火曜日, 7月 26, 2011

沢登りっつーか、ヤブ漕ぎっつーか。~谷川岳ヒツゴー沢

縁あってイラストレーターのフジモトマサルさんの
ご家族と仲良しなんだが(純粋にイラストのファンでもある)、
その方から手ぬぐいを頂いた。
http://heibonshatoday.blogspot.com/2011/07/blog-post_15.html

嬉しい! そしてカワイイ! カワイスギルっ!! 
さっそく山で使おう~っと♪

売上の一部は義援金になるそうなので、
ミナサマもよろしければゼヒ♪(私から頼むことも可です)

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今年から沢登りをしています。

「沢登り」って言葉の響きから、つい沢筋を散策する
夏らしいオサレなイメージがあるんだけど(私はあった)、
も~とんでもない!!

終わった後の疲労感と汚れ方がハンパない、
Mの方のみにしかオススメできない登山スタイルです。

・・・というわけで今回は、谷川岳のヒツゴー沢に行ってきました。

【山行メモ】※例のとおり時間は相当テキトー

19:00 前夜発
00:00 道の駅でテント泊・プチ宴会
03:00 起床
04:00 撤収~発
04:30 取り付き
06:00 ヒツゴー沢出合
12:00 強烈なヤブ漕ぎ・・・
13:30 登山道着
15:50 下山


私は谷川岳に過去2回振られていて、今回初めての取り付き。ヤッタ!
沢や岩は山頂に行かないケースが圧倒的に多いけど、
今回はピークも踏む予定になっていたので超楽しみでした。

沢登りは、大前提としてクライミングの技術が必要なので、
今回のメンバーは全員クライマー。
大ベテランの方の話を聞いて勉強しながらの山歩きでした。

まず、河原までの道のりで激しくヒルにやられまして、
足首が流血の大惨事。ブヨのような虫にも大量に刺されて、
もう完全に女子の足じゃーなくなりました(トホホ・・・)。

そんな感じで最初から若干のテンションダウンだったんですが、
遡行を始めてから頭の中にあったのは

「集中」

の2文字のみ。
だって・・・、本当にコワイんだもん。





決して難しいレベルの沢ではないし、ムーブもやさしいんだけど、
私にはとにかく「ぬれている岩に登る」という行為がまだ怖い。

この恐怖心に勝たないと、沢登りはできないんだよね・・。

ま、それだけ集中してても、1箇所で足を踏み外して
完全に「逆ウォータースライダー状態(つまりハラ側で滑る)」
で滝つぼにボチャしましたけどねー(笑

膝とすねをしたたかに打ちましてねー。

いや、・・・今だから笑えるが瞬間は死神が見えたし。
もーボロボロっすよ!

源流に近づくにつれ水量は少なくなるけど、
逆に谷の形がはっきりしてきて、これだけたくさん山に登っていても
あまり見た事のない独特の景観になってきます。

今回はまだ雪渓が残っていて、これはかなり感動した!





その後、最後の沢筋を歩いて稜線沿いの一般登山道へ出・・・る
はずだったんだけど、行けども行けども道が出てこない。

細くなってゆく河原はついに行き止まりになり、
自分の背丈以上のヤブが眼前に・・。

はい、ヤブ漕ぎターイム。 200mはツメたと思う。

今回の行程で何が大変って、コレが一番大変だったよ。。

元々、予定行動時間が12時間というわりとハードな山行ではあったけど、
全体力の半分はヤブだったと言っても過言ではないっす。

それまでのシビアな登攀やヒル騒ぎなんてフっ飛んだね。

倒しても倒してもハネ返るヤブに何度もパンチをくらって、
あげく顔にまで切り傷多数。
全身傷だらけ。。。もうオヨメにゆけないっ。

1時間以上ヤブと大格闘のすえ、ようやく稜線に出た時には
ホッとしたのと達成感で久々にうっすら泣けた。。


そして登山道には、テンガロンハットにスカート&原色タイツ
というお約束のオサレ山ガール達。
一方、ヘルメットで足はアザだらけ、顔から流血、全身ズブ濡れ、
爪の中まで泥だらけの私。。。

うーー・・
なんか間違ってるっしょ! 私も乙女なのに!

・・・そりゃ、「女子度低い」とか「オッサン」って言われるっつーの。
オマケにそんな自分をむしろ「カッコよくね?」とか思ってる時点で、
もう女として完敗だもの(笑)。


帰りは、そんな山ガール達の間を縫って、
軽くくじいた足を引きづりながら、一般道を下山したのでありました。
もちろん帰りもヒルの餌になりながらね・・・・(涙)。

もしあの瞬間に辞書があって「満身創痍」という言葉を引いたら、
きっと「沢登りをすること。またはそのようす。」って書いてあると思う!!


いや~ 疲れました!マジで。
日帰りながら、歴代の山行のベスト3に入る疲労感。

でも・・・・

この満足感・達成感はどうだろう!
まー要はMなのよね。沢登り好きなんて(笑)。

あ、結局谷川の山頂には今回も振られましたよ。時間切れで。

いつかまた「4度目の正直」をやってやる~~。
(そろそろ「これだけ振られるって事は嫌われてる」って事に気付くべき)

水曜日, 7月 20, 2011

心の弱さに向き合う。~小川山の巻

もーすぐ夏フェスだねー。

今年のサマソニのラインナップって
後半が発表されるにつれ、なーんか違和感が。。
レッチリとリアム頼み感が漂うよね。

なんで? 原発怖くて、海外アーティストが
アサインできないのかしら・・・?

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なんつーか、連休は小川山でクライミングっす。





これから10月まではほぼノンストップ山状態。
夏は週末に頑張って、平日に休息するのだ~(笑)。

<本日のメニュー(=登ったルート)>

■おむすび山

無名ルート 5.10a
ラベンダー 5.10b

■八幡沢左岸スラブ

春のもどり雪(4P) 5.7
ビスタの夏休み 5.9
トムと一緒 5.10a

■父岩

小川山ストリート 5.9
タジヤン2 5.10a


もうね~・・・敗退の嵐なので、ひとつひとつのルートを
説明する気は失せるんですけどね(苦笑)。
外岩に行くたびに、自分の力のなさを思い知らされるばかりでねえ。

とりあえず、備忘録的にいくつかピックアップ。
(あ、ちなみに今回フリーのルートはすべてTr.で登りました。
 もうね、心の弱さ出まくりですよ・・・)


○春のもどり雪(4P)/5.7

今回はマルチが目的だったので、メインイベントでもありました。
これは正直上手くいった気がする。スラブ中心でルートとしても楽しかった。
かなりレベルが上の大先輩と初めてツルベで登ったんですが、
スピード感もあったし、マルチのシステムもさほど躓きがなかった。

「お、これはイイんでない?」と、思った矢先・・・・

やっぱりね。やっちまいましたよ。
いつだってそういうツメの甘い女なんですよ。私ってば。

後発のパーティを待つ間にすっかり集中力が途切れて、
最後終了点を外す時に、確保器を落としてしまいました・・・(涙)。

他のパーティにぶつからなかっただけラッキーとも言えますけどもね。
転がる確保器は、ルートを右にそれて藪の中へ。。。

サラバ! 小川山の藻屑と消えた私のルベルソちゃん。
元気で暮らせよ!






○トムと一緒/5.10a

今回これ以外のフリーのルートはすべてスラブで
完全に気分はロンリーだったんですけど、
その中で唯一頑張る気力を与えてくれたルートでした。

3ピン目のせり出しが核心だと思うけど、そこさえ思い切れば
なんとか次はリードで行けるんじゃないかと(いう気がしただけかもしれない)。


○小川山ストリート/5.9

小川山を代表する人気ルート(だそうです)の「小川山物語」の右側。
確かに、取り付きまでのアプローチがやや長いのが難ですが、
高度感とか、ルートの距離とか、人気の理由は分かる気がする。

とにかく距離が長くてフットホールドがないので、
キーはフリクションと持久力(というかスピード)。

最後に登ったせいもあるけど、このルートが
今回一番印象深かったので、もう少し上手くなったら
また登ってみたい。そして成長を実感したい(するのか?)





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・・・・1年前の夏、こんな風に壁に貼り付いてる自分なんて
想像すらできませんでした。
一般道の縦走テン泊でも、十分スリリングだったのに。


北岳のバットレスで初めてクライミングに興味を持ったあの日から、
時間は着実に前に進んでいるんだなー。

やってやれないコトなんてないし、自分が歩み寄れば、
周りの人たちや環境が必ず私にとってポジティヴな存在に
なってくれるんだよね。

良い事も悪い事も、すべては「自責」。

どんなに自分が100%正しいと思うことであっても、
「何か自分にも問題はないだろうか?」と、常に考え、自問し続ける・・・
そう思う気持ちが、結局は自分と人を繋ぎ、自らを成長させるんだな。

って事が、クライミングをやっているとよく分かるし、
クライミングがそれを教えてくれるなーっていう気がする。

非常に特殊な競技だと思います。クライミングって。

夜のキャンプも含め、レジャーな空気感は非常に薄いわけで(笑)、
人によっては「なんでわざわざ休日にそんな思いを?」って
人もいるんだろうけど、私には合ってるみたい。

当たり前の日常と、命の危険がある緊張感。
このギャップが気持ちを引き締めて、普段の自分にも
プラスに働いてるように思います。

・・・・ホラ、茹で麺を冷水にさらすと、
グっと締まって美味しいじゃん? アレだね。アレ(笑)。

水曜日, 7月 13, 2011

八百屋で感じられない季節感は、落語で。

週末、越沢バットレスで少々怖い思いをしたんですが、
人間て怖い思いをしたその瞬間より、後になってから
ジワーっと恐怖を感じるんだって事を実感。

「思い出し笑い」ってよく言うけど、
「思い出し冷や汗」っていうのもあるんだ(苦笑)。

・・・しかし、「この困難もクライミングの醍醐味!」
とか思ってる自分は、なんたるMっぷり(笑)。

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続きますが、落語ですよ。


「よってたかって夏らくご」@よみうりホール

入船亭辰じん 「真田小僧」
柳亭 市馬  「船徳」
三遊亭 白鳥 「新・あたま山」
 ---仲入り---
柳家 三三  「おばけ長屋」
柳家 喬太郎 「極道のつる」


趣味人の集まり、通称「らくご部」(という名の飲み仲間(笑))
の恒例企画。見ごたえ満載でした!

しかしまー なんというバラエティっぷり(笑)。
演目も「夏、真っ盛り!」って感じになってきましたね。

このメンツである以上、最初から誰が新作で誰が古典かは
ほぼ想像がついてたわけですが、白鳥と喬太郎は確実に相談して
やってますね(笑)。

「あたま山」も「つる」も、落語の噺の中では
際立ってナンセンスというか、ショーモナイ話。
それでいて「粗忽長屋」ほど洗練された話でもない。

こーいう、ある意味身もフタもない話を自分なりにアレンジして
やるっていうのは、結構チャレンジだなーと思います。

「極道のつる」は、落語の「つる」を、ヤクザの親分と
アホなチンピラの掛け合いに乗せ変えて進む話なんだけど、
そのチンピラのアホっぷりがなんともリアル!
喬太郎の人間観察力は、ホント秀逸だと思う。

これをトリにしていいのか?って疑問はありつつもネ
(事実、喬太郎自身が「なんで俺がトリ!?」と言ってました)。


今回は、三三の「おばけ長屋」が良かったかなー。
最後までやりませんでしたけど。

 # 空き室を倉庫代わりにしてた長屋の面々は、
 # その部屋が埋まらないように、怪談噺をデッチ上げ、
 # 部屋を借りたいと言ってきた人を怖がらせていた。
 # しかし、そんな噺をなんとも思わない男が、部屋を
 # 借りたいとやってきて・・・・

この噺は、おばけが出るという噺をモノともしない男と、
そんな男のテンポに巻き込まれながら、怪談噺を進める
男との掛け合いが面白さのポイント。

三三の演出はそこが実に巧みで、おばけをちっとも怖がらない男に
戸惑い、テンション下がりまくってもなお怪談噺を続ける男が、
とてもユーモラスに描かれています。

師匠小三治の「景色が見える落語」を、三三は確実に継承しているなと。

早く年をとって、円熟した芸が見たい。

・・・まあ、私は三三君と同級生なので、彼が年をとるという事は
私も年をとるわけなのだけど(笑)。


高座がハネた後はいつも通り打ち上げへ。

今回、私は用事があって途中退場だったんですが、
後で聞いたら、のれんが掛かるのと同時に入ったその店で
閉店まで飲み続けたそうで(笑)。

およそ7時間。鈴鹿耐久レースかっ!

このメンツで飲むと、6時間7時間はへっちゃらって
事も確かに多いので、自分がその場にいなかった事は
良かったというか、悔しかったというか・・・(笑)。

でも、年齢や立場を超えて(なんたって会社では部長の人が2人もいるんで)
ダラダラとアホ話しながら飲める友達は、とても貴重なんだと思います。
(部長を友達と呼ぶべきははともかく、私はその2人の部長とは、
 仕事的な接点がゼロなので、まー「友達」で、いいでしょう)


本や映画で学ぶ知識もあるけど、
結局は人が学べるのは、「人」しかいないんだな・・・って、
最近シミジミ思います。

悲しい事や辛い事も含めて、
「人生はそういうモノだ。だったら泣くより笑おう!」と
思える強さを、落語は教えてくれる気がします。

木曜日, 7月 07, 2011

夢は大きく。 ~朝日いつかは名人会@浜離宮

ご無沙汰しております。

え~ ちょっとゴチャゴチャしておりましてーぇ、
だいぶ間が空いてしまいました。。。

や。まあその間も色々やってたんですけどね。
山も沢も行ったし。映画も落語も観たし。

・・・あ、先月劇的にスバラシイタイミングで
ビアガーデンバースデーをやってくれたクライマー仲間の皆さん!
遅らばせながら、改めて本当にどうもありがとう!!
泣けました。死ぬほど元気出ました。


そんなわけで・・・・リハビリも兼ねてポチポチと。

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で。軽いところで、復帰一発目は落語会の話から。

【第22回 朝日いつかは名人会】@浜離宮

・立川 春樹 「雑俳」(開口一番)
・立川 談奈 「青菜」
・立川 志の吉「茶の湯」
 ----仲入----
・3人のトークショー
・立川 生志 「らくだ」


朝日ホールの「朝日名人会」という老舗の落語会があるんですが、
そこに、「将来出る“かも”知れない」大物候補の若手噺家が
登場する会です。まあ2軍の試合という感じでしょうか。

演目を見ていただければ分かる通り、
立川流にしては、なんともはや実直な落語会です(笑)。

夏ですねえ~。これで「船徳」とか
やってくれたら完璧だったのに。


前座の春樹君は談春の弟子なんだけど、
私はたぶん談春の弟子は全員見たことがあって、
このコが一番上手い。先がすごい楽しみ。

今回も、私は志の吉君ウォッチャーとして彼を聴きに行ったわけなのだけど、
まあ・・・なんというか、やはりトリの生志師匠がさすがの真打の芸だったので、
二つ目2人はかなり霞んだかな・・・ と(苦笑)。

「茶の湯」はとにかく笑いの多い噺なので、
志の吉君的には鉄板のネタなんだけどね。


生志師匠の「らくだ」、やっぱり談志の「らくだ」にかなり近い。
師弟なんだから当然だけど。
こういう乱暴モノが出る噺は、立川流のお家芸ですね(笑)。


 # 乱暴者で長屋の嫌われモノの、あだ名が「らくだ」
 # という男が、ふぐの毒にあたって死ぬ。
 # 兄貴分が弔いをしようと、たまたま通りかかった屑屋の男を脅し
 # 無理難題を押し付ける。
 # 最初は翻弄されまくる屑屋だが、実は酒癖の悪い屑屋の男、
 # だんだん力関係が逆転し・・・・

今回も葬式のところまでやらないパターン。
私、実は高座で葬式のシーンまでやったのを観たことがないんだよね・・。
一度聴いてみたい。

この噺自体は、私はそんなに好きじゃないんだー。

偽善者ぶるつもりはないけど、いくら乱暴者とは言え、
らくだが死んだ後に、あらゆる人から「やった! アイツついにくたばったか!」と
喜ばれるので、あんまり気持ちのイイモンじゃないし。

でも私も、「らくだ」がかかるとつい「お!」って思うのは、
この噺の聴かせどころである終盤が楽しみだから。

らくだの兄貴分の脅しにオドオドと従っていた屑屋が、
酒が進むにつれて徐々に性格を変えていく様子が、同じ酒飲み
として、見ていて「あ~~いるいる!こういう人!!」と
嬉しくなっちゃうんだよね(笑)。

その辺り、今回の生志師匠は素晴らしかった!

私はこの人の落語を聴いたのは実は初めてなんだけど、
彼は絶対酒飲みだなー と思った(笑)。


・・・・飲むと性格が変わる人(特に「気が大きくなる人」)
というのは今も昔も変わらずいて、大体それは男の人なワケで(笑)。

男の人って生物学的にも「自分を大きく、強く見せなきゃいけない」ので、
それは全然いいんだけど、個人的には飲むと気が大きくなる人って、
自慢話みたいに鼻につくタイプと、「カワイイなー」と思える人と
2種類いるような気がする。

あれってナンなんだろーね?

まあもちろん、「若くてカワイイ男の子だったらなんだって許せちゃう」
とかもあるにはあるんだけど(笑)、それだけじゃなくてね。

きっとそれは(女の私の立場からすると)、
「無邪気か、そうじゃないか」、の違いなんじゃないかな~。

「自分を強く見せたい」という感じがストレートに出てる人は
やっぱり可愛らしいよね。猫が獲物のねずみを獲ったあと、飼い主に

「ホラホラ!獲ったよ! みてみてーっ!」 って自慢する体の(笑)。


この噺の屑屋の強がり方は、若干斜にかまえたところがあるものの、
わりと可愛げのある強がり方かも。

この噺が暗くて陰惨な感じにならないのは、
その辺りも理由なのかもしれない。

・・・男の人って、「男の色気」とか「男の強さ」という事に関しては
わりと関心があるみたいだけど、実は女子は、「男の可愛げ」
というモノにも注目すると思うよ。

メンズの皆さんは、かっこよさとか強さだけじゃなくて、
自分の「カワイゲ」がどこなのかを追求してみると、
案外モテ系になれるのではないかっつー気がいたしますヨ(笑)。