金曜日, 9月 30, 2011

悲しい人は、笑ってる。 ~歌武蔵・喬太郎・菊之丞 三人会

「キンシノ10」に行った。
10回目の記念講演は関内ホール!
いつもの10倍位キャパがある。デカくなった~

サイズがこれだけ大きくなっても
やることが全然同じでユルいのがスゴイ(笑)。

3年前の第1回から通っている私には感慨深いものが・・。
ちなみに志の吉君の高座はまたも「茶の湯」。

-------

夏は毎日が光速で過ぎてった気がしますが、
10月後半になるとよーやく落ち着く気配。。

でも、落語には行くのです。

『歌武蔵・喬太郎・菊之丞 三人会』

開口一番「真田小僧」
喬太郎 「禁酒番屋」
 ---仲入り---
菊之丞 「幾代餅」
歌武蔵 「胴斬り」



私にしては珍しい顔付け。
でも最初から、「これはハズレがない落語会だな」
と思ってチケット取りました。
ま、お目当ては喬太郎と菊之丞なんですが。

三人とも修行時代はバリバリの寄席っ子なので、実力に関しては文句なし。
安心して聴いていられました。コスパ高かったー(笑)。

前座はたぶん歌る多のお弟子さんで女の子。
声が高くて可愛らしいコなので、それが逆に弱点になってた。
・・・一般的には「可愛い」は褒め言葉だけど・・・、厳しいよね。

最初喬太郎が出て来た時は、「え~。じゃあトリは
誰なんだよーー」と、少々不満だったんですが、
こうして改めて番組を眺めてると、なんか上質なコース料理みたいだ。

・アペリティフ
・白身魚のラタトウイユ添え(濃厚な主役級)
・コンソメスープ(あっさりだけど手が込んでる)
・季節のデザート(異色だけどコースにはマスト)

・・・・的な(笑)。


予想通り、三者三様でハズレなしの感じだったんだけど、
今回はあえて、初めて聴いた「胴切り」の話をば。

 # 侍が下層の町人を試し斬りする「辻斬り」が横行した時代。
 # 普段から「ボ~~~~~~~」っとしている男が、
 # ある日辻斬りに遭い、上半身と下半身が真っ二つになる。
 # しかし、普段からぼーっとしているので、
 # 自分が切られた事に気付かず、上と下がそれぞれ独立して生活を始める。
 # 
 # 上半身は湯屋の番頭に、下半身はこんにゃく屋で
 # こんにゃくを踏む仕事にそれぞれ就いて・・・


落語には「ナンセンス物」とでも言うジャンルがあって、
現実にはあり得ない世界を描く噺がたくさんあります。

頭の上に生えた桜で宴会が始まる「あたま山」とか、
浅草で生き倒れになった自分の死体を、自分で引き取りにいく
「粗忽長屋」なんかはそのジャンルだね。

私が廓噺の次に好きなジャンル。

今回の「胴斬り」もそうで、侍に切られた上半身と下半身が、
それぞれ別の意志を持って生活する、という爆笑噺。

こーいう噺って絶対にあり得ない世界を描いているから
誰が聴いても「フィクションだ」って分かるわけで、
害のない(誰も傷付かない)爆笑話になる事が多い。

・・・・でもそれでいて、なんとも哲学的というか、
物悲しい部分があるんだよね。。

きっとこの噺が出来た時代は、侍が理由もなく
庶民を斬っても、たいしたお咎めのなかった時代
(「斬り捨て御免」てヤツですね)。

そーいう事に憤りながらも、表立って反抗できない庶民が、
「だったらもう笑うしかナイじゃん!」って事で、こんな噺を
作って鬱憤を晴らしていたんだろうなっていうのが容易に想像付く。

「本当に悲しい人」って、「笑ってる」んだよね、きっと。。


歌武蔵は元力士の噺家なので、やや声が潰れて
聞き取りずらい節があるんだけど、こういう長屋の住民が
出てくるような庶民的な噺は合ってるみたい。

バランスの取れたいい落語会でした。

水曜日, 9月 28, 2011

寒いな。@八ヶ岳&北ア・常念

後ろに小学生くらいの子供を乗せた
子連れの暴走族をみた。

あの世界も高齢化が迫っているのだなー。

------

なんだか駆け足で過ぎていった連休×2なんですが、
まーまた山にいたのでその辺を。

縦走系が7~8月に雨で敗退しまくったので、
結果として、その欲求を解消する2週間になりました。

以下、サラッと記録っつーか、山行メモっつーか。

****

■八ヶ岳(赤岳)

1日目)美濃戸~行者小屋~赤岳~行者小屋(泊)
2日目)行者小屋~下山

わりとタイトな日程だったので、主峰の赤岳単独でいってみました。
もともと私は八ヶ岳デビューが遅いんですが、南八ヶ岳は実は今回初(エヘ♪)。

今回は天気予報が悪くイチかバチかの山行だったにも関わらず、
いざ現地に行くと抜けるような青空。ナイス俺!(?)

やっぱり北とは雰囲気が違うねー。
全体としてなんとなく北より荒々しい。








行者小屋のアイスキャンディーができるところは
まだまだ夏の風情。でも朝晩はかなり冷え込みが厳しくなってますね。





赤岳鉱泉のトイレってメチャクチャ綺麗なんすね!
これまでで一番かも。う~ん。ベストオブトイレ。

階段のところにマムートのエンブレムがいっぱいついてて
カッチョイかった。いっこ持って帰りたい。






■蝶が岳~常念岳

1日目)三股~蝶(泊)
2日目)蝶~常念(泊)
3日目)常念~三股(泊)


先週の台風で予定していた南アの登山道が
通行止めになったので、たぶん今シーズン最後の北アへ。





前週とは打って変わって、このルートに2泊かっ・・という贅沢な時間取り。
常念には登ったことあるけどこのルートでは初めてだったので
岩稜が多くてなかなか楽しかった。やー 岩触るとテンション上がるね。

時期的に積雪前の最後のアルプスなので
同じ期間に北アにいた知り合いは結構いて、
ちょうど私が最高の天気で槍を眺めていた頃も、
北鎌を登っていたRちゃんの姿がはるか彼方に・・・・





・・・ま、もちろん見えるわけはないんですが(笑)、
心の中で「おーい!」と、呼んでみました。


朝はかなり冷え込みました。
あの台風以来急激に寒くなっているようで、
明け方テントをたたむ時はフライが凍ってパリパリしてた。





このところ小屋泊の山行がめっきり減りましたが、
寒くなると小屋が恋しくもなるのですな。


・・・なんかもう、冬っすね。。。。
帰りの富士山は冠雪していたし。

なんていうかアンニュイな気分。

秋が来て、冬になり、そしてまた春がやってくるんだな。。。

山に登ると、そういう季節の移り変わりをリアルに体感するので、
季節に応じた心の変化にすごく敏感になります。

秋や冬は落ち込んだり気分が塞いだりすることもあるんだけど、
それはそれで、

「自然の摂理に逆らわずに自分が生きてる」

って気がして気持ちいい。

辛いし、寒いし、面倒くさい。
なのになんで登るんだろうね。みんな。


上高地はもうすぐ紅葉の最盛期。
そしてその後は、すぐに雪化粧。

私の実力で登れるシーズンはひとまず終わりですが、
来年、きっとまた登っていると思います。

てゆーか雪山に行くんだろうか・・。
や、寒いの超苦手だしなー。や、行くのかなー。

どーだろ。

数ヶ月先の自分の事すら、よくわかってない。
それもまた、自分(笑)。

木曜日, 9月 15, 2011

人に「おしまい」があるとすれば・・・

これすごい↓
http://www.mteverclimb.com/

敗退したルートで途中で降りれなくなった時の
訓練にどうだろう。

--------

念願だった劇団のお芝居、ようやく観てきました。

劇団ポツドール 「おしまいのとき」
作・演出/三浦大輔
出演/米村亮太朗、篠原友希子ほか


久々にスズナリに行きました。たぶん7~8年振り
なんじゃないかと。20代頭に下北の劇場に頻繁に
足を運んだ時期があるので、空気感が懐かしかった。
あの頃の自分が、何を思って芝居を観ていたかを思い出しました。。。


作・演出は三浦大輔(ハマの番町じゃないよ)。

以前から、三浦大輔というひとりの男性が描く
世界観に非常に興味がありました。

この人の描く作品には、常に「カッコ悪さ」と「リアル」がある。
それでいて、現実的とは言い難い、救いのない退廃さが漂うんです。
矛盾している説明だけど、実際そうなんだから仕方ない(笑)。
大森立嗣とかにも近いものがある。

この世代(70年代前半生まれ)には、
世界を「こういう切り口で」捉えている人が多い気がします。


私は彼の舞台を見るのは初めてで、これまでは
インタビューや、監督した映画「ボーイズオンザラン」
なんかから世界観を見ていたわけなんだけど、
舞台は、もっともっと「彼」がむき出しになった演出でした。

今回のお芝居、筋だけ書くとこうなっちゃう↓

 # 中流のマンションで、中流の暮らしを当たり前に
 # していた夫婦。ある時、幼い息子が川で溺れて死ぬ。
 # 
 # 妻は、まるで死んだように人間らしさを失うが、
 # そんな中、エアコンの修理に来た男にレイプされ、
 # そこから彼女は精神的に「立ち直ってゆく」。
 # 
 # しかしそれは同時に、「当たり前」の崩壊であり、
 # 「おしまい」への始まりだった・・・・


なんだか、下手な昼メロとかAVみたいなあらすじ
なんですけど、実際の舞台は、それがまるで
「よくある空間の、よくあること」として描かれます。

息子を失った直後の妻の中には、「息子を失った女は、
楽しい事や幸せなことを感じてはいけないんだ」といった
ような禁欲的な思いがある。

でも、レイプを受け、そのタガが外れた瞬間、
女は思わず笑ってしまう。

解放され「これほどの悲しみを受けた私は
○○をしても許されるはずだ。立ち直るためには
必要なことなんだ」という破滅的な論理を組み立て、
レイプした男との情交を重ね、薬に手を出す。。。

・・・・これって極端なようで、わりとよくある事だと思いません?

例えば。
親友が不幸に見舞われ、本当に心の底から悲しいのに、
頭の中で、何故か「そういえば家に洗剤がなかったな・・・」
なんて事を思い出したりしませんか?
決して、親友の不幸を悲しんでいないわけではないのに。

例えば。
身内が亡くなり、本当に辛すぎて涙が出ない時、
「でもここで涙も流さないなんて冷酷だと思われないかしら」
なんて、周囲の評価を気にしたりしませんか?
決して、辛くないわけではないのに。

例えば。
様々な不幸が重なった時、家族や恋人など近しい身内に、
「私はこんなに不幸なんだから、これくらいの我侭は許されるでしょ!」
と、無理難題を押し付けたことはありませんか?
家族や恋人にとって、あなたの不幸は「関係のないこと」なのに。


「人間」の本質ってそんなものなんだと思う。

世の中のほとんどの事は、結局「カッコ悪い」と、私は思う。

どんなに当事者が、バラの花が舞い散るようなドラマチックな
恋をしていると思ってたって、周りが見れば、どうという事もない
滑稽なシーンだったりするわけで。

そして、そういう世界を芝居という「フィクション」で
描くことは、逆に相当にリアルだ と思う。

・・・・男が、同棲する身重の女にDVするシーンがあって、
芝居とは言え、本気で殴る蹴る、髪の毛引っ張るをやっていて、
ああいうのは、結構本気で恐怖を感じたりするのだけど
(男の人が想像している以上に、女性は男性が暴力を
 振るったり、大きな声を出したりすることに恐怖を感じると思う)

三浦大輔の描く世界は、こういう種類の「リアル」を
徹底的にむき出しにしたいという思いに溢れている。
でもイヤな気はしない。むしろシンクロする。

それはきっと、私自身も、こういうものが「リアル」である
という感覚を常に持っているからなんだと思う。


お芝居や映画に、「非日常」を求める人は多いと思います。

国を相手に戦うヒーローが出るハリウッド映画や、
夢中で愛し合う男女を描いた韓流ドラマで
「非日常」を味わいたい人もいれば、
私のように
「息子を亡くして、レイプで立ち直り、最後は夫を殺す」ような
女が主人公の舞台に、究極の「リアル」と表裏一体の「非日常」を味わう人もいる。


三浦大輔は、今回のこの作品を説明する際、

 「僕のこれまでの舞台の中で、一番の直球勝負。ファンタジーです」

と語っています。

「ファンタジー」・・・・。そうだね。
これは、「ファンタジー」なのかもしれない。

「冒険」も「ロマンス」もないけれど。


暗い芝居でした。

でも、またこの人の作品を観たい、
そう思わせる舞台でした。行って良かった!

火曜日, 9月 13, 2011

自分のスケールを知る ~岩トレ@三つ峠

かつてこんなに短い期間で辞めた大臣がいたかしら・・・?

大臣を擁護するわけじゃないけど、
「ある部分だけを切り取って糾弾するメディア」と、
「こんな学芸会のような政治が海外に知られてしまう事」
のほうが、大臣自身の何倍も恥ずかしい。

-----

剣以降、やっぱり自分は総合的にクライミングをやりたい
(=つまりグレード重視のフリーではなくて、あくまでも
  アルパインを目指したい)という気持ちが強くなってるんですが、
そんな中、三つ峠(初)に岩トレに行ってきました。

ここは一応ゲレンデですが、トポにも書いてあるように扱いは「準・本チャン」。
確かに、ほとんどのルートがマルチでいけるし、
支点の不安さ(サビサビのハーケンとか)はいかにも本チャン風情です。

前夜発したので、取り付きは朝イチから。

三つ峠は富士山が最もキレイに見える山のひとつとして
有名だそうで、クライマーより通常の登山客が圧倒的に多い山でした。

確かに、この景色を背にしてのクライミングは贅沢です!





以下、今回の戦跡。

※ちなみに今回は、すべてセカンドで登ってますので
 かなり大胆(かつA0満載の(笑))ムーブを多用しております。
 ご了承ください(笑)。


●亀ルート(3P)

3~4級クラスが続く快適な3Pのマルチ。
個人的には一番最初のピッチは、岩がぬれていてかなり怖かったので
A0で行っちゃいましたが、2P目の4級はホールドがバラエティに富んでて
楽しかった。でも、一緒に登った私より実力が上のRちゃんは、1P目のが
快適だったと。 やっぱり難しさの感覚は人によって違うんだな~。

プロテクションが悪いので結構ヒヤヒヤではあるものの、
もう少し実力を付けたらリードで登りたい!と思わせてくれるルートでした。


●一般ルート~乱気流~紅葉おろし(全3Pの2P目を終わった時点で時間切れ敗退)

ここの2P目で、私はA0の嵐をしてますので
登ったうちには入りませんね(笑)。
ただ、こういうチムニーっぽいルートというか、へこみに身体を
挟み込んで直登するルートって、岩登りの原点な気がしてとても楽しい。
こういうのが早くリードで行けるようになったらいいな・・。





ちなみにココで、後から来たメンバーとたまたま合流したので一緒に懸垂。






その時H君がハーケンにかけたカラビナが取れなくなり、
メンバー何人もで外そうと試みるもまったく取れず。

15分近く葛藤ののち、これは残置だなと諦めかけていたのですが・・・
その様子をずっと見ていた懸垂待ちのまったく別のパーティのひとりが
「良かったら取りましょうか?」と言ってくれ、代わった途端・・・・・・

・・・・数秒で外れました。

「マジック!!!!」

と大騒ぎする私達に、
その取ってくれた方がひとこと、「・・・知恵ですよ。」

・・・・・。

えーえー。私達は知恵がないですともさ (;-_-)。

でも、取ってくれてアリガトウ。


初日はここまでで終了。
いつもの通り、テントにて宴会兼夕飯(夕飯兼宴会?)。
この季節はまだ夜の冷え込みが厳しくないので、
外で宴会できるのがすばらしい~。

まだわずかに小屋の明かりが灯る富士山をバックに、
まもなく満月になる月を眺めながらのビールは最高に美味!
何者にも変え難い魅力です。

*****

翌日はややガスり気味のお天気の中、
7時過ぎから取り付きます。

●右ルート~※ルート名不明~(紅葉おろし) ※雨天敗退⇒晴れでもきっと敗退

この日は、ベテランで気ままなYさんと組んだので、
ルート名とかチェックする余裕もなく・・(笑)。

Yさんの好みにより、1P・2目がかなりパワー系のルート。
特に2P目は、腕1本で体全体を持ち上げるところがいくつもあり
(まあそれはつまり、ホールドはそこそこいいって事なんだけど)、
ここで久々に外岩で腕がパンプする。

この辺りでハラハラと雨が降り始めます。

3P目が昨日敗退した「紅葉おろし」。

トポでは5.8なんですが、コレが5.8だとしたら、
私のレベルってかなりヤバいんですけど・・。

ほぼ直登のルートで、登ってすぐのややかぶったところを
乗り越えるのが核心・・・・だと思っていたら!、
その先にもっと難しいトラバース気味の箇所があった・・・・。

この辺りで雨脚は相当強まり、次の手に悩んでいる私の顔に、
岩を伝ってきた雨水が次々かかる・・・。

嗚呼! 越沢アゲイン!!

先日越沢でゲリラ豪雨に見舞われて、(私には)高難度の
ルートを登った恐怖感がいっきによみがえり、心理面が萎え萎え。
当然・・・・・墜落です・・・・。。

結局ココでギブアップ。
まだ真ん中より下だったので、そのまま降ろしてもらっちゃいました。

・・・・・本当はプルージックで登ろうと思ったんだけど、
とっさにはできないものですね。こういう時の脱出方法、
もっとちゃんと勉強しないと!と、気持ちを新たにしました。

このルートは、仮に天気が良かったとしても
私にはちょっと早かったかも。。。


------

結局、今回も雨で敗退でしたが、
初日に比較的充実していたのと、
時間が早かったおかけで、定番の中央道の渋滞にも
ほとんど巻き込まれずに帰れたので、
それはそれでラッキーでした。


・・・改めて思うのは、外岩って本当に「カッコつけられない」場所だなと。

自分の実力を越える事を無理してやったり、
なんとなくしか理解してない事を見切りでやっちゃったり、
なんとなく流されて取り付いちゃったりすると、
ヒヤッとする事や、最悪大きな事故に繋がる。

それが「勉強になる」反面、それで死んでしまうこともあるわけで、
「勉強だ」とも言ってられないもんね~。


ホント、学ぶこと多すぎ。

クライミングを極めようと思ったら、
あと200年位は死ねないな。


*小屋のワンコは超おりこうさん。

木曜日, 9月 08, 2011

色々あるから、リアルなのにー。

結論。

「おはようございます」
「ごめんなさい」
「ありがとう」

・・・どんなに聡明でも、どんなに仕事がデキても、
どんなにイケメンでも、
きちんと挨拶ができない人になっちゃイカンよ。

------

最近ツイッターやブログで、
軽率に情報を流して大きなニュースになるケースが多いよね。

「職場のホテルに有名人が泊まりに来た!」
「某合コンで有名スポーツ選手と話した」
「バーで、モデルの○○と俳優の××カップルに遭遇」

などなど・・・枚挙にいとまがない。

昔から著名な人はプライベートがなくて大変だけど、
最近はさらに素人が「パパラッチ化」してるわけだもんね・・・。
ホント、可愛そうだ。

私は個人的に、自分が今どこにいるのかに
関心を持たれたくないし、誰が今どこにいるかも
特に知りたくないので、電話で開口一番「今どこ?」と
聞かれるのがとても苦手だし、「なう」も使わない。

ただ、そういうカルチャーを否定しているわけでは全然なくて、
感覚というのは人間の数だけバリエーションがあるわけなので、
使う人と使わない人が、それぞれの好みを認識しながら
上手くやってゆけばよいと思う。

大体、どんなジャンルでも「色々な意見がある」のは当たり前の事だしねー。


でも・・・、それが自分の身近な事となると
ムキになってしまうのも分からないでもないよ。

先日も、ある人気ラーメン店の店主が、
「食べログ」のコメントに自分の麺を「イマイチ」と書いた客に対し、
自身のブログでブチギレしたってニュースが出てました。

ん~~。気持ちは分かる。

分かるけどさー(苦笑)。

私はむしろ、たくさんの高評価の中に
そのマイナスコメントがイッコある事で、
店に取ってはかなりプラスなんじゃないかと思うんだけどね。

それってとてもリアルなことじゃない?

私だったら、その1つのマイナスコメントがあるからこそ、
そのラーメンをより食べたくなる気がするなー。

マイナス評価ばっかりだったらアレだけど。


脳の専門家・茂木さん曰く、
人間の脳は「違和感」や「変化」にとても敏感(かつそれが好き)で、
例えば、「赤・青・黄」と同じルールで並んでいるボールの中に、
ひとつだけ「赤・青・青」があったりすると、そこばかりが気になって
ついつい他の事に注意が向かなくなってしまうんだそうで。

私は広告絡みの仕事をしてるので、こういう「違和感のアテンション」を、
自分の作るモノに意図的に取り込んだりもします。

デザインで言えば、シンメトリーとか同じ配列の繰り返しって、美しいんだけど、
「ウツクシサ」は「ツマラナサ」と表裏一体なところがあるんだよね。

脳科学的に、特にこれは女性に顕著な傾向だというのも納得。
確かに、女性は色々なコスメを次々に試したがったりするけど、
男性って、なじみの店で、「いつもの」っていうのが好きな人が多いよねー。
(もちろん、すべての男性・女性がそうなわけではないけど)

・・・・これは私の勝手な想像だけど、生物の遺伝子って
できるだけ多種多様な混じり方をして「より強い種」を
作り出したいわけでしょう? 無意識ではあるけど。
男性は「種を増やす」ことが仕事で、
女性は「種を強める」ことが仕事、みたいなところがある。

そういう時に、例えば「自分にない遺伝子(つまり、自分には違和感があるが
混ぜたら良さそうな遺伝子)」とか、「突然変異した強い遺伝子」を感じ取る力が
女性には必要だから、「違和感好き」の傾向は女性により強く出るんじゃないかしらねー。


人生、多様だからこそ、リアル。

人間、色々だから、面白い。


・・・でもマ、私も、自分の作ったデザインを
周りの人が「いいじゃんいいじゃん」と言ってくれてる中で、
ひとりだけ「・・・でもなんか、つまらなくない?」
なーんて言われたら、思わずイラっとしちゃったりするからね。

ま、そんなモンすね(笑)。人って勝手です(笑)。

月曜日, 9月 05, 2011

ハリボテの結婚ケーキ ~「落ちこぼれ」論


会社のサポートアドレスに、東京UFJ銀行を騙った
送金依頼メール(もちろん嘘)が届いたのだが、
そのあまりの稚拙な文面にビックリ。

こんな日本語で、騙される人がいるんだろうか・・・・。

-------

金曜日から軽井沢で会社の研修(=という名の
社長のゴルフツアー)だったんですが、
台風で予定が崩れまくったので、ゆっくり過ごせた週末。
ある意味シヤワセや~♪

野田新政権もなんというかパっとしないし、
円高の流れは止まらないし、テレビにもファッションにも
関心がない私としては、最近ますます、自分の関心のある事にしか
エネルギーを使わない性格に拍車がかかっている気がします(笑)。

そんなわけで、「落ちこぼれ論」について。
(脈絡ないけど)。


最近、「落ちこぼれ論」が話題らしい。

先日ワールドカップで優勝したなでしこジャパン、
また長友、本田などいまサッカー界の話題の選手は、
決して初めから恵まれた環境に置かれていたわけではなく、
逆境の中から今のポジションをつかんだ人達が多い。

サッカー界は、海外に移籍した選手の実に8割は
高校サッカー出身(=つまり、ユースの整った環境の中で
10代を過ごしていない人)なんだとか。

スポーツや芸術(ピアノとか)は、これまでは
ボクシング等の特例を除き、小さい頃から特別な環境で
しっかり教育することが、未来の人材育成には必須とされてきた。

でも今は、少ない資金、ユースでの怪我、選抜選手でテストに不合格・・・などなど、
逆境を乗り越えて現在に至る人がかなり増えてきているんだそうだ
(もちろん、以前からそういう「雑草魂」の人はいたけれど、
 そういう人の割合が増えてきている ということらしい)



・・・んー なんだかとても腑に落ちる。

今の時代、一般の社会でも求められるのは「スマートさ」でも
「向上心」でもなく、「逆境に打ち勝つ力」だと、
仕事をしてるとシミジミ思います。
残念ながら、それは一朝一夕で付けられるものはないけれど。

最近、特に若者の間で、会社に行けないが、自分の趣味の世界は楽しめる
という「新型うつ」という病気があるそうだが、個人的には

 「そんなのただの甘えじゃん! 病気じゃねーよ!!」

とか、思うわけですよ。

でも、実際に新型うつの人たちは、会社に行こうとすると
頭痛がしたり、吐き気を催したりするんだそうで。


・・・なんか、世も末だなって思いません?

や。私だって、決して偉そうに「逆境を乗り越えた」と
言えるような人生を送ってるわけじゃないよ。

人並みに辛い事や悲しい事もあったけど、
明日の食べ物に困る事はなかったし、両親の愛情も受けてるし。

たださー。

そういう生き方の中で、「これでいいのか?」って思う瞬間って
若い頃は誰にもあるんだと私は思ってた。
ぬるま湯に漬かった自分に我慢ができなくなって、
その衝動で、あえて自分に苦労を与えたくなる瞬間。。。

昔で言う「ハングリー精神」とはちょっと違うんだ。

あれはどちらかと言うと、自分でどうする事もできない環境
(貧乏だとか、低階層だとか・・)に対して「ナニクソー!」
って気持ちが原動力になってるでしょ?

だけど、なんていうか・・・もっと若者特有の、
「既成概念への反発」に近い衝動。

学生運動とか、竹の子族(笑)とか、そういう「社会全体」の若者が
同じ方向で、有り余るエネルギーを消化できてた時代はそれに乗っかれば
良かったんだろうけど、今はそういうのがないからね。。

そういう意味では、今は若者には、
不遇の時代なのかもしれないなー。


でも、表向きはキレイにデコレートされてるけど
中身はスッカスカの「結婚式のケーキ」みたいな人ばっかりの
世の中になったら、どうなっちゃうんだろ。。

「最近の若いモンは・・」っていう説教めいた話ではなくて、
純粋に未来が心配になったりします。


少なくとも国際競争力はほとんどなくなるので、
日本に「日本人のほうが少なくなる」時代もそう遠くないかもね。

モンゴロイドはコーカソイドに比べて淡白なのは有名なので、
単に移民が増えるってだけじゃなくて、「ソッチ」のほうでも
太刀打ちできない気がするんだよな。。。(苦笑)。

・・・う~ん。

日本男児よ。

いろいろな意味で、頑張れよっ!(笑)


*「落ちこぼれ」といえばコレ↓だ!