金曜日, 2月 12, 2010

“見えてるもの”は、全体の何割なんだろう?

志の吉@八重洲 その19メモ

牛ほめ(前座)
初天神
文七元結

・・・大ネタ増えてまいりました。
真打に向けて完全に舵を切り出しております(笑)。

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えーっと。
とりあえず今月初映画。
今回は名画座2本立て。


■其の一
 「ディア・ドクター」

「これぞ邦画!」な、「ゆれる」という
映画の監督さんの最新作です。

 無医村だった村にやってきて、
 村の住民から神様のように慕われていた医者が、
 ある日突然失踪。その失踪の真相を追ううちに。。


・・・こういう映画って賛否両論なんだろうなーと思う。

先にネタバレしちゃうと、この医者(鶴瓶)の
失踪の原因は、医師免許もないのに医者をしていたからなのね。

でも、資格があろうとなかろうと、村で必要とされ、
その想いに答えようと必死に医療活動をした事実は歴然とあるわけで。

世の中で「資格」とか「肩書き」とか「見えている体裁」が
ナンボのもんなんだ・・という事なんだよね。メッセージとしては。

こういう映画を観ると、自分の立ち位置みたいなものを考えると同時に、
「他人の事を、軽い気持ちで“あの人は○○な人だ”
って決めつけるのは辞めよう」 って自分への戒めになる。

そういう決めつけをされて「あんたに私の何が分かるんだ!」って
思った事がある人は、きっと逆に
人からそう思われた事があるんじゃないかと思う。

私は、そういう事が続くと、自分を分かってもらおうと
することを放棄するタイプだけど、本当はもっとガチで
人とぶつからないといけないのかもしれない。

最近、どうも人との関わりについて、
いろいろと複雑な思いを抱くことが多いから。。。


私は評論家でもなんでもないから、
観た後は「ああー。いい映画だったな」と思ったけど、
わりと日本映画に多いテーマだし、最後のまとめがちょっと
「え?それでいいの?」って感じだったので、なんというか、
「おくりびと」みたいな映画に一種の「説教くささ」を感じる人は
きっとこういう映画は好かんのだと思う。

今回も香川照之が大変すばらしい。

そして八千草薫がカワイイ(笑)。



■其の二
 「南極料理人」

2本目は、封切り後に2度も観れるチャンスがありながら
何故か観る事ができてなかった、堺雅人主演のほのぼの映画。

 平均気温がマイナス50度、動物さえも暮らせない酷寒の南極で、
 約1年の調査滞在をする8人のクルー。
 そのメンバーの調理を担当する自衛隊調理人、西村の視点から見た
 普通じゃない場所で起こる、ごくごく普通の様々な出来事・・・


これも、最近の邦画の本線のひとつ。
私の好きな路線です。

私はこういう映画を自分の中で「小津グループ」って分けてるんだけど(笑)、
あくまでも主人公はヒーローでも特殊体質でもないし、
話の中で大事件が起こったりするわけじゃない。だけど、
なんとも言えないおかしみというか、まるで自分もその映画の
世界の中で生活してるかのような気分になる映画。

「かもめ食堂」系の映画が好きなら、間違いなく好きだね。

この映画って本当に、ある意味信じられないくらい
「何も起こらな」くて、それがすごくイイ。

こういう映画を心からいいなと思うようになった自分は、
シミジミ年取ったんだなーと思うけど(笑)。


配役も絶妙だと思う。

 蛇足だけど、昨今、邦画が再度頑張ってるのは、
 映画の制作行程の変化もあるけど、
 映画に出る俳優のレベルアップが確実にあると思う。
 薬師丸ひろ子やチェッカーズに文句を言うつもりはないけど、
 アイドル映画が量産されてた角川全盛の時代は、
 正直邦画の暗黒時代だった。
 (・・と、映画関係者も思っているのでは)。


この映画の中で起こる出来事のような事って、
たぶんどんな人でも経験してるんだと思うよ。
もちろんそれが南極で起こっているのは特別だけど。

どんな人でも、例えば30歳の人なら、30年間の中の
お話になりそうなオイシイトコだけをエッセンスとして取り出して、
それを120分の映画にしたらこんな感じになると思う。

つまり、何か言いたいかというと、
どんな人でも、「映画になるくらいの」人生を歩んできているんだと思う。

そうすると、人生をもっとおもしろがろう!
って思えるんじゃないかと。

そして改めて思うのは、
人生は1年365日の積み重ねで成り立ってるけど、
その人にとって、生涯を左右するような経験は、
平均的にやってくるわけではなくて、ある1年・ある1日・ある一瞬に
凝縮してやってくるんじゃないかなと。
逆に言えば、それ以外の日々は平凡だったり、シンドかったりするのは
当たり前の事なのかもしんないなー と。

映画とか本って、色々な事を考えさせるね。



・・・今回「ディアドクター」を先に観てよかった。

もちろんどっちもいい映画だったんだけど、
あっちが後だったら、なーんか奥歯にモノの
挟まったような後味だったかも(笑)。

*原作を読みたくなりました。

2 件のコメント:

かつを さんのコメント...

(ToT)
南極料理人、絶対DVD買うかレンタルしよう!!

ゆっきー さんのコメント...

原作は だんなさんが持ってます。
つか Aちゃんに今は貸し出し中なんだっけ?