木曜日, 6月 10, 2010

「好きな事は仕事にしないほうがいい」、のか?

今年サマソニにスマパンが来るけど、
オリジナルメンバーはビリーコーガンだけなんだよね。。
最近、そういう再結成が多いな。

それってもはやスマパンと言えるのか・・・?(苦笑)。

------

最近取材の仕事で、若手ベンチャー社長(30歳前後)に
定期的に会うのだけど、会うたびに彼らが
私のような団塊ジュニアとは
完全にひと世代違っている事を実感する。


私は20代の頃、仕事柄わりとIT系の“当時”若手のベンチャー社長と
呼ばれた人たちと話す機会が多かったのだけど、
その当時はインターネットの黎明期で、とにかく「ネット」という
無限の可能性を秘めた新たなチャネルができた事に
興奮している人が多かった。

90年代、ネットが今後爆発的に普及してく事は容易に想像できたし、
それでいて歴史がないので、「完成されたライバル」がいない。
何より、モノを仕入れたり作ったりする類のものではないので、
元手やリスクが少ないという、若くして「起業したい!」という
野心のある人には最高の素材だった。

でも、ソフト(=インターネット)があっても、
ハード(=会社・組織の運営ロジック)に目新しいものがあった
わけではないので、あの当時は、ある種体育会系のガムシャラ感を
持った旧来型の社長も多かったし、ネット系の広告代理店とか
WEBサイト作成など、「ネットそのもの」を商材にしている人が多かった。

でも今の若手社長は、対外的にIT社長と呼ばれたとしても、
本人は「僕はIT系社長じゃないです。
Webはあくまで“いちメディア”であって、
そこで扱っている商材が何か が勝負どころ」という人が多い。


そして何より、最近の若手社長の話を聞いて
大きな違いだと私が感じたのは、

 『起業が先か、テーマが先か』

ということ。


昔(と言っても10年位前なんだけどさ・・)は、
まず「起業するぞ!」という情熱ありきという人が多かったように思う。

起業のために様々な金・情報・人脈を集め、
その中で資金的に実現可能で、かつビジネスとして成立しそうなテーマを
探していく・・・というパターンが多かった。

でも、今の若手社長・・・・つまり、ITバブル以降に
社長になった人は、まず
「こんなテーマでビジネスがしたい」
「これで世の中の役に立ちたい」
という事ありきという気がする。

昨今のソーシャルアントレプレナーは、
完全に20代社長中心だしね。

だから、そのビジネスに対する愛情は深いし、
何より自分が、楽しく・そのテーマに興味を持てるかという事に
高いプライオリティーを置く。当たり前のようだけど、
実はちょっと前の起業家はそうじゃない人も多かった。

極端な事を言えば、会社を大きくしていく事は、
二の次三の次で、会社を大きくして次世代に繋いでいこう
なんて事には興味のない、まったく新しいタイプの社長さんなのだ。


ひと昔前なら、

 「好きな事を仕事にすると後が辛いよ」

なんてアドバイスが聴こえてきそうだよね。

これって結婚なんかでもよく言われる、

 「2番目に好きな人と結婚するのが幸せだ」

というのとちょっと似てる。


私は、まさに団塊ジュニア世代なので、
この意見はすごくよく分かるし、納得感もあるんだ。

私たちの世代は、どんなに振り払っても、
「楽しくチャラチャラと仕事する事への罪悪」
「若い頃の苦労は買ってでもしろ、という言葉の重み」
という呪縛が、わずかながらあるような気がする。


でも・・・・若手社長と話していると思うの。

彼らは、「好きな事を仕事にすると後が辛いよ」なんて
言ったところで、「なんで? 仕事を楽しむためには
好きな事のほうがいいじゃないですか?」と返すだろう。

確かに。そりゃそーだ。

それに若手社長達は、取材でも、プライベートな事も含め
なんでもあけすけに話してくれる。
いい事ばかりでなく、「今回の商品に関して、妻に○○と説教された」
なんてことまで。
公私の垣根が非常に低いのだと思う。

ひと昔前なら、「家庭の事情を会社に持ち込むな」
などと説教され兼ねないスタイルだよね。


団塊ジュニア社長のやり方と、20代若手社長のやり方。
どちらがいいかどうかは分からないし、
きっとどちらも「アリ」なんだとは思う。

でも、「好きな事を仕事にすると後が辛い」なんていうのは、
もしかしたら、好きな事を仕事にできなかった人や、
「泥臭い努力や苦労」「懲役のような上の理不尽にひれ付すこと」
を無駄だったと思いたくない年長者たちの
単なる“言い訳”や“嫉妬心”なのかもしれないナ。


「仕事は好きな事、楽しい事のほうがいい」
「仕事と私生活の垣根は特にない」

という若手社長の声は、ある意味
とてもシンプルですがすがしい。何より正直。


若手社長から学ぶ事はとても多い。

こういう経験をすると、
「学ぶ」というのは、何も年上の人や
著名な先生からだけじゃないのだ という事を痛感する。

様々な経験を経て、既に自我が確立されつつある
「ミドサー(=ミドルサーティ。アラフォーとは言わんぞ(笑))」
の自分だからこそ、
頭を柔らかくして、社会立場や性別、国籍、年齢等に関係なく、
どんな人の言葉にも柔軟に耳を傾けられるヤワラカサを
持ち続けたいなー と 思う。


*やわらか戦車。
 ・・・そーいや、「やわらかあたま」は糸井重里の
 名コピーだったような。違ったかな? 古いな。

4 件のコメント:

旧ヤハギ さんのコメント...

ジャスフォー
な感じの昨今ですが
けっこうやわらかあたまだと思ってる。
自画自賛。

あっつ さんのコメント...

私はとても狭い社会に属しているので、
コミュニティー外の人と接する機会が少ない。
なので、すごく勉強になりました。

「学ぶ」のは、本人の意思次第でしょうね。
極端な話、学ぼうと思えば道端の雑草からでも学べる気がします。

Jr. さんのコメント...

僕もIT黎明期を肌で感じてきた団塊ジュニアのひとりです。

在学中にWindows95が登場。
就職してWidows98。
インターネットもダイアルアップから常時接続あたりまえの時代へ。
文字中心のCUIからビジュアル重視のGUIへ。
分厚いマニュアルで情報を得てた時代からネットでなんでも情報が得られる時代へ。

WindowsでもLinuxでも。
OracleでもSQLサーバでも。
VBでもVCでも。
PHPだHTMLだJavaSだCSSだ。
とにかく時代についていくのがやっとで何でもかんでも勉強してきました。
自分の好きなことって言ってる余裕がなかったな。求められたものになんでも対応するって感じ。
あの時代は自分のような若手も30代40代のベテランも、みんな必死だったのがよかったな。
いまの時代はある程度技術的に固まってきてるので若手が先輩のまねをするだけになってしまうのがかわいそうだわ。

ヨヨ さんのコメント...

旧ヤハギ さん>

ジャスフォー っていいな。
なんかムード歌謡のグループみたい(笑)


あっつ さん>

> 「学ぶ」のは、本人の意思次第でしょうね。

という事が分かっているだけで、あっちゃんはすごい。
あっつさんは私の百倍は学んでいるような気がするよ。
10年前の自分を振り返って恥ずかしくなります(笑)。


Jr. さん>

わ。どうもですー。

> あの時代は自分のような若手も
> 30代40代のベテランも、みんな必死だったのがよかったな。

それ、ものすごく同感です。
「未知のモノに必死になれる事」は
とっても幸せなことなんだよね。

ひとつ残念なのは、この業界「経験がキャリアになりづらい」っていうのがあるかと。言語やデバイス、広告手法もどんどん変わるから知識が数年で「遺産」になっちゃう。

ヒトとしての総合点はもちろん経験によって上がるけど、
ある時急に「虚しい・・・」とか思ってしまうこともあったりなかったり・・(笑)。
だから山に登るのかな? 山には明確なゴールがあるから。

・・・って、別にそんなコ難しい事考えて
登っているわけではもちろんナイのだけど(笑)。