金曜日, 5月 22, 2009

言葉じゃないんですよ。

「まだ1回しか使ってない口紅をなくした」とか、
「袋から出した直後のストッキングを爪に引っ掛けた」とか。。

誰でも経験したことあるサマツな事なんだけど、
実際に遭遇すると、な~んかヘコムわ。

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もうあえて映画ブームとか書きません。
普通に月3~4本ペースで見てるから(笑)。

というわけで今週は
「ブロークンイングリッシュ」


・・・・ん~ 映画ってやっぱり相性があって、
いい・悪いではなく、好き・嫌いって判断が当然先に
あるわけなんだけども、私的には「ナシ」ではないけど、
正直「はい、そうですか」っていう印象の映画でした。


筋だけを説明してしまうと、その感じがますます
際立っちゃうんだけど、

 舞台はNY。仕事はそれなりのキャリアを持ってるけど、
 男運に恵まれない30代女の物語。
 いつも酒の席では口説き文句を重ねる男がたくさんいて、
 フランスからやってきた彼もその1人。
 でも彼との関係はちょっと違う感じで、でも会って数日で
 彼はフランスへ帰ることになる。インスピレーションを感じ
 つつも、彼女は今の生活を捨ててまでついてはいけない、と・・・・


てな感じで、良くも悪くも「私のような女」の共感を
得る映画だって事なわけですよ(笑)。

ストーリーの中には、周囲の友達は幸せになってるのに・・
っていう苦悩とか、「自分を哀れむ事が哀れだ」とか言う話とか
ありそうな状況もたくさん出てくるんだけど、
いかんせん筋書きに現実感がない。

そして・・・これから見ようって人がいたら申し訳ないんだけど、
最後が、

 フランスに帰った彼を追いかけたけど、
 電話番号をなくして結局会えず。
 でも、気持ちを前向きにして帰国する時に、
 空港へ向かう電車で彼と遭遇。奇跡!

・・・みたいな内容なんですよね。。

恋愛映画ってハッピーエンドじゃないと後味悪いし、
これはこれでいいんだけど(効果音とかで派手派手しく
終わらせてないのはよかった)、なんか・・・・ねえ~ぇ。

観ているほうも、「きっとこの電車に
彼が乗ってくるんだろう」という事が
おおいに予想されて、なんつーか新鮮味はない。

「負け犬女の応援映画」は、数が多いだけに
評価も厳しくなりがちなんだけどね。


でもこの映画、英語の勉強には最適だと思う。
元々恋愛映画をほとんど観ない私がコレを観に行ったのも、
実は英語学習者向けの雑誌に紹介されてたことがあるからだし。

中盤以降に主役の彼として登場するフランス人が、
ネイティブじゃないのでとても英語が分かりやすい。

男女の会話ってそもそも中身なんてないし(笑)、
テーマも日常の雑事だから、使えそうなフレーズも多い。

そういう視点で見る映画という事であれば、
DVDとかだったら楽しいかも、と思う。

・・・・それにしても。

こういう映画に心を動かされない・・・というか
甘い気持ちになれない私は、
人として、女としてどーなのか?とか思って、
逆にそっちでヘコんだ(笑)。

もっと恋愛映画を意識してみなくちゃな!

月曜日, 5月 18, 2009

組み合わさって、すごくなる。

■“性格出るよね”シリーズ

道で人とすれ違う時に、「原則として真っ直ぐ歩く人」。
自分からよける意思がなく(=相手の呼吸を読むつもりがない)、
「基本、相手がよける」という考え。の人っていません?

個人的には、そんなにみずほらしくない雰囲気の
40~50代のオッサンが多い気がする。

社会的に地位があるのかもしれないし、
金持ってんのかもしれないけど、
こういう人の嫁とか子供には
なりたくないな と思ったりする。

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なんだか飲み続けの週末。

土曜日は(私的には)久々に落語って来ました。

 らくだ亭「東西落語・華の特選会~第20回」
 http://www.shogakukan.co.jp/rakugonokura/

最近多い、江戸と上方の噺家がミックスで出る企画です。

師匠と弟子って組み合わせが2組いたので、
その違いを同じ高座でダイレクトに見れるのも楽しかった。

・青菜(都丸)
・船徳(さん喬)

という、夏ならではの噺が2本も出て、
「ああ~・・・もう夏なんだなー」と、シミジミ。

最近は、悲しいかな「八百屋の店頭で夏を感じる」
みたいな事もないしね。

よく一緒に落語に行く人の中に、上方落語にすごく詳しい
人がいて、その人と出かけるようになって以来これまで
知らなかった上方落語の世界を垣間見る機会が増えました。

知らないものを知るって、純粋に楽しいよね。
大好き!

最近、アートとか歌の世界で
「ケミストリー」とか「コラボ」とかって言葉がよく出るけど、
まさしく今回の企画もそんな感じで、賑やかでハイテンションの上方と、
サラっとした“粋”重視の江戸とのバランスがちょうどよくて、
ひとつひとつの噺の完成度が高いだけじゃなくて、
“全体”になる時に出るすごさ、みたいなモノが感じられました。

シングルもいいけど、アルバムになると
コンセプトがハッキリ出てより音楽としてレベルが上がる、的な(笑)。


人間関係にもそういう事ってあるけどね。

「この人と組むと何かがありそうだぞ」という
ワクワクが得られたり、互いの力を補いあって、
1+1が3にも4にもなる人もいるし、逆にいくら気が合う人でも、
そういう「組み合わせから生まれる“何か”」は感じない人もいるし
(もちろん、それでも気が合うのは嬉しい)。

・・・まーでも、「なんであれ、苦手なモンは苦手!」ってな人とは、
それ以前にあまりお近づきになりたくないわけなんだけども(笑)。


まだまだ世の中には、私の知らない
ワクワクがきっとたくさんある!

木曜日, 5月 14, 2009

仏流哲学事情

「私はあなたの意見には反対だ。
 しかしあなたがその意見を主張する権利は全力で守る」
-- by ヴォルテール

資本主義下における健全な議論の基本です。

人の意見に反対する事と、相手を不快にする事は
本質的に違うわけなんですよ..。

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と。全く関係ない始まりですが、
皆様、初夏のひとときをいかがお過ごしでしょうか?

あたしは仕事っすけど。

今日は映画の話なぞ。・・・って、もーイイっすか?(笑)
たぶんここ半年は、人生で2度目の映画熱期に入っておりますので
何卒ご了承ください。

今回は、エリックロメールの「春のソナタ」

ちょっと前にゴダールの映画を観た時に
ロメールの映画の予告編やってて、
10代の頃「夏物語」を観たのを思い出しました。

私の1回目の映画熱期は20歳前後だったように思うんだけど、
あの頃は、観たい・観たくないじゃなくて、
「B級」「サブカル」という基準で映画を選んでいたような気がする。

なんつーか・・・・要は“カッコツケ”?(笑)

そういうある種難解な映画を観る事で、
なんとなく自分も「文化人になった気がした」っていうか。

あの頃、そういう映画をなんとな~く観てたのは
無駄ではなかったと思うけど、そういう鑑賞法ゆえに
あまり覚えてる映画がなくて、今、新鮮な気持ちでまた見られるのは
返ってラッキーなのかもしれません。

20代も中盤になると、音楽とかスポーツとか合コンとか(笑)、
興味の範囲が移っちゃって、あまりまとまって映画を観た記憶がない。
もったいないな~。いま思えば。

 ・・・と、余談が長くなりましたが、
 そんなわけで「春のソナタ」。

80年代の映画なので、さすがにファッションとか
かなりクラシック(しかも80年代って、まだ「レトロ」
とも言い切れない中途半端なダサさがあるからね・・)。

でもなんかねえ~・・・・いい映画だよ。ジワっとくる。

「春のソナタ」ってタイトル、最高だと思う。
本当にそんな感じなんだもん。

すごーい乱暴にあらすじを言うと、「18歳のナターシャが
知り合った女性ジャンヌがとても魅力的なので、自分の父親の
恋人にしたいと考える。でも色々ありまして・・・」という話なんだけど、
とにかく全体に漂うフランスな感じがとっても自然。

父親の恋人が娘と同世代とか、親子ほど年の離れた友達とか、
こういう設定って日本ではあまりなじみがないけど、
個人的にはすごく自然に受け入れられました。

男女や年齢に関係なく、「惹かれあうもの同士」が近づく時って
時代とか文化を超えたものがあるしさ。

ジャンヌの仕事は高校の哲学の教師なんだけど、
作中にも哲学的な会話が随所に出てきて
すごく難しいんだけど、つい聞いちゃう。


・・・・てゆーか、フランスて、高校に哲学の授業が
あるんだ!ってことにビックリしたよ。

哲学って突き詰めると「人は何故存在するか」
っていう学問なので、それを高校生が勉強するって
相当早く大人になるよね。。

日本の高校にもあればいいのに。

そしたら、30にも40にもなって
子供みたいに自己中だったり、
様々な配慮のないアホな人間が少しは減るかもよ
(と、フランス映画っぽくシニカルに終わってみた)。

月曜日, 5月 11, 2009

なんでも「初体験」はトキメキ。

清志郎が亡くなったり、大泉洋さんが結婚したり、
私的にオドロキのニュースの多かったGW。
長期の休みは、いつもと違う生活を送るから
ニュースが入ってこないね。

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今年のGWは1日単位で細々出かけてたんですが、
フィナーレに2泊(含前泊)登山をしてまいりました。

残念ながらお天気が安定せず、
当初の予定だった谷川岳はおあずけ。
代わりに、東北「安達太良山~箕輪山」の縦走と、
「一切経山~吾妻山」の縦走二本立てです。
(磐梯山の周辺ですな)

・・・といっても、結論からいうと、
最終日はお天気&火山活動の活発化による登山道閉鎖で
お目当ての山には登れず、30分の散策程度で終わっちゃったんだけども。

でもコレも「山」。

登山を始めて、いい意味で諦めがよくなった気がします。
「山に登る事を目標にする」というより、そういう急な
予定変更も含めて「その状況を楽しむ努力」をするというか。

今回は、「東北」「残雪期」「テント泊」「濃霧」と、
これまで経験のない状況が満載で、
なかなかスリリングな体験でした。

安達太良山までは比較的登山者が多くて
トレースもかなり残ってたんだけど、
その後の箕輪山までの道のりは(ビギナーの私には)
結構ハード!

雪解け水でドロドロになった地面、
「天然の落とし穴」とも言える雪庇、
草木が生い茂るけものみち・・・などなど、
歩いている途中もほとんど人とすれ違わないほど。


私は都会育ちなので、いわゆる「自然の脅威」というものを
どうも甘くみがちな傾向があります。
「ま~ なんとかなるっしょ」みたいな気分になっちゃうのよね。

でも、自然てそんな甘いモンじゃないからさ。
残雪があれば歩く速度はグっと遅くなるし、
霧が発生すれば、あっという間に数メートル先も
見えなくなるし。

そういう、ある意味「無力感」を時々味わうって結構大事で、
そうする事で、日々の生活の中でも
「ああ、ひとりよがりはいけないな」とか、
そういう素直な反省の気持ちを持てるっていうか。

別にそんな事を意識して登ってるわけではないんだけども(笑)。


ま、日々の日常の中で「自分は絶対正しい」と思って
言葉を発して、無意識に人を傷つける人があまりに多いので、
山って、そういう「私が私が・・・・・」的な人に疲れている気持ちを
癒してくれるし、私自身も「知らぬ間に誰かを傷つけてないかな?」
と、振り返る気分にさせてくれるんだと思う。



珍しい景色の連続で、一緒に登った仲間も楽しかったし、
予定通り行かなかったけども充実の3日間でした。

私にとっての山登りは、
まさに「自分と向き合う時間」なんだなと
改めて思いました。


1000円渋滞にも巻き込まれず、
さすが山師匠、ナイス時間分配ですな
(と、師匠を持ち上げておこう 笑)。

次は夏山へトライだっ!


*山頂のメヒョー。

木曜日, 5月 07, 2009

これぞ「リアル」?

門仲の朝ラッシュの整理員に、
超アニメ声のめがねっ子ちゃんがいて
エライ気になります。朝萌えです。

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連休前にたまたま連続で
2本映画を観たので、ちょっと前ですが
そのレビューなぞ。

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まずは、なんとなく観に行きました。
事前告知通り「バーンアフターリーディング」

そこそこ知名度のある映画なので
ここにはストーリは書かないけど、
とにかくこれぞコーエン兄弟!てな映画です。

世界観は「バーバー」とか「オーマイブラザー」に
近いものがあるかも。

ジョージクルーニー、ブラピというそうそうたる
キャストとは思えない、奇をてらった展開。
このキャスティングだと、ついオーシャンズっぽい映画な
気がしちゃうけど、全然違います。そんなカッコよくない。
(でも、残念な男の役をやってもカッコよく見えちゃうのが
 イケメンの性ではあるけど(笑))

コーエン兄弟の映画を観るといつも思うんだけど、
世の中って、

 自分が思うほど周囲の出来事はドラマチックではないし、
 生と死の境界って驚くほど曖昧だし、
 自分の理解の範囲、目に見えてる事だけが全然すべてじゃないし、

って事を思ったりします。
それも「感動的」にではなく、「シニカル」に。

だって、例えば「どこにでもいる平凡な人間が、ひょんな事から
国の機密文書を拾う」って感じで始まったら、普通そこから
様々なトラブルに巻き込まれて、非日常な生活に・・・とか思うじゃん?映画なら。

でも、コーエン兄弟の映画って基本的にまったく逆で、
そんな大層なモノを拾っても、盛り上がってるのは本人達だけで、
別に全然「大変な事」にはならない。とんだ肩透かし(笑)。

でもさー。実際の世の中って案外そんなモンだと思うのよね。

突然非日常的な事に巻き込まれたりしたら、
案外みんなアホっぽいリアクションしちゃうんだろうし、
本人が「わ~!今の私ってドラマの主役みたい!」とか思ってても、
周りからみれば「よくある話」っつーか、興味なしっつーか。

ドライかもだけど、結局「人間最後はひとり」
って事なのよ(苦笑)。

相変わらず「えっ 終わり?」っていうラストなので、
それが許せる人であればゼヒ。

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でもって2本目はコチラ。

「アリス」
/監督:Jan Svankmajer(ヤン・シュヴァンクマイエル)

監督はプラハの生まれ。
友人が国際結婚してチェコに住んでいる事もあって、
なんとなくチェコ物には目が止まります。

まあ原典は、あの有名な「不思議の国のアリス」・・・なんですが
ファンタジー性はゼロ。出てくるウサギとかも全然かわいくないし。

登場人物はアリスのみで、最後はオリジナル同様
いわゆる「夢オチ」なんだけど、
なんつーかこう、「気持ち悪いんだけど、つい見ちゃう」
強さがある映画です。

個人的に、(元も含めた)社会・共産主義の
抑圧社会の中で生まれた、パラノイアっぽいカルチャー
にものすごく興味があります。
(シュールレアとかテクノなんていうのは、まさに
 ソッチ系カルチャーだから、無意識に好きになっちゃったし)。

ものすごく変な解釈かもしれないけど、
シュールレアってちょっと落語に通じるものがあって、
どちらも「茫洋とした笑い」(って変な言葉だけど)があるんだよね。

「売らんかな主義」に汚されたお仕着せの感動とかじゃなくて、
もっと・・・・なんつーか人間の本質的な「エロス」とか「ダメな面」とか
「ズルイ面」を肯定した作品になってるっていうか。

でもそんなアングラな感じを押し出さないし、
人に見て見て~っていう押し付けがましさがないのが またイイんだ。

この映画を観てると、
監督の「ダメな感じ」「コンプレックス」が炸裂していて
なんかすごい赤裸々だーと感じます。


個人的には好きな映画でした。
たぶんDVDもあるよ。