金曜日, 2月 26, 2010

若者よ。30年後もイキガってみやがれっ!

電車に忘れたマフラーが出てきた! 嬉しい。

10数年前に自分で編んだマフラー。
不細工だし、もうボロボロだけど、
作り始めた時期が強く記憶に残っていて
私と十数年の想い出を共有してきたもの。

そういうプライスレスなものの存在にはこだわりたい。

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さて、2本目です。

ANVIL
 「アンヴィル」


 80年代に人気を博したメタルバンド「ANVIL」。
 しかし、いまや50代になったメンバーは、
 ケータリングサービスの運転手や解体屋などで
 なんとか生計を立てていた。
 しかし! 彼らは未だにバンドを続けていた。
 趣味ではなく、本気で。
 交通費もなく、数人の酔客相手に演奏したあげく、
 ギャラがもらえずオーガナイザーと喧嘩・・。
 それでも、まだまだ彼らは「ビックなバンドの夢」
 を諦めていないのだ!


メタルは正直苦手ジャンルです。
メタリカやサバスはもちろん、
KISSとかまで明るくなってもちょっと。。。
三半管弱いんで、ヘッドバンキングもちょっと。。(笑)

でも、この映画は好きです!!
・・・映画じゃないかな。どちらかというとドキュメントだね。

だって現実の話だし、本人達のストーリーだけじゃなくて、
周りのファンや奥さんなんかの取材も随所に入ってくるし。

彼らはもう50代ですから、スタイルは今でも「メタルしてる」けど、
見た目はオッサン(というか「くたびれたオッサン」)なんですよ。
頭髪も随分サミシくおなりに。。。

家族や親類には、その活動を応援している人と、
辞めて欲しいと思って辛辣なコメントを言う人の両方がいるんだけど、
・・・なぜだろう? 不思議な事に、どちらのコメントにも
家族としての愛情を感じるの。


80年代の来日時には
数万人のオーディエンスを前に演奏していて、
ボンジョヴィなどとも演奏していたバンドが、
今では100人の客を集めるのにも四苦八苦。

それでも彼らはバンドを辞めてなくて、
しかもそれは、趣味が高じたいわゆる「オヤジバンド」ではなくて、
本気で、また数万人規模のライブをする夢を抱いているんだ。

でも現実は、ライブ会場はパブや小さなハコばかりで、
オマケに会場のマネージャーとはギャラで揉めまくる。

CDを出すお金がなく、自分のファンが経営する
テレアポ会社で働くも、慣れない強引な電話営業に
まったく売上げがあがらず。。

と、とにかく言ってしまえば「ナサケナ~イ」シーンも多い。

そんな苦境の中ででも不器用に自分の想いを
貫き続けるアンヴィルを、「イイ大人がいつまでも
夢なんか追いかけて・・・」と、笑う人が果たしているだろうか?

・・・う~ん。いるな。
私はそういう人とは絶対友達になれないけど(笑)。

でも彼らは、30年近い自身の人生をもって、
「オマエら!生きるってこういう事なんだよ!」って伝えてる。

や、伝えてなんかいないかも。
これが映画になったのはたまたまであって、
そもそも人のためにやってるんじゃないし、
彼らはただ「自分に嘘をつかずに生き続けただけ」なんだから。


映画の最後に、

 「生きるって結局、自分が何をして、
 誰と知り合って、何を思ったか なんじゃねーのか?」

と、言っているボーカルのリップスの言葉に嘘はない。

彼らは、現実がクソだって事を痛いほど知ってる。

彼らだって、よくいる中年のように
普通にお金の事で落ち込んだり、
勝負に出るべきか逡巡したりする。
でも、彼らはそこから逃げてない。
逃避でメタルしてるんじゃない。

そんなコ難しい事は考えずに、
ただ死ぬまで好きな事で夢を見たいだけ。

「夢を追いかける」ってことは、

 みじめで、なさけなくて、哀しい事なんだと思う。結局は。
 要は、そこにあるのは「それでも追うのかどうか」だけ。


現実を知ったうえで、どこまで走り続けるか・・・。
そこが、イキがってるだけのロックKIDS
と彼らの大きな違いだと思うんだ。


映画の終盤、日本が舞台になるので、
そのあたりも日本人は見ていて楽しいよ。

 クソみたいな現実で、夢までクソみたいじゃ
 生きてる意味ないじゃん!

と思った人は、ぜひ観てください。

*余談だけど、80年代の洋楽ブームは
 カルチャークラブとかワムとか
 今思うとありえないと思う。
 あれもバブルの狂乱なのか・・・

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