木曜日, 12月 02, 2010

ひとりでも、たくさんでも、山はいい。

私はスマートフォンは持ってないけど、
持ってたとしてもフォースクエアは
できないような気がする。

「自分の居場所をわざわざ人に教える」なんて、
私の価値観の中では絶対にあり得ん・・・。

自分の価値観と世の中が、ますます離れていくことに
一抹の不安を覚える昨今・・(苦笑)。

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こんなの↓に行ってきました。

谷甲州×山野井泰史「ひとりで山に登る」

 『単独行者(アラインゲンガー)新・加藤文太郎伝』
 『ヤマケイ文庫 垂直の記憶』発売記念講演会



1)谷甲州さんの執筆秘話
2)山野井さんの単独行をテーマにしたスライド&エピソード
3)二人のトークセッション

という3部構成。

・・・まーーー とにかくヘンです(笑)。

これまで、登山で名の知れた人の講演会とか講習会を
何度か聴きに行ったけど、みんなことごとく変。

上手く説明できないんだけど、
「居心地のいいヘン」とでもいいましょうか?(笑)

海や山に行った時に感じるようなあのリラックスできる空気を、
人間そのものが持ってるって感じの人たちなんだよね。


今回は、「単独行」がテーマでした。

私は、特別単独行が好きだというわけではないです。
実際、単独で山に登ったのは数えるほどしかないし。

でも、単独行というのは山登りの原点だという気はします。

技術的な点から言えば、単独も複数も登山であっても、
全員が登山に関する知識や道具を持ち、
「連れて行ってもらう」感覚で登ってはならないわけで、
それは単独も複数も関係ない というが山登りの基本。

その一方、精神面で言うと、単独行というのは複数で山に行くのとは
根本的に違うモノなんじゃないかという気がします。
それは、水泳とスキーくらい違うんじゃないかと。
どちらも楽しいんだけど、楽しさの種類がまったく違う。


それっぽい言い方をするのであれば、「自然との対話」は、
ひとりで登ったほうが・・というより、ひとりで登ることでしか
できないのじゃないかと。

山野井さんも言ってたけど、
「ひとりで山に登ったほうが、山は大きく見えるし美しい」し。
「ひとりで山に登るのは、より安全な登山だ」と。

実際は、遭難事故は単独行が圧倒的に多いんだけど、
「単独行が、より安全な登山だ」と彼が言うのは私もなんとなく賛成です。

ひとりでいれば100%自分の速度で進めるわけだから、
自分のレベルを正確に知ってさえいれば、決して無理をすることも
ペースを乱されることもないわけで。本来であればね。


・・・・それにしても山野井さんですよ。

あの人何度も死にそうになってるし、
山屋の宿命として、友人を何人も山で亡くしてるわけでしょう?

そういう、ひとつのエピソードだけで
映画が1本作れちゃうような経験を、

「まぁ、僕もこの山では死にそうになっちゃいましたけどねー」

みたいに飄々と語っちゃうって・・・すごいよね。
オオゲサなところが全然ないの。

それでいて、決して俗世から完全に離れてないわけで、
抜群のバランス感覚の持ち主なんだろうなと思う。

講演会ではわりと前のほうに座っていたので、間近に手を見てたんだけど、
あの短くなった指で5.11や5.12を登るって、正直驚異的だと思う。
いったいどういう身体の構造してんだ・・・。


なかなか刺激になる講演会でした。

私はプロを目指してるわけでも、ストイックな登山を
追求しようとも思ってないけど、
もう少し、単独で山に行こうという気分になった。

日常的にわりとひとりが平気な人なので、単独で山に行くと
ある種の孤独感が強烈に増幅されて、周囲の人への感謝の気持ちが
強くなるしね。

あ。
別に普段も感謝してますけれどもね。みなさんに(笑)



*単独行の永遠の名著といえばコレですね。
 ただ、「登山のイメージを著しく暗いものにした
 新田次郎の責任は大きい」、という人も、一部、いる。

2 件のコメント:

codi さんのコメント...

単独行は安全な登山。
まだまだ初心者の域を出ない私も、賛成です。

時々一人で山に行くことがあります。
そんな大した山じゃないです。日帰りの奥多摩とか。
それでも、最初から最後までずーーーっとドキドキしながら歩いてます。
道間違えてないかな、大丈夫かな、とか。
あほかってくらい超慎重に。
それって一人で行く時だけですね。

久しぶりに一人で山、行きたくなりました。
年明けたら行こうかな。
もちろん、みんなでワイワイも楽しいです♪

とても良い対談を聞けたようで、うらやましいです。
素敵なお話のお裾分け、ありがとうございます。

ヨヨ さんのコメント...

codiさん>

> あほかってくらい超慎重に。
> それって一人で行く時だけですね。

目に浮かぶー(笑)。

・・・思うに、私も登山の事が分かってくればくるほど、
どんどん慎重な人になった気がします。

単独で慎重な登山が出来る人は、
「登山レベルの高い人」なのではないかと!