火曜日, 4月 28, 2009

ここに落語の話を書くときは、
完全にメモモードになってるな(笑)。

そんな訳で、週末に観た「三三独演会」@中野。

三三は柳家小三治弟子の若手有望株で、
私と同い年だったりとか、たまたま鈴本で
彼の真打披露興行を見たいきさつから
(目当ては師匠の小三治だったんだけど、結果として帰国後1発目で
見たのが彼だった)、なんとなく応援している噺家さんです。

彼の名前「三三」と書いて「さんざ」と読むんだけど、
二つ目の頃は「“ミミ”って読まないでくださいね~」
っていうのがお決まりのマクラだったのに、
今やどんどん人気と知名度気が上がってきてて、
そんなマクラも通用しなくなってきてます。

・・・どの世界にもいろんなキャラの人がいるけど、
噺家の世界の中では、三三は「正統派」と言われていて、
実直に古典をやる人。年の割に老成しているので、違和感もない。


今回は仲入り挟んで1時間以上の、
「髪結新三」という独演会ならではの大ネタがメインでした。

この話、私も初見だったのですが、

 髪結の男が大店の娘をだまして連れ出して(誘拐じゃん)、
 それを解決しようと周りの人が右往左往する。

という噺なんだけど、笑いどころが少ないし、
決して分かりやすいサゲ(落ち)でもない。

かなり難しい噺と言っていいと思います。


・・・それをですよ。1時間以上、たった一人で舞台中央に座り、
ただただ「話す」だけで数百人もの関心を維持し続けるって・・・

すごくない? 

当たり前だけど、舞台には何もないんだよ。


噺家にはいろんな種類がいて、爆笑モノの噺ばかりやる人もいるし、
「座って話す」という基本をはみ出したチャレンジ的ネタをやる人もいる。

もちろんそれはそれですごく楽しいんだけど、
今回みたいな、本当の意味での正統派な噺を聴いちゃうと、
「やっぱすごい人はスゴイ!」と、思わず唸ってしまいます。

一緒に行った人たちと帰りに感想話してる時も
思わず「・・・・・」 全員無言。
それくらい「や~。やるな」って感じだったって意味でね。


エンターテイメントというより、完全に「芸(術)」だね。
今でアレなんだから、10年後20年後にどうなるのか、超楽しみ。


最近は落語を楽しむ人の人口が増えて、
いろんなタイプの噺家を選べる時代。

年配の人はやっぱり昔の名人にこだわりがある人も多いけど、
間違いなく、今は才能ある人がいっぱいいて「落語黄金期」だと思う。

せっかくこの時代に生きてるんだから、落語未経験の人は
ぜひ一度足を運んでみるといいと思います。
それから、好きか嫌いか判断しても遅くはないじゃん?

・・・・あ、でもこれ以上チケット争奪戦が激しくなったら
かなり困るんだけどね(苦笑)。

木曜日, 4月 23, 2009

「正しい」は正義か

定額給付金の申請用紙が来ました。

どーせ給付金分で駐禁の罰金を払う事に
なりそうなので、できれば「駐禁1回無料券」
が欲しいのですが。

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アカデミーでも話題だった
「MILK」を観てきました。
このところハリウッドモノが続いてるわ。

アメリカの公職で初めて、自分がゲイである事を
公表してから当選した実在の人物の物語。

主演男優賞を獲ったショーンペンは、「そりゃ賞も獲るわ」
と思わず言いたくなっちゃう納得の演技! すごい!!

主人公のミルクはゲイだけど、結果としてすべての
マイノリティー(ブラック、障害者、トランスジェンダー
などなど・・・)のために声をあげた人物。

この人が魅力的なのは、最初から政界を目指していたわけではなくて、
40歳までは保険会社の社員で、若い恋人と穏やかな
ヒッピー的生活を送ってたってところ。

だから、マイノリティーとしての理想論ではなくて、
リアルな、地に足のついた話ができるんだよね。

当然マイノリティーには「迫害」がつきもので、
ご多聞に漏れずゲイも、70年代はとても抑圧されてたそうで。

個人主義のアメリカで、「教職にある人を、その性的思考により
解雇する事ができる(提案No.6)」なーんて法律が、実際に通らないまでも
議会で結構な票を集めたって時点で、個人的にはちょっとオドロキです。

ミルクの対抗馬として出てくる人たちは、
みんな(自らの考える)正しい論理を振りかざすわけだけど、
「正しい事=正義」っていうのはちょっと違うし、
「マジョリティ=正義」なんて解釈はもっとありえないわけで。

非常に幼稚な書き方ですが、ごくシンプルに

「いいじゃん。みんな、あるがままで」、

と思わずつぶやいてしまいました。

感想を簡潔にまとめるのはムズかしいんだけど、
まーアメリカのような「経済大国」「軍事大国」「No.1大好き」な国でも、
こういうテーマの映画が定期的に作られるって事に、ちょっと安心します。


しかし・・・、ハーヴィー・ミルクは実在の人物なので、
彼はもちろん、選挙戦に携わったゲイ仲間も実写が
諸所に出てくるんだけど、ゲイの人って、なんでこうも
ハンサムガイが多いのかしら。。

ゲイという思考は全然いいんだけど、
「ハンサムが女に回ってくる可能性が低くなる」って事に、
ガッカリ度を感じずにはいられないのよね・・・(笑)。

「ジンワリ感動系」映画。
好きなんだよねー。こういうの。
もう1回観てもいいかも。


ちなみに、次は「バーンアフターリーディング」になる予定です。
何故なら、私はコーエン兄弟の映画は全部観ないと
気が済まないからです(笑)。

火曜日, 4月 21, 2009

モノ作りストの街・吉祥寺

高尾山2往復(題して「小仏の呪い」)に
参加された皆さん、本当にお疲れさまでした。

まだ足、ダルダルです。

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週末知り合いのライブを観に、吉祥寺に行ってきました。

音楽ってとっても不思議なもので、
そのバンドが演奏するのは普段私が聴くような
ジャンルの曲ではないけど、年齢もそれなりな人達なので(笑)
技術は高いし、何より演奏している人たちのエネルギーが
オーディエンスにちゃんと伝わればとても満足感が高い。

やっぱり楽器ができるっていうのはイイわね~。
イマサラながら、もっとちゃんとやっときゃよかった。


ところでこのライブの前に、同じく吉祥寺でやってた
私が好きなイラストレーターさんの個展があったので
寄り道したんだけど、吉祥寺って改めていい街だね。

物欲そそられる店が多いのは困るけど(笑)、
小さなお店や、変わったファッションの子が
たくさんある(いる)から、歩いてても全然退屈じゃない。


地方から出てきた人たちが、高円寺とか吉祥寺とか
中央線沿線に住みたがる気持ちが分かる気がする。
おシャレとか、便利とか、それだけじゃない感じ。

 緑や古い町並みがそれなりに残っていて、それでいて新しい。
 人の体温みたいなものもあるんだけど、
 それでいてベタベタと馴れ馴れしい感じはしない。
 渋谷ほど子供ではなく、青山ほどOLでなく、
 新宿ほどダークでもなく、銀座ほど大人でもない。
 世代や人種を超えて「吉祥寺的な人」が集まる街。


・・・私の感じる吉祥寺って、いわばそんな街。

ひとり暮らしの私は別に住処に制約がないわけで、
一度くらい吉祥寺・・・とは言わないまでも、
あの辺りに住んでみたいな。

もちろん、実際に住んだらそれはまたギャップがあるだろうし、
朝夕の電車の事を考えると若干ウンザリするんだけど(苦笑)。


*個展は商店街を抜けた小さなギャラリーで開催。
 人面犬は、世界に101匹しかおらず、
 いつも世の中を斜に構えて見ている。
 いつだってマイノリティーは
 ステキで、楽しくて、魅力的で、そして切ない。

金曜日, 4月 17, 2009

2回目がいい?

日本人はどーして
「客=お金払ってる=偉い」って図式になる人が
多いのかしら。。

お客さんも、払った対価に受けてるものが
あるんだから、その関係ってフェアじゃん。

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元ネタのサイトを忘れてしまったので
リンクできないんだけど、アメリカのとある統計では、
1回目の結婚をした人と、2回目の結婚をした人(つまり再婚)
それぞれに、結婚5年後に「結婚して幸せですか?」
と質問したところ、
2回目の結婚で「幸福だ」と答えた人は、
1回目の結婚で「幸福だ」と答えた人の倍近くになるのだそうだ。

この統計をとった学者は、

 「結婚は1回目は練習。2回目が本番なのである」と

その記事で断言してるらしい。


ま、さすがにこの学者の意見は極論だけど(笑)、
言わんとするところは分かる気がする。

その記事の分析によると、1回目の結婚は20代が多く、
2回目は30~40代という人が多い。

 20代は、いわゆる「価値観の近い人」を選ぶ傾向が強く、
 価値観の近さは、居心地の良さであると同時に
 一旦居心地の悪さを感じると、近いが故に腹も立ち、
 取り返しのつかない衝突を招く危険があるものだ。

 しかし30代になると、性的欲求が下がるうえに
 人は「自分でカバーできないところを埋めてもらえる人」、
 つまり相互に補完できる人を求める傾向が強くなるため、
 相手といる事で“自分の完成度が上がった”気分になり
 幸福を感じられるのではないか? と。


ふんふん。
確かにそうかもなー。

私も、30代に入ってちょっと好みは変わった気がするよ。

まー自分の場合20代で「価値観の合う人」を好んだ
つもりはないけども
(それが逆にダメだったのか!? ( ̄Д ̄;)  。


よく「色恋は学習できない」なんていうけど、
学習とは別の次元の“経験値”でカバーできる部分も
多分にあるんだろーなーと思う。

これは、離婚が当たり前に存在するアメリカならではの
統計とも言えるし、増加傾向にあるとはいえ、
離婚率や婚外子の割合が先進国では極端に低い日本では、
この統計はあまり当てはまらないかもしれんけど。


・・・てゆーか、私が結婚したことないって時点で
説得力ないですね。

ハイ そうですね。


*結婚式には興味ないけど、
 結婚式の二次会はやりたい。ビンゴはいらんけど。

 ・・・だってー 呼びたいアーティストとか
 いっぱいいるんだもん。

水曜日, 4月 15, 2009

あくなき努力

週末に地元でお花見。
同い年の友達の、年に10回は会う
ず~っと見てきた娘がこの春小学校3年生。

あと10年もすれば、嫁に行っても
おかしくないわけだ。

・・・時の流れに感慨を感じずにはいられないのー。

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もう聞きたくないですか?

ハイ分かってますよ。
でも書いちゃう(笑)。

というわけで、昨日も隔月恒例企画
「立川志の吉 独演会」@八重洲へ。

ここに書く以外にも結構落語は観てるんだけど、
この会だけは、ある時から行くたんびに
「書いとこう」と、思うようになった。

なんつーか「母子手帳」代わりなんだよね(笑)。

日々の様子を書きつけながら、目を細めて
成長を喜ぶお母さん・・・、みたいな。



そんな訳で、前々回辺りから満員御礼が続いて、
今回も大盛況。自分のメモとしてネタを書いておくと、

開口一番(弟弟子の志の春)
・持参金

・堀の内
・試し酒


という番組。

落語ではどんな話にも、大抵キャラの立った
登場人物が出てくるけど、私はなぜか
「粗忽者(そこつもの=早とちりでおっちょこちょいな人)」
が出てくる話が大好き。自分がそうだからだと思うんだけども(笑)。

今回の話も粗忽者が出てくる話(堀の内)で、
そういう話はスピード感があって、
聴いてるほうもセカセカした気分になるのよね。
ま、お客さんがそういう気分になったら、
噺家的にはしてやったりなんだと思うけど。


今回は、途中に「映画予告編落語(説明すると
長くなるので割愛)」とか入っていて、
毎回色々新しい試みを考えてきますねえ。

ああいうハングリー精神というか、なんとしても
「お客さんに喜んでもらおう!」という
たゆまない努力、本当に頭が下がると同時に
私もガンバらなくちゃという気分になります。


次は6月。チケットも手頃な値段だし、場所もいいし、
落語の入口としては結構オススメな会だと
個人的には思っています。

ご興味のある方は、ぜひ次回ご一緒に。

金曜日, 4月 10, 2009

ウィ。

自転車のパンクを直した。

NZにいる頃、イスラエル人の友達に
「日本人はなんでも人に頼むからアホだ」と
言われて以来(実際はもっと長い話なんだけどね)、
自分でできそうな事は努めて自分でやってる。

自分でやるって達成感あるよね。大変だけど。
物事の「構造」が分かるってとても楽しい。

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終わったとみえてしつこい映画マイブーム(笑)。
昨日は「女は女である」byゴダールです。

私はあんまり詳しくないけど、ゴダールというと、
やっぱり60年代フランスのキッチュなイメージがあるみたいね。

映画自体は、

 1人の女がボーイフレンドに
 「子供が欲しい!24時間以内に!」と無理な
 お願いをして、そこから始まる色々を描いた
 コメディタッチの映画

なんだけど、もちろん文化もまるっきり違うし、
さすがに40年近くたっているだけあって
だいぶ今の感覚とは違う部分もあるので、
ストーリーに共感するとか、そういうのは全然なかった。

この映画、たぶんフランスでは男女の掛け合いが
「バカバカしい」映画なんだけど、日本的な感覚では
全然分からない。きっとアメリカでもスペインでも分からない。

こういう映画を観ると、「感動させたり」「泣かせたり」
する事よりも、「笑わせ」る事がいかに大変かという事を考えたりします。


でもなんと言ってもアンナ・カリーナ!!

超~~~カワイイ~~~っ!!


こういう60年代のファッションって
定期的にリバイバルするので、ファッションに関しては
今見ても参考になる部分がすごく多い。

真っ先に思い浮かんだのは小西康陽。
案の定、かなり影響受けてるらしい。

この映画の頃アンナはゴダールのミューズだったから、
映画を観てても、ゴダールがファインダーを通して
アンナをすっごく綺麗に、かわいく映そうとしてたのがよく分かる。

ホラ、恋人に撮ってもっらった写真って、
すごくいい顔してたりするじゃない?

ああ・・・・。

なんか、観てるとすごく
恋したくなっちゃう映画なのよね~。

それとも、恋をしたいのは春だから? てか サカリ?(笑)


とてもフランス映画ぽい映画でした。

女のわがままも、あんなカワイイ人に上目ずかいで
「ウィ」って言われちゃったら
全部許しちゃいそうだワ!(・・・って、ソレ男視点(笑))。


*アンナのステキな背中を見るだけでも価値あり。
 観た後は、「セボ~ン」な気分に浸って
 オープンカフェでお茶したくなります。

木曜日, 4月 09, 2009

世代?性格?

Specialsが! Aphex twinが!! Sonic youthが!!!
・・・ヘッドライナーはどーでもいいが、
今年はサマソニのラインナップが個人的にかなりツボ。。

早くフジも全部発表してくれ!
じゃなきゃ、浮気心がふつふつと、、、

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前にりりかさんもブログで書いてたけど、
ウチの会社でもペットボトルのキャップを集める
活動が始まった。

ボトルキャップを集めて、発展途上国の
子供にワクチンを送る・・・とか、そういうものね。

こないだたまたま会社で雑談の時にその話になったんだけど、
こういう活動って意見が二分するね。

私は、拾い集めてまで集めるような妄信的な活動はしないまでも、
別に自分に問題が起こるでなし、ちょっと手間かければいいだけなら、
少なくとも自分と周りの分は集めようかな、と思う。

ウチの部署は時々イベントをやるので、
その時にお客さんに出すドリンク分とか結構な量になるし。

でも若者(という言い方もよくないが)って、
あからさまにそういうのは興味なしって人もいて、
「何故やらないのか」という積極的な意見はないにせよ乗り気ではない。

「若者的なカッコつけ」なのか、ちょっとその辺は分からないけど。

こないだお花見やった時も思ったんだけど、
例えば「お花見」やると言えば、寒くなるかもしれないし、
地べたに座る事はほぼ想像付くと思うんだけど、
若い人って、素足にサンダル的だったり、白いジャケット
着てきたりするのよね。もちろん女子ばっかでも よ。


いいとか悪いとかじゃなくて、なんだか不思議。

なんていうの? なんか上手く説明できないんだけど、
とにかくなんか不思議なのよ。分かる?この感じ。

「自分が20代前半だった頃、そういう部分があったかなー?」
とか考えると、あったような気もするし、なかったような気もするし。

単に経験値の問題だけじゃない気がするんだけど。。


私の身近な人は、たまたま若者と自分の世代とで
考え方がずれているだけで、年齢と関係のない思想の違いなのか。
それとも、やっぱり「世代」の思想なのか・・・。


*微力ながら。

月曜日, 4月 06, 2009

「闇」になる。

お花見しました。
帰りがけに隣のホロ酔いのおっさんチームが
写真撮ってくれました(カメラマンらしい)。

ま、袖刷りあうも他生の縁 てね。

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不思議な不思議なイベント
「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」に行ってきました。


ドイツ発祥のイベントで言葉で説明するのが
とても難しいんだけど、とにかく

「全く何も見えない。慣れる事もない闇の中を、
 視覚障害を持ったアテンドの方の先導で進みながら
 様々な体験をする」というもの。

とにかく何も見えない「闇」というのが
どれだけ人を不安にし、近くに人の気配や声を
感じるという事がどれだけ人を安心させるのかという事を
強く強く実感するイベントです。

途中に色々なものが出てくるわけなんだけど、
それも一緒のユニットで行動してる人たちと
「ここにあるよー」と声を出して確認しあいながら、
触ったり感じたりしていきます。

当然ですが何も見えないわけだから、
頼りになるのは声だけ。
恥ずかしがっていたり、いきがっていたりしても
自分からどんどん積極的に声を発していかないと
おいてきぼりになっちゃうわけです。

だからある意味、人の本質的な部分を解放してくれる
イベントともいえます。

イベントの趣旨として視覚障害の方の生活を疑似体験
するというのもあるんだけど、それはメインではなくて、
過剰なまでの視覚的な情報が氾濫している今の時代だからこそ、
「何も見えない」という時間に、自分がなにをし、なにを考えるかを
体験して欲しい、という主催者の気持ちに、思わず納得してしまいます。

「自分に素直になれるかどうか」が、
このイベントを楽しむキーのような気がします。


期間限定で、1セクション8名しかできないイベントなので、
今からの予約はなかなか厳しいかもしれなけれど、興味があればゼヒ。

特に付き合い始めのカップルとか、
もう少し距離を近づけたい友人同士とかには超オススメです。

水曜日, 4月 01, 2009

みんな自分が「何者か」知りたい。

席替えで窓際の席から
ものすごい周りから目につく場所に移動。

窓をボーっと眺めるのが私の癒しタイムだったのに。。
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スーパークライマー・小西浩文の本を読みました。


世界に14座ある8000m越えの山を、
日本人で初めて無酸素で登頂する記録を狙っている登山家の話です。

この本が面白かったのは、単なる山登りの話だけではなくて、
彼の私生活(一度離婚し、2人目の奥さんと死別している)にまで
詳しく言及していること。

俗に「冒険者もの」の本は、そういう私生活にあまり触れないものが
結構あるけど、この本は存命中の人を主題にしたにしては、
日常生活までかなり踏み込んで書かれています。

私は冒険ものやハードボイルド小説って、男女の読書感の違いが
如実に出るジャンルだと思ってるんだけど
(男の人って「アイドルはトイレに行かない!」的な
 現実離れのロマンチシズムがあったりするから・・・)、
そういう意味では、この本はとても「正直」なんじゃないかと思います。

ある種の「甘ったるい幻想」は全然ないので、
女性もかなり読みやすいと思う。


大体において一流のクライマーというのは
変な人が多いですが(笑)、
ご他聞に漏れず彼もやっぱり「一般的な人」ではないかも。
まあ、何が「普通か」という議論になるとキリがないし、
「登山家になろうとすること」自体がそもそも変わってるんだけど。

世界的に有名な高山は、大体地元の人から
「神様」「神様の居る場所」として神聖化されているケースが多く、
そこを登ろうとする、「豊かな国の登山家」は、
なかなか受け入れてもらえない。

でも読んでると、極限に挑み、仲間を亡くし、自分が生きる“奇跡”を
体験することで、登山家自身がどんどん「神に近い人間」に
なっていってるんじゃないかって気がする。


登山に限らず「何かを極めよう」としている人達から
学ぶものは本当に多いよね。

・・・こういう本を読むと、10代の頃からずう~っと自分の頭にある、

「自分はどう生きたいのか?」

という想いに、未だに決着がついてない自分と
正面から向き合うハメになるので、
それはそれでなかなかシンドイ事ではあるんだけど、
こうやって、色々な人や本や映画や音楽・・・・様々なものから
いつも刺激を受けて、「前に進む力」を
持ち続けていたいなあ~と思います。


「極めている人」からパワーをもらいたい人はゼヒ。



*週末に後輩の家の、NEWジュニアに会いに行きました。
手提げ袋にスッポリ収まって「テイクアウト状態」の
生後3ヶ月のジュニア。
ギザカワユスっ!! (ってもー古い?)