火曜日, 8月 30, 2011

いい縁も、悪い縁も。

こないだ、朝起きたらカバンに「みょうが」が入ってた。

飲んだ翌日で全然記憶がなかったけど、「美味しそうだからまーいーか」 と、
さっそくお味噌汁に入れたのだが、その1週間後、
あの日に一緒に飲んで大トラになった仲間と話してたら、
「お店でせっかくもらったみょうが、置いて来ちゃったんだよねー」。

・・・・う。 キ、キミのだったのか。

先々の友情を考えて、きちんとカミングアウトしときました(笑)。
「美味しく食べたなら許す」と、寛大なるオコトバを頂きました。

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7月以降、毎週末「山⇒沢⇒沢⇒岩⇒沢⇒山」みたいな
スケジュールが並んでいて、「じゃー山に住めば」状態
だったわけなんですが(笑)、久しぶりに海に行ってきました。


サイト制作をお手伝いしているココのショップの娘が長年の友達で、
毎年夏に遊びに行くのが恒例。
今年は、山行計画の合間を縫ってだったので、
夏の終わりになっちゃいました。

場所が内房なので、お客の中心は海水浴と
ジェットスキー、釣船、ウェイクボードなど。





もうクラゲも出てるし、閑散とした海辺をのんびりできるかなーと
思ったんだけど、前週に天気が悪かったこともあって、
夏の最後の週末を楽しむお客さんでわりとにぎわっていました。





「遊びに行く」という名目ながら、「サイト作成&運営のギャラ」
という側面があって(笑)、毎年行くと、新鮮な魚介やら海遊び
を満喫をさせてもらっていて、私の数少ない「夏のセレブ体験」です。

もうかれこれ10年近く毎年行ってるので、
ジェットとウェイクボード目的でやってくるショップの常連さんとも
顔なじみになっていて、年に一度、会えばかまってもらってます。

今年は、船で数キロ先の小さな島まで連れて行ってもらって、
泳いだ後は(崖で船は接岸できないので泳いであがる)、海岸沿いでノ~ンビリ。





島の裏側は、小型の船やジェット以外では来る事ができないので、
とにかく静かな時間が過ごせます。

もちろんお約束の「崖からダイブ」もやりましたわよ。


・・・てゆーか、こんなところに来ても
やっぱり壁を見ちゃうんだよねー(笑)。
そこら辺抜かりないっつーか。

10aクラスからおそらく13クラスまで、
かなりいい感じの課題が取れそうで、
結構本気で、今度はDWS(ディープウォーターソロ)を
やりに来ようかと思ったくらいで(笑)。

でも、崖のホールドに手をかけた瞬間、
なんかホールドがうごめく感じが・・・。

「オヤ?浮き石か?」と、思ったら・・・。

それはホールドではなく、大量に固まったフナムシでした・・・。


うげーーーーーっっ!!!

やっぱここでは無理かも。クライミング。。


でも、東京から2時間ちょっとのこういう場所にも、
「手付かずの自然」みたいなものが残ってるんだなーと
ちょっと感慨深かった。

島の帰りはジェットやウェイクボードを楽しませてもらって、
ある意味、今シーズン最初で最後の「夏!」を満喫しました。


・・・・この10年で、その友達は結婚して子供も産まれ、
私自身も身辺はかなり変わってはいるけど、
一方で、当然のように「何も変わらないモノ」もある。


「縁」て不思議です。


すべての「縁」が自分にとって良いものとは限らないけど、
悪い縁や、途絶えてしまった縁も含め、
すべての「縁」は必然だったなーって、30ウン年生きてくると
改めて実感します。人は、会うべくして会うんですね。

これからも、色々な「縁」が生まれたり、消えたり、
そして一度途絶えた縁が蘇ったりするんだろうな。

・・・だから人生って豊かで楽しいんだな。


ああ・・・・、

これで行きに、言いがかり気味の一時停止違反で
切符切られなければ文句のつけどこるがなかったのに!!(チッ

来年も、変わらない気持ちで
遊びに行けるといいなあ。





*海に行くといつも思うんだけど、海で見るサンセットは、
 山のそれよりとても大きく見えるのはナゼだろう?

金曜日, 8月 26, 2011

はぐらかさない。 ~志の吉夜噺会@小川町

なんかもー 仕事で激・疲労(主に人間のことで)。。

世界が狭い人に限って意見を曲げない(間違っていても)。
そして「意見を曲げない」事は「芯がある強さ」だと思っている。

ちーがーうーかーら~~~。

そしてそういう人に限って周囲から煙たがられてる事を
本人はまったく自覚していない。

誰かあの人の暴走を止めてくれる人はいないのかー


・・・まアある意味、周りの声を全然気にせず突進できるわけで、
あればあれでスゴい人だとは思う(なりたくはないけど)。

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落語。

続く時は続くんだよね。
このところ映画もめっきり観れてないけど、
観始めたらまたエンジンかかりそうだ(笑)。

なんだか急にバタついているので、
備忘録として手短に。


『小川町 夜噺会 ~立川志の吉独演会』

「寿限無」
「初音の鼓」
 --- 仲入 ---
「茶の湯」



こないだお知らせハガキが来まして、
志の吉君が個人の事務局を作ったそうで。

ひゃ~ 真打間近っ!

初めての会場でしたが、会社から徒歩圏内。すばらしい!
ライブハウスなので音も聴きやすいし、高座もかなり近い。
久々に一番前で見たわ。

今回の噺はすべて過去に聴いたことがあるもの。
前半の2つはごく軽い噺。

笑いどころの多い話だけど、個人的には
芸と言うより「勢い」で押し切れちゃう話なので
そんなに好きじゃないんだな~・・・。特に「初音の鼓」は。


「茶の湯」は、独演会でも、その後の浜離宮の高座でもやってたから、
「ネタおろし⇒しばらくシツコク高座にかける」
っていうパターンですね。

噺自体の完成度が高いので、いつ聴いても、誰がやっても
わりと高得点になる噺。

 # 蔵前から根岸にお気に入りの小僧・定吉を連れて
 # 引越し、隠居生活に入ったご隠居。
 # 風流な趣味でも始めようと、茶の湯をすることにしたのだが
 # まったく作法が分からない若旦那と定吉、知ったかぶりをし続ける
 # うちにとんでもないお茶ができあがり・・・・

相変わらず、「思わずうなっちゃう芸」というよりは
「可愛げ」型(笑)。もうちょっとシブミが出ると素敵だけどね。

志の吉君は、小僧とか女将さんとか
「女子供(笑)」が得意なので、「茶の湯」も今後は
結構鉄板の噺になっていくんじゃないかなー。

ちょっとだけ気になったのは、
「ムクの皮」とか「ともし油」とか現在では使わないものが
たくさん出てくるから、噺の合間にこういうものが
なんなのかっていう説明をするんだけど、
この噺って「テンポ命」みたいなところがあるから、
そういう説明は不要なんじゃないかって気がした。

噺を聴いてれば、「ムクの皮」が猛烈に泡を出す“何か”
だってことくらいはそのうち分かるし。

個人的には、そういう事をごく自然と噺の中で
説明できるのも芸のうちって気がします。厳しいようですけどね。

ああいう会場(=普段落語に親しんでいない人もいる)の場合、
仕方ないのかもしれないけど。

志の吉君の高座は本当にたくさん観ているので、
それだけついつい厳しくなっちゃうんだけど(ヤな客だ)、
もちろん聴いてるそんな時はあんまりそういう事は考えてなくて、
ただ「楽しいな~」って思いながら聴いてるんだけどね(笑)。


落語に限らず、自分の腕前に自信がないと
つい他の事で誤魔化そうとしちゃうけど(私もよくやる)、
やっぱり本線で勝負しないとね。

私も、カッコワルクても、中途半端でも、
そろそろ「本線」で勝負しないといけない年齢だしなー(笑)。

月曜日, 8月 22, 2011

スターと「それ以外」の役割 ~白酒独演会@中野

週末の沢は雨天中止。
今年の夏は、週末になると雨が降る気がするな・・(泣

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落語は天気の良し悪しとは関係ないからイイね(笑)。


『白酒むふふふふふ』

開口一番「金明竹」
白酒  「明烏」
 -----仲入-----
ゲスト 「ハッチハッチェル弾き語り」
白酒  「妾馬」



桃月庵白酒師匠の独演会。

・・・ハイ、番組を見れば分かりますね(笑)。
そうです。ハッチさんを見に行ったわけです。元々はね。

このところハッチさんのライブに全然日程が合わず
この後は地方回りが続くので、なんとか駆け込み乗車。

ハッチさん、落語ファンばかりの究極アウェイ感の中で、
しっかり弾き語っておりました。やっぱ素敵すぎ~!!


とは言っても、もちろん落語のほうも聴く気満々でしたよ。
結果・・・・すばらしい出来でした!

白酒が五街道から桃月庵になりたての頃、
寄席で、時間がなくて10分でまとめた「壺算」を聴いた事があります。

でもまったく違和感がなくて「ウワっ、器用な人だな~」と
その時に思ったんだけど、今回もかなりその器用さが炸裂しておりました。

見た目のわりに(失礼 笑)とてもサラリとした
落語をやる人なので、良くも悪くもズドンと心に残るようなアクがない。
でも安心して聴けるんだよね。

食事で言うと、なじみの定食というか、白飯というか。

これを「個性がない」「スター性に欠ける」と捉える事もできるけど、
私はどんな世界にもこういう人は絶対必要だと思っていて、
そういう「自分の求められるポジション」みたいなモノを
本人も分かってるんじゃないかな と。そういうところもとても器用。


・・さて。で、噺はというと。

後半の「妾馬」は「八五郎出世」のところまで。
私はこの噺を全編とおしで聴いたことないかもなー。


今回は、(やっぱ私の大好きな(笑))廓噺「明烏」でしょ。

 # 堅物で有名な若旦那、時次郎。家に篭って本ばかり読んでいる。
 # そんな時次郎を心配した父親が、町の札付きのワル2人に頼んで、
 # 息子を吉原に連れて行ってもらう。
 # 
 # 「お稲荷様へお篭りに行こう」と騙されて吉原の大門を
 # くぐった時次郎は、やがてそこが吉原である事に気がつく。
 # 時次郎はひとりで帰ると言い出すが、ワル2人に「ひとりで帰ったら
 # 大門で門番にふんじばられるぞ!」と脅かされ・・・・



・・・現代の人にとって「吉原」っていうのは想像の付かない場所で、
よく「ソープランドとキャバクラとディズニーランドが一緒になった・・・」
なんて説明されるけど、そこにさらに「パリコレ」的要素もあった。

つまり、流行発信源だったわけです。

ナンバーワンの花魁は、博識でオシャレ。
男性のみならず女性にとっても流行の先端をいく憧れの存在。
風俗嬢でもないし、今のAKナンチャラみたいな、プロだか素人だか
分かんないようなタレントとは根本的に違うわけですよ(笑)。

だから、父親が世間のイロハを学ばせるために
騙してでも堅物の息子を吉原に送り込む、という話も不自然ではないわけです。
今も昔も、男の人にとって「女を知る」というのは
大人の階段の第一歩なんだろうしねー(もちろん私には知りえないわけだが)。


今は「クリーンな社会」「品行方正」がことさらフォーカスされて、
みんなが「同じ幸せの方程式」を導き出そうとするけど、
人間ほど多様な生き物はいないし、人が生きるってそんなに綺麗事じゃないじゃん?

裏切り、失望、嘘、皮肉、歪んだ嫉妬・・・・ 人間てそんなことの繰り返し。

だけど、「水がキレイ過ぎる場所に魚は住めない」ように、
人間だって、そういう大きなストレスの中にいて初めて、
「自分が幸せと思えることはなんなのか」って事が整理されるんだな
・・と、この年になると分かってくる(笑)。

10代の頃にみんなが画一的に描くような、ある意味分かりやすい「幸せ」
(例えば、いい会社に入って、お金がいっぱいあって、いい家に住んで・・・みたいな)
を、30になっても40になっても追いかけてる人って、すごいオメデタイなと思うよ。
相当温室育ちで、それにさして疑問も持たずに来たんだろうな~ と思っちゃう。

私はそういう人にもし想定外の災難があっても、すぐに助けてあげたいとは思わない。
冷たいかもしれないけど、それは「何があっても自力で踏ん張って立ち上がろう」
という覚悟と努力をしてこなかった本人のせいだと思うから。

そういうのを取り上げて、「冷たい」「人助けをする優しさがない」と
糾弾するのは、とんだ甘えというかお門違いだと思う。


・・・おっと。話がずれた(苦笑)。
閑話休題。


吉原の女性と、メデタクバラ色の一夜を過ごした時次郎。

最後は、時次郎を置いて帰ろうとするワルに、
「そんな事してみなさい!門番にふんじばられますよ!」と
時次郎が言い返すという、とてもわかりやすいサゲで終わるこの噺。

噺としてはココで終わりなワケですが、
私が気になるのは「明烏、その後」。

この噺にもし続きがあったら、いったい時次郎はどうなるのかな・・・?

「お見立て」の若旦那のごとく、それこそヒヨコのインプリンティングのように、
“最初の女”に入れあげて吉原に通い詰めるのか、
女の味を知って「船徳」や「湯屋番」の若旦那のように、ナンパな男に変貌するのか。

はたまた、一皮むけて、落語の世界にはナカナカいない
しっかり者の若旦那になってゆくのか・・・。


男の成長を見守ってゆくのは、女の(私の?)ヒソカな楽しみです。

だから、「成長しない男(高値安定で、成長を放棄した保守派も含め)」には
まったく魅力を感じないのよね(笑)。
時に弱音を吐いたり、休憩するのはいいけど、男には
命が終わるその直前まで、「前進する人」であって欲しいなー と思うわけですよ。


満足度の高い、いい独演会でした。白酒師匠に感謝。

たまには変わった食材や肩肘張る高級レストランもいいですが、
やっぱり「なじみの定食の味」はホッとしますね。


水曜日, 8月 17, 2011

回避できる危険、できない危険@剣岳・源次郎&八ツ峰

一方的に怒鳴るタイプのヤバめユーザーのクレーム電話で、
アホだ ボケだ テメーは教育がなってねーだ と罵られたあげく、
1時間半に渡る謝罪の末(まー謝るような事はやってないんだが)、
「やればできるじゃーねーか」と言われた。

・・・・は、ハア。。。ありがとうございます。

でもどっちかっつーと、褒めてくれなくていいから
私のこの1.5時間を返して欲しいのですが。

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このところ「オンシーズンの一般登山道では行った事ない山に
バリエーション(含む岩や雪)で行く」という機会が多いんですが、
今回もそのパターン。

剣岳・初 本チャンルート です!

個人的にこの夏のメインイベント、というか勝負山行で、
実は「私の実力で果たして行ってもいいのかどうか・・・」と、
ギリギリまで悩んだ末の決行でした。

結論から言うと・・・・

やー すごかった!! 何から何まですごかった!!

30ウン年生きてたって、
知らない事、新鮮な事はたくさんあるのね~(笑)。
ビビリまくり、勉強しまくりの4日間でした。

以下、今回はかなり今後を踏まえた備忘録の要素が多いので、
本チャンやらない人にはツマラナイかも。そして長い。

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【DAY1】
(前夜発バス@新宿)⇒室堂~剣沢キャンプ場(正午すぎ)


初日の天気はガスガス。やや不安な出足です。

単なる入山日だったわけですが、20数kgのザックを背負っての
3時間以上の登りは、寝不足の身体には結構な負担だったりします。

お盆の少し前なので、テン場もまだ余裕。




初日は、取り付きまでの道のりをカラ荷で偵察後、
軽く宴会して早めの就寝。
・・・・しかし山やる人って、なんで飲める人ばっかなんだろう(笑)。


【DAY2】
剣沢~剣沢雪渓~平蔵谷~源次郎尾根Ⅱ峰(の予定)~剣山頂~剣沢キャンプ場



いよいよ本チャンルート!
初日はアルパイン初心者の登竜門、源次郎尾根に向かいます。
40分ほどの沢筋のガレと、3時間程のキツーイ雪渓歩きで、早くも疲労が。。。

源次郎の取り付きに向かうため、平蔵谷を左へ。目印は大岩。





今回は雪渓の状態が悪く、取り付きまでがなかなか難しい。
今回はグループ内に本職のガイド2名、加えて熟練者がいるにも関わらず
取り付き探しに難儀。

ようやく「ここでは?」と見つけた岩場に取り付く。





・・・・結果、お目当てのルートはお隣だったようで。。(苦笑)。
結局、源次郎には登れなかったんですわ。

しかしコレ、猛烈に勉強になりました。

まずアルパインは、目的のルートを探す事自体が
テクニックのひとつだって事。
「取り付きが分かれば半分成功」というリーダーの言葉も納得です。

それに未知の壁なので、グレードが分からない。
それでも取り付いた以上登らなきゃいけない時もあるんだよね。

しかも、普段触られていない岩場は非常~~に脆くて、
ラストだった私は落石の嵐に巻き込まれ、
あわや数センチで肩が砕けるかというラクを受け・・・・。

実は今回、前日入りしていた仲間が落石で足を怪我して敗退したり、
私達の入山の数日前に、すぐそばの岩場でスノーブリッジの崩壊があり、
若い方が亡くなるという事故もあり(しかもこの事故を最初から最期まで
見届けた方が、ジムの顔見知りだったという驚愕の事実を後で知るんですが・・・)、
前段階でわりと不穏な話題が多かった。

それだけに、とにかく細心過ぎるくらい細心の注意を払っていたわけですが、
それでも事故は起こり得るんだよね。。

とにかく数時間緊張しっぱなしでした。

結局、未知のルート(リードした人の名前をとって、通称「Sルート」(笑))は
2Pで終わり、あとは尾根筋のバリエーションルートを数時間。

ついに山頂へ!
久々に山頂を踏むことができました。








・・・・や~ 嬉しかった!!!
このところピークに振られまくりだったからね。

私はやっぱり「ピーク踏みたい人」なんだなー。
山登りを始めた時の「原点」なんだよね。山頂を踏むって。
山頂で見た景色、きっと忘れられないな。。。

剣は一般ルートもそれなりに難しいので、
下山の難所「カニの横ばい」では、またも小心っぷりを
見せ付けるわたくしなのでした。


【DAY3】
剣沢~剣沢雪渓~長次郎谷~八ツ峰六峰Cフェース~剣沢


この日も3時起床⇒4時発。暗いうちからのスタートです。
前日同様、剣沢の雪渓を歩き、昨日のひとつ先の長次郎谷を左へ。
入り口左のレリーフが目印です。





ここは、急坂の先の真ん中に「熊の岩」という目印の岩があり、
岩場もかなり開けて分かりやすい。

Cフェースは人気のルートですが、
行動開始が早かったので待ち時間なく取り付く。

本当は5Pのうち、私は2と5をリードする予定でしたが、
事情がありまして(まー私がチキンって事だ(笑))2P目のみをリード。





ムーブ自体は簡単なので、残置ハーケンの位置関係や信用度、
支点の取り方などを余裕を持って観察することができました。

サビサビのハーケンやリングボルトもあるけど、
昨日とは打って変わって残置が多数あるのが素人には嬉しい。。(笑

登り切った時の開放感が最高のルートでした。

や~ やりきった~。 サア、降りるぞ!

・・・・と、腰を上げたわけなのですが、ここから大トラップ。
懸垂の支点が微妙な位置にあり、2P降りたところで
非常に難しいところに出てしまう。

熟練のKさんが先行しルートを探るも、かなり脆い足場。
左にトラバースしながらおっかなビックリの懸垂。。





最後は雪渓の下をくぐって、最近崩壊したと思われる
ガレ場を抜けての脱出。・・・これはさすがに怖かった。

エキスパートの方たちは、登れるグレードの高さや身体能力ではなく、
「何かあった時の対応法の引き出しの多さ」がスゴイんだって事を
心から実感しました。

でも、開放感のある最高のルートでした。
ココは絶対また来たい!!

仕事で一日早く下山するSさんと、
翌日はお隣の真砂沢を拠点にするKさん(脅威の体力!)とはこの日でお別れ。


【DAY4】
剣沢~室堂~黒部ダム~扇沢~信濃大町~一路東京へ・・・・。


最終日はのんびり4:30起床で6時下山開始。
さすがに身体は疲れてますが、最後で怪我するのもアホらしいので
気を抜かずに下山します。

この日は行程中一番のドピーカンで、
まさに「これぞ夏のアルプス!」ってな景色を満喫しました。

これは文章で書いても仕方ないので、写真をご堪能あれ。

*最後の剣のお姿。




*遠くにホンの少し槍も。




*穏やかな山容の立山連峰




*眼下に室堂が見えてきました




*キレイなみくりが池の湖畔。ここの温泉で
 3日分のアカを落としまくる。




*トロリーバス~ケーブル~ロープウエイと乗り継ぎ、
 黒部ダムが見えてきました。




*ダムでは観光放水中。圧巻ですが、ダムって人間が自然の流れを
 強引に壊しているわけで、ちょっと心中は複雑・・・。




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最後はバスとJRを乗り継ぎ、電車の混雑っぷりに
やや辟易しつつ、夕方には無事新宿に着く事ができたのでした。



・・・・あ~~ こんなの文章で説明するのムリだしっ!!

スケール、体力、精神力、危険度・・・・なにもかもが
「やってみないとわからない世界」でした。

実は、初日の源次郎で落石を受けそうになった時は、
結構本気で「もうアルパインやりたくないな・・」とか思ったんだよね。
なにせチキンですので(笑)。

でも、すべての行程が終わってみると、
あの「やりきった感じを絶対にもう一度
味わってみたくなりました。。

恐るべし、山マジック!

やればやるほど、自分の未熟さがヒシヒシと辛い。。
もっと もっと もっと 上手くなりたい!!

たくさんの経験をして、どんな時でも対応できる引き出しを
自分の中にどんどん作っていきたいな。

水曜日, 8月 10, 2011

豆焼、のちご褒美?、のち無念の・・・そしてビバーク@葛西

「危険」と「困難」は違うんだと。

子供達を「危険」から守る事は大切だけど、
「困難」を排除するのはよくないよね。

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やー 沢ですよ。今週も。さわやかサワデー。

豆焼@奥秩父。キュートな名前のわりに
なかなか(私には)レベルの高いルート。

そして何より、初!泊まりで沢登りだったので、
焚き火と、豊富な水辺での山行を楽しみに
していたわけですよ。

しかし・・・雨ですな(涙)。

やられましたな。今週も。

前夜発だったんですが、その時点で雨と雷が大騒ぎ。
寝る前のプチ宴会の時点で、明日は厳しいかもなー なんて話も。

翌朝は雨はあがったものの、午後からの予報が悪く、
この時点で行き先を釜の谷東俣(西沢渓谷)に変更。

ただ、釜の谷は詰めると甲武信の山頂に出るので、
このところピークに振られまくりな私としては、
それはそれで「まさかのご褒美!」って感じでOKだったりして。

で。

西沢渓谷の吊橋から元気にスタート。





実際に登攀する場所までのアプローチがかなりあるため、
沢筋のゴーロを延々と進みます。
わりと歩きづらい道が続くんだけど、健脚そろいなので早い早いっ。





こんなに奥深いゴルジュも。おー カッチョいい~!
写真を撮るH君、を撮る私。





てゆーかこのゴルジュで、若手二人が泳いだため、
ついつられて泳いでしまった(笑)。全身ズブ濡れも沢登りならでは、だけどね。

そして大岩に登る、少年の心を失わない御年60ウン歳のY師匠。
脅威の健脚で、私なんか全っ然!ついてけません。カッコよすぎっス!!





こちらは高度差が300m近くあるというナメ滝。
今回は登りませんが、これも登攀対象なんだとか。・・・・やー 普通に無理。





この沢はナメがとても多くて、「これぞ沢登り!」という景観が続きます。






ここでも泳ぐRちゃん。泳ぐんかいっ!





そして滑るH君。滑るんかいっ!






・・・・とマア、こんな感じで沢と戯れていたわけなのですが、
4時間ほど歩いたあたりで天候が急変。

空は一気に暗くなり、大粒の雨が降り出したと思ったら、
あっという間にゲリラ豪雨。。
明らかに上流ではさらに強い雨が降っているらしく、
沢はみるみるうちに増水。水の色もコーヒー色ににごってきました。






コ、コレはまずいんでないか・・・?


というわけで、これ以上の前進は危険と判断。
かりに登れたとしても、この量の雨が続く中でのビバークは
かなり面白くないものがあるし・・・というわけで、最初の滝登りの
取り付きを目前にして無念の敗退。。

嗚呼・・・・

焚き火が・・・

釣りが・・・ 。


しかし自然の力には勝てないので、いさぎよく来た道を引き返します。

ほんの数時間前にH君が滑り台をしたナメ滝は、
水量が数倍に増え、とても暢気に登れる状態ではなくなっていました。





たびたび出てくる徒渉(としょう)ポイントも
行きとは激変していて、水の勢いに押されながらビクビクの前進。


なんだかんだで行動時間は9時間近くになっていたので
スタート地点に戻って来た時には、さすがにグッタリ、
アンド全身ズブ濡れ(雨5:泳ぎ5)。。。

その後、温泉でサッパリした後、予定を繰り上げて日曜夜に
中央道にツッこんだため、今度は猛烈な渋滞に苦戦。。。

ドライバーさん、マジお疲れさまです。

そして車中ラジオで、西武秩父線が豪雨&落雷で長時間ストップしていた事を知る。
ああ・・・・ 今回は山域のチョイスミスだったのか(涙


結局、用意していた沢の夕食は楽しめず。。

・・・・と思ったら、話の流れで何故かウチでビバーク(?)
する事になり、沢筋の焚き火の横で食されるはずだったソーメンは、
葛西の私の家でいただく事になったのでした。

かなり疲れているにも関わらず、
なんだかんだで明け方4時近くまで飲み明かしてました。
60代の師匠も交えてコイバナなぞ・・・・(笑)。

不思議な家飲みだったな~。

山ヤは寝床も食器も自前なので、
山荘の主人(=つまり私)はラクチンなんですけどね。


敗退続きで、予定通り行かないのは残念だったけど、
タマにはこーいうのもイイもんですな。

クーラーのない私の家で、(たぶん)寝苦しい夜を過ごした一行は、
また重い荷物を抱えて、それぞれ帰路についたのでした。

「なにが起こるかわからない」。

それが山の楽しみ(笑)。






*おいでよ、「葛西山荘」(笑)。

水曜日, 8月 03, 2011

敗退も、登山 ~北ア・笠ケ岳

とある人に「シロクマみたいな顔だ」って言われた。
シロクマ~~ぁ?? そんな事言われたの初めてだ。
どこら辺がシロクマなんだろ?分からない・・(笑。

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久々に「フツーの登山」をしてきました。

・・・や、違うな。「フツーの登山を“するつもり”でした」。

だってぇー。大雨だったんですものー。

このところ岩だー沢だーと、ピークを踏まない山行が
続いていたわけですが、登山をしている以上、やっぱり
山頂には行きたいわけですよ。タマには。

そんなわけで、今年の夏、もしかしたら最初で最後に
なってしまう“かも”しれない北アルプス笠が岳、
楽しみにしてました。

ところが、天気予報は週末が近づくにつれ悪くなる一方。
今回はバス移動だったので、企画そのものの中止は難しく、
少しでも天気が回復することを祈るのみでした。

金曜日夜、都内を出発した直後から既に雨はポツポツと・・・。

土曜早朝、現地に到着するも既に結構な雨足・・・・。
気温も低く、周囲の山もまったく見えず(ションボリ)。
上流はかなり雨が降っているらしく、川もかなりの水量がありました。





笠が岳は後半の笠新道がかなり厳しくこの天気では難しいという事になり、
結局、西穂高に変更してとりあえずロープウエイに乗ってみることに。

上高地の観光ツアーと思われる集団に紛れ、
テント装備のデカザックを背負ってロープウエイに乗る雨ガッパな一団。

うーん。なんか浮いてるぞ(笑)。

ロープウエイ着後、西穂山荘まで1時間強の道のりを黙々と歩く。
雨が降って湿度が高いので、カッパの中は汗だく。
景色も見えず、時間以上の疲労感。。。

西穂山荘到着後に、テントの予約をしようと受付にいくものの、
今日はヘリの荷揚げがあるかもしれないそうで、それが確定する
まではテントは張れないとのお達し(そんなことあるのね)。

しかも雨はますます強くなり、雷も鳴り始め、
テレビでは新潟・福島の豪雨のニュースが映り続ける。

ん~~~
んん~~~

これはテン泊自体厳しいのではないのか?

・・・と、そんなわけで、西穂も諦め、
豚汁をいただいて身体を温めたのちにとっとと下山。

・・・実は私、「穂高」と名の付く山に登ったことがないのです。
今回期せずして、西穂を“かすった”わけですが、
かなり残念な結果になっちまいました。

さすがキングオブ北ア。
簡単には登らせてくれないのね。

結局その日はふもとのキャンプ場を探し、臨時のテン泊。

翌日も天候の回復はあまり期待できなかったため、
キャンプ場併設の温泉にゆっくり漬かり、夜は酒盛り。

・・・はい。
もうこの辺りで完全に企画の方向性がズれてきました(笑)。


結局、翌朝はやや回復したものの、午後に向けて降水確率がグングン
上がることや、そこから最も近い焼岳でも往復は時間的に厳しいため
登山は完全に中止。

朝風呂に漬かったり、閑散としたテン場でバドミントンやったり、
北アルプスにいるのに、何故か別の山行話で盛り上がったりして
ウダウダしてるうちにまたもや雨が降り始め、それを合図に撤収タイム。

バスの待ち時間でまたもや風呂に入り、
お昼にビールとカレーを頂いて、一路東京へ。


・・・・あ、なんか間違ってる。「それは登山じゃないよ!」と、
思ったそこのアナタ。

それは違います。これも登山です(笑)。

しょせんは自然相手。こーゆーこともあります。

・・まー このところ予定が立て込んでいて疲労もたまっていたので、
いい休暇になったと言えばなったかも(負け惜しみではなくね)。


この週末は、山・岩・沢に行った知り合いはことごとく敗退。
私達もご多分にもれず完璧なまでの敗退だったわけですが、
ココで「そんな事もあるさ~」と言えるかどうかが、登山を
やれるかどうかの分かれ目って気がします。

いい意味で、「長いものに巻かれる」ことができるようになるっていうか。

夏はまだ長い。

そして山は逃げない。

いつかまたきっと、あの山に登ろう。





*写真もほとんどない。せめてもの「喫茶・笠が岳」