水曜日, 4月 27, 2011

机が汚い人には2種類いる

近所のスーパーで福島物産展やってるみたいだ。
今度行ってみよう。・・・ん?福島の名産てなんだろ?

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仕事して⇒運動して⇒本読んで 1日が終わる。
お、健康。

で、こんなの読んだ↓

『佐藤可士和のクリエイティブシンキング』

そうは言っても電博出身な人たちなワケですけど(笑)、
佐藤可士和とか多田琢とか岡康道なんて人たちは、
広告クリエイティブに携わっている人にとっては
好き・嫌いはともかく無視できない存在なわけで。

ちなみに私はみんな尊敬してます。
特に岡さんの発想は大好きなんですけどね。


「クリエイティブシンキング」っていうくらいなので、
何かを創る時のアイデアの創出法(頭の中)がテーマの本で、
このテの本(=ビジネス本でありながら、メンタルな部分に
フォーカスした記述が多い)は私は割と読むんだけど、
この本がイイのは、広告クリエイティブに限らず、
生活のすべてで「クリエイティブであろう」という考え方が役立つって話。


「クリエイティブ」というと何か特別なイメージがあるけど、
本当は、世の中のことを「自分視点で見る」という作業は、
すべてクリエイティブだと言えるんだよね。

もし、多くの人が自分独自のクリエイティブな視点を持てれば、
例えば災害時のチェーンメールなんてあり得ないし、
風評被害もたぶんないだろうね~。


この本では、

・気になるものには、自分の中で「タグ」を付けよう

・「それ」を知らない人に、それを説明するための表現(「○○のような」)
 を考えてみよう

・思ったことはすべて紙に書き出して並べるクセをつけよう


・・・なんていう、具体的に実践できるTipsが書いてあるわけなんだけど、
要するに、

1)経験すること⇒
2)その経験がもたらした事が何かを考えること⇒
3)それを蓄えインデックス化すること

という、この3つの流れが揃っていて初めて
「クリエイティブ」なのだなー というのが、私なりのこの本の解釈です。


私の場合、(1)と(2)はわりとイイ線行ってるんだよなー。
いろんな事を経験するのが大好きだし、それが「何をもたらしかたか」を
言葉なりブログなリでアウトプットするのはわりと得意だし。

問題は(3)なんだよ・・(苦笑)。
要は情報整理下手。情報過多の今の時代、整理下手は致命的。

「そのときはいいけど、後で同じ過ちを繰り返す」という
刹那的な生き方になるんだよ、情報整理ができないと(笑)。


・・・時々会社で、机の周りに紙類を膨大に積み上げてる人っていない?

私の周りにも何人かそういう人がいるんだけど、そういう人って2通りいて、
ひとつは、例えば「あの資料ありますか?」って聞くと、膨大な資料からガサガサと
探し始めて、そして結局見つからないという人と、一見無秩序に見えても
本人はどこに何があるかわかってて、わりとスムーズにその書類を見つけてくれる人。

後者の人は、たいてい社内で「デキル人」って評価。

私はデスク周りに色々置くのが嫌いなので
なるべく体系的に整理しようとはしてるんだけど、
そのタグ付けが下手でなかなか上手くいかない。

一見キレイに見えて、実は全然順番がなってナイ・・ってパターン。

PCのフォルダにも「未分類」ってフォルダを作って
放り込んでた時期があるんだけど、そのフォルダばっかり
莫大にファイルが増えてくのでやめた(笑)。

要は、いくら経験や知識という財産があっても、
「開かない引き出し」に入れておいてもしょうがない ・・・って話。


世の中「整理本」ってたくさんあるけど、
私は「片付けられない」んじゃなくて「タグ付けが下手」なので
ちょっと視点が違うケースが多いし、今のところ「これだ!!」
とピンと来る方法に出会った事はないなー。

なんかいい方法ないかしらねー。

金曜日, 4月 22, 2011

刺激を受けた落語の梯子@上野&八重洲

知り合いのサイトに寄稿してる連載がまた
アップされましたので、よかったら↓。

【第5便】“ひとり”は“独り”か? ~ひとり旅のススメ
http://epstein-s.net/archives/3478

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たまたま立て続けに落語を聴いたので、
2つまとめて以下覚書で。
どっちも良かったんで長くなっちゃったな・・。


■1■
 定席寄席4月夜中@鈴本
 ※色物除く/途中から

・扇辰     権兵衛狸 ※最後数分チラっと聞いただけですが、たぶん
・文左衛門   手紙無筆
・正朝     棒鱈
 ----仲入----
・玉の輔    新作(不明) ※「真似して失敗する」落語っぽい話
・菊之丞    不動坊


知り合いが玉の輔さん絡みのお仕事をしたそうで
その縁で、久々に仕事帰りに鈴本へ。

寄席はたぶん半年振りくらいだけど、
久々に行くと、いかにも“寄席っぽい”番組が
並ぶので面白かったなー。ヒザで三味線の色物が入ったりするのが、
また「ぽくて」よい。
女性が出ると、着物の着こなしに自然に目がいきます。
やっぱり着慣れてる人は粋でカッコイイ~。


正朝の「棒鱈」、久々に聴きました。
この人田舎モンが出てくる噺、よくやる気がします。
ていうか、扇辰から3人連続で田舎モン噺。流行ってんのか?(笑)

以前、談春で棒鱈を聴いた時に、「ああ~ 談春に
あんま向いてない噺なんじゃないかなー」と思ったんだけど、
正朝がやるとすごいシックリくる。「お見立て」とか
「試し酒」とかも得意そう。洋服とかと一緒で噺と噺家の「組み合わせ」って大事よね。

トリの菊之丞はさすがの主任!
この人は何故か寄席でやるとスゴイんだなー。
ホールで2回聴いたことあるけど、なんか「アウェイ」感があって。

もう何年も前にこの人の「元犬」を聴いた時に、
「うわー上手い人だな~~」と唸ったけど、あそこから相当磨きがかかってる気がする。
前は若旦那が出てくる噺(「船徳」が素晴らしイ!!)が多かったけど、
いまやオールマイティな実力者。
実直に古典をやるところなんかは三三と通じるものがあって、
一定期間をおくと、ふと「あ、聴きたいな」と思い出す人です。

人気云々で言えば、他にチケットの取れない噺家はたくさんいるけど、
この人は絶対にウン10年後は大名跡確定の人だと思います。






■2■
立川志の吉@八重洲独演会<その26>

・ぞろぞろ (談志弟子前座/談吉)
・紙入れ
 ---仲入---
・浜野矩随


こちらは隔月のライフワーク(笑)。

談志師匠にこんな若いお弟子さんがいるとは知りませんでした。
前座にしてはすごいクオリティ高いと、
(エラソーですが)個人的に思います。

「大きな声で、手本通りに、元気よく」というところは
ある意味非常に前座っぽくていいです。もう1回聴きたい。

1本目の「紙入れ」は間男(不倫)の噺なので、
イイヒトの典型みたいな志の吉君がやると、どーも
ドロドロした感じが出ないというハンディ(?)が・・・(笑)。
でも、女将さんの演出が良かった。

今回は2席目が勝負でしょうね~。
浜野矩随、師匠志の輔の得意ネタですからねー。
いよいよそこまで手を付けるか と。


 # 彫刻の名人・浜野矩康の息子、矩随は、
 # 駄作しか彫れずいつも先代と比較され泣かず飛ばず。
 # それでも先代時代の付き合いを忘れていない若狭屋だけは、
 # 黙ってその駄作を買い上げてくれる。
 # 
 # しかしそれに甘えた息子は、ある日若狭屋から
 # 激しく叱咤され、「駄作を作る職人なんざ死んじまえ!」
 # と追い返される。
 # 覚悟を決めた息子は、自宅に帰り老いた母親に、
 # 「お伊勢参りに行く」と嘘をつき今生の別れを告げるが・・・・


昼席がネタ下ろしだったそうなので、
私が聴いたのは2回目。

前に誰かの浜野を聴いた時は、確か最後に
母親は自害の後亡くなっちゃったような気がしたので
調べてみたら、やっぱりオリジナルでは母親が亡くなるんですね。
立川流だけが、「一命を取り留める」って演出に変えてるのかな?

でも、そのほうがいい。
噺としてわざわざ母親を死なせる意味はないもん。
できる事なら、噺の中でも意味なく人は死なせたくないよ。


・・・こういう噺、本当に難しいと思う。

「芝浜」とか「らくだ」とか、いわゆる大ネタと呼ばれる噺は
たくさんあるけど、こういうのは噺の完成度が高いし
途中のくすぐりも含めて長い時を経て洗練されてるので、
あるレベルを超えた人であれば、
誰がやっても60点位にはなると思うんだよね。

でも今回の浜野とか中村仲蔵みたいな、ある人物にフォーカスした
伝記みたいな噺って、笑うトコないし、噺自体は平坦だし、
どっちかっていうと講談向けの噺というか。サゲもあってないようなもんだし。
演者の実力がモロに出るので、今回の志の吉君も・・・・
聴いててかなり苦しかったー というのが正直な感想。手に汗握った(苦笑)。


でも本当に頑張ってる!!
この1年で持ちネタが急激に増えたもんなー。

立川流は出世が遅いので、まだ二つ目なのは仕方ないとも思うけど、
同期がどんどん真打になっていくのを正直悔しい思いで見ている
部分もあるとは思うんだよね。

でもそれを逆にエネルギーにして、あらゆる事を模索してる姿勢は、
同世代として落語を超えて刺激をもらってます。


・・・この年になると「経験した事ないこと」とか「知らないこと」を
「分かりません」と素直に認めるのがどんどん難しくなるじゃん?

いらんプライドが邪魔したりして、せっかくの勉強の機会を失う事も
あるんだけど、そういう時には志の吉君に学んでもっと素直になろうと思います。


嗚呼・・・・ 真打になる時は泣いてしまうかもしれないわ(笑)。

水曜日, 4月 20, 2011

会社でスローパーの話をするとは夢にも思いませんでした

外ボルダーやってきました。

 ボルダー&キャンプ@川井(&チョイ御岳)+高水


珍しく会社繋がりのメンツです。
私、会社で仲イイ人あんまいないんで(笑)
こんな事になるとは・・・。自分でも驚き。

本当にたまたま、共通の知り合いを介して、
社内にボルダラーがいると聞いて知り合いになり。
まー趣味が同じだと、仲良くなるの早いからね。

私は会社内の知り合いって、大きく分けて、

・落語仲間
・音楽仲間
・岩・壁仲間

と別れてて、

・仕事仲間

が皆無です。

つまり、今回の参加者で、同じ課・部署の人や
仕事で接点のある人は実はゼロ(笑)。

まー単になんとなく気が合う人が、関係ない部署に多いってだけなんだけど。
そういう事もあるさー。


私は、ボルダーなんて万年6級な人なので登れる課題は
あまりないけど、気持ちのいい天気の下で岩に触ってるだけで
気分最高だったし、何人かは3~4級クラスの人なので、
上手な人の登りを見たり、ムーブを相談しあったり、
勝手にお互いルート作ってセッションしたりして、かなり楽しい!





それに、外岩に行くと「やっぱりもっと上手くなりたい!」
っていうモチベーションアップにもなるしねー。

川井は大きなボルダーが2つで、行く前は「2コって少なくないか?」
と思ったんだけど、かなり大きな岩でわりとルートも多いし、
人が少ないので十分楽しめます。7~6級も数本あるので、まあ私レベルの人でも楽しいよ。

インドアはマントル系の課題を練習するチャンスがあまりないので、
ほぼマントルでゴールする外岩は、最後に辛くなることが多いけどね・・・。

まった~り登った後は、BBQ。





別部署の課長ファミリーが車で買出しをひと通りやってくれて、ラクラクな飲み会。
河原で焚き火しながら、強烈にユルい夜を過ごしたのでした。。
うーんシアワセや~。


翌日は、御岳ボルダ組と分かれて登山に興味があるという友人を連れて
超~~久々に高水三山へ。たぶん3年振りくらい。

暑くもなく寒くもないちょうどいい天気!
山はそれだけで70%は成功ですな。


普段登山をやらない友人にはちょっと頑張った感じの、
私はボチボチいい汗かいたなーくらいの、4時間強の一般コース。

一般ルートだし難しいコースではないけど、
ちょっとした岩場なんかもあって
山登りの楽しみも十分味わえるコースだと思う。

山頂のちょっと冷たい風に吹かれると、本当に何もかもOKな気分になります。
アルプスの山はやっぱり魅力だけど、関東の低山も捨てたもんじゃないです。
「魅力のない山」なんていうのはないね。

帰りは御岳組と合流して温泉でまったり。
一杯だけビール飲んで帰ろうかなんて言ってたのに、
壁トークが炸裂して(笑)すっかり長居しちゃいました。


・・・ユルイなー。やー しかしユルかった!(笑)。

こういうのもいいですな。

ああ~・・・・世の中が週休4日制だったらいいのに!


*一番展望のいい岩茸石山は、ボーイスカウトな
 ちびっこ(プラス引率の大人)で占領されっぱなし(笑)。

月曜日, 4月 18, 2011

途中で終わっちゃダメですか? ~談春@成城

こないだちょっと落ち気味の時に
この映像見て泣けちゃった。
http://www.ideaxidea.com/archives/2011/04/power_of_words.html

ひとつの事を説明するには、無限の言葉がある。
まがりなりにもデザインやライティングを生業とする私は、
言葉の大きなパワーを信じ続けたい。

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落語仲間が行けなくなったチケを譲ってもらったら
なんと最前列! わきめも振らずに定時退社する価値ありでしょー。


『立川談春 ~アナザーワールド』@成城

「たらちね」 春太(弟子)
「猫久」
---- 仲入 ----
「紺屋高尾」


半年振りの談春。
このところ、2つ目クラスの高座を見る機会が多かったので、
大御所の高座ですっかり酔わせていただきました。

2つ目と比べちゃ悪いけど・・・・さすがだわ。やっぱ(笑)。


震災後に行った高座すべてで噺家が震災の話題を
どう話そうか苦悩してる感じが伺えたんだけど、
やっぱり談春がすごいのは、この話題を正面から取り上げてたこと。

もちろん談春のネームバリューあってこそ許されることもあるだろうし、
“一般論で言えば”反感を買うようなネタもあったので、別にここには
書かないけど、やっぱり私は「噺家は 世相のアラで 飯を食い」なわけだし、
もっと反論があるのを覚悟で、「オレはこう思う」っていう意見を高座で
堂々と言っていいと思う。
こういう時に、立川流ってラクだな~。
トゲのある発言をする流派だって最初から思われてるから(笑)。


高座のほうは、さすがの談春。

私は「猫久」って噺は初めて聴いたけど、
小さん門下のお家芸的な噺だそうです。

「天災」や「つる」みたいな、いわゆる庶民の男が、
学のある人やご隠居のインテリな言葉を真似しようとして、
全然上手く真似できなくて、チンプンカンプンな事ばかり
言って笑いを取る・・・ってパターンの噺です。


仲入後のマクラでこの話を談春が説明してて「へ~」って思ったのは、
この話、

 # 普段から温厚で怒ったところを見た事がない
 # 「猫久」こと久蔵が、ある日ものすごい剣幕で帰宅し、
 # 刀を持って飛び出した。
 # その一連の様子を見ていた熊さんが、この話をご近所で
 # したところ、横で聴いていたお侍さんが話に割り込んできて・・・

って筋なんだけど、この話が落語として面白いのは、熊さんが
お侍さんのインテリなコメントを真似して女房に説明して
女房にバカにされたりするところで、話自体もそれでサゲ。

で、談春のある興行の主催者(あまり落語に詳しくない)が、
この話をきいて

「どこが面白いんですか!?」って言ったんだって。

その人に言わせると、この話のタイトルにもなってる猫久って男が、
何に怒って、刀を持って飛び出した後どうなったかが
結局最後まで全然分からなかった!! ・・と。

要は、終わった後「で、どうなったの!?」っていう
不完全燃焼な感じが残るってことなんだよね。


・・・・そっかー。そういう視点で落語を聴いたことがなかった。

落語ってそもそもほとんどそういう芸だからね。

ストーリーは、登場人物の素性を分かりやすくするための
「仕込み」でしかないっていうか。
「芝浜」みたいな、最高に美しい終わり方する話なんて
数えるほどしかないんじゃないかなー。


日常でも、世の中のほとんどの事って、筋立ったストーリーってないじゃない?
私たちは毎日毎日、「始まりも、終わりもない」生活を続けているわけだ。

恋愛とか結婚とか卒業とか、ある種の「ゴール(スタート)」っぽい
区切りを設定することはできるけど、それだって別に翌日からは
また「なんでもない通常の日」が始まるわけだしね。

もし人間に、本当の意味での区切りがあるとすれば、
それは「誕生」と「死」以外ないのかなって気がする。


・・・なんか哲学っぽい話になっちゃったけど(苦笑)、
そんなコ難しい話じゃなくて、私は単純に
「だから落語って面白いのになー」って思うんだよね。

強引に設定された「終わり」も「始まり」も「ドラマ」もないけど、
スポットライトを当てなかったらフっと過ぎていってしまうような
なんでもない瞬間に、人生の面白さが凝縮されてる・・・。

すごく「人間ぽい」じゃない? それって。

だから落語は面白いんだし、
そういう「瞬間」を、見逃さないようにできる人でありたいなー と思うよ。


2席目の「紺屋高尾」も、当然の出来栄え。
私は実はこの噺、主人公の久蔵(お!1席目と繋がってる!と、今気付いた)
が現実離れしたキャラすぎてあまり好きじゃないんだけど、
やっぱり談春の手にかかると違いますね~。

素材が良ければ料理は美味しいけど、やっぱりシェフの腕が重要(笑)。

上質の2席、美味しく頂きました。
そういう時は、その後のお酒も当然美味しいしね(笑)。

いい夜でした~。

月曜日, 4月 11, 2011

極限状態で、生と死を分けるのはナンダロウ・・・

最近、塩麹がマイブーム。
かけてヨシ、混ぜてヨシ、漬けてヨシの最強調味料~

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最近なんだか慌しいので、そういう時こそ
心安らぐ深夜の本の一気読み。

『アーロン・ラルストン 奇跡の6日間』


6月に公開される「127hours」という映画の原作です。

この映画、当初日本では公開されないと言われていて、
英語版のラッシュを観たものの、やはり全部観たいから
じゃー原作を読もうと思ったわけなんだけど、
そーこーしているうちにあっという間に日本での公開も決まり(笑)。

でも読んで良かった。原作も。面白かった!


 # 登山家(というか冒険家)のアーロンは、渓谷探検の途中
 # 落石に右腕を挟まれ身動きがとれなくなる。
 # ほとんど人の訪れない場所、そして昼夜の寒暖の差で
 # 急激に体力を奪われる中、強靭な精神力と生き残るための
 # 様々な技術で自らで右腕を切り落とし、生還を果たす。


たぶんストーリー云々が見所ではない作品なので、
ネタバレも入ってますよ。

何がすごいって、基本ノンフィクションです。

もちろん、事故の直後に腕を切り落としたわけではなくて、
そこにいたるまで、自分が挟まれたわずかな隙間の中で
彼は行き抜くための様々な技術を駆使し、そして生と死の
狭間で約6日間の壮絶な葛藤があったわけです。

クライミングやサバイバル術に長けた人なので、
登山やクライミングの知識があると、(特に本では)より想像が
膨らむことは間違いないです。


映画を全部観てないのでなんとも言えないけど、
たぶん映画と本とは、見所が違う気がする。

映画だと、やっぱり広大な大地で腕を挟まれてからの
様々な生き残り術や、自分で腕を切るという壮絶なシーン
(本国では映画館で嘔吐した人もいるとか・・)が見せ場に
なるんじゃないかと思うんだ。

だけど原作は、どっちかっていうと
腕を挟まれてから、アーロンが何を考え、どういう葛藤を経て
死を覚悟し、また脱出に至ったかという「心の中」のほうが
圧倒的に迫ってくるものがあるし、読み応えがある。

だから私は、原作・映画の両方を見るのがいいと思うなー。
(もちろん私も、公開されたら映画も観るっす!)


・・・・この作品を読んでると、結局は人間の「なんとしても生きてやる!」
っていう情熱が、人を生きながらえさせるんじゃないかと思うんだよね。
それは、家族や友達など「自分以外の愛すべき人たち」の存在が
あって初めて、生まれてくる感情なのかも。
「なんとしても生きて、○○を実現してやる!」という自分の欲求だけでは、
極限状態では案外折れちゃうのかもしれない。。

あとは、生きるための“技術の引き出し”がたくさんあって、
それらを忍耐強く、冷静にひとつずつトライしてゆくことができる精神力。


人にとって生きるために必要な事は、結局この2つに尽きる
と言っちゃってもいいくらいかもしれないね。・・・と、読んでいて思った。


私がもし同じ状況になったら、
発狂もせずに、冷静に生きて帰る気力と行動力を持ち続けられるかな・・・。


・・・うーん、無理かも。

もちろん死にたくはないけど、
私はそこまで「命」に執着できてないかもしれない(苦笑)。
困ったものだわ。


*実際の映像として、写真や動画で、自らが痩せ衰える姿や、
 切り落とした腕の様子を残しているアーロン。
 その強靭な精神力に感嘆するのと同時に、「レンズ」という
 他者の目が自分に向けらる事で、自分が冷静でいられるように
 したのかもしんないなーと思った。

水曜日, 4月 06, 2011

人にもらうパワー、人に与えるパワー

地震直後の自宅待機中は、買い物控えて
残り物ゴハンを作ってたんだけど、
別に有事であろうがなかろうが
私の料理は常に「残り物ゴハン」的
だという事にイマサラ気がついた(笑)。

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もう「その9」かー。感慨深いナ。

『キンシノ』 ~絵描きと落語で何するの


落語家・立川志の吉君と
イラストレーター・キンシオタニさんのコラボライブ。

私は初回から参加してて、忘れもしない
第1回が私の誕生日月で、即興でイラスト書いてもらったんだー。
(もちろん大事に額装してある)。

毎回、ほとんどフリートークに近いながらも
テーマは決まってるんだけど、さすがに今回は震災関連に
直接触れるのは難しく、かといって全く触れないのも不自然で、
結局テーマらしいテーマはなく、前半のフリートークは二人の近況がメイン。

思えば「キンシノ」以降、キンさんがTVに出たり
志の吉君もレギュラーが増えたりと、ずいぶん色々やるように
なってるんだよね。きっと。だから話題も宣伝も豊富(笑)。

よい人が、ちゃんと「よい」って評価されてゆくのを
定点観測できるのはとてもうれしい!

前にとあるライブで、渦産業の木村さんにお会いして少し話したんだけど、
こういう小さなハコでライブやるような人って
横つながりがすごく多いから、木村さんがその時勧めてくれた興行も
ことごとく私の好きな人だったりして、なんだかとても嬉しかった。

なんか自分の好きな人や物が評価されるのってうれしいじゃん?
自分が褒められたみたいにウレシイ。


いろんな人が、いろんな場所で、
自分のスタイルで「表現」をしてる。。。

私も大いに刺激を受けて「やるぞ」って気持ちになります。

気持ち的に落ちている時は外出も気乗りしなくなったりするけど、
そういう時ほど、こうやって外に出て
第三者に刺激を受けるべきなんだなって、シミジミ思った。


後半の志の吉君の落語は「薮入り」でした。

このテのイベントで人情話チックなものをやるって
結構勇気入ると思うんだけど。すごいなー。

<薮入り>
 # 奉公に出た息子が3年ぶりに帰ってくる。
 # うれしいながらも心穏やかな母と、
 # まったく落ち着かない父のコントラスト・・・


私は、この話を聴くたびにウチの親を思い出すんだよね(笑)。

ウチの父って、私が中学校くらいまでは強烈に厳しかったけど、
ある時から急に丸くなって、とにかく私に何かを直接聞けなくなった。

だから、母親を通していろんな事を聞いたりだとか、
かしこまった場では、娘の私に思わず敬語(!)で
しゃべっちゃうトコとか・・・
もう、熊さん(この噺の父親)ソックリ!


私のほうが里心がついちゃうんだよ。この話を聴くと。
自分の身の回りのいろんな事が頭をよぎって、なんか泣けたよ。


今回の震災でも、きっと「身内との繋がり」の大切さを
再認識した人は多いんだろうね。。

毎日毎日心が折れそうになるニュースが多いけど、
生きてる私たちは、様々なつながりを大切にして、
泣いたり笑ったりしながら生きてくしかないんだよね。


・・・明けない夜はないしね!!


※「キンシオ」、4月から千葉テレビでも放送始まった。
 よーやく観れます(笑)。