金曜日, 2月 26, 2010

若者よ。30年後もイキガってみやがれっ!

電車に忘れたマフラーが出てきた! 嬉しい。

10数年前に自分で編んだマフラー。
不細工だし、もうボロボロだけど、
作り始めた時期が強く記憶に残っていて
私と十数年の想い出を共有してきたもの。

そういうプライスレスなものの存在にはこだわりたい。

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さて、2本目です。

ANVIL
 「アンヴィル」


 80年代に人気を博したメタルバンド「ANVIL」。
 しかし、いまや50代になったメンバーは、
 ケータリングサービスの運転手や解体屋などで
 なんとか生計を立てていた。
 しかし! 彼らは未だにバンドを続けていた。
 趣味ではなく、本気で。
 交通費もなく、数人の酔客相手に演奏したあげく、
 ギャラがもらえずオーガナイザーと喧嘩・・。
 それでも、まだまだ彼らは「ビックなバンドの夢」
 を諦めていないのだ!


メタルは正直苦手ジャンルです。
メタリカやサバスはもちろん、
KISSとかまで明るくなってもちょっと。。。
三半管弱いんで、ヘッドバンキングもちょっと。。(笑)

でも、この映画は好きです!!
・・・映画じゃないかな。どちらかというとドキュメントだね。

だって現実の話だし、本人達のストーリーだけじゃなくて、
周りのファンや奥さんなんかの取材も随所に入ってくるし。

彼らはもう50代ですから、スタイルは今でも「メタルしてる」けど、
見た目はオッサン(というか「くたびれたオッサン」)なんですよ。
頭髪も随分サミシくおなりに。。。

家族や親類には、その活動を応援している人と、
辞めて欲しいと思って辛辣なコメントを言う人の両方がいるんだけど、
・・・なぜだろう? 不思議な事に、どちらのコメントにも
家族としての愛情を感じるの。


80年代の来日時には
数万人のオーディエンスを前に演奏していて、
ボンジョヴィなどとも演奏していたバンドが、
今では100人の客を集めるのにも四苦八苦。

それでも彼らはバンドを辞めてなくて、
しかもそれは、趣味が高じたいわゆる「オヤジバンド」ではなくて、
本気で、また数万人規模のライブをする夢を抱いているんだ。

でも現実は、ライブ会場はパブや小さなハコばかりで、
オマケに会場のマネージャーとはギャラで揉めまくる。

CDを出すお金がなく、自分のファンが経営する
テレアポ会社で働くも、慣れない強引な電話営業に
まったく売上げがあがらず。。

と、とにかく言ってしまえば「ナサケナ~イ」シーンも多い。

そんな苦境の中ででも不器用に自分の想いを
貫き続けるアンヴィルを、「イイ大人がいつまでも
夢なんか追いかけて・・・」と、笑う人が果たしているだろうか?

・・・う~ん。いるな。
私はそういう人とは絶対友達になれないけど(笑)。

でも彼らは、30年近い自身の人生をもって、
「オマエら!生きるってこういう事なんだよ!」って伝えてる。

や、伝えてなんかいないかも。
これが映画になったのはたまたまであって、
そもそも人のためにやってるんじゃないし、
彼らはただ「自分に嘘をつかずに生き続けただけ」なんだから。


映画の最後に、

 「生きるって結局、自分が何をして、
 誰と知り合って、何を思ったか なんじゃねーのか?」

と、言っているボーカルのリップスの言葉に嘘はない。

彼らは、現実がクソだって事を痛いほど知ってる。

彼らだって、よくいる中年のように
普通にお金の事で落ち込んだり、
勝負に出るべきか逡巡したりする。
でも、彼らはそこから逃げてない。
逃避でメタルしてるんじゃない。

そんなコ難しい事は考えずに、
ただ死ぬまで好きな事で夢を見たいだけ。

「夢を追いかける」ってことは、

 みじめで、なさけなくて、哀しい事なんだと思う。結局は。
 要は、そこにあるのは「それでも追うのかどうか」だけ。


現実を知ったうえで、どこまで走り続けるか・・・。
そこが、イキがってるだけのロックKIDS
と彼らの大きな違いだと思うんだ。


映画の終盤、日本が舞台になるので、
そのあたりも日本人は見ていて楽しいよ。

 クソみたいな現実で、夢までクソみたいじゃ
 生きてる意味ないじゃん!

と思った人は、ぜひ観てください。

*余談だけど、80年代の洋楽ブームは
 カルチャークラブとかワムとか
 今思うとありえないと思う。
 あれもバブルの狂乱なのか・・・

木曜日, 2月 25, 2010

Oh, Yheh~! ノッてるかーい!?

登山の話になると「富士山は?登った?」と
聞かれることがかなり多い。
でも、富士山・・・全然食指が動かない。

平坦なルート、岩ばかりの景色、山頂の混雑・・・
そんなのを聞くたびに、どんどん登りたいと思えなくなる。

日本No.1だから? ・・うーん。それも、連舫じゃないけど
「一番じゃなくちゃダメですか?」なんだよね。

私にとって「富士登山」と「結婚」は、
「とりあえず“みんながやるから”
通っておかなきゃダメですかね?」
と、大いに心を迷わせる二大テーマです(笑)。


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どーーーしても観たくて、強引な定時退社作戦
(まさに「鐘とともに去りぬ」)で、
2本立てを観てまいりました。


 The Boat That Rocked
  「パイレーツロック」


 舞台はラジオは国営放送のみだった60年代英国。
 当時、ポピュラー音楽の放送は1日45分と決まっていた。
 そんな時代に「熱いロックをノンストップで聴かせたい!」
 と活躍したのが、船の上から電波を流す海賊ラジオ局。
 若者達は、夜のバーで、仕事の合間に、そして親に内緒で
 ベッドにラジオを持ち込んでロックに酔いしれていた……

いいっ! いいよっ!!
こういう映画、好きだな~。癒される。

ストーリーは、海賊船「ラジオロック」に
タバコとドラッグで退学になった高校生が、
親に更生目的で乗船させられるあたりが軸なんだけど、
ともかく乗船しているDJ達が個性爆発の曲者キャラばかりで、
もう完全に「おバカ系 ザ・パーティームービー」。

ノリとか構成はオースティンパワーズなんだけど、
そこは英国産。オバカさより、シニカルに笑わせる感じで、
モンティパイソンとかMr.ビーンズ的なセンスなんだよね。
日本人はわりとこういう趣味が好きだから、
私も爆笑じゃなくて「思わずニヤリ」。

ノッケからいきなりのKINKSに始まり(渋いな!)、
60年代の音楽が次から次へ画面いっぱいに溢れる感じは、
見ていて

「あ~、なんかシアワセや~・・・」

という気分になれた。

60年代の女の子の原色系ファッションも超カワイイ!
ああいうファッション、若い頃は自分には死んでも
似合わないと思ってたからな。。
着ておけばよかったよ・・(泣

ストーリーはしごく単純で、一応、低俗な海賊船を一掃しようと
政府が様々な妨害をしてくるなんていう仕掛けもあるんだけど、
話の展開で魅了しようっていうんじゃなくて、
完全に音楽が主役の映画です。
前にココにも描いた「アクロス・ザ・ユニバース」みたいな感じ。

この時代の覇者であろうビートルズの曲が1曲もなかったけど、
それが逆に作り手の狙いを感じる。
当時のビートルズはストーンズと比べられて
わりとイイ子ちゃん扱いだったから、骨太な「ロック」として
扱わなかったのかも(でもへルタースケルターとか超ロックだけど)。


・・・海賊船ラジオが存在して、それが若者の心を掴んでいたのは
歴史的事実らしいだけど、60年代って正直この映画みたいに、
そんなに明るい時代じゃないよね。

“今思えば”、今に繋がるすべてのカルチャーが
華開いた時代ではあるけど、それは結果論であって、
実態はベトナム戦争が長期化し、世界的な精神不安がドラッグを浸透させた。
豊かさと貧しさが、極端に二極化したのも60年代からだと思う。

それでも・・・、やっぱりこの時代に若者だった人が
ぶっちゃげちょっと羨ましい。


戦争は勝っても負けても国民の負担は重いわけで、
そういう意味ではイギリスだって、この時代は
まだまだ戦争の爪あとが少し残っていたんじゃないかとは思う。

それでも、「あとは上に上がるだけ」みたいに
未来に夢を見られる気風があったんだろうし、
情報やツールなどが非常に限られた社会の中で、
自分が夢中になるものを「自分の手足を使って」
貪欲に追いかけていく。

もちろんテレビもネットもgoogleもyoutubeもない(当然だ)。
レコードは高価だし、公式ラジオ局で規制される不便さの中で、
それでも必死でラジオに耳を傾け、その音の向こうにある「何か」に
夢中になれた時代。

・・・手垢の付いた言葉ではあるけど、

 物質的な豊かさ ってなんなんだろう?

って本当に思ってしまいます。


2時間15分の長編なんだけど、全然飽きなかった。
日本人にはなかなかできない、本能丸出しの
「はっちゃけ」ぶりは、スカッとするよ!

もう1本は書けんかった。。
てなわけで、また明日~。

*おデブなモテDJ、デイヴが
 サンボマスター山口さんに似ていると
 思った人は多い(はず)。

火曜日, 2月 23, 2010

デビュー

昨日まで読んでた
自殺に関する本が切なくて切なくて。
思わず電車で涙。
やっぱり自殺は絶対いかん。

「自分で死ぬのは自分の権利」?

・・・・や、違うよ。やっぱ。絶対違う。

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ヤマって来ましたよー。晴天!

冬山は、天気がいいと空気が澄んでいる分
景色がとてもいいのも、なんかトクした気分。

今回は丹沢山系の「三の塔」。
もともとは塔の岳が目的地で、
三の塔は大山や塔の岳の「途中のピーク」みたいな
もんなんだけど、路面凍結でバスが予定の半分のところ
までしか行かず、その分1時間以上行程が伸びてしまったので
少し手前でフィニッシュとしたのです。

蓑毛

ヤビツ峠

二の塔

三の塔

大倉

という、のんびりお昼も含めた休憩もあわせると
7時間弱の行程。

今回は私のアイゼンデビュー!だったので(やった!)、
アイゼンでの歩き方に慣れるという意味でも
ピッタリの山行でした。

「雪深い」というほどの積雪はなかったけど、
それでも最後の1時間位の部分は、数十センチの積雪。

過去に2度程通った事がある道だけど、
やはり冬の雰囲気は全然違う。

夏は植物も元気で、「活動してます!」っていう生命力に
溢れているのに、冬はシンっと締まって、人を寄せ付けない
雰囲気を持っているんだよね。

でも人間でも、「元気いっぱいでいつも笑顔の女の子」も、
「クールで寡黙だけど、自分の芯を貫く女の子」も、
どっちもそれぞれ魅力的じゃん?

それとおんなじで、山も夏・冬どっちがいいかと
言われても比べられないんだよねー。

丹沢山系は気軽に関東から来られる事もあって
この時期も登山ファンはかなりいるんだけど、
やっぱり夏よりは格段に人が少ないので
一旦登り始めるとあまり人と合わない。

白い雪を ザクっ ザクっ と踏み込む音と
息遣いだけが聴こえる空間。 。 。 。

 ああ~ 細胞が喜んでるなー

って思う。


登山は、
高尾山からエベレストまで、
夏の低山から厳冬期の高山まで、
日帰りから連泊の縦走まで、
大勢のパーティから単独行まで・・・・

とにかく選択肢がたくさんあって懐が広い。

末永く続けられたらいいと思う。

*二の塔の手前から塔の岳を望む。
 標識では雪ダルマがお出迎え。





*ところどころに霧氷が。
 霧氷は木に雪が積もったのではなく、
 木が発する水分が固まってできるんだってさー。

木曜日, 2月 18, 2010

“人のせい”は“国民性”?

家にケーブルテレビ線敷設工事が。
地デジ対応・・・。わがボロアパートにもハイテクの波。

しかし「工事希望日」の予約受付は電話かFAXのみ。

・・・ハイテク?ローテク? どっちだよ!

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先日英語の調べものをしていて
「へ~」 と思ったエピソード。

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「受身」という文法があるよね。

 私は鍵を拾った ⇒ その鍵は私に拾われた

ってヤツですね。
ちなみに中学英語では、この辺りで挫折して
英語が嫌いになる人も多いところ(私もそうだったかも)。

この「受身」という表現、もちろんどんな言語にもあるんだけど、
日本語には非常に独特な受身表現というのがあるんだそうです。

それが 「メイワクの受身」 と呼ばれる表現。

・雨に降られた

・彼女に泣かれてまいった

なんてのがソレ。

この表現、日本人には当たり前だけど、世界的に見ると非常に珍しく、
多くの言語で直訳が不可能な文として有名なんだって。


どの言語の文法にも、動詞にはたいてい
他動詞・自動詞という分け方があって、
受動態にできる動詞というのは、基本的に他動詞なわけです。

他動詞は目的語が必ず必要、つまり「他」が存在して
初めて使える動詞だからこそ、「“誰か(何か)”に、~される」
という言い方が成立する。
だけど、自動詞はまさしく「自」の動詞。例えば英語でいうと、

I swam. (私は泳いだ)

なんていう文章は、「泳ぐ」が自動詞で
完全に完結しちゃってるので、この文章を

I am swum by~ (私は~に泳がれる)

とする事はできません。


前述の「雨に降られた」の何がおかしいかと言うと、
日本語の表現としては受動態なんだけど、
これをそのまま英語にしようとすると

I was rained by rain.(私は雨によって降られた)

という事になってしまって、
到底文章として成立しないわけです。


・・・で。

これがヒッジョーに興味深いんだけど、

こんなふうに、「降る」「泣く」のような自動詞を受身の形にする用法が、
何故日本語でOKとされるようになったのかというと、
諸説あるものの、

 日本は、他者との因果関係が
 非常に濃密な文化(言い方を変えれば他者依存度が高いって事だ)で、
 主体性がない国民だから ではないか?

っていう説があるんだって。


日本では、「(雨が)降る」「泣く」といった、基本的に“それ自身”が
自発的に、勝手におこなった行為で自分がなんらかの迷惑を被った場合、
文章を受身にすることで、直接ではないものの、暗に「自分に非はない」
というニュアンスを表現したがる気質があるからなんじゃないか、
と、こーいうわけ。

「メイワクの受身」という名前の所以も、そこにある。


・・・・英語には「心中」って単語がナイっていう有名な話があるけど、
とどのつまり、日本人は、「日本語」という言語が成立した
そのむか~しむかしから、

よく言えば「他者の事を考え、慮る」、
悪く言えば「人のせいにする(責任の所在を曖昧にする)」

国民だ ってことなのかもしれない。


 不祥事の時に、経営陣総出で
 マスコミに頭を下げる日本企業。

 仕事で、「主担当」という考え方がなく
 ノリと勢いでタスクを進める上司。

 自分がミスっといて、
 「あの人がやれって言ったから!」
 などと逆ギレする女。


・・・・・そうだったのか!
なんかよくわからんけど、妙に納得した。

「協力」と「馴れ合い」の線引きができないDNAは、
もう日本人に脈々と刷り込まれてるってわけなのね。トホホ。。


英語の勉強って、「文化の勉強」でもあるわけで、
それがやっていてとても面白い。

きっと数学も、物理も、そういう“学校のお勉強”
を超えたところに面白さがあるんだろうなー。

学生時代にそれが分かってたら、数学で「2」は
取らなかったかもな・・・・(もちろん10段階でっ♪)。


*そんな私も日本人であるわけなのですが。。。

火曜日, 2月 16, 2010

あけまして おめでとう。

時々すごく気が小さい
(というより器が小さい)
自分を実感してヤになる。。

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今のところ皆勤賞中のイベント「キンシノ」特別版として、
テレビ神奈川の公開収録イベントへ。

いつものイベントに比べると倍近い時間で、
楽しかったんだけど、なかなかの長丁場だったよ(苦笑)。

変な言い方なんだけど、キンさんのトークって
自分の「ココロの体調」によって聴いた時の感想が
違かったりするんだよね。

自分に余裕がある時は、キンさんのあるがままのトークを
すごく面白がれるし、逆にそうじゃない時は付いていくのが
わりと大変だったりする(笑)。体調のバロメーターになる。
そういう意味では、こないだは真ん中ってトコかな。

ちなみに志の吉君の落語は「桃太郎」。

この噺、結構いろんなトコで聴くんだけど古典なのかな?
でも主人公は「平成のマセガキ」だからなー。古典とは言い難い。


で。

テレビ神奈川は関内なんだけど、なんと偶然にも
その後は、そこから徒歩10分足らずの中華街で
旅関係の友達と新年会。

中国の新年である「春節」は、今年は2/14。
このメンバーは毎年時期に新年会をするのが恒例になっていて、
私も数年前から参加させてもらってる。

旅つながりの人たちなので、人との繋がり方がとても自然で、
「俺達仲間だ!」って感じで閉じてなくて、
新しいメンバーも常に出入りがあったりして、とても心地よい。

思い出話はしても、いわゆる「内輪ウケ」ってやつをやらないので、
のんびり過ごせるんだよね。

今回も、先日その中の友達がラオスに行った時に知り合ったという
アメリカ人のおじさんがニューフェイスで、
パーティLOVE、日本のオネーチャンLOVE(笑)
ってな感じの人でなかなか楽しかった。

春節の当日に中華街に行ったのは初めてだけど、
あちこちで爆竹が鳴らされていて、あの獅子舞みたいのが
お店の中まで入ってきて、もうとにかく「わたしら祝ってますっ!」って
雰囲気に街中が包まれてた。

まさしく「お正月気分」ってヤツですね。


最近どうも、気分がINに向きがちなので
(冬は日照時間が少ないからか・・・・)、
とにかく極彩色の飾り物テンコ盛りの
中国パワーに元気付けられました。

ああ・・・あったかい国に行きたい。
1年くらい行きたい。逃避だと分かってはいても。


*お店のこんな狭い通路にまで
 獅子舞(のようなもの)が乱入。景気いーね!
 写真だけ見ると、なんか挟まってるみたいですけど(笑)。

金曜日, 2月 12, 2010

“見えてるもの”は、全体の何割なんだろう?

志の吉@八重洲 その19メモ

牛ほめ(前座)
初天神
文七元結

・・・大ネタ増えてまいりました。
真打に向けて完全に舵を切り出しております(笑)。

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えーっと。
とりあえず今月初映画。
今回は名画座2本立て。


■其の一
 「ディア・ドクター」

「これぞ邦画!」な、「ゆれる」という
映画の監督さんの最新作です。

 無医村だった村にやってきて、
 村の住民から神様のように慕われていた医者が、
 ある日突然失踪。その失踪の真相を追ううちに。。


・・・こういう映画って賛否両論なんだろうなーと思う。

先にネタバレしちゃうと、この医者(鶴瓶)の
失踪の原因は、医師免許もないのに医者をしていたからなのね。

でも、資格があろうとなかろうと、村で必要とされ、
その想いに答えようと必死に医療活動をした事実は歴然とあるわけで。

世の中で「資格」とか「肩書き」とか「見えている体裁」が
ナンボのもんなんだ・・という事なんだよね。メッセージとしては。

こういう映画を観ると、自分の立ち位置みたいなものを考えると同時に、
「他人の事を、軽い気持ちで“あの人は○○な人だ”
って決めつけるのは辞めよう」 って自分への戒めになる。

そういう決めつけをされて「あんたに私の何が分かるんだ!」って
思った事がある人は、きっと逆に
人からそう思われた事があるんじゃないかと思う。

私は、そういう事が続くと、自分を分かってもらおうと
することを放棄するタイプだけど、本当はもっとガチで
人とぶつからないといけないのかもしれない。

最近、どうも人との関わりについて、
いろいろと複雑な思いを抱くことが多いから。。。


私は評論家でもなんでもないから、
観た後は「ああー。いい映画だったな」と思ったけど、
わりと日本映画に多いテーマだし、最後のまとめがちょっと
「え?それでいいの?」って感じだったので、なんというか、
「おくりびと」みたいな映画に一種の「説教くささ」を感じる人は
きっとこういう映画は好かんのだと思う。

今回も香川照之が大変すばらしい。

そして八千草薫がカワイイ(笑)。



■其の二
 「南極料理人」

2本目は、封切り後に2度も観れるチャンスがありながら
何故か観る事ができてなかった、堺雅人主演のほのぼの映画。

 平均気温がマイナス50度、動物さえも暮らせない酷寒の南極で、
 約1年の調査滞在をする8人のクルー。
 そのメンバーの調理を担当する自衛隊調理人、西村の視点から見た
 普通じゃない場所で起こる、ごくごく普通の様々な出来事・・・


これも、最近の邦画の本線のひとつ。
私の好きな路線です。

私はこういう映画を自分の中で「小津グループ」って分けてるんだけど(笑)、
あくまでも主人公はヒーローでも特殊体質でもないし、
話の中で大事件が起こったりするわけじゃない。だけど、
なんとも言えないおかしみというか、まるで自分もその映画の
世界の中で生活してるかのような気分になる映画。

「かもめ食堂」系の映画が好きなら、間違いなく好きだね。

この映画って本当に、ある意味信じられないくらい
「何も起こらな」くて、それがすごくイイ。

こういう映画を心からいいなと思うようになった自分は、
シミジミ年取ったんだなーと思うけど(笑)。


配役も絶妙だと思う。

 蛇足だけど、昨今、邦画が再度頑張ってるのは、
 映画の制作行程の変化もあるけど、
 映画に出る俳優のレベルアップが確実にあると思う。
 薬師丸ひろ子やチェッカーズに文句を言うつもりはないけど、
 アイドル映画が量産されてた角川全盛の時代は、
 正直邦画の暗黒時代だった。
 (・・と、映画関係者も思っているのでは)。


この映画の中で起こる出来事のような事って、
たぶんどんな人でも経験してるんだと思うよ。
もちろんそれが南極で起こっているのは特別だけど。

どんな人でも、例えば30歳の人なら、30年間の中の
お話になりそうなオイシイトコだけをエッセンスとして取り出して、
それを120分の映画にしたらこんな感じになると思う。

つまり、何か言いたいかというと、
どんな人でも、「映画になるくらいの」人生を歩んできているんだと思う。

そうすると、人生をもっとおもしろがろう!
って思えるんじゃないかと。

そして改めて思うのは、
人生は1年365日の積み重ねで成り立ってるけど、
その人にとって、生涯を左右するような経験は、
平均的にやってくるわけではなくて、ある1年・ある1日・ある一瞬に
凝縮してやってくるんじゃないかなと。
逆に言えば、それ以外の日々は平凡だったり、シンドかったりするのは
当たり前の事なのかもしんないなー と。

映画とか本って、色々な事を考えさせるね。



・・・今回「ディアドクター」を先に観てよかった。

もちろんどっちもいい映画だったんだけど、
あっちが後だったら、なーんか奥歯にモノの
挟まったような後味だったかも(笑)。

*原作を読みたくなりました。

金曜日, 2月 05, 2010

ラジオな暮らし

よくある話だが、バイクのエンジンがかからず、
湯沸かし器が壊れ、冷蔵庫の音がどうもおかしい。

モノの破壊は連鎖するのでR。

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最近ラジオに凝っている。

これまでにも聴いてはいたけど、
英語の勉強を兼ねてとか、意味もなくテレビ観たりするのがヤだったり
なんて理由で聞いているうちに、実はラジオって面白いんだという事に
気が付いた。イマサラ?

昔はオールナイトニッポンとか
必死で聴いてたんだけどねえ~。
私は実は中・高の頃、一時期投稿に凝ってた時期があって、
主に新聞とラジオによく投稿してた
(新聞の、年寄りの“身の回りのいい話”的なやつじゃなくて、
 いわゆる“ハガキ職人”)

当時聴いてた番組は深夜に集中していたので、
受験勉強とかしてて、急にラジオで自分のハガキが
読まれたりすると眠気が吹っ飛んだりしたな。

※ちなみに私の“ホーム”は、三宅裕司のヤンパラと、ビートたけしの
 オールナイトニッポン、あと土曜の深夜にさんまがやってた番組。
 思えば、私が「文章を書く仕事がしたい」と思ったのは
 あれが出発点なんだよね。でも、当時の(特にオールナイトニッポンの)
 ハガキ職人って超レベル高くて、その才能の前に挫折したんだけど(苦笑)。。
 今ではあの当時のハガキ職人で、放送作家になった人が何人もいたりして。
 ・・・・もっとガンバっときゃ~よかった(笑


あ、話それた。


最近はさすがにFMばっかりで、後はネットラジオ。

ネットラジオは数年前にも一度マイブームがあって、
その頃に好みの番組をかなり漁ったんだけど、あそこから
さらにチャネルも増えてるね。

マジですごいよ。ネットラジオって。
世界中のラジオが聴けるし、一日中ビートルズだけ、
みたいなコアなチャネルもいっぱいあるし、
ノンネイティブ向けの英語放送もたくさんあるから、
ヒアリングはもう全然ネタに困らない。

でも日本の放送局は著作の問題でネットラジオが
あるところはほとんどないので、日本語のMCが
入る番組も聴きたいなーとなると、やっぱFM。

でもウチ、向かいのマンションに
たぶんアマチュア無線と思われるデッカイ
パラボラ立ててる部屋があって、それが
原因らしく電波が著しく悪い。特にFMは、肝心のinterFMが
本当に悪くて、かなりのノイズ入りのを半ば諦め気味で聴いてたの。


そしたらナント!
最近、FMの電波はTVの周波数に近いので、
テレビのアンテナ線を分岐させて
音質を上げられる事を知ってビックリ!

電化製品は、ラジオにとってはノイズをひどくさせる
ばかりの悪者だと思っていたのに・・・・。目からウロコ!!

先入観はいけないな。


私はそういう事(=着メロの自作法とか、ラジオのMP3録音とか(笑))が
気になり出すと、自分がさほど必要じゃなくても
なんとしても情報を探したいタイプなので
(こういうところ、私スゴイオタク気質があると自分で思う)、
その後はガンガンググって、
1000円位の分配器イッコで、あっと言う間に問題解決。

ネットってすごいねえ。

その分配器すら、ネットで買って、コンビニ預かりで受け取るという
完全にネット社会に首まで漬かった生活。

いまや情報も、商品も、必要なものは
物凄い速さで手元に届く時代。

デザインや質感重視のものはやっぱり実際に手にとって試したいけど、
どこで買っても同じものは、結構ネットでパパっと買っちゃう。

ああ・・・・。

こうやって人間はダメになってゆくんだわ(苦笑)。
外に出ないでナンでも手に入る社会は 危険だ。

火曜日, 2月 02, 2010

自分色の場所

仕事に情熱注いでなくても、
やはり半端な仕事には腹が立つんだよ。。
なんであんな雑な仕事の仕方するんだろ。。

「腹が立たない人」になりたい。

・・・や、「腹の立たない場所にいたい」が正しいのかな。
(以上ひとりごと)

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行ってきました。またライブ。

 ハッチハッチェルバンドライブ@渋谷BYG

BYGは、70年代のアンダーグラウンドカルチャー好きの学生の
たまり場で、一旦閉店したものの、ファンの声にこたえて
再開したという老舗のライブハウス。

今はなき吉祥寺の「のろ」や、高円寺「ジロキチ」、
青山「曼荼羅」などと並んで、古き良き香りを残すお店。
私もいっぺんに好きになりました。

ここ1年は仕事への情熱が薄れていることもあって(笑)
たぶん月2~3回位はなんらかのライブに行ってると思うけど、
とにかく「聴くと元気になる」ことが保証されてるのが
ハッチさんのライブ。


・・・音楽ってすごく不思議だ。

タワレコのコピーは「NO MUSIC NO LIFE」だけど、
ジッサイ問題、別に音楽がなくたって生活できる人は
たくさんいるよね。

でも、音楽という「栄養」が必要な人にとっては、
それこそ「無くなったら生きられない」訳ですよ。

ハッチさん自身はもちろんなんだけど、
ハッチさんのライブに来るような人って
そういう感じの人が多い。

ファッションなんかはわりかし普通というか地味めな
人が多いし、統一された感じもないんだけど、
なんというか「音楽は、アルファ波出してナンボでしょ!」
みたいな雰囲気があるというか(笑)。

私自身「音楽」は、なきゃ死んじゃうって事はないけど、
それでもやっぱり、

「自分色の空間(時間)が欲しい」

と思う時は、常に音楽を流すし
わりと必要不可欠なものだと思う。


会社でもそうだけど、
いかにも偉そうにデキそうにしてる人に限って中身カラッポで、
茫洋としてて何も話さない人は、逆にいろんな事が分かってて
いつの間にか必要な仕事をこなしちゃってる

って事あるよね。

ハッチさんのバンドってまさしく後者なんだ。

「くだらない事をやる!」がバンドのテーマだけど、
それをしごく真面目に、ちゃんとやるという。

いいなー。私もあの姿勢学びたい。


私がこういうバンドに肩入れするのは、
もちろんハッチさんの音楽が好きってのもあるけど・・・


“俺、カッコイイでしょ”って態度丸出しで歩いてる人
(本当にカッコいいかは別だ!)

とか、

人の仕事に“できる俺”風に問題提起する癖に、
指摘ばかりでその解決策・代替案をまったく出せない人
(アラ探しなんて誰でもできるっつーの!)

とか、

そういう「中身のない」人を、年々許せなくなってる
からなんだと思うんだよね(苦笑)。
そういうメッキでごまかせるのは、20代までだと思うよ。


・・・・ああ~。。
やっぱり私、なにかに腹が立ってるのかもしれない。

こういう自分が、嫌いだ。

腹が立つ時は、必ず自分にも原因があるから。


*「はっぴいえんど」って、やっぱ偉大だな。