木曜日, 5月 31, 2012

死ぬ時に残す言葉@「新編・風雪のビヴァーク」

知り合いのサイトに寄稿している記事。よろしければ。
「通勤の音楽2」
http://epstein-s.net/archives/7437

完全に「通勤」はどうでも良くなってきてるw
日付が2009年になっているのは、キヨシローが亡くなった年だからです。
運営者のこだわりなもんで。

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異動後に、扱う商材と仕事がかなり変わったので、
このところビジネス本(業界知識とか分析系のHow toとか)を
読まざるを得ない日々が続いてちょっとストレスだったんですが、
あんまりそればっかでも寂しいので、ちょっと浮気。

「新編・風雪のビヴァーク」
著/松濤 明



山の人には「え!読んでなかったの!?」と、
言われそうですが。結構ヤマ関係の本は読んでるつもり
だったんですが、見逃してました。


基本的には「山行記録」なので、ある程度
知っているルートや山域のほうが読んでて楽しい。

読者としては、松濤さんが北鎌で遭難したことは既に分かっているわけで、
その「最期の登攀」に向かって、どんな山行をしていったのかが興味あるところでした。

先鋭的な登山をする団体が、学生から社会人山岳会に移行する過程の中で、
また戦前戦後の混乱の中で、彼の「自分はなんのために登るのか」という価値観が
だんだん変わっていく様子がとても興味深いんだけど、やっぱりなんといっても
緊張感があるのは、ラストの北鎌の登攀。

今のように高性能な山道具がない中、
体が濡れ、コンロが壊れ、仲間(有元さん)が滑落し死を決意する。

そして、有名なこの遺書。

 全身硬ッテ力ナシ
 何トカ湯俣迄ト思フモ
 有元ヲ捨テルニシノビズ、死ヲ決ス
 オカアサン
 アナタノヤサシサニ タダカンシャ
 一アシ先ニオトウサンノ所ヘ行キマス。
 何ノコーコウモ出来ズ 死ヌツミヲオユルシ下サイ
 ツヨク生キテ下サイ

 我々ガ死ンデ 死ガイハ水ニトケ、ヤガテ海二入リ、
 魚ヲ肥ヤシ、又人ノ身体ヲ作ル
 個人ハカリノ姿 グルグルマワル



・・・・人間て、自分が「死ぬ」と分かった時に
こんな文章を書けるもんなの? と、素直に驚きました。

ラストの三行なんて、ちょっとオソロシイ。
「自分の死を(自分に)納得させたい」っていう解釈もできるけど、
それよりもたぶん、本当に“そう思ってるんだろうな”っていうのが
すごく感じられます。

個人的には、山で死ぬ人はそれがどんな理由であれ「遭難・失敗」なわけで、
決して賞賛するものではないと思ってはいるけど、
自分の命が尽きるときにこういう形でメッセージを残せるっていうのは
本当にすごい。それだけ、強い意志があって、ある意味での「完ぺき主義者」
な人だったんだろうな と。

私も「山で亡くなった人」の話は何度か聞いたし、
たまたまここ数年、身近に不幸が続いたので
なんとなくリアルに「死」に向き合うことは多いんだけど、
こんなふうに「だんだん死んで行く」という状況になったら、
私っていったい何を考えるだろう。。


まずは家族にメッセージ、それは書くだろうなー。

あとは、整理的なことを書くかも。
「引き出しのアレは処分してくれ」とかw

んー。あとは~・・・・

案外、ノートの隅に書くような
ショーモナイ落書きとかを書いてしまうかもしんない。
なんか私って、そういうことしそうな気がするw

でも、残された遺書を読むのは私ではなくて、「生きてる人」だから、
そういう人たちに残すものは「決死の遺言」ではなくて、
「ユル~いメッセージ」くらいのほうが、残されたほうは読んでて
気楽かもしれないね。「幸せに死ねたのかもしれないな」って思ってもらえるから。


まー間違いなく言えるのは、松濤明のような立派な遺書は
私には絶対書けないってことですなw 

よい本でした。

月曜日, 5月 28, 2012

生涯勉強@河又改め、河又登山

週末、ばーちゃんの49日。
これで祖父母はひとりもいなくなってしまった。。
30~40代の孫が8人もいて、曾孫はたった二人(1家族)だけ。
親不孝だけでなく、祖父母不幸もしたな・・・・。

おばーちゃん、ごめん。

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快晴の土曜日、初めて河又に行ってきました。


・・・・「行ってきました」、

はい。ここポイント。

行ってきただけで、「登って」ないんですよ。これが。

とても恥ずかしいお話なのですが、
恥をしのんで、そして自身への戒めを込めて備忘録(苦笑)。

*****

山岳会の仲間と、6時半に都内を出発。
今回向かったのは、河又でも比較的やさしいルートが多い小泉エリア。
渋滞やら道を間違えたりしながらも、
なんとか10時台にはアプローチの峠に車を止める。他の車はない。

取り付きまでは20分ほどってことなので、
まあ11時半には登れるかな~ なんて思っていました。

入口が分かりずらいものの、なんとなく踏み跡があるところが
あったのでアタリをつけ入山。かなり荒れているが、テープもあるし、
まあ方向は間違っていないだろうと急坂を上ったり下ったり。

しかし、30分歩いても一向にそれらしき岩場がない。。
周辺はどんどん荒れてくるうえ、沢筋に降りてしまったあたりで
「これは間違ってないか・・・?」と思い始める。

このまま歩いてもラチがあかない気がして、協議の結果
いったん車に戻る。 ここでお昼すぎ。
岩場で食べるつもりだったお昼ゴハンを車の前でいただくw


13時頃、コンパス的には「もしかしてまったく逆を歩いてた?」って
ことになって、今度は道路の反対側の急坂を登る。

明瞭な踏み跡をたどるとそれらしき尾根筋に出て、
トポにある「見晴台」らしき場所に出たので、
方角を確かめつつ支尾根を下る。



しかし・・・やっぱり岩場は見えない。
トポには「岩場が見える」って書いてあるのに!

ない・・・・ない・・・・なぁーーい!

それらしいテープやケルンに翻弄されまくりながら、
もはや現在地もあやふやになり・・・・。

結局、心が折れて再度車まで戻る。ここで14時過ぎ。

仮に岩場まで行けても、もう登る時間もない。。

完全な敗退です! しかも取り付きまでも行かずしてっ!


もちろん、こんなの初めての体験。
死んでも会長に言えない(苦笑)。

収穫はゼロ。でも、学んだことは・・・

・初めての岩場はもっとちゃんと調べてくるべし。
・テープや踏み跡を「自分都合でいいように」解釈しすぎ。
 山の道迷いの典型を痛感しました。。
・山のつもりで行ってないので、地図なし、コンパスなし、雨具なし。
・トポのザックリすぎる地図だけで行こうなんて甘すぎ。
・天気のよい週末だったし、ほかのパーティがいるに決まってると思いこんでました。


泣けますね。

すっかり意気消沈して「ベーキャンでも行く?」なんて言ってたんだけど、
結局帰り道に、なぜか外にある人工壁を発見して(一応ジム)、
そのなんとも不安なボルトの外壁で3本ほど登らせていただいて終了。。




※↑ま、実はそれなりに楽しんでいるw


しかし、こんなことってあるんですねえ~。。。
まさか河又で、「読図をやらなきゃ!」って
改めて心に誓うとは思ってもいませんでした(苦笑

竹内さんが日本人初の14座達成の偉業を成し遂げた同じ日、
ある意味我々も「偉業」を達成・・・(って、この比較最低w)。

・・・ま、負け犬の遠吠えを承知でいうなら、歩荷トレにはなったし、
それはそれで、色々不思議な経験で楽しかったんですけどね。

なんか、人工壁のオジサンも面白い人だったしw

結局、最後は筑前屋で反省会をしましてぇー、
何もしてないのにたくさん飲み食いしましてぇー、
いい心持ちになりましてぇー、
のんびり歩いて、23時前には家路に着いたのでありましたw。


小泉エリア~雷岩~蛇岩に、峠側からアプローチしたことのある方、
どうか、情報ください! 後で地形図見たけど、岩場の気配を感じません。。
来月、同メンバーでリベンジ誓っておりますので(切実)。

しかし。

何事も「経験」しなくちゃわからないもんです。

人生、「生涯勉強」ってヤツですよw

月曜日, 5月 21, 2012

お天気万歳!@柴崎ロック~つづら岩

「金環日食が昔の人に気味悪がられていた」ということは、
昔の人の中には、太陽を直接見て目を傷めてる人がいたんだろうなあ。
カワイソウだ。

・・・それはともかく、フジの土曜日のヘッドライナー、
いい加減決まってもいいんじゃないのか? どーなってるんだ?


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お天気に恵まれた週末、久々の外岩転戦をしてきました。
岩場が違うと雰囲気も違うから楽しい。

まずは、山仲間(飲み仲間?)からのお誘いで
初めての「柴崎ロック」。(Thanks! for P-san)
看板ルートは「ジャックポイズン5.13a」みたい。

曲がり角がちょっと分かりづらいものの、
駐車スペースから岩場までは5分足らずと絶好のアプローチ。
小さくコンパクトにまとまった岩場で、
「石灰岩」というだけで正直ビビってたんですが、
意外にも5.8、5.9クラスも数があって私は大満足の一日でした。

うまいぞギンナン(5.8) OS
エントツ(5.9) OS
初心者マーク(5.9) TO(1テン)
ウォーミングフック (5.10a) TO(2テン)
宮崎ホイホイ (5.10b) ×




「エントツ」は溝をステミングで直登する綺麗なルートで、
とても相性のいい、好きなルートでした。
ホラ、私ってまっすぐな人間だから(プッ)。

「初心者マーク」の1テンは単なるオブザベのミスなので、
分かっていれば・・・という残念な感じ。

最後の「宮崎ホイホイ」は、最後の斜上していくフェースが怖くて、
あと1~2m上の終了点に届かず無念の敗退・・・。もっと早くやりゃ~よかった。

一緒に来た人たちは、5.11cのルートに繰り返し取り付いていましたが、
私のような下手くそでも核心部は見てて分かるので、
見ていると思わず自分の時以上に緊張して手に汗にぎります。

今回初対面だった温厚なYさんは、地上では
「いやー 僕なんかクライマーじゃないですよ~」なんて謙遜してましたが、
あの11cの核心で落ちた時の、駄々っ子みたいな悔しがりっぷり・・・・
イヤイヤ、あれはどこから見てもクライマー以外の何者でもありませんのでw




その日は温泉からの公園泊(翌日転戦だったので、帰るのが面倒でw)。
あったかくなって結構快適~。
クライマーって、「いかに職質されずに夜を過ごすか」も
大切な要素だと思うw

人って本当は、わずかな道具で暮らせちゃうんだよね。
普段ももっと物を整理してシンプルに暮らしたい。


*********

翌日は会山行でつづら岩。
今回は10数人でわりと大所帯。

毎度シンドイ1.5時間のアプローチは、
先月来た時よりも気温が上がっている分シンドさを増してる気がw

取り付きに着後はさっそく全部で5パーティに分かれてスタート。
私は、初めてHさんと組んでこんな感じ↓で。


一般ルート(4級/2P) ※全リード 間違って2Pになっちゃいまして・・
右クラック(4級/2P) ※1P目リード
東面の小さな岩場でお遊び1本(グレードなし/5.8てとこかな?)




基本的に自分が上手くならない理由のひとつに
「登ったルートを覚えない」というがあるんですが、
今回は先月登ったばっかりなんで、さすがに記憶があったw

この日も絶好のお天気で、終了点に吹き抜ける風は
緑の匂いがいっぱい。



たった1ヶ月前に来た時と比べても緑色が濃くなっているのは明確で、
「夏がやってくるな~」という空気を実感できました。

パーティごとに終わり時間に差があったので、
バスの時間に間に合うかヒヤッとしましたが、
なんとか全員予定通りのバスに乗車。

帰りは定番のバス停で乾杯、かーらーの、中央線で2本目w

車中では、夏に向けて本チャン系の大きな山行計画の話が
そろそろ具体的になってきていました。

個人的には、去年は剣のバリエーション1回だけだったので、
今夏はせめて2回は大きな山行がこなせればと思っています。
そのためには・・・・・トレーニングあるのみ ですねw

金曜日, 5月 18, 2012

たまにはのんびり野球なぞ@交流戦「巨人VSオリックス」

こないだ朝会社に来てマグカップに
コーヒーを入れようと思ったら、中に「象」が入ってた。

・・・・。

異動前からボルダ仲間だったヤツの
ただのイタズラだったんだけどw(入ってたのはフィギュアね)

・・・・異動して1.5ヶ月、まだまだ部署の空気感は探り中だけど、
こういうアホな仲間が近くになったのはありがたいw

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さて。ここ数年お約束になっている、
Hさんとの年に1度の野球観戦へ。

Hさんは目が見えないので、球場までの移動とか
そういうサポートは確かに必要だけど(ドームのあの急な階段て、
そういう目線で見ると本当に危ないと思う)、
場内に入ってからは私より全然知識があるので、
昨今のプロ野球事情は教えもらってばっかりでした。

私の野球知識はかなり昔で止まってるからな~。。w

ナイター中継や甲子園を見ながら、
熱心にスコアブックを付けていた時代も今は昔w
(でもあのときに、プロの試合というのはスコアがとても綺麗で
(エラーとかほとんどないから)、こういうトコも“プロ”って
 すごいな~という発見はあった気がする)。

交流戦が始まったばかりなので
、 ファンサービスなのか、こんなんもらいました。



わーい☆

おかげで・・・という事でもないんですが、
いつにもまして観客席の「オレンジ率」が半端なくて、
1塁側とか3塁側とか、そんなんどーでもいい感じ。




おおげさではなく、観客の93%くらいはオレンジ。

まあ、野球が好きか嫌いかに関わらず、
「巨人戦」というのは行きやすいのかもね~。

試合のほうはというと、18:00プレイボールで
1回裏に高橋由のいきなりの満塁ホームラン。
私達が球場に入った19:00頃には既に5対0。

そのままオリックスが活躍するような見せ場は
ほとんどなく、6対0で試合終了。。

や、いいよ。

ジャイアンツファンだし。いいんだけどさ。
なんかモノ足りないんだよね・・。人ってワガママよねw

でもご贔屓の慎之助が2安打だったし、まあいっか。

試合を見ているより、ビールを飲んでいる時間のほうが
長かった気がしないでもないんですが・・(笑)、
こういう時間も、たまにはいいですネ。

火曜日, 5月 15, 2012

ハーレムはいかが?@川苔山

「コンプガチャ」なんて言葉、今回の報道が
出るまで聞いたこともなかった。

「ビックリマンチョコ」とか
収集家の心をくすぐる、むか~しからあるビジネスモデルだけど、
みんなそんなに「コンプリート」したいのかなー?

カードとか集めたこともなく、アイドルを追っかけたこともなく、
漫画で1巻だけ欠けてても全然気にしない私には、
このテの流行が全然分からなくてねぇ~w

ま、あらゆることにあんま執着がないのよね。困ったことに(苦笑)。


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先週は半ばに3年振りくらいに熱を出して(知恵熱?)
のたうち回ってたんですが、週末に向けて回復していくからアラ不思議♪


そんなわけで、週末は原点回帰で
久々に奥多摩・川苔山に登ってまいりました。

この山に登るのは4回目ですが、
1回目以外は、すべて「山に行く」ということだけ決まってて、
結果として川苔になったってパターンで、そういう意味では
なぜかこの山には縁があります。

ハイキング登山には最適な天気だっただけに、
奥多摩駅から日原方面に出るバスの混雑は大変なモノ。
当然臨時便が出ると思ってたんですが、
車両がないとかで2台に寿司詰め。。

どんどん押し込まれてイライラをぶつけてたオッサンもいたけど、
こんなところまで来てラッシュでイラついてたら、なんのために山に
来てるのか分からないじゃんね~。

私達は車両の一番前で、運転手さんのローカルな雰囲気に
ナゴまされつつ、無事登山口に着。で、さっそく登山開始。


0930 川乗橋
1230 川苔山山頂 ※お昼
1530 鳩ノ巣駅
   ~ふろ&ビール


個人的には、川苔山は奥多摩入門編の山としては最適だと思います。
適度に負荷があって、山頂の眺めもよく、登山道がよく整備されてる。

滝の周りは涼しげで気持ちよかったけど、
稜線に出てからの風がかなり冷たく、
まだまだ「夏山」は遠い感じですね~。
※久々に「山ガール」カラーな仲間との山登りw↓


今回は6名のメンバー中、リーダーDさんのみが男子。

山頂で、10~20代とおぼしき5~6人の男子グループにシャッターを
お願いしたのですが、
リーダーはその男子達に「ハーレムですね~」なんて言われましたわよ☆

・・・ま、囲んでる女子は結構~イイ年な感じですけどもw


代わりに彼らのシャッターも押してあげましたが、
我々女子は、
「むしろそっちの男子グループに入って逆ハーレムしたい!」
「でも、誰か一人しか入れないじゃん」
「それでDさんが選ばれちゃったりして」
「やーー! それ超ショックなんですけどっ!」

・・・と、マア~ かしましい女子トークw

そしてその女子トークを聞いてる後ろの中高年グループが爆笑。
・・・みたいな構図w

ああ~ そういう女子(アラフォー?)トークが
なんともナゴむわ(笑)。平和だなー。

帰りは奥多摩帰りの御用達温泉でひとっ風呂&当然の乾杯で〆。



のんびり、快適な山行でした。


お天気が良かっただけに、外岩行けなくてちょっぴり残念
なんて朝は思ってたんだけど、やっぱり山はどこに行ってもいいな~。

同じ山でも毎回違う発見があるから、
登山はやっぱり面白いなー。

金曜日, 5月 11, 2012

「バカばかしいね~」と言える健全さ@志の吉@八重洲33

ここ数年目立ってきた、会議にPCを一人一台持ち込むの、
あれに未だに慣れない。。。
ネットの世界の人との仕事が圧倒的なので仕方ないんだけどさ。

や、便利だよ。確かに。

でもさー。PCがあると、相手の目を見なくなるんだよね。
話してるその人が目の前にいるってーのに。会議の意味がない気がして。
人前で携帯をいじったりいじられたりするのが昔から嫌いだったけど、
あの不快感に似てる気がするなー。

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落語を聴いている時にお腹が鳴ると恥ずかしいw
・・・なんてことがありながら、今月も志の吉君を定点観測。

「立川志の吉独演会@八重洲<その33>」

二人ぐせ(前座:志のポン)
義眼
 -- 仲入 --
崇徳院


TVや雑誌などの露出が増えたこともあって、
1席も空いてない正真正銘の「満員御礼」。すごいな~。

今回のネタは2本とも、志の吉君で聴いたのは初めて。
ネタ下ろしだったのかな??

どちらも一所懸命さは伝わったけど、
「崇徳院」のほうは、大げさな演出がちょっと鼻についたんだよな~。。
私がこの噺を好きじゃないせいもあるんだけど
(なにせ高座で聴いてこの噺を「いいな」と思ったことがない)。


そんなわけで、今回は「義眼」をピックアップ。


# 目を煩い、義眼(ガラス製の目玉)を入れている男。
# 新しい義眼を誂え吉原のなじみの女のところに行くと
# 「前よりいい男になった」とモテまくり。
# それを隣の席で聞いていたのは、女に振られて面白くない別の男。
# 
# ふてくされて酒に酔った男は、水が飲みたいと隣室へ。
# そのとき、隣室の義眼の男が就寝前に
# 外して水を張った湯飲みに入れた義眼を、
# そのまま飲み込んでしまう。
# 
# その後、お通じがなくなり苦しむ男。
# 原因不明の病に医者も困り果て、
# 外国製の遠眼鏡でお尻の穴をのぞく治療を始める。
# 医者がお尻をのぞくと、なんとお尻の向こうから目玉が覗いていた。


正直、こんなバカバカしい噺はないんですよねw
「お尻をのぞいたら、穴の向こうから目玉が覗いてた」
なんて、なんともショーモナイ終わり方。

でも、きっと江戸の時代はこういう下品でビロウなお話(笑)が
笑って済まされてた時代なんだと思う。
そういうシモの話を「品がない」「教育に悪い」と過剰に排除したり、
きれいな言い方に変えたりする現代のほうがよっぽど不健全だなーと思う。

現実に“ある”のにも関わらず、そういうことを「なかったことにする」
文化のほうが、返って犯罪を誘発したり、屈折した価値観を生み出すのではと。

と。まあそれはイイトシテw。


この噺は亡くなられた2代目枝雀師匠のものが
最高にデキがよくて、他で聴いてもなーんかかすんじゃうんだよね~。

噺家さんには、それぞれ「持ちネタ」と言われるような
得意な噺、ス~っとなじむ噺があるけど、そういう意味では
今回の義眼は、そんなに志の吉君向きではないかな~。

もちろん、あらゆる噺にチャレンジしてこその二つ目なので、
まったく問題ないんだけども。


確か5回か6回の時からほぼ皆勤賞で聴きに行ってる会なので、
最近は受付のおねーさんに完全に顔を覚えられてて、
名前を言う前から「いつもありがとうございます~」って
チケット渡されるw

こういうこじんまりした会場で、
いつまでやってくれるのかな~。
成長が、うれしくもあり、寂しくもある。ハハの気分ですw


※やっぱり枝雀師匠は偉大だなー

火曜日, 5月 08, 2012

GWの喧騒を離れて@西上州・諏訪山

少し前の記事ですが、マムートのスカート内蔵型ハーネス。
http://yukiyama.co.jp/mountain/2012/03/mammut-new-harness.php#more
同じページの下にある「男性版パンツ内蔵型」の写真が意味不明すぎて、
このページの本題を忘れるw

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ああ・・GW終わっちゃいましたね。。

GW後半、北アは遭難が相次ぎかなりの悪天候。
この時期はまだ雪山だからね。。
結局私たちのパーティも北アを断念し、
【西上州・諏訪山】に登ってきました。

前日夕方出発し、下仁田の道の駅でテン泊。
屋根スペースあり、休憩室深夜開放(もちろんここで宴会)の
ステ~キなところで、私は結構快適に寝られました。たぶんまた使うなw

翌日早朝に出発し、一路山頂へ。
私はそもそもこの山を知りませんでしたが、
標高1,600程度の、秩父最奥の静かな山でした。

0630 登山開始
0930 三笠山
1000 諏訪山 ※山頂の標識オオスギw
1015 三笠山(大休止)
1045 下山開始
1315 駐車場着


アクセスが悪いこともあって、
入山者も少なく結局出会った登山者も10人弱。
GWだってことを考えると、かなり少ないね。
難しい山ではないけど、すれ違った登山者も
装備なんかがベテラン臭プンプンの人ばっかり。シブイ山だ~w

とは言え、“あの”御巣鷹山の登山道への
アクセスに使う道と重なるため、慰霊登山のために
日航が整備した道路があり、以前に比べるとかなり
便利になったんだとか(皮肉なことではありますが)。

私はあの日航の事故に色々と思い入れがあって、
以前から御巣鷹山に登りたいと思っていたので、
こんな感じでアクセスできるなら今度ぜひ登ってみたい
(・・・とはいえ、御巣鷹山の山頂へはルートがないので、
登山道で行けるのは事故のあった尾根までなんだけど)。

前日の雨で沢の水量がわりと多く、
前半渡渉が連続するところはやや神経を使いましたが
(なんせ私、ポチャ癖があるんでw)、あとは特に危ないところはなし。

渡渉あり、尾根歩きあり、はしご場あり、岩場ありと
適度に変化に富んだ道がコンパクトに収まっていて楽しかった。




ちょうどヤマツツジの季節で、
山の植物らしい「ひそやかな感じ」で咲いててキレイ。
あの花の「ひそやかさ」を学びたいw



往復6.5時間。ほぼCT通りだったので、
適度な運動量で心地よい疲れを感じることができました。

最後はすぐ近くの温泉でマッタリ~。

もちろん帰りはGW渋滞にはまったわけですが、
山や温泉は大型連休らしからぬ静かな環境で、
個人的にはモノすごーく満足度の高い山行でした。


有名じゃないけど、ひそやかでイイ山って本当にたくさんあるなー。
そういう山って、山に登れるシアワセをシミジミ感じさせてくれます。

これからもジンワリ登っていきたい。

火曜日, 5月 01, 2012

富士山はミナナロー@三つ峠岩トレ

たまに原稿を頼まれる友人運営のサイトに久々に寄稿しました。
よろしければ。

EPSTEINS「通勤の音楽(2)」 by:弥生
http://epstein-s.net/archives/7157
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ああ・・・・GWの前半が終わってしまった。。
休みって、どうしてこうも時間が経つのが早いのかしら。

とまあそんなわけで、好天に恵まれた前半は
6名で三つ峠へ。富士山くっきり!



河口湖から乗った、運手手さん自慢の
6人乗り別注タクシーのナンバーが「富士山37-76」。
ん~ なんかイイコトありそう☆



とにかく富士山の眺めが最高の山ですが、
岩が目的なので、歩き中は富士山に足を止めることもなく黙々とw

久々のテン泊装備にやや足腰やられつつ・・・・
2日間で以下のような戦績。今回はすべてマルチ。懸垂下降です。

・巨人ルート(4P:4+/4+/5+/3+) ※2Pリード
・地蔵ルート~草溝ルート経由(3P:5/4/3+) ※2Pリード
・中央カンテ(4P:3/4+/4/3+) ※1・3Pリード
・一般ルート~クーロワール経由(3P:4+/5/3+) ※1・3Pリード

【備忘録メモ】

・「巨人ルート」、2P目の黒っぽい壁が核心。でも右のカチがわりといい。
  3P目、無理ならスリングに足をかけても。
・「草溝ルート」、左のクラックから早めに右に出るべし。
・「中央カンテ」、3Pの抜け出しのマントルは左にガバあり。
  4P目は2つのカンテの左側を左上。
・「クーロワール」、最後のチムニーっぽい乗越はキョンぽく。
 右壁に尻を滑らす感じがラク。



以前「亀ルート」を登っているので、
これで三つ峠の代表的なマルチはコンプリート!…って、
全部リードしたわけじゃないけどさw

しかも最初の「巨人ルート」に至っては、3P目がエライ難しくて
スーパーA0しまくりなんすけどね(苦笑)。
でも自分で言うのもなんだけど、ずいぶん「こなれた感」は出てきた。
なにより、初めて三つ峠に来た時はTRだけだったのが、
マルチで、しかも一部リードで登ることができるようになったのは素直にうれしい。

特に今回は2日間とも会長と組んだので、非常にスピーディな登攀
ができたことは大きな収穫。本チャンに「スピード」は欠かせませんから。
「中央カンテ」と「一般ルート」は完全にツルベで登れたので、
いつもの倍のスピードで登ることができました。

ただ、精神的な余裕が出てくると、それだけ課題も明確になるんだよね。。

大きい意味での「ルートファインディング」、
ハーケンの位置や数を見極めたり、ルートの先の難易度を瞬時に
判断したり、下降点を考えながら登ったり・・・、そういう技術は、
安全面ではとても重要だけどそれがなかなか身に付かない。

あと、苦手だったのは「クーロワール」。
チムニーのように体全体を突っ張る動きとか、
マントル系で乗越していく系って、
インドアでは練習できないのでどうしても苦手になりがち。。
そういうムーブってどこで練習すればいいんだろ??


久々に外岩でガッツリ登って疲労しましたが、
その分、頭をカラッポ&フル回転させて登ったので
かなり充実感のあった2日間でした。

ちなみにこちら↓は、2日目に「中央カンテ」下降後に
ちょいと“やらかした”新婚約2名w



本人談によると、ロープの回収に失敗して停滞(ちゃんと事情があるんだけど)。
他パーティのヘルプを待つ間、岩場を通るハイカーから何度も質問され、
その都度クライミングの仕組みを説明するガイド役に徹していた と。

クライミングの普及に尽力しておるねー。ご苦労サマでしたw


で。今回も例のごとく帰りの車中でプチ宴会。
周辺の乗客にスゲーやな顔されましたw

でも、山ヤだから別にいいや。


ヒールの高い靴、フレアなスカート、
手入れされた爪、白いワンピ。。。
明らかに富士急ハイランド目的のシャレオツカップル。

そんな観光客に混じって、15kg近い荷物を背負って、
フロに入ってないドロだらけの体で電車に乗る自分。

「何故“こっち側”に来ちゃったんだろ」・・・・

と、女子としてほんのちょっとだけ悩みました。7秒くらい。


ま、でも好きで来たんだし。人生そんなモンすw

富士急行の車両にあった「のれん」が
とってもカワイかったので、まーヨシとしましょう(何が?)。

あー。また早く岩場に行きたい~