火曜日, 8月 05, 2008

OL の時代

友達から「離婚のご挨拶」ハガキが。
今はそういうのもアリなのかー。

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ちょっとしたきっかけがあって、
東電OLの本を読んだ。

「東電OL殺人事件」

事件そのものは10年も前の話。
でも覚えている人も多いかも。

逮捕されたのはネパール人の男性だけど、
2008年の今も獄中から冤罪を訴えている。

そして何よりこの事件は、被害者となった東電のOLが、
日中は総合職エリート社員として働きながら、夜は円山町を中心に
客を選ばない場末の売春行為をしていたという事で、まだ今ほどプライバシーの侵害が
叫ばれていなかったこともあって、写真週刊誌などがこぞって過激に報道した。

被害者のOL(ていうか、今となってはこのOLという言葉も微妙・・・)は当時39歳。
彼女の奇行は確かに異常ではあるけれど、同時に男社会で必死に自分を鼓舞しながらも、
満たされず、評価もされない気持ちを埋める「何か」を求める同世代のエリート職の女性達が
「東電OLは、私だ」と、多くの共感のメッセージを発信したという。

10年前。

私は20代前半で、仕事も遊びもあらゆる事が
目新しく感じられた時期だったので、
もちろんこの事件を見聞きはしたものの、自分の中では
流れてゆく事件報道のひとつに過ぎなかった。

そんな私も今や30代も半ば。

改めてこの事件に関する本を読んで、
私は、彼女の心情が驚くほど理解できるようになっていた。

OL、という言葉に象徴されるように、
今よりはずっとずっと、女性が第一線で働くことが
難しい時代だったと思うけど。

彼女は、親もエリートで非常に家柄がよく、
社会的には非常に恵まれた立場にあった。
そういう意味では私とは全く違うけれど、
心のどこかにある「闇」みたいなものは、自力で人生を走りぬけようとする
この世代の女性共通の感覚じゃないかと思う。

・・・・「時」っていうのはもの凄いパワーがあるなと改めて思った。

この事件は、細かい部分を詰めれば詰めるほど
警察の初動調査にはおかしな部分が多くて、
事実関係だけを読むと、素人の私でもいま獄中にある
ネパール人の男性を容疑者とするのには相当無理があるように思う。

売春、夜の街、不法就労外国人・・・・、
社会の“ねずみ色”の部分で起こった事件だけに、
何か国レベルの大きな力が働いて、そのぬれぎぬを被っているのが
彼なんじゃないか、と疑わざるを得ない。


実はこの本自体のデキは決して良いとは思えず、
最終的にはとても消化不良で終わっている。
しかも、(時代背景もあるが)「被害者のプライバシー」
に関してあまりに無配慮な点も気になる。

ただ、この本を読んで早くこの事件が
本当の意味で「解決」することだけは、
願わずにはいられません。

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