やー しかし驚いた。
「心を乱すこと」というのは、
何の前触れもなく、
ある日突然やってくるものですね。
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久々に小三治、聴いてきました。
柳家小三治独演会 @北とぴあ
・真田小僧(弟子:一琴)
・※お約束のながーいまくら
・粗忽の釘
--仲入り--
・金明竹
初めて生で聴いた落語は高校の時の志の輔ですが、
たぶん、私が落語を好きになった理由は小三治です。
芸もさることながら、その所作、世界観、
多趣味な性格など、とにかく「人間小三治」が好きなんです。
そういう意味では、私にとって小三治は特別な噺家さんです。
今回は、落語好きなら出だしの数分で
演目が分かる有名な話を2本。
最後の「金明竹」は、寄席や若手の落語会で
聴くことが多い前座噺なのですが、
その圧倒的な芸に思わずのけぞっちゃいました。
若手も小三治もおんなじ噺をしてるんだけどね・・・。
ナニ、この違いは。
ビジネスマンの世界でも、例えば本当に優れた仕事ができる人は、
コピー取りや電話応対でも人と違うことができると思うんだよね。
「すごい人」っていうのは、そういう事なんだ。
若手には可愛そうだけど、ああいう芸を見せられちゃうと、
「君らの金明竹は、金明竹じゃないよ」と、言ってしまいそうな・・。
そのぐらい違う。これが 芸 なんだな。
小三治の場合は、まくらを楽しみにしているファンも多くて、
今回も毎月1度、噺家や作家など文化人仲間で催しているという
「句会」の話で、おおいに笑わせてくれました。
俳句、私はよく知らないけど、あの話を聴くと
思わず俳句に興味を持っちゃうもんなー。
秀逸だったのが、「煮こごり」というお題が出た時の
俳句仲間の小沢昭一の一句。
「煮こごりの 出るスナックの ママの過去」
・・・・これ、超深くない!?
そもそも、スナックのママって仕事自体が、
「ワケアリ感」がぷんぷんじゃん?
スナックっていうと、大抵は地元の客をメインに
こじんまりやってるようなところが多くて、
普通は煮こごりなんて凝った料理は出さない。
だけどそのスナックのママは、あえてそういう料理を
客に出すわけだ。
いったい、ママはどんな人生を送ってきたのか?
どこから流れてきた人なのか・・・?
ん~ 深いっ!深すぎるな。
・・・私が社会人になって10ウン年。
公私合わせたら、知り合った人の人数は数え切れないけど、
私は、私が知り合う「前」の、その人のことは分からない。
そして、その人も、知り合う前の「私」を知らない。
そうやって、“見えていない部分”を推し量りながら
関係性を築いていくのが、人と出会う楽しみなのかもしれないな。
人生は、見えてるホンの表面ばかりじゃない。
大人な「ワケアリ」だから、豊かなんだよね!
3 件のコメント:
僕もいました。トリで「金名竹」ってと思いましたが、しっかり聴かせる処は流石でした。相変わらずマクラ長かったですね。
ネタ名間違えました。「金明竹」です。すんまそん。
立丸 さん>
> 僕もいました。
そーなんですね!
トリで金明竹、私も確かに「トリで?」と思いましたが、
マクラの俳句の話があったから、「やられた~!」
って感じでしたよね。
推理小説とかで、話の前半に犯人を見つける
思わぬ伏線があった・・・みたいな(笑)。
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