広告会社の営業として会った・・なんて話も知り合いに聞いたな。。

ハッチさんも、前バンド時代は日比谷野音が一杯になったわけだし、
音楽という、言ってしまえば芸能界的な人気稼業で
仕事をしている人間として、思わず切なくなっちゃったのではないか と。


でもさー・・・・。


やっぱり人間て、「なんのために自分はこの世界に生きているのか?」って
ことを、常に確認したい生き物なんだよ。
そしてそれは、時代とか自分の年齢とかでどんどん変わっていくものなのだと思うし、
それでいいと思う。何も一生同じじゃなくていいんだし。そんなの。

そのハンダースの現在をテレビで観た人たちがどう思ったかは分からないけど、
もし私がその番組を見てたら、きっと

「メンバーの中には、ハンダースとしてテレビに出ていた時代より
 今が幸せって人もいるだろうなー」

って思ったんじゃないかなと思う。


結局、人が何を幸せだと思うかなんてみーんな違うものだし
同じ人でも時代によっても違うし、そして、
その幸せは、“絶対に!”誰かが運んでくれるものではなくて、
自分自身で選択し、自分自身で掴み取っていくものなんだよ。

  # たまたま今朝、最近若者に「新型うつ病」が流行ってて、
  # 新型うつ病は別名「未熟型うつ」と呼ばれていて、
  # 会社なんかで「自分は必要とされてない」と思い悩むあまり
  # 出勤できなくなってしまう人が増えてる・・・ という番組を見たんだけど、あんなの論外だと思う。
  # だって、鬱だけど、できないのは仕事だけで、趣味の会には出られるんだって。
  # そこは「自分が必要とされている場所」だから。ナンダソリャ。
  # 鬱がとても苦しい病であることは理解しているけど、
  # なんでも「病気」で済まさないで欲しいよ。
  # 悪いけどそれは「新型うつ」ではなくて単なる甘えでしょ。
  # 誰だって苦しんで、悩んだうえでいまの「強さ」や「耐力」を学習してきたんだから。

おっと。閑話休題。


要は・・・・私がハッチさんの音楽を好きなのは、
そういうある種の「人間臭さ」があふれてるところなんだろうなー。

人間臭くて、多彩。

芸能人然としていて、いさぎよい生活をしている人もカッコイイんだろうけど、
私は、ハッチさんみたいなやり方で人にメッセージを送る人のほうがずっとずっと好きです。

翻って、今の自分はどうなんだろ・・・・?


・・・・うーん。
毎日はとても充実してるけれど、
精神的にはトンネルの中かもしれない。仕事に情熱ないしな(苦笑)。


*ハンダースといえばコレでしょ。
 というか、私はコレしか知らない。

木曜日, 10月 07, 2010

涙のそのわけは。

久々に「ビールだけでしたたかに酔っ払う」という状況になる。
ちょっと嫌な事があってやさぐれていたので、
ほとんど食べ物を口にした記憶がないのに、翌朝までモノすごいお腹いっぱい。
・・・どんだけ飲んだんだって話ですね。

-----

夜、会社のトイレで女の子が泣いていた。

ウチの部の営業課の子だった。

傍らではひとつ年下の後輩が付き添っていた。

私は営業課の人とは私的接点が少ないし、
そもそもウチの会社は営業の平均年齢が20代半ばと猛烈に若いので、
私は普段、一定の距離を置いている。
・・・ま、世代格差といえばそれまでなんだけど(笑)、
どのみち「同じノリ」で仕事はできないので、
そこそこの距離があったほうがお互いにラクなんです。

そんな感じなので、声をかけるべきか迷いつつも、
素通りも変なので特に理由を聞くつもりではなく、

「なんだか分からないけど、気を落とすなよー」

なんて、わざと間の抜けた感じで声をかけてみた。

すると後輩のほうが説明しだした。


要は・・・・・。

私のいる会社は10月が期変わりで、
この時期に年間の営業成績などから表彰が行われる。

その受賞者に、自分ではなく、同じ課の別の人間が
選ばれたという事に彼女は納得がいかないというのだ。

悔し涙だったんだねー。

この賞はほぼ100%営業職のためのもので、
しかも、毎年かなり「天の声」の力が働いて、社長の覚えメデタイなど
純粋な数字と関係がないところでの受賞がポツポツあるので、
個人的にはほとんど関心がなかった。

それでも彼女は、「今年こそは獲れるはずだ」と思っていたそうで、
同じ課の別の人間が受賞したことを受けて、自分の数字をまとめて
上司と担当役員に、ナゼ自分ではないのか!?と直談判したんだそうだ。

・・・・情熱だな~。


何より驚いたのは、件の泣いていた彼女はウチの営業課の中ではとりわけお水系で(笑)、
仕事になるとスイッチが切り替わるタイプではあるけど、
喋り方やお化粧ひとつとっても、「イマドキっぽさ」という意味では部で一番、なタイプの
女の子なんだよね。飲んでる席でも、「専業主婦希望!」なんて普通に言うし。

でもその彼女は、仕事で表彰されずに悔し涙を流すわけだ。。。


私にも確かにそんな時代があった。
私はこれまで、仕事で人前で泣いた事がないのが誇りではあるけど
(女の涙は卑怯だとどこかで思っていた)、
それでも負けず嫌いだから、ひとりトイレで悔し涙を流したことは ある。

でも、特に今の会社に移ってから、
そういう、ピュアというより、ある意味での「野心」を持った
頑張り方をまったくしなくなったと思う。

もちろん仕事はこなしているし、
経験値が上がったという言い方もできるけどさ、
それだけで果たしていいのかな。。。?


それに私、彼女と働いてた2年間でいったい何を見てたんだろう?

てっきり彼女は、いわゆる「腰掛け」で、そのうちお嫁にでもいって
辞めようと思っているのだとばかり思っていたのに。

ホント私、人を見る目ないな。。。
この年になって、部下持つ資格ないよな。


思いがけない人の、思いがけない涙に、
深ーく考えさせられた一日でした。

月曜日, 10月 04, 2010

2度とない、この瞬間。

NHKの新しい朝ドラは尾道が舞台。
尾道といえば、尾美としのり・・という事で出演してます。彼が。
安易だな~(笑)

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ここ1年、朝はすっかりNHKの「おはようニッポン」派なのだが、
今朝、なぜかNHKだけがものすごい映りが悪く、仕方なく民放を観る。

久々に観たけど、民放ってヤカマシイな・・・。
NHKに慣れてしまうと、民放は朝にはちょっとやかまし過ぎ。

食の好みが変わるように、年とともにいろんな思考が変わったりするよね。

音楽に関しても、昔はサイケデリックトランスが好きだったので
「ノイジーであればある程よし!」みたいなところがあったんだけど、
今はよっぽど「テンション上げるぞ!」みたいなモードの時以外は
疲れちゃうもんな~。。


だから。というわけではないのですが、

私的には久々、【ハッチさんライブ@下北沢】 です。

7~9月と外モノの遊びが多くてなかなかライブに行けなかったんだけど、
いよいよ秋になり、音楽と芸術に親しむ季節がやってまいりました!

今回はハッチさんとギターのコーヘイさんの2人編成、
完全アンプラグド。

ニューアルバムが出たばっかりなので、新しいCDからもボチボチ。
バンド編成とはまた違った風情があるダブルギターです。

30人入ればいっぱいの店でのライブは、
もう手を伸ばせば触れる(実際触った(笑))距離に二人が座っての親密さ。

ハッチさんのライブには本当にいつも元気をもらうんだけど、
テンポの速い曲でも、な~んとも言えないナゴみの気分を
味わわせてくれるんだよね。。

今回秀逸だったのが、以前ワンマンでもやった事がある、

 「お客さんからお題をもらって、その場で即興で曲を作る」

という、落語の三題噺みたいな究極のインプロ企画。

当然ながらシンプルなコードが並んだ耳なじみのよい
メロディが多くて、そこにハッチさんが思いつきで歌詞をのっけてくわけ。

これって、相当な量の引き出し持ってないとデキナイからね。
さすがハッチさん。でも、「さすが」って感じを出さずに、
サラっとやっちゃうところが大好きなんだー。

・・・私は江戸っ子だからサ。
自分のすごい面を「オレってすごいすごい」って自らアピールする人、ダメなの。
確かにすごいのかもしれないけど、なんか無粋じゃん。そういうのって。

私は一応、本人が何も言わなくても、
「わ~っ すごいなー」っていう部分があれば気が付けるくらい
人生経験踏んできたつもりだからさ(笑)。
そういう自慢ネタは、10代の女の子と、キャバクラのオネーチャンの前
限定でやっていただきたい。



・・・・おっと。話がそれた。閑話休題。

で。
今回のこの企画の一番最初に出た

「無職」

ってテーマで作った歌がサイコーで、久々に
音楽のイベントで、涙流して笑った~~!!

ハッチさんのスイッチ押し忘れで録音されてませんので、
幻の名曲 ってことになるのかな(笑)。

こういう事があると、
も~~~ホント「これぞライブ!!」っていう嬉しい気分になるんだ。
あの場にいてホント良かった!


当然のことながら、私たちの人生もまた「ライブ」。

2度と同じことがない、その瞬間瞬間を大事にしていきたいよね~。

木曜日, 9月 30, 2010

本当にカッコイイ人はカッコつけない

期変わり(10月)の人事異動がヒドスギ。
人を人とも思わない会社のスタンスに、
「もう付いていけない・・」という気持ちがフツフツと。。

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ちょっと前ですが、件の落語仲間と
定例イベントとして落語に行ってまいりました。

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【民音落語会】
  白鳥  戦え!おばさん部隊
  さん喬 ちりとてちん
  -- 仲入り --
  正楽  紙切り
  円丈  悲しみは埼玉に向けて
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「民音」なんてクラシカルな名前のわりに、
なんだか変わった面子です。

この会は大人数で行く事が多い都合上、
どうしても人気のチケットは取ることができず、
結果として、別に観たいわけじゃーないけど白鳥がよく出る、という・・・(笑)。

今回は、白鳥の師匠・円丈がトリだったので
白鳥の暴走はさほどありませんでしたが。


今回、「行ってよかったー」と思ったのは
やっぱ さん喬 ですね。本当にサスガ!名人芸!

「ちりとてちん(酢豆腐)」は、わりと有名な話なので
落語を知らない人も知っている、いわゆる「知ったかぶり」の人を笑う話です。

 # 食通で、その知識を人にひけらかしては相手をバカにする若旦那。
 # この若旦那にひと泡吹かせてやろうと、とあるご隠居が、カビが生えて
 # とても食べられない豆腐を、南方の珍味「ちりとてちん」として紹介し・・・


この話って本当によくできていて、
「知ったかぶり」っていつの時代にも一定数いるので、
誰が聞いても「あるあるっ!」と、思わず共感しちゃいます。

そしてたいていの人は、自分自身も一度や二度は
「知ったかぶり」をしたことがあるはずなので、
ちょっとコソばゆい気持ちになるんだよね(笑)。


知ったかぶりっていうのは「カッコつけ」のためにする事が多いけど、
この噺を聴いていると、結局は

「知らんもんは知らん」

って言ってしまったほうが、本人も楽だし、大人だし、
カッコよく見えるのだという事が分かったりするんだ。

でもそういう「実直」「素直」「泥臭さ」が、
本当に大人として“カッコいい”という事に気が付くのって
結構時間がかかるんだよね~。
というより、経験値に裏打ちされる部分が多いから、20~30代で
いろんな経験から逃げて来た人は、40になっても50になっても、
いつまでもつまらん「カッコつけ」をしてる人もいるし。


・・・・なんて事を思ってたら、先日とあるビジネスメルマガに、
こんなエピソードが出ていました。


 # 社長の熱い志とビジョンにほれ込み、意気揚々と入社した新人のAさん。
 # しかし、入社後に現実とのギャップに苦しみます。
 # 覇気のない先輩を見て愚痴をこぼすAさんに、あるビジネスコンサルタントが
 # 「ライ麦畑でつかまえて」の一説を引用して諭します。
 # 
 # 『未成熟なるもののしるしとは、大義のために高貴なる死を求めることだ。
 # その一方で、成熟したもののしるしとは、大義のために卑しく生きることを
 # 求めることだ』


・・・ああ~。分かるなー。

若い頃って、自分の志を曲げて「長いものに巻かれる」のは、
どうしようもない妥協と堕落だ、とか思っちゃうんだよね。私もそうだった。

でも現実は、人生って「カッコ悪くてもやり続けなくちゃならない事」の繰り返し。

そういうところで、いわゆる「妥協」ではなくて、
周りに迎合してるように見えても、自分の中の志だけは曲げずに
しなやかに生きてる人が、実は一番カッコいんだよね。

特に日本は、「切腹」みたいなカルチャーがあるから、
何かを貫き通して(精神的な意味で)死を選ぶ事を、
ことさら崇高にとらえるところがあるから・・・。


周りにみっともないと言われよーが、昔と変わったと言われよーが、
「ナンボのもんじゃい!」と思える人でありたい。
言いたいヤツには言わせとけばいいんだよ。どーせそういう人とは友達にならんし。


ま・・・・・例のごとく、落語会の後のこの面子の打ち上げはワインを飲んで全員グダグダ。
今回も一人2本近いワインを飲んでしまいました。そしてバカ話で撃沈。

結局。
打ち上げが一番楽しいわけなんですが、
こーなると、「志」もへったくれもナイような気もするんだけどね(笑)。

月曜日, 9月 27, 2010

アルプスは、100%秋模様。

んもーっ! なんかバタつきすぎ!!忙しすぎ!!
150%会社の問題なので、イラ立ち度MAXだ。。。

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週末、北アルプス・燕岳に行く。
もう今の装備では限界だから、今シーズン最後のアルプスかなー。


<山行メモ> ----------------------------------------------

9/24(金)23:54 ムーンライト信州
9/25(土)04:50 JR穂高着
     05:50 中房温泉着
     06:25 スタート~
     09:30 合戦小屋
     11:10 燕山荘 ⇒ テント設営・昼
     12:30 燕岳山頂
     13:00 北燕岳山頂
     15:00 燕山荘(テント泊)
9/26(日)05:00 起床・朝食・撤収
     06:40 スタート~
     07:15 合戦小屋
     08:30 第二ベンチ
     09:30 中房温泉着
         温泉&ビール
     12:15 毎日アルプス号 新宿行

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夜行電車、初めて乗りました。
バスより座席に余裕があるんだけど、消灯したりはしないから
どっちもどっちかな。でも、旅気分は列車のが盛り上がるかも。

今回は行く前には、土曜日の天気が悪いだろうと
覚悟していたんだけど、合戦小屋の手前辺りからどんどん
天気が回復してきて、すっかり秋模様になった山頂までの
道のりがバッチリ見えました!







燕山荘へは昼前に着いたので、テン場もいい場所ゲット!
設営とお昼を済ませて、山頂に向かいます。
空荷で行けるから気分も爽快~☆ ルンルン(古っ)です。

燕岳山頂の左には、有名なイルカ岩。






このテの名付けって「全然見えない~」ってヤツが多いけど、
このイルカ岩は確かにかなりイルカっぽいな。

おかしな形の岩がたくさんあって、
「よじ登ってみたい欲」をそそります(笑)。

燕岳で満足しちゃう人が多いみたいなんだけど、
そこから20分ほど先の北燕岳が最高なので、絶対オススメです!

遠く立山・剣岳までがすべて見える眺望で、
まさに「見られるより、見る山(と言われてるらしい)」
と言われるゆえんを実感!

・・・言うなれば、

 「合コンで一番美人じゃないんだけど、
 最終的には“あの娘が良かったよねー”」

とかみんなに言われる女子のようなんだよ。燕岳って(笑)。

槍ヶ岳もほぼ完璧な姿を拝むことができて、とにかく快適!





フラットな岩に寝転んで1時間以上も山頂でボンヤリしてましたが、
全く飽きませんでした。

夜はお隣さんテントのゴージャスディナーを頂いたりなんかして、
19時台には就寝。さすがに夜はかなり冷え込んで、秋の気配を実感。
マジ寒い! 今年初めてダウン大活躍です。

翌日もいいお天気を予感させる御来光を眺めつつ、





3時間程度ののんびり下山、
9:30にはゴール。

中房温泉の日帰り温泉はすいていて、
しかも水質が私に合うらしく肌ツルツルになるので、
こちらものんびりと汗出しまくって、そのまま生ビーです。

これっすよ!これ!
これぞ登山の醍醐味。

今回のコースは、がんばれば日帰りでもいけちゃうコースだけど、
この楽しみは宿泊登山ならでは。


帰りのバスは渋滞にハマって難儀でしたが、
大満足の山行でした。また大好きな山がイッコ増えてしまった。

バスのドライバーさん曰く、22-23日の祝日辺りでは大雨で
登山口まで行ったものの、そのまま折り返したパーティもいたとか。
そして今日(月曜)も雨。

・・・本当~に今年の山行は天気がツイてる!
私って日頃の行いが本当にいいだんな!!

(と、思ったら、同じ日に山友のスーパー晴れ女が
 同じ北アに登っていた事が判明。
 ・・・そうだよね。私のおかげじゃないよね。わかってましたともさ(笑))


登ったばっかりだけど、
早くもまた登りに行きたいっす!

金曜日, 9月 17, 2010

形のない財産

「何かを失うこと」って、
「何かを得るためのきっかけ」なんだなー。

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キンさんの個展のクロージングに行ってきました。
http://www.beams.co.jp/b-gallery/post-83.html

ここは小さなギャラリーだけど、BEAMSの中なので
やっぱりセンスが良くて、たまに新宿に行ったついでに
フラっとのぞくと、いつも面白そうな事をやってます。

今回も、クロージングイベントとして
志の吉君が(たぶんノーギャラで(笑))来ていて、
小噺をやって(やらされて?)おりました。

しかも 寒空はだか さんも来てて、
こちらも、隙間の時間に「なんかやって」という
強烈なキンさんのムチャぶりで一芸を披露しておりました。

※ちなみに彼は、いわゆるベッタベタの寄席芸人なんですが、
 ナイツやWコロンの例もあるように、今はこのテの芸人がブレイクする
 チャンスがある時代だと思う。いい時代だー(笑)。


落語や話芸は当然だけど、キンさんの芸もある意味
「形のない財産」だなーと思う。イラストは「形がある」けど、
即興で絵を描く「ドローイングシアター」は残らない芸だしね。

今のところ皆勤賞中の「キンシノ」なんて、
まさに形のない話芸の集大成。


・・・急に次元の大きな話になっちゃうけど、
「形のない財産」をいかに持っているかが、
結局は「人間」の価値そのものなんじゃないか と思う。

芸の話だけじゃなくて、「愛されるキャラクター」だとか、
「友達」とか「数々の経験」だとか。

そういうものを持っている人は、ベースの部分がとても強固なので、
小さなダメージで折れたり、揺らいだりしないしね。

逆にそういう財産がない人は、例えば、仕事や友達との付き合いの中で、
ここは絶対きちんと謝ったりしなきゃいけないって場所で
絶対に自分の非を認めなかったり、人のせいにしたりする。
「内なる自分」が弱いと、自分の間違いを認められないんだよね。


そして、そういう相手の「目に見えない価値」を価値として感じるためには、
受け手側もそれなりの訓練が必要なんだと思う。

どっかのカード会社のCMじゃないけど、
「お金で買えない価値」というものを重んじるようになってきている人が
最近は増えてきている気がして、
それはとても、社会にとってはいいことなんじゃないかと思う。


私もいつも、「形のない財産」を貯蓄したり、
他人の「形のない財産」を賞賛したりできる人でありたいなー。


*いつもキンさんのムチャぶりに答える志の吉君は、
 素でエラいと思う。
 噺家は、どっちかっていうと社会不適合な人が多いけど(笑)、
 彼は会社にいても間違いなく上手くやれる人だ。

月曜日, 9月 13, 2010

物事の本質を見失わない人でありたい。

あの台風を境に、すっかり秋の香り。
ああ~ 今年もクーラーなしで乗り切った!

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夏は毎年そうなんだけど、
7~8月とスケジュールを詰め込んで駆け抜けてしまい、
本来の生活リズムが崩れてしまった(どれも超楽しかったんだけど)。

本来習慣としてやってた事を、横目で「・・・今日は忙しいし、マ、いいか」と
放り投げて自分を甘やかす日々が続くと、後で気持ち的に落ちたりとか、
ぶり返しがあると長年の“自分との付き合い”の中でわかっているので、
この週末は、遊びの誘惑に負けず(笑)自分のことをしようと決めてました。


ジムでいつもと違うクラスに出たり、美容院行ったり、
ずっと気になってた棚を片付けたり、
手紙を出すとか、たまってた事務作業を一気に処理したり、
こまごました買い物を片付けたり・・・

こういうささいな事が、自分の生活にメリハリを
与えていることが改めて分かって気持ちイイ。

2ヶ月ぶりの仁針堂で、しっかり自分メンテも完了したし(笑)。


そんな中、以前仕事でご一緒して、共感することが多い
とあるベンチャーの社長がブログで紹介していたので読んだ本。

ゲームの父
「横井軍平伝」




・・・・本との出会い方って色々あって、
今回のように誰かが勧めた本を読む事も多いけど、
そういう場合、その相手に対する共感やリスペクトが
そのまま本の感想になる気がする。

この本もすごく共感したし、純粋に刺激になった!
いっきに読んでしまったよ。


横井軍平は、現在の任天堂の基礎を作り上げてきた人物です。
トランプや花札を作っていた任天堂に、
大学で落ちこぼれた理系出身の横井が何故か入社し、
それを機に、任天堂は地方のイチ企業から世界のNINTENDOへ大きく飛躍していきます。

彼の残した有名な言葉、

「枯れた技術の水平思考」

が具現化されてきたいきさつを、この本では詳細に伝えています。

「枯れた技術の水平思考」とは、

 # 難しい仕組みを使ったり、ゼロから何かを作る事ばかりを考えるのではなく、
 # 既に当たり前のように存在し、世の中で十分こなれている技術(=つまり
 # 既に量産化され、安価での生産が可能)を、
 # 少し違った視点から料理して新たなムーブメント(商品)を作る

という考え方です。

・・・コレ、すっごく大事な事だと思うんだ。

横井さんは、実はいまや任天堂の代表的な商品になった
ファミコンの開発には携わっていない。

彼はゲーム機の性能がどんどん上がり、
「色数」「画素数」「リアルなキャラクター」といったものに
価値が向けられていくことに危機感を抱いていたのだとか。

そういう部分での競争が激化すると、一部のマニアには受けても、
本来のゲームユーザーは、難解なゲームからどんどん離れていくし、
見てくれの良いことばかりがもてはやされ、ゲームの本来の面白さが失われてしまう。

エンジニアは最新の技術を使って物を作りたがるけど、
「そんなのは技術者のエゴでしかない」と、横井さんは一刀両断している。

すごーく分かります。
私が身を置くWEBの世界でも、そういう「仕事を自分の自己満足」でする
エンジニアが後を絶たないもんですから・・・(苦笑)。

新しい技術がどんどんできる分野は活性化している証拠だけど、
新技術を追いかけるだけの行為は、本当に大切な事を見失う危険と表裏一体。

本当に必要なのは、その商品が利用者にとって「分かりやすい」とか
「楽しい」という要素であるはずなのに。


この「枯れた技術の水平思考」を如実に表現しているのが、
横井さんが任天堂で初期に手がけた「ラブテスター」という商品。

男女が手を握り、もう一方の手でテスターを持つと、
機器の針が触れて二人の相性が分かる というもの。

類似の商品は、今でも時々発売されてブームになったりするよね。

あれは、人間の身体を流れる電流を使った、いわゆる「検針機」の応用
らしいんだけど、そういう「なんでもないもの」を玩具にリモデルして、
しかも暗に「この機械をダシに気になる女の子と手をつなごう」という
商品のコンセプトを、説明なしに誰もが理解するから、商品としての価値が
とても高かった。

こういう商品って、できてしまえば普通にありそうだけど
最初にアイデアを考えるのはモノすごく大変。
頭の中に「無数の引き出し」がある人にしかできない。


横井さんが手がけるのはあくまで「玩具」。

子供がどんな風に遊び、何を楽しいと思うかなんて、
実は何百年も変わっていない。

現に「ポケモン」が流行ったのは、デバイスが変わっただけで、
戦った戦利品として「ベーゴマ」や「メンコ」を友達からもらうのと
ナニひとつ変わらない行為だ、と考える人も多いと思う。

だから、「カラーか」「モノクロか」「画素数は」というのは実は瑣末なことで、
本当にそれを子供達が楽しむかどうかに、真剣に向き合うべきである と。

これは、子供の玩具に限らない事だと思う。

大人だって、もうずうーっと昔から、
「幸せ」「嬉しい」「楽しい」「満足」「充実」といった
人間の感情の仕組みは変わらないんじゃないかなー。

ひとことで言ってしまえば、「本質に目を向けよ」というのが
横井さんのメッセージ。すばらしいよね。


残念ながら、彼は1997年の自動車事故で既に鬼籍の人となっていますが、
彼が現代のネット社会、「リア充」なんていうヘンテコな言葉が生まれてしまう
世の中を見たら、いったいなんて言うだろう。。。

お話を聞いてみたかったです。




*ゲーム&ウォッチも横井さんの手がけた作品。
 ナツカシー! 私は、土管の穴を塞ぐゲームが超好きで、
 好きすぎて、食事時もやって親に没収された記憶がある。

木曜日, 9月 09, 2010

目の前の景色を見ているのは「私」か?「脳」か?

昨日、知り合いのボルダラーが
「初・外岩体験」をしに行くことにしていたらしい。
この1ヶ月晴天続きだだったのに、ピンポイントであの大雨。。

どんだけ普段の行いが悪いんだ(笑)

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馬場に用事があったので、
ついでに観るとはなしに観た映画。

「シャッターアイランド」
監督:マーティン・スコセッシ
主演:レオナルド・ディカプリオ

 # 重度の精神疾患を持ち、重大な犯罪を犯した囚人のみが
 # 収容される孤島、その名も「シャッターアイランド」。
 # 脱獄不可能なその島で、煙のように消えてしまった女囚人の
 # 調査のために、島に乗り込んだ保安官(レオ)達だが・・・


いやー。ザ・ハリウッドでしたよ。映画は。
マーティンスコセッシ監督の映画って、あんま観たことなかった。

面白かったよ。純粋に。娯楽として。

でも・・・、対外的にどう評価されてるか分からないけど、
「犯罪者が隔離された孤島」とか、ラストもわりと“夢オチ”的で、
枠組みに目新しいものがないんだよね。。
(「岩窟王」、大好きで、小中学校の頃夢中で読んだ本なので、
 こういう「幽閉モノ(?)」には辛口の採点なんだ(笑))

なので、なんていうか、謎解きの面白さとか
心の琴線に触れるエピソードとか、そういうのはない。

あくまでもその「孤島での出来事」がメインだから、個人的に「その部分を
もっと掘り下げて欲しいのに!」っていうエピソードは、わりとサラっと流されちゃうし。

特に終盤、主人公のレオがこの孤島に来た本当の理由が
分かるシーンは、私には消化不良だったんだー。そこ、もっと要説明でしょ!


それにしても。 レオ様ですよ。

タイタニックの頃から、あのテは年を取ると厳しいと思ってたけど、
やっぱりな・・という印象、否めません(苦笑)。
や。カッコイイし、今でもすごい俳優さんだと思う。
けど、圧倒的に「とっつぁん坊や」なんだよねえ。

お相手のケイトウィンスレットは、タイタニックの時は
むしろ、「二の腕太すぎ!」とか思ったけど、
今や逆に、その「若い頃からの熟女感(?笑)」みたいなもので、
いいお芝居たくさんやってるし。

人というのは「どう年を取るか」というのは、
とても難しい永遠のテーマだなー。
美人やイケメンはメンテナンスが大変だしね。
そーいう意味では、ラッキーだったわ。私(という事にしておこう)。


でも、この映画のメインメッセージである、

「あなたが今見ている景色や、感じたことは本物?
 脳に、勝手に見せられているだけかもしれないよ」

というのは考えさせられるね。

すべての感情や感覚を司るのは脳で、
極論を言えば、脳に特定の信号を送れば、
「経験」さえも創造してしまうことができるわけでしょう?

そんな世界、死んでもイヤだよ。

悲しいことも、苦しいことも、もちろん幸せなことも、
瞬間風速の感情じゃなくて、これまで自分が生きてきた
30数年間に裏打ちされた感覚だもん。


・・・きっと今後も、
時には人には見せられない恥ずかしい失敗もするし、
何日も眠れないほどの悲しい経験もするだろうけど、
それでも私は、「脳への信号だけで得られる“早送りの経験”」
なんか欲しくないなー。

だってそんなの「私」じゃないじゃんね(笑)。

月曜日, 9月 06, 2010

「八ヶ岳」という山はないけれど。

自宅に冷房がない事を話したら、
ある友人から「熱中症になったら困るじゃん。
この季節、死体はすぐ傷むんだからね。
オレ、君の腐乱したトコとか見るのヤだよ」 と、言われた。

・・・想像が先に行き過ぎですので。

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八ヶ岳に行ってきました。
「八ヶ岳」という名前の山(山頂)は実はなくて、
複数の山を総称する名前です。

なんつーの?
TMレボリューションは実は西川貴教ひとりだったり、
FAT BOY SLIMはノーマンクックだけだったり。 まぁ そんな感じです(か?)。

今回はそのうちのひとつ、天狗岳に。


私は八ヶ岳は完全に初心者で、
登山をやってる自覚がない中学の時を入れても
2度しか訪れたことがありませんでした。

八ヶ岳は、私の中で「どーも中途半端」という思いが少しあって、
日帰りの低山としては遠いし、宿泊する位なら、3000クラスが選べる
アルプスに行っちゃおうと思うし・・・みたいな感じでした。

でも、今回登ってみてその思い込みは完全に払拭!


-----【山行メモ】------------------------------------
4日>
08:00   新宿
11:00過  茅野駅着(⇒バス)
12:30   渋の湯着/昼食⇒スタート
15:00   黒百合ヒュッテ着

5日>
03:00 起床
04:00 出発
06:00 天狗岳山頂
10:30 下山(渋の湯)⇒風呂
12:10 茅野駅着
14:30 新宿着
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コースは決して難しくないけど
難易度が変えられるようにいくつも選択できるし、
とにかく景色が歩くたびに変わるので全然飽きない。

特に天狗岳は、地理上八ヶ岳のほぼ真ん中に位置し、
南~中央~北までのアルプスをパノラマで一望できるので、
好天時の山頂からの景色は、絶景と呼ぶにふさわしい絶景!!





・・・・そーいや、今年は本当に天気に恵まれた山行が多いので、
個人的にはすごく充実しているし、
きっと今年から登山をはじめた人は、山が好きになるだろうなー と思う。


今回は、初日の行程が3時間弱のハイキングモードで
しかもテン泊ではないので荷物も少なく、
私は完全に宴会スイッチ入ってました(笑)。

メンバーの中でも健脚組の考えは同じで、
「いかに宴会を充実させるか」に、心を砕いたと思われる荷物の人多数(笑)。

荷物の半分以上がビールだったり、
挽きたての豆でコーヒー入れたり、
ミリン干しをその場で網焼きしたり・・・。

「そこまでするんだ!」と、感謝の気持ちも忘れて
ツッコンでしまう充実ぶりでした。

山で遅くまで騒ぐのは論外だけど、
昼ならのんびり楽しめるもんね。


最近は、バリエーションルートとか冬山への興味が
めっきり高まってきましたが(笑)、こういう山登りをすると、
山登りというスポーツのフトコロの広さに、改めて感心してしまいます。

八ヶ岳はわりと通年で楽しめる山なので、
アルプスが難しくなるこれからの季節、
個人的には大いに気になる山になりそうです。


日曜日は山グループの集まりもあったりして、
朝3時から夜の飲み会まで、山・山・山な、長ーーい一日でした。

登山て、「ストイックな人」「ロジック派」「バリエーションルート派」
「無名な山狙い」「のんびりハイキング」「写真撮影派」などなど、
本当に色々な楽しみ方があるんだなー と、いろんな人の話を聞いていると
とにかく勉強になります。

  高尾山からアルプスまでなんでも登るけど、
  きっちり記録をつけるでもなく、技術や知識はてんで乏しく、
  バリエーションや岩にも興味があって、
  でも、山での宴会には変えがたい魅力があり・・・

そんな私は、どんなノボラーなんだろ??

なに?「ユルノボラー系」?(笑)


山のことをたくさん教えてくれたり、
行程がスムーズに行くように細やかな心配りをしてくれたり、
楽しい話をたくさんしてくれたり、
みんなが楽しむために荷物をたくさん背負ってくれたり・・・


一緒に楽しく山に登ってくれる人達に
本当に感謝の気持ちでいっぱいです!

水曜日, 9月 01, 2010

ネパール旅行記

ナマステー。

というわけで、夏休みを使ってネパールを旅してきました。
だいぶ時間がたっちゃいましたが、ようやくまとめた(笑)。

ネパールは、言わずもがな世界一高い山、
エベレスト(ネパール名は「サガルマータ」)を有する国。

インド・ネパールは、バックパッカーの登竜門(?)だから
ずいぶん前から興味のある国ではあったんだけど、
登山が趣味になってからは、登山に関する本をたくさん読んだので
いっそう一度は拝んでみたいと思うようになりました。
(「神々の山嶺」とか読むと、思いも膨らむわけよ。そりゃー)。

そんな折、山友のみえちんから夏休みの旅のお話。
「そりゃネパールでしょ!」と、思いっきりゴリ押しましたところ、
みえちんも乗り気になってくれたので、それならば・・・と、なったわけです。


今回は日本がサマーバケーションまっさかりでも、ネパールでは雨季。
当然トレッキングは閑散期にあたるわけで、それが心配でしたが・・・

結論から言いますとですね。


 「エキサイティング!!!!」。


ネパールの感想はこれに尽きます。

人も自然も、すべてがモノすごい生命力を持った国だった。

 「人 と 動物 と 自然 の、完全なる共生」

が、そこにはありました。

この言葉、日本で聞くとなんだか大手エネルギーメーカーがCMででも
使ってそうなコギレイなコピーですが、全然そういう意味ではなく、

  手入れのされない山道を、荷物を背負ったヤクが通り、
  ヤクが落としたウ○コを踏まないように、住民やトレッカーが
  登っていき、日本では考えられない衛生環境で食事が作られる・・・

と、そういう事です。まさに自然と人が同化した生活。

正直言って、あの壮大さや生命力を感じるためには
(こうやって書いておいてナンですが)

「ホンモノを見て、触って、感じる」

以外方法がない気がするので、今回は、10日間の旅程の中で思い出に残ったことを
写真とともにピックアップして備忘録として残しておこうと思います。

個人的に、また行きそうな国って気がするので(笑)。


というわけで、今回はブログ内ではなく
別のサーバにまとめましたのよ。

よろしければこちらをどーぞ!


早くまたどこかへ行きたいな~。

月曜日, 8月 30, 2010

宿題完了!

階下のラテン系ファミリーが引越してしまったので、
ナゾな言語のテレビ番組が聴こえてこなくなって
ちょっとサビシイ。

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「登山が趣味です」と言うようになってから、
必ず人に言われるこの言葉。

「富士山は登った?」

・・・んー。

正直、富士山には興味がないのだ。
もっと魅力的で難易度の高い山がたくさんあるので、
そちらに時間を割きたいというのがいつわらざる本音だった。

ただ、山の経験がない人もこぞって登る「富士山」という山が
いったいどんなモンなのか、という純粋な興味はありました。

そんなわけで、ようやく数年来の懸案だった富士登山を
実施してまいりました。

山小屋の殺人的な混雑は聞いていたので、とにかく泊まらず登りたかった。
そんなわけで、選んだのは夜から登り始めて御来光前に山頂に着く0泊コース。


夕方新宿を出て、22時ごろ五合目着。

まず何が驚いたって、その五合目の盛況っぷり。
同じように夜から登り始める人で溢れかえっているうえ、
大きな喫茶店やレストランの建物が、当たり前のようにいくつも建っている。

「ナニ?何が始まるの? 誰のライブ?」  ・・・・と、言いたくなる光景(笑)。

普通の観光地の道の駅とかと、なんら変わらない施設。


一応五合目も、2300mのトコなんだけど・・・正直そういう実感はゼロ。
あえて言えば、トイレにお金がかかる事が高地を実感する唯一の出来事かもなー。

小さな神社でお参り後、さっそく登り始める。

とは言え、ナイトウォークなので景色は見えない。
登りはじめの街の夜景は綺麗だったけど、あれは「山の景色」と言えるのか?(笑)

もちろんヘッドランプ着用での登山なんだけど、
この日は月明かりがあったうえ、何よりあまりに登ってる人が多くて、
他人のライトが延々続くので、自分のライトなしでも行こうと思えば行けちゃうし、
登山道も整備されていて、とにかく道にも迷いようがない。

そして外国人の多さもハンパじゃない。
トイレや売店の貼り紙も、基本4~5ヶ国語。

こ、これは・・・・私の登山の常識を覆す山だな(苦笑)。


八合目までは特に問題もなく、コースタイム7掛けというところ。

前半に飛ばして頻繁に休んでいる人たちは
明らかに登山経験のない人だと分かるので、
そういう人たちにはどんどん抜いてもらってマイペースで進みます。

ただ、八合目の最後の山荘(3000チョイ?)を過ぎたあたりから
徐々に前が詰まる感じになって、九合目を過ぎた辺りで完全にストップ。

御来光前の1時間あまりの渋滞は、聞きしに勝るパワーでした・・・。





山って、こんなに人がいるんだっけか?

私自身は「山頂で御来光を見る」という行為に別にこだわりがなかったので、
面倒になって、山頂から5~10分下ったあたりで休憩をとって御来光を拝謁。





日の出はやっぱりいいなー。


お日様が出る前はさすがにビックリするほど寒くて、
ほぼ真冬の装備だったけど、お日様が上がるとともに気温もグングン上昇。

体があったまったところで、歩きを再開して、5時半には無事山頂着。
渋滞の大幅なスタック、御来光待ちの時間を入れて、全部で約6時間でした。

ひと足先に山頂でメヒョーポーズを決めていた狛犬と一緒に。





私は幸いにして高山病らしき症状はほとんどなく、
平衡感覚が若干おかしくなったかな?? という程度でした。

この後お鉢回りをして、7時半頃から下山。

下山時に左膝をひねって痛めてしまい、後半だいぶペースが落ちたものの、
3時間半ほどで下山し、再び五合目着。

帰りはバスツアーに付いてた温泉でサッパリして、
新宿で軽く飲んで終了。という流れ。


・・・と、サラっと書いてしまいましたが、
全行程は10時間近くあったし、夜通し登ったわけだから
それなりに疲労したし、充実感はあったのよ。

でも・・・なんていうか・・・・ピークハントする時独特の、
アルファ波がババーっと出るようなあの達成感は   ナイんだよね・・・。

そういう意味では、帰りにお風呂に漬かって
「ぷはーっ!」ってなった時のほうが、達成感は感じたような(笑)。


富士登山。

大変よい経験でした。登ってよかったと思うし、
見たことのないものもたくさん見れた。
でも ・・・・・登るのは私は1回でいい カナ。


富士さん、ありがとう。
君は日本一のイイ男だよ。

しかし私は、山頂からいろんな山を眺めながら、
「今度はアレに登りたいなー」などと、浮気の算段ばかりしていたよ。
すまないね。富士さん(笑)。


*翌日に友人主催のビーチパーティで江ノ島に行ったんだけど、
 海の向こうに富士山が見えたので、登る前とはまた違った視点で
 富士山を見つめる。

 改めて、「富士山て、見て楽しむ山だなー・・・」と実感。

 日本一のイケメン男も、実際付き合ってみると案外凡庸な男なんですわ(笑)。
 怒ると怖いけどね。