時々会う飲み友達が離婚した。
本人とはまだ話をしてないけど、共通の友人によると、
その人は元旦那が、顔を見るのも嫌なくらいキライなんだそうだ。
何があったのかは分からないけれど・・・
一度は好きになった人を「顔も見たくないほど嫌いになる」
っていう感覚って、実はよく分からないんだよな。。
「好き」ではなくなっても、感謝の気持ちや想い出を共有した感情は
残る気がするんだけど・・・・ うーむ。そういうモンじゃないのかー。。。
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時間が取れずに映画ペース落ち気味ですが、
どうしても観たかったので出かけてきました。
『キャタピラー』
監督:若松孝二
出演:寺島しのぶ、大西信満 他
# 赤紙で召集され、戦地に赴く夫の久蔵を見送る妻のシゲ子。
# やがて負傷した夫は帰ってくるが、その姿は、四肢を失い
# 顔の半分が焼けただれた無残な姿だった。
# 世間から「軍神」とあがめられながらも、
# 自ら動けず、言葉も話せず、耳さえ聴こえない夫との
# 壮絶な「日常」が始まった・・・
戦争映画は大嫌いです。
戦争するくらいなら、私は自分が死んでしまいたいし、
日本がどこかの属国になったっていいって思ってる。
だから、目を背けてはいけないとわかっていながら、
正面から戦争を扱った映画(人と人が殺しあう場面がたくさんある)
は滅多に観ない。
でも、その「側面」を主題とした映画は何故か結構観てしまう。
なんでだろ・・・・? 観れば虚しくなっていくのは分かってるのに。
この作品、昨年主演の寺島しのぶがベルリン国際映画祭で賞を獲ったことで
話題にはなったようですが、正直メディアに大きく
取り上げられた印象はなかったと思う
(私はTVをほとんど観ないので確実な事は言えないけど)。
観て その理由が分かった。 壮絶すぎなんだよ・・・。
正直言って、以前「ゆきゆきて神軍」を観た時のような、
映画館を出てしまいたい衝動が湧き上がってきて、
とてもじゃないけど「寄ってらっしゃい、観てらっしゃい」的な
広告はできないだろうな と。。。
四肢を失いながらも生還し「軍神」となった夫を、献身的に世話する妻・・・
の構図は、この説明だけだと『美談』とも聞こえちゃうけど、
実はこの話にはサイドエピソードがある。
夫は戦地で現地の娘をレイプし、その最中に爆撃を受け手足を失ったのだ。
直接それが説明されることはないけど、チョコチョコ挟まれる
回想シーンが示唆している。
そして、四肢を失い、もはや「ただのカタマリ」と化した夫は、
かつては妻を殴り、蹴り、「石女(うまずめ=子供を産めない女)!」と罵倒していた。
それでも、たくさんの勲章を受け「軍神」と祀られる滑稽さ・・・。
監督の若松孝二氏はピンク映画の出身。
だからというわけではないかもしれないけど、
作中、性を扱うシーンがたくさん出てくる。
結局、人間の本質は「そこ」なんだという事を痛烈に描いている。
ピンク映画出身の監督は何人かいるけど、共通するのは、
映画を作る原動力が「怒り」の情念なんだろうな・・ってこと。
人って、社会に対してこんなに「憤る」ことがあるんだ。。。
・・・そのエネルギーは、すごいと思うと同時になんだかとても恐ろしい。
映画を観ていると、その怒りがジワジワ伝わってきて怖くなるというか。
それは、私が女だからなのかもしれないけど。
結局はこの作品にあるのは、
「戦争に正義なんてない。あるのは「殺し合い」だけだ。
見ろ。これが戦争だ。絶対に忘れるな!!」
っていう、非常にシンプルかつ強烈なメッセージで、
こういうテーマを扱った作品は他にも、ある。
だけど、ここまで壮絶な形でそのメッセージを伝える必要があるのかな・・・・・
・・・・いや。あるな。あると思う。
描かれているのは目を背けたくなる光景だし、美談とは程遠い、
人間のどろどろした本質や欲望を前面に出した世界観だけど、
そこまでしないと、現代のように生ぬるい社会には
その「声」は浸透していかないのかもしれない。
はっきり言って、
とても、とても、後味の悪い映画です。
でも、「そんな映画、観たくない!」と思う人であればあるほど、
観るべき映画なのかもしんないけど
4 件のコメント:
最近私の周りで離婚多いです。友達は皆メンズなのですが、みんな「離婚された」ほう(苦笑)。
みんないい人なんだけどなー…もったいない、とおもっちゃいますが、夫婦の事はわかりませんね。
私も付き合った人は嫌いにはなれない人です。
というか、別れた理由が「嫌いになったから」じゃないもんなぁ。
codiさん>
男と女はムツカシイ。
だから面白い、と言う人もいるが、
シンドイのはもう勘弁だね~(苦笑)。
僕も観ましたよ。
期待して行ったんですが。
切り口やメッセージが
いかにもサヨク的で、
僕は駄目でした・・・。
僕自身、ヒジョーにセイジテキな人間だと思われているんでしょうが、
あの手のは、駄目です。
例えば、これ見よがしに、何度も天皇の写真がクローズアップされるでしょ?
僕は皇室支持派でもなんでもないけど、
あそこまでメッセージを押し付けられると、うっとうしくなりました。
あのクローズアップを観て、どれだけの人が戦時中の全体主義を理解、体感できるのか?
となると、僕は疑問符なんですね。
ううむ、文章が長くなっちゃうなあ。
エプスタインズでやろうかなあ?
トランキルのいきがってるほう さん>
エプスタインズのTOPにもDVDの紹介がありますもんね。
私も、好きか嫌いかで言えば「嫌い」の部類に入る
映画だったんですけど、映画に限らず、できるだけ
偏った目線で物事を判断しない感覚を養うためにも、
あらゆるモノを観ておくのはイイことだなーとは思いました(笑)。
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