月曜日, 11月 29, 2010

蹴りとパンチで、突き進む。

お金があったら欲しいもの。
テンピュールのベッドマット。
ハーレーダビッドソン。
冬山グッズ。
スキャンダイナのスピーカー。

・・・んー。。女子として、なんか間違ってる気がする。

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人には、

「今あるものを壊して前に進みたい人」と、
「今あるものを守りたい人」

の2種類がいるな、と思う。

どちらがいいとか悪いとかではないし、
同じ人でも年齢や環境とともにそれは変わっていくのだろうし、
ひとりの人の中に2つの要素が混ざり合ってるケースが多いだろうけど、
それでも「壊したい人寄り」とか「守りたい人寄り」っていうのは、
なんとなく、ある。

私は、私自身がかなり「壊したい人寄り」だから、
結果として周囲の友達も「壊したい人寄り」が多いし、
「壊したい人」の気持ちは、なんとなく理解できる。


・・・ああ。そーいや、
この人も、結構「壊したい寄り」の人だな・・・(笑)。

というわけで、今年も友人のテコンドーの試合を応援しに行ってまいりました。
@格闘技の殿堂、後楽園ホール。





私はテコンドーという格闘技自体、彼女の試合を観るようになってから
ルールを知ったんだけど、
結構「殴り合い」「蹴っ飛ばしあい」というイメージが強い格闘技。
女子は顔にマスクするけど、男子は防具は一切なし。

リングの近くにいると、キックを受けた時の「バフっ」っていう、
肉が肉にぶつかる独特の音が間近に聞こえるので、私なんかは
それだけで「痛っ!」と思わず口に出しちゃう。

私もジムでボクササイズ程度のことはするから、
殴ったり蹴ったりというのが、わりと心をスッキリさせるってことは理解できるんだ。

でもこと試合となると、当然「殴られる」事もあるわけで、
そういう時に、常に心を折られずに冷静でいるっていうのは
相当な訓練が必要なんじゃないかと思う。

それは、キックやパンチの技術的なトレーニングと同じかそれ以上に、
ハードなトレーニングなんじゃないかと。

普段は普通の社会人である彼女は、仕事以外の
ほとんどの時間を犠牲にして、そういうトレーニングをしているわけだ。

試合の勝敗よりも、そういうこれまでの努力を思うと、
本当に応援にも力が入るし、純粋に「すごいなー!!」と思う。

頑張っている人って、本当まぶしい。

・・・ま、結果として彼女は優勝したので、
結果のほうもついてきてるわけだけどね。

しかも3連覇! いや~ すごいっす。マジで!!

引退なんて事もチラっと言っておったわけですが、
個人的には、これからも「自らの蹴りとパンチで、壊して進む」
という作業を繰り返していって欲しい気がします。

そーいう時の彼女のほうが、生き生きしてみえるからね(笑)。


とにもかくにも。

Mちゃん、ホントおめでとう!!
そしてお疲れざーす!

私も刺激を受けたし、元気をもらったよ!

解禁しただろーから今度飲み行こう~(笑)

木曜日, 11月 25, 2010

苦しくも美しい「“壁”の向こう側」

「キンシノ」その8、行ってきました。
皆勤賞継続中~。
志の吉君はナント「火焔太鼓」。
あの場所で!そのネタを!?

ある意味すごいチャレンジャー。

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心に漠然とした迷いがある時に、映画や本を乱読(乱観?)するのは
私の10代からの性癖だという気がする。

あまり人に相談したりしない人なので、
本や映画から抜け出しのヒントを得たいんじゃないかと。
自立してるといえば聞こえはいいが、つくづく可愛げナイなー(笑)。

というわけで、また映画を。


『ベルリン 天使の詩』
フランス、西ドイツ合作映画(1987年)
監督:ヴィム・ヴェンダース

 # 寿命というものがなく、長きに渡り地上を見守ってきた天使達。
 # しかし、サーカスで空中ブランコに乗る女性に想いを寄せる天使カシエルは、
 # 永遠の命を放棄し、地上に降りる決意をし・・・


いやー 情緒的。 とにもかくにも情緒的な映画でした。

台詞(というより、キャスト達の心の声)が非常~に多い映画で、
映画というより、詩の本を読んでいる気分になります。
映像は、途中に挟まれる挿絵のように世界観を広げる「脇役」というか(笑)。

映画はほぼ2/3まではモノクロで、天使カシエルが地上に降りた瞬間から、
画面はカラーに変わる。「時間」や「色彩」の概念がない天使の世界からの変遷が
ある意味とても分かりやすくて、美しい。

この映画は、なんといっても壁崩壊前のベルリンで
撮影されていることに意味があるんだと思う。

ベルリンの壁は、天使の世界と人間界を分断するメタファーにもなっていて、
「どっちが素晴しいか」ではなくて、どちらの世界にもそれぞれ複雑な感覚が
渦巻いているんだ ということを言いたいんだと思う。


印象的なのは、地上に降りたカシエルと元天使が出会うシーン。

「元天使」はこの地上には結構いて、天使達は、争いや憎しみや死のない
天使の世界から、限りある時間と、痛みや苦しみが存在する人間界に
自ら選んで降りてきたわけで。

・・・結局、痛みや苦しみがあったり、限りある時間だからこそ、
この世は魅力に満ちていて、素晴しいモノなんだという事なんでしょう。。


私は数年前にベルリンで「壁の残骸」を実際に見てきたけど、
とても複雑な気持ちになったのを今でも覚えています。
「パワースポット」って言葉があるけど、逆に「アンパワースポット」
って言葉があるんだとしたら、ベルリンの壁周辺は、まさにそんな感じ。

20代以下の人は違うだろうけど、私には「ベルリンの壁」は
まだ“歴史”ではないからねえ。。。
壁によじ登った東ドイツ市民が(東ってところがポイント!)
壁をブチ壊すニュース映像は今でもよく覚えてるよ。

でも物理的な「壁」は崩壊したけど、その後、本当の意味での
東西ドイツ統一に、未だにドイツは苦しんでいるんじゃないかと。
(でも、ドイツは大好き! また何度でも行きたい国です)

今回の天使だって、その後何十年にも渡り、地上に降りた
自分の選択が「正しかった」と思い続けられるかなんて分からないしね。

一度築かれた「壁」は、一夜のうちに崩壊できるほど
単純なモノではないんだろうな。


泣いたり、憎んだり、苦しんだり、嫉妬したり、恐れたり、傷付けたり・・・・

そういう、自分の持っている「負」の概念に、
いかに正面から向き合っていくかという事こそが
「生き切る」という事なんだとしたら、
天使の世界は、確かに「生きている」とは言えないもんね。


うーん。。。。
人間が生きるってなんて大変なんだ。まったく(笑)。

*「天使」といってもオッサンなんですどね。

月曜日, 11月 22, 2010

「私って素晴らしいですよ」とアピールする時、あなたはどうする?

ちょっと前に流行ったWeb2.0やRSS。
今では話題にものぼらない。
今はスマートフォン、ソーシャルアプリにクラウド・・・etc.

嗚呼・・・ネットの仕事は
いったいとこまで追いかければいいんですか~

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何年も前から観たい観たいと思っていながら、
都合が合わなかったり、気が付いたら終わったりしてた
イベントに、ついに今年行ってまいりやした。

『世界のCMフェスティバル』in TOKYO

フランス発のこの催しは、
映画館で、世界中の気の利いたCMを一晩中流し続けるという
オールナイトイベントです。

全体が5部編成で、途中休憩を挟みながら、欧米はもちろん
モンゴル、クロアチア、モルジブ・・・といったような、
何語を使ってるかもハッキリしないような国(笑)のCMも延々流していくわけです。


・・・・私にとって「CM(広告)」とは、まさに「食い扶持」であり、
この仕事を本気で始める原点でもあったわけです。
残念ながら休刊となってしまった「広告批評」は、
ある意味私が、編集職を“生涯の仕事”と決めたきっかけでもあり。

もちろん最初は、モノ創りにとって広告は「敵」だと思っていた。
スポンサーの意向は、表現者にとって制約と退屈をもたらすものだし、
それは結果として自分の仕事のモチベーションを下げると思ってたしね。

・・・でも、こういう商売で長く仕事を続けると、
広告なしで成り立つ媒体なんかほぼ存在しない事は痛いほど分かるし、
芸術ではなく、商売でやる以上、どうせそこに制約をかけられるのなら、
じゃあその制約の中で「どれだけ自由に表現してやろうか!」という
チャレンジャーな気持ちで楽しんじゃったほうがいいし
(そうでもしないと精神力が続かん(笑))。


・・・広告って、例えばテレビ番組なんかだと、
ビデオを撮るときにスキップされちゃったりする存在だけど(笑)、
実はとても奥が深いし面白い!

昔、「ショートショートフィルムフェスティバル」を観に行ったけど、
あれよりはもっと直感的じゃないだとダメなぶん、広告は作るのが難しい
んじゃないかとすら思う。

「広告」というと、

 こんな商品がありますよ~
 こんなところがこの商品のいいトコロですよ~
 ○○円ですよ~ いかがですか~

という訴求をするものだと思っちゃうけど、
実は全然そんなことないんだよね。

むしろ、そういう広告は今はダメで、
観ている(読んでいる)人に、数秒後に、
「・・・ナルホド!」とか「・・・いいね!」とか、そういう“気付き”を
与えてくれるものが、購買意欲をそそるというか。

人間同士でもそういうトコあるじゃん?

 私って○○な人です。
 私って○○な経験してます。
 私って・・・・

と、直球な説明されると、なんか早い段階でその人のことを
みんな分かった気になっちゃって、「お腹イッパイ」になるというか。
週刊誌の吊広告と同じ。
タイトルだけ見て、「もう中身分かったから買わなくていいや」みたいな(笑)。

でも、話してる合間合間で、「アレ?この人ってもしや○○経験者?」とか、
「この人、なんか○○が好きみたい?」とか、「その人を知るためのヒント」みたいな
ものをもらったほうが、想像力が広がってその人により興味を持ったりしない?


人間って、基本的にはどんな人でも「想像したい」「学びたい」生き物だと私は思っていて、
それは「本能」に近い欲求なんじゃないかと思うんだよね。

その「本能」に訴えるためには、広告は、その商品なりサービスの魅力を説明するものではなくて、
そういう人間の「知的探究心」を上手に刺激するべきなんではないかと。

これだけ情報が氾濫している現在では、
そうも言ってられない部分もあるけどね。

なかなか勉強になるイベントでした。


・・・な~んて事を、会場で考えていたわけではもちろんなくて、
そこではただただ「へ~」とか、「あ、これ面白い!」とか、
楽しみながら関心してただけなんだけどね。

何よりオールのイベントなので、深夜2時3時は、
オールナイトイベント独特のあのどーしよーもない気だるさが
会場全体に漂っておりまして、私も途中何回も落ちておりました。

午前5時過ぎに閉幕し、早朝独特の芯まで冷える寒さの中、
うっすら明るくなり始めた新宿の空を眺めながら、

 「ああ・・・・。なんだかなー。私の人生ってナンナンダ・・・・・」

とか思っちゃうところも、オールナイトイベント帰りの
お約束の空気感って気がします(笑)。

もちろん、ボンヤリ感は翌々日まで消えず。

10年前は、帰って数時間寝ればシャキっとしたのにねえ~。

ええ、寄る年波には勝てないですともさ。
しかし、年をとるという事自体が、私の「生きてきた証」だしねー。

こればっかりは、どーにもなりませんのよ(笑)。

木曜日, 11月 18, 2010

フランス流の「起死回生」

先日、知り合いのオウチの「芋煮会」にお邪魔した。
なんというか、心があったまる味だった。

・・・・東京生まれ、東京育ちで両親も東京出身の私は、
いわゆる「郷土料理」みたいなモノがないんだよ。。

ふるさとのある人って羨ましいな。

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寒くなってきましたねー。
日照時間が短くなると、気分が塞ぎがち(科学的にも立証済み)。

てなわけで、せめて賑やかな映画で。

「オーケストラ」
監督: ラデュ・ミヘイレアニュ

フランスの映画ですが、主な舞台はロシア。

 # 共産主義全盛期のロシアで、天才指揮者がユダヤ人の楽団員を
 # かばったためにボリショイ楽団を解雇。劇場の清掃員として30年の日々を過ごす。
 # ある日、楽団の理事の部屋を清掃中、パリからのオ-ケストラ
 # 招聘依頼のFAXを見つけ、彼はかつての仲間を集めて、自分達が
 # 憧れのパリで「にせボリショイ楽団」として演奏することを思いつき・・・


基本的にはコメディなんですが、そこはフランス。

米国風の「ガッハッハ」という笑いではなく、
エスプリの利いた「ニヤっ」という笑いです。

個人的にはこういう映画、好きだな~。


かつての楽団の仲間達はみんな苦しい生活を強いられているんだけど、
明るく生きている。

自分の気持ちに正直で、苦労してパリに行っても
演奏そっちのけで金儲けしちゃったりして全然ダメな人たちなんだけど(笑)、
その思いの「芯」の部分に揺らぎはない。

あの時代のロシアやヨーロッパの文化や社会情勢、
あとはフランスが諸外国からどんな風に「憧れられていたか」が
分かると、もっと楽しく観れたと思うんだけどね。

それに、コミュニズムって難しいしさー。

ヒトラーやスターリンは論外だけど、共産主義というイデオロギー
自体が悪なわけではないので、その辺りの解釈もしっかり
理解できてないと、本当の意味でのこの映画の深さ・面白さは分からないのかもしれない。

欧米の映画を観ると、「政治」と「宗教」の歴史的知識は、
映画の面白さを理解するためには必須だなーと思ったりします。


物語はとても単純で、最後は、寄せ集めのニセ楽団がパリで
公演を大成功させるという、ある意味お約束のラストなんだけど、
このラストのまとめ方がすごくいいっ!!

物語のもうひとつの軸として、主役の天才指揮者が、
パリの若手バイオリンソリスト、アンヌ=マリー・ジャケとの
共演を熱望し、その背景には、かつてこの二人の間に運命の出来事が
あり・・・・というエピソードがあるんだけど、ラストシーンでは、
言葉でなくて、演奏と、その間に挿入される、その後の楽団の成功の様子を
描いた映像を挟むことで、この二人の間の距離が一気に縮まった様子と、
幸せなラストを予感(あくまで“予感”)させる終わり方になってるんだよね。

なんていうか、ラストにまったく無駄がない。

劇的なオーケストラの演奏終了=ラストなので、
エンドロールが出ると、「ああ~。楽しかったなー」と、
観客がすぐ余韻に浸れるんですよ。

私は映画は(よっぽど嫌いじゃない限り)エンドロールまで観る派なので、
心地よい余韻がポイント高かった。

あと、「イングロリアス・バスターズ」でいい味出してた
メラニー・ロランがとてもいいよ。
全体的に痩せぎすで幸薄そう系なのに、何故か目がいってしまう女優さんです。
ケイト・ブランシェットみたい。


「一度どん底まで落ちた人達の再起のサクセスストーリー」

って、よくあるっちゃーよくあるんだけど、
こういうテーマが観る人に元気を与えるのは間違いないわけで、
それをどう描くかという観点で言えば、私はヨーロッパ的な
感覚が自分に合ってるなと思う。
再起のストーリーでも、どこかに湿っぽさが残るというか(笑)。人間らしい。

クラシック、いいねー。

クラシックは全然分からないけど、
思わず帰ってクラシックに浸りたくなる映画ですヨ。

火曜日, 11月 16, 2010

破線を歩くと、何かが見える(かも?)

今月の「SWITCH」超カッコイイ~!!
夢の(?)親子表紙。買いだ。

人生につまづいた時は、やっぱ 愛 っすか。

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山です。
久々の奥多摩。そして久々の破線コース。
(破線コース=メインルートではない登山道(廃道や悪路など))

---<山行メモ>-----------------------------
※時間はメモってないのでかなりテキトーです。

奥多摩駅 08:45
(林道)
海沢探勝路(海沢三滝)
大岳山 12:30
御岳山 14:30
御岳駅 16:00

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秋の気配もスッカリ下界に降りてきていて、
空気ヒンヤリ、奥多摩の紅葉も最盛期。

どこを歩いても冬を前にした「最後のオシャレ」
を楽しむ木々がいっぱいで、飽きない山登りでした。

そこそこ歯ごたえのある行程だったけど、
破線コースといっても、わりと標識があったりして親切な道。
むしろ登山者が少なくて静かなのでいいかも(朝、奥多摩の駅に
着いた時は、あまりの人ごみにそりゃ~驚いたけども)。

どちらかというと、登山道にアプローチするまでの
最初の1時間以上の車道がクセモノで、今回はココでやられた感じが・・・・(笑)。

今回は、コースの間にかなりの数の滝があって見所満載!
マイナスイオン浴びまくってきました。








個人的には「ねじれの滝」が好きだなー。
自然物につける名前は、「まんま」っていうか直球でイイ。

馬に似てるから「馬の背」とか、
鍋みたいだから「鍋割山」とかね。


ところどころ立ち止まる時間が長かったので
トータルでは長かったけど、コース・メンバーともに
とっても快適な山行でした。

山頂からは遠くに富士山(そして手前には知らないオニーサン)





今回は女3人(山ガール、ではないけど(笑))、おしゃべりしながら
楽しく歩いてるうちになんとなく山頂に着いてしまうという・・・(笑)。なんかラッキー。

御岳から先は登った事のあるコースなんだけど、
記憶はところどころしか残ってない・・・。人間の記憶なんて曖昧だな。

で、御岳神社でこんなの発見!





賽銭箱の左右にあるので、あきらかに狛犬を
意識しているわけなのですが・・・・なにコレ?

犬? 豚? バク?

なんていうか、こういうの大好きです。
職人がテキトーに「もー、こんな感じでよくね?」とか言って
作ったっぽい作品(や、実際はちゃんと作ったんでしょうけども)。

御岳は昨今流行のパワースポットだし、ほぼ山頂まで
ケーブルで来れるので、たくさんの人でにぎわっていました。

奥多摩や丹沢で紅葉を見ると、
ああ、低山の季節だな~。と・・・

そして最近は、いい感じの岩や壁を見ると
ああ、登ってみたいな~。と・・・・(笑)


しばらくは、また身近な山を楽しみたいと思います。

(とか言いながら、ヤマケイの冬山特集はシッカリ
ゲットなんですけれども)。

木曜日, 11月 11, 2010

“絶対に”抜け出せない絶望。

デール・カーネギーの「人を動かす」はビジネスパーソンの必読書だけど、
こないだ取材した方がこの本の話をしてて、私も全く同じところで
納得したので、妙にシンパシーを感じた。

いわく、

 『人は、自分のためにしか動かない。』

・・・ホンマやで(笑)。

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えーが。えーが。

「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」
監督:大森立嗣
出演:松田翔太、高良健吾、安藤サクラ

 # 施設で兄弟のように育ったケンタとジュンは、はつり(解体業)の
 # 仕事をしている。劣悪な労働環境、先輩の執拗ないじめ等の中から
 # 抜け出すため、先輩の車をブチ壊して逃亡する二人。そこには、以前
 # ナンパしたブスでおつむの弱いカヨちゃんも付いてきて・・・


嗚呼・・・・ また救いのない映画を観てしまった(苦笑)。
何故か、こういう退廃的な映画ばかり選んでしまうな。。。

日本に限った事ではないけれど、
人生ドン底からスタートしてしまうと、
もうそこから抜け出す事はほとんど不可能なんだよ。

「地道な努力を重ねれば、必ず報われる時が来る」・・・・?
「小さな徳を積んでいれば、誰かが必ず見てくれている」・・・・?
「黒人のスラムからヒーローが生まれるような、アメリカンドリームがある」・・・?


・・・・違うでしょー。そう、思いたいけどさ。
それはあくまで、「そういう環境にいる人」の話。

救いのない人もいるんだよ。何をやっても。
それはもう、絶望的なまでに。

この映画でも、主役の3人が学がない事を描くシーンが
何度も出てくるけど(八戸を「はちど」と読んだり」)
結局は、教育(=学校ではナイ)の問題はとてつもなく大きいんだと思う。

この映画では、ケンタの兄(同じ施設で育ち、傷害事件で網走にいる)が物語的に重要な
意味を持っていて、そういう社会の最底辺にいる人達が向かう先は、

「人生に諦めて廃人になってしまう」
 か、
「壊しても壊しても抜け出せない人生に苛立って、はけ口を“死”に求める」

か・・・・・ なんだよね。はっきり言って2択。

なーんの救いもない。生きるって辛すぎる。


でも・・・・「見ろ!これが現実だ!」という事を、
これでもかと見せ付ける映画でした。

映画という“エンターテイメント”に、夢やロマンを感じたい人は
観ないほうがいい映画だけど、映画としてはとても意味のある作品
だったと思います。邦画らしいといえば、らしい。

ちなみにこの映画、キャストが個人的に結構いいです。

・松田優作の息子
・奥田瑛二の娘
・宮崎あおいの兄
・そして監督は、なんと大森南朋のオニーサン

と、実は「親兄弟の七光り」と言われかねない
俳優がたくさん出てるんですが、それぞれ存在感あったなと思う。

二世俳優は七光りを受けてる分、辛口に評価されちゃうところがあって大変だけど、
やっぱり二世ならではの「血筋」があるからこそ、いい役者になっていくのかな。

「トンビは鷹を生」まないけど、「蛙の子は蛙」なのだなと。


松田翔太は、お兄さんの龍平よりも父親の持ってるあの独特の「狂気」を受け継いでるね。
まー、「白い犬の義父」ができちゃうくらいだから、お父さんよりも洗練されてるけどサ(笑)。

今回、作中にかなり「松田優作を意識した演出」があって、そこはちょっと
作戦すぎて個人的にどーかと思ったんだけど、それは本人というより監督の問題だからなー。

でも、まだまだこれからの監督さんなので、
これからの作品も楽しみです。


てか、安藤サクラさんですよ。

奥田瑛二と安藤和津の間に生まれて、ナゼ・・・・。

や、モノスゴーイ将来性のある役者だと思いましたけどね。
すっかり好きになりましたけどね。
ちゃんとすれば、ちゃんとした娘さんなんですけどね。

でも、ナゼあの容姿。。。

うーむ。
「遺伝子の不思議」を感じずにはいられません(笑)。

水曜日, 11月 10, 2010

「背中で語る」人になるために

とてもデリケートな話だが、尖閣諸島の映像流出問題は、
「世の中が作る“正義”=本当の正義」ではないことを
如実にあらわしていると思うよ。個人的に。

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心から楽しそうな人とか、嬉しそうな人を見ると すごく元気が出るよね。
ウキウキして、こっちまで笑顔になっちゃう。

いつもクールが身上ってのもアリだけど、
私は、その人が感じた喜怒哀楽を素直に表に出す人はステキだと思う
(それはきっと、自分にない才能だからなんだと思うんだけど)。

話をするときだって、愚痴や噂話は時々はストレス解消にはなるけど、
自慢話や、人を揶揄するつまらない冗談で場を盛り上げるくらいなら、
何もしゃべらず、無口でニコニコしている人のほうが何倍も印象がいい。

私も、そんなふうになりたいなー と思う。


そんな私のお手本のような人が、ハッチさんなのだ!

・・・って、ココに着地したかったんですけどね(笑)。

というわけで。
ハッチハッチェルバンド@渋谷ですのよ。

今回はNHKラジオの公開収録ってことで、
無料ライブなんでございますのよ。

久々に大きいホールでハッチさん見たな~。

一緒に酒が飲める距離にいるハッチさんは気さくなオニーサンだけど、
ああいうステージにいるハッチさんはオーラがあるし、なんつーか「部長」みたいだ(笑)。
リーダーであり、プレイヤーであり、自分が一番楽しんでる部長。

ラジオの収録で、これだけのキャパのホールを使うっていうのも
さすがNHKならではだったけど、
ラジオだっつーのに、いつもより気合の入った一張羅を着たメンバーが
やけに面白かった。映像は残らないのに(笑)。

今は全国ツアーの最中なのでかなりお疲れかと思いきや、
全然いつものテンションでMCを飛ばすハッチさん。
通風なのに、それすらも楽しむハッチさん。

「カッコいい」という定義は人によってまったく違うけれど、
ハッチさんの生き方は、まさに私の考える「カッコイイ」。


ハッチハッチェルの「綱渡りの歌」って歌に、

  人生は 綱渡りの旅 終わりまで楽しも~う

ってフレーズがあるけど、まさにアレを地でいってる人なんだよな~。
安全な太い道を歩く旅は、安定はしてても「楽しくは」ないんだよね。

私は20代の頃って歌詞の入った曲に思い入れがなかったので、
最近改めて「歌詞」について考えてみたりもして。

「来年は隣に並んでくださいよ」と、しきりに言ってたハッチさんですが
(=今回のライブ会場はNHKホールの隣なんですわ)、
遠からず、本当にそんなビッグアーティストになる日がやってくるのかもね。

「ご近所的距離感」がなくなってしまうのはファンにはちょっとサビシイけど、
そんなふうに、MCはオッサンのボヤキ節なのに(笑)常に前に進んでるって
すごいと思う。


・・・人が、人に与える影響はほんのわずかだけど、
人が人に影響を与える時は、「言葉ではない“何か”」を
媒介としていることが多い。

音楽だったり絵だったり・・・っていうのは分かりやすいけど、
そういうモノがない人だって、普段のちょっとした態度から、
無意識に相手に何らかのメッセージを与えてると思う。

それは、例えば「こんな話したら“かっこいい”と思われるだろう」とか、
「こういう服を着たら“カワイイと思われる”はず」みたいに、
本人の意図する(希望する)方向とはまったく別の次元で。


薄っぺらな人が口にする仰々しい格言より、
無口な人のさりげない行動のほうがハッとさせられ、大きな影響を受ける。

そんな、いわゆる「背中で語れる人」を、
私も目指し続けていきたい。


*ステージの写真を撮りたかった!・・が、当然撮影NG。
 しかしライブビートのロゴは吉田戦車。・・・NHKって、この10年ですごい変わったよね。
 昔から、本多勝一に影響されてNHKに対してなんとなく不信感があるわけなんだが、
 経営体制と番組作りとは別問題なのだな~ と改めて思ったりする。

金曜日, 11月 05, 2010

「分かって欲しい」は、4大欲求。

「~じゃないですかー」っていう言い回しって返答に困る。

自分と同世代の人に「この年になると、人付き合いも減るじゃないですかー」とか、
女性に「そういうのって女はすごく傷付くじゃないですかー」って言われても、
「いや・・・・私は別に。。。」とは、ナカナカ言いづらい。

感覚的なものって多数派・少数派はあっても、
絶対的な指標はあり得ないからサ。

究極キビシイのは「私って○○な人じゃないですかー」ってヤツ。

・・・そんなん知らんがなっ!
私は自分の事ですらよく分かってないんだから(笑)。

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知り合いのバンド仲間の繋がりで、
あるWebサイトを少しお手伝いしている。

『エプスタインズ』


音楽系の人を中心に、映像、文章などの
クリエイターが集まって制作しているサイトで、
一応通販サイトという事になっているんだけど、
中心になってるのは読み物・・なんじゃないかと。

なんだか不思議なサイトなんですわ。これが。

これまで幾度となく、友達のサイト作成や広告作成を
仕事と関係ないところでお手伝いしてきたけど、
今回のように、利益とかそういうのを超えたところで
リーダー(?)の赴くままに作ってるサイトを手伝うのは初めてかも。


昔から、仕事柄カメラマンやイラストレーターなど
俗に「クリエイター」と呼ばれる人たちが周りに多いので、
そういう人たちと一緒にいると、なんていうか、自分が“なじんでる”感じがする。

なんでなんだろーなー と思うんだけど、
結局は、そーいう世界の人達っていろんな意味で「他人がどうでもいい」
と思ってるからなんだと思う。

だからこっちも過度に気を遣うこともなければ、
自分の考えを押し付けたり、逆に自分を抑制しすぎたりすることもナイ。


大体クリエイターって(特に私の周辺のクリエイター)、
金持ちはまずいないし(笑)、世の中的にはわりと付き合いづらいタイプの
人も決して少なくない。

でも、それは自分のエゴを押し出してるからじゃなくて、
自分なりの確固たる思想や表現を持っていて、
その「絶対に譲れない部分」が目立つからなんじゃないかな。


私はいわゆる「オレが、オレが」っていうタイプの男の人が好きじゃないけど、
クリエイタータイプの人は、自己主張はしても、
それは「オレがオレが」っていうのとはちょっと違うんだよね。

もちろん、彼らは世の中に「作品が」どう見られるかは気になるんだろうけど、
「自分が」どう見られるかにはあまり興味がない人が多いかな。
または、「こう見られたい自分」が他人と大きくずれてるか(笑)。
だから、日常のちょっとしたツマンナイ自慢話で自己主張する必要がないんだよ。

実際私自身も、そういう人達のことは、言葉の説明ではなくて
日頃の行いとか「作品から出る意味」から理解しようとするしね。

もちろん、私だって「自分を分かって欲しい」という欲求はあるけど、
結局、人間の核になる部分を言葉で説明するのなんて、本当に難易度が高い
・・・というより不可能だしねー。

一応物を書いたりする仕事もやってる人が、
こういう事を言うのもアレなんですけどね(笑)。


他人の事を理解するためには、
豊富な知識、多角的な経験、そして膨大な時間が必要で、
しかもきっと100%の理解は永遠にない。

だからこそ私は、どんな人とでも「理解しあう努力」ができるよう、
いろんな経験と知識を身に付けたいんだな~ と思う。


 「愛情」の反対は、“憎しみ”ではなく“無関心”だ。

って言葉があるけど、少なくとも人に対し、
「無関心」にだけはならないように努力したい。


・・・ま、そーやって考えてると、腹の立つヤツがいた時も、
「まだ腹が立ってるだけ、愛があるかも」と、自分に言い訳できるしさ(笑)。

月曜日, 11月 01, 2010

与太郎はバカではない。に賛成です。

週末の登山はさすがに雨天中止。
実は、山行が雨天中止になったのはこれが今シーズン初めて。
私の運ももはやココマデか・・・。

宿坊に泊まる「修行登山」、
煩悩丸出しの私はすごく楽しみにしてたのにな~。

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先週末、出張後に新幹線を降りたら19時30分すぎ!
こりゃ~間に合うかも。場所も八重洲だし。

・・・ってことで、諦めていた志の吉君独演会へ滑り込みセーフ。


立川志の吉八重洲独演会<その23>
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前座 ※遅刻につき名前分からず。噺も知らないヤツだったな・・・
志の吉 牛ほめ
 --- 仲入り ---
志の吉 五人廻し
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「牛ほめ」はわりと軽い噺で、
志の吉君も高座でよくやるのでリラックスした感じ。

 # バカの与太郎が、叔父の新築した家を褒めればお小遣いを
 # もらえるかもと聞いて、父親から褒め方の口上を教わる。
 # しかし、そこは与太郎。叔父にとんちんかんな事ばかり言って・・・


自分でも言ってたけど、彼は与太郎噺が上手なんですよ。
私も志の吉君の与太郎噺、好きです。

落語の世界ではもっとも偏差値が低い(笑)登場人物といわれてる
バカの与太郎ですが、落語の舞台となる江戸では
バカはバカなりに役割を与えられていて、与太郎は時に凡人には考えつかない
ような斬新な行動に出て、周囲の人を感心させたりもするんだよね。

ご存知家元・立川談志は、「与太郎はバカではない」という理念をもっている。
ナルホド納得。現代で言えば、自閉症やLDの子供達が、あるジャンルで
天才的な能力を発揮することがあるけど、それと同じ事を談志師は与太郎に感じるのかも。

現代社会では、確かに弱者やマイノリティーに対する差別に関して
とても神経が使われていて、公共の新聞やテレビで差別的な言葉や
発言が出ることはまずないけど、一方、そういう差別は人間の心の中には
ずっとくすぶっているわけだ。

江戸時代には、バカな与太郎は周りから「バカだ、ダメだ」と
罵倒されまくるわけだけど、社会の中に与太郎のようなダメな子を
受け入れる場所とシステムがちゃんと存在していたし、
世の中も、本人に悪態をつきながらもそういう人を決して見捨てなかった。

現代社会は、表面的にはやさしいかもしれないけれど、
本当の意味での「優しさ」ではないよな・・・・ と、与太郎噺を聴くといつも思います。


で。
2本目は「五人廻し」。

先週錦糸町でネタ下ろしして以来、シツコイくらいに(笑)
高座にかけてるんだと思う。

やるたびに課題が見つかって、やるたびに上手くなる・・・
きっと今はそういう時期なんだと思うなー。

本人いわく「これまで避けてきた廓(くるわ)噺に
そろそろ挑戦しなくちゃ」ということでしたが、
いえいえ、とっても聴きごたえありましたよ。

志の吉君は、落語界では超がつくほど「真面目派」
なんだと思うけど、マ、男子である以上、

『エロ』

は、時代や世代を超えて共通かつ永遠のテーマですから(笑)。


早く次のネタおろししないかな~。楽しみ楽しみ。
(ひとつの噺を上げるのにどんだけ時間かかるんだって話だよ。
 ま、聴いてるほうは勝手なことを言うもんです)