木曜日, 2月 18, 2010

“人のせい”は“国民性”?

家にケーブルテレビ線敷設工事が。
地デジ対応・・・。わがボロアパートにもハイテクの波。

しかし「工事希望日」の予約受付は電話かFAXのみ。

・・・ハイテク?ローテク? どっちだよ!

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先日英語の調べものをしていて
「へ~」 と思ったエピソード。

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「受身」という文法があるよね。

 私は鍵を拾った ⇒ その鍵は私に拾われた

ってヤツですね。
ちなみに中学英語では、この辺りで挫折して
英語が嫌いになる人も多いところ(私もそうだったかも)。

この「受身」という表現、もちろんどんな言語にもあるんだけど、
日本語には非常に独特な受身表現というのがあるんだそうです。

それが 「メイワクの受身」 と呼ばれる表現。

・雨に降られた

・彼女に泣かれてまいった

なんてのがソレ。

この表現、日本人には当たり前だけど、世界的に見ると非常に珍しく、
多くの言語で直訳が不可能な文として有名なんだって。


どの言語の文法にも、動詞にはたいてい
他動詞・自動詞という分け方があって、
受動態にできる動詞というのは、基本的に他動詞なわけです。

他動詞は目的語が必ず必要、つまり「他」が存在して
初めて使える動詞だからこそ、「“誰か(何か)”に、~される」
という言い方が成立する。
だけど、自動詞はまさしく「自」の動詞。例えば英語でいうと、

I swam. (私は泳いだ)

なんていう文章は、「泳ぐ」が自動詞で
完全に完結しちゃってるので、この文章を

I am swum by~ (私は~に泳がれる)

とする事はできません。


前述の「雨に降られた」の何がおかしいかと言うと、
日本語の表現としては受動態なんだけど、
これをそのまま英語にしようとすると

I was rained by rain.(私は雨によって降られた)

という事になってしまって、
到底文章として成立しないわけです。


・・・で。

これがヒッジョーに興味深いんだけど、

こんなふうに、「降る」「泣く」のような自動詞を受身の形にする用法が、
何故日本語でOKとされるようになったのかというと、
諸説あるものの、

 日本は、他者との因果関係が
 非常に濃密な文化(言い方を変えれば他者依存度が高いって事だ)で、
 主体性がない国民だから ではないか?

っていう説があるんだって。


日本では、「(雨が)降る」「泣く」といった、基本的に“それ自身”が
自発的に、勝手におこなった行為で自分がなんらかの迷惑を被った場合、
文章を受身にすることで、直接ではないものの、暗に「自分に非はない」
というニュアンスを表現したがる気質があるからなんじゃないか、
と、こーいうわけ。

「メイワクの受身」という名前の所以も、そこにある。


・・・・英語には「心中」って単語がナイっていう有名な話があるけど、
とどのつまり、日本人は、「日本語」という言語が成立した
そのむか~しむかしから、

よく言えば「他者の事を考え、慮る」、
悪く言えば「人のせいにする(責任の所在を曖昧にする)」

国民だ ってことなのかもしれない。


 不祥事の時に、経営陣総出で
 マスコミに頭を下げる日本企業。

 仕事で、「主担当」という考え方がなく
 ノリと勢いでタスクを進める上司。

 自分がミスっといて、
 「あの人がやれって言ったから!」
 などと逆ギレする女。


・・・・・そうだったのか!
なんかよくわからんけど、妙に納得した。

「協力」と「馴れ合い」の線引きができないDNAは、
もう日本人に脈々と刷り込まれてるってわけなのね。トホホ。。


英語の勉強って、「文化の勉強」でもあるわけで、
それがやっていてとても面白い。

きっと数学も、物理も、そういう“学校のお勉強”
を超えたところに面白さがあるんだろうなー。

学生時代にそれが分かってたら、数学で「2」は
取らなかったかもな・・・・(もちろん10段階でっ♪)。


*そんな私も日本人であるわけなのですが。。。

3 件のコメント:

かつを さんのコメント...

ほぉ~すげー。
オモローでした♪

ま、主体性が無いことも悪い場合も良い場合もある。

ただ、国と国との付き合い(外交)が昔から下手くそな理由がそこにある気がする。

個人では活躍できる場合があっても組織で動くとてんでダメダメ。
そこに国民性があるのかも知れない。

白鳥 さんのコメント...

コメント投稿は初めてです・・・・って、上手くいくのか?(苦笑)
 細かい分析はできないけど、これと似たような感覚の「外国人に不思議がられる日本語」に「○○することになりました」っていうのがあると思います。
あれこれあったにせよ「最終的に自分でこうしよう」と決めたことでもこの表現を使って、誘いを断る言い訳にしたりしますよね!!?
「私○○に行くことになりましたので、恐れ入りますがその件はご遠慮申し上げます。」といった具合に…。
これも或る意味「責任回避の日本語」になるんでしょうね?
まぁ「便利な日本語」でもあるとは思うんですが…。

ヨヨ さんのコメント...

かつさん>

> 組織で動くとてんでダメダメ。

「組織」という固まりは本当に難しい。。

白鳥さん>

どーもどーも。ちゃんと書けてますよ~

> まぁ「便利な日本語」でも
> あるとは思うんですが…。

そうなんですよね。
どんな言語にも独自の特徴があると思いますが、
日本語に関しては、「ぼやかす」という方向で
発展した言い回しが多いように思います。

それが「逃げ場のない島国」で生きる
処世術だったんだとは思いますが・・・。