木曜日, 10月 29, 2009

信念か。現実か。

なんか今週は風邪引いたのに
なんかアクティブ。

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さっそく「沈まぬ太陽」を観て来ました。
封切りの映画、久々に観たな。

脅威の200分超え! なんと途中に10分間の休憩が
入ります。そんな映画、初めてだよ。

・・・しかしこの時期にこの映画が公開されるっていうのも
絶妙なタイミングだよね。J○Lはさぞご立腹でしょう。

実は、映画になると決まった時から楽しみにしていたのですが、
反面、原作の本が最高にすごいので(私もだいぶ前に図書館で
借りて、ちょっとふるふるした)、映画を観てガッカリしたら
どうしよう……と、複雑な気持ちも一方ではありました。
そういうケース、ままあるからね。

でも・・・結論から言うと、すごくよかった!!

ストーリーはほうぼうで紹介されているので
割愛するとして・・・・

原作のパワーが、しっかり映画に投影されてたなという気がします。

原作では前半の「10年の僻地勤務編」と、後半の「御巣鷹の事故編」とは
明確に分けて書かれていたと思うけど、映画はどちらかというと、
事故編が主軸になっていて、僻地勤務は「回想」っぽく
織り込まれてる感じでした。でも、仕方ないと思う。
カラチ、テヘランなんていうところで、臨機応変な撮影を
する事自体が、たぶん不可能なんだろうね。

でも、私が原作を読んだ時にすごく心に残った、
ケニア駐在時に主人公が精神を病んで、
錯乱して家にある剥製を銃で連射するシーンがあるんだけど、
あれは、私が頭に思ってたイメージに超近くて、かなりゾクっときた。


前にも似たような事を書いたかもだけど、
私は、あの日航ジャンボの事故には特別な思いがあって、
あれを題材にした本や映画を観ると、それだけで
ストーリーとは関係なく、心臓がドキドキして涙が
止まらなくなっちゃうんだよね。。

この映画も、事故の衝撃的なシーンが比較的前半に
集中して出るんだけど、開始早々に涙がジャンジャン出て困った(苦笑)。
全然泣くトコじゃないから、
隣のオバサンにチラチラ見られちゃうしさ~。。

さすが山崎豊子作品だけあって、
別のドラマなんかでは主役・準主役級の人も
チョイ役でいっぱい出てます。

今回はやっぱり渡辺謙の演技が秀逸だし、
三浦友和をあえてダークサイドで使うあたり、かなりハマってたけど、
私は実は、香川照之が一番よかったと思ってる。
アノ人、ちょっと心の病んだ役をやらせると、
本当に鬼気迫るものがあるんだよね。

映画では、主人公の次に労組の代表になって
最後は非情な末路をたどる役なんだけど、
ある意味、日本のサラリーマンが一番感情移入するのは
彼なんじゃないかなー。。。 

 信念か。現実か。

誰もが様々な形で苦しむテーマだし、
美しく信念を貫ける恩地のような人は
むしろ少数派でしょうからね。。


この映画、たくさんの人に観て欲しい。

「会社? ヤなら辞めちゃえば?」という感覚の
世代には、結構カベの高い話だけどね(笑)。

ただ。

別に航空会社の肩持つわけじゃないけど、
この映画を観て、「J○Lってなんて酷いんだ!」
と思うのはちょっとキケンだと思う。

映画では、善悪をはっきり描き分けたほうが分かりやすいから
そうしているけど、実際は主人公(映画では恩地、モデルは小倉さんという人)
は、あの事故で遺族の世話係はやっていないし、
あの会社を腐敗させた理由は、別に賄賂や労組闘争だけじゃなくて、
もっともっと複雑なんだと思う。

世の中というのは、小説のようにシンプルじゃないよ。

あくまで「フィクション」として観てください。
それがこの映画を楽しむコツかもしれないよ。


*エンドロールまで観ると、これだけの大作に
 大手広告代理店やテレビ局の名前が全然出て
 こない事に改めて驚きます。
 よっぽどニラまれたくないんだろうな~・・・
 ま、確かに、これで渡辺謙がJ○LのCMに起用
 される事は一生ないだろうけどね。

6 件のコメント:

ゆっきー さんのコメント...

お お おんがくは??

わたしは 恥ずかしながら
小説も読んでませんが
そして 休憩付き映画は
風と共に去りぬ
しか観てませんが・・・

いやー レコメンド力
すごいなー。
ちょっと行きたくなるねー。

ヒロリン さんのコメント...

原作読みたいーと思っている内に映画が始まっちゃった。
今図書館に予約しに行ったら、文庫本26人待ちだって。みんな考えることは同じね…(単行本は7人待ちだったのでこちらで予約)

ヨヨさんのレビュー読むとどれも行きたくなる。
けっこー影響受けてますワタシ。

かつを さんのコメント...

うおぉぉおぉ~

見たい。見たい。見たい。

山崎豊子さんの小説はスゴイと思う。

ところで、
>脅威の200分超え! なんと途中に10分間の休憩が
ベン・ハーは?たぶん、もっと長い(笑)

ヨヨ さんのコメント...

有難うございます。
文章を読んで「その作品が観たくなる」と
言ってもらえるのは、
広告屋として文章を書いてる私には
ある意味最大の賛辞だわ
(別に広告しようと思ってるわけじゃないけどね(笑))。

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ゆっきー さん>

> お お おんがくは??

あ。 ・・・えーと。近々(苦笑)。


ヒロリン さん>

> 原作読みたいーと思っている内

まだ読んでない場合、「原作が先か」「映画が先か」
は悩むところですよね。私は、今回に関しては映画が先でも
いいように思います。

個人的には、本ではいわゆる“ト書き”というか、
登場人物の感じた事を文字で説明できるけど、
映像ではそれは、役者の力量と、あとは観客自身がそれを
「想像する力」が求められますよね。だから、
表面的なストーリーを追う事は映像のほうがラクだけど、
その作品の「本当のメッセージ」を感じるのは、
映像のほうが難易度高いと思っています。

なんで、まず映画を観て「感じた事」を、
後から原作で「答え合わせ」するっていうのも
ひとつの楽しみ方かな、と(笑)。


かつを さん>

> 山崎豊子さんの小説はスゴイと思う。

すごいよね。
いわゆる「組織の腐敗」っていうのが
あの人の生涯のテーマみたいだけど、
そういうのって、ブラックボックスで
表に出てこないから「腐敗」なんであって、
そういうことを、綿密に取材し、作品にしていく事って
ものすごい努力や情熱が必要だと思う。

作家としての力量もさることながら、
その「事実にせまっていこう」という取材力がすごすぎです。
私は作家と言うより、編集者、記者としての
才能のほうに畏敬の念を感じてるかも。

yosshy さんのコメント...

日航機123便墜落事故のあった時、自分は高校三年生でした。夏に、この事故があり、冬にはスペースシャトルチャレンジャーの事故があって、すごく印象に残った学年でした。

散髪屋さんに当時おいてあった写真週刊誌に、今では考えられませんが、御巣鷹の現場の生々しい写真(モノクロ)が掲載されていたのを覚えています。

J社も現場の担当者は誠心誠意対応をされていたようです。まぁJ社が昨今のような状況になったのは、体質もあるかも知れませんが、国際化への対応が苦手な国家としての航空行政や空港行政のあおりをナショナルフラッグとしてまともにくらったのもあるでしょうねぇ・・・。


自分は、まず本を読んでみようかなぁって思いました。

さいきん、お仕事が さんのコメント...

お友達な状態です!!楽しいメールしたいので、はるによっかたらメールしてください♪ lovuv-555@docomo.ne.jp