水曜日, 3月 04, 2009

辛い事から逃れない。

週末、先月付けで会社を辞めた友達のオウチで
ホームパーティやってきました。
お泊り会、超ナゴム。翌日の多摩ズーも超ナゴム。

・・・そういや、ナゴムレコードってまだあるのかしら?
有頂天、今ならもっとカッコよいと思う。

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「ゆきゆきて、神軍」を観ました。
もう映画マイブーム終わるって言ったのに。

もう10年以上前、前職で仲の良かった
アングラ系の趣味をお持ちの(笑)先輩から、
音楽や映画の話をたくさん聞いたんだけど、
この映画と、「追悼のざわめき」という2本の映画だけが
やけに心の端っこに残ってました。

「追悼のざわめき」はそもそもビデオがないので観る機会がないまま、
昨年夏ようやく中野のレイトショーで観る機会を得、
そして今回「ゆきゆきて、神軍」もリバイバル上映。

大げさじゃなく、はっきり言ってこれまで観た
どんな映画よりも「後味の悪い」映画でした。

面白いとかつまらないとか、そういう感想は
この映画にはまったく無意味で、とにかく見ていてずうーっと気分が悪い。
私はこのところちょっと心がすさんでるので、
もうとにかく映画を観ている間、嫌で嫌でしょうがなくて
何度か映画館を出ようかと思ったくらい。。。


 映画は、奥崎謙三という反体制運動者(アナキスト)を追った
 ドキュメンタリーです(すでに故人)。
 天皇にパチンコ玉を打ったり、実際殺人もやっていて
 とにかく過激な活動家なんだけど、この映画では
 戦時中、自分のいた部隊で起こった部隊内での制裁(射殺)
 の真実を究明するため、当時の軍曹や衛生兵を訪ね歩いて
 いくというところが話の核になっています。


映画の冒頭、田舎の結婚式のシーンから始まるんだけど、
媒酌人の奥崎がスピーチで

「新郎の○○君は、反体制活動に身を投じて前科1犯、
 わたくしは・・・・などで、前科3犯であります」

とか言っちゃってるわけです。
ノッケからもうハチャメチャ。

制裁事件の究明のために様々な家を訊ねた時も、
もう老齢の人たちは、戦争の記憶は抹消したいわけだから
とにかく口は重い。それでも奥崎氏は、暴力も辞さない態度で
相手に徹底的な解を求めるわけです。


・・・・なんというか、これは「戦争映画」なんだ。
と、観ていて思った。

普通戦争映画っていうと、むごたらしい殺戮のシーンだとか
負傷し逃げ惑う人々とか、そういうシーンがあるけど、
そんな凄惨なシーンよりも ずっとずっとずっと「戦争のむごさ」を
説明している映画なんだって思いました。


人が人を殺し、果ては人が人を食って生き延びたという事実は
変えようのない事実としてあって、生き残った人々は、
「殺人」「見殺し」「生き残るための嘘」という罪に苦しめられ、
色々な形で「心が壊れ」てゆく。。。


観る必要のない映画です。

でも、みんなが観なくちゃいけない
映画なのかもしれません。


*とにかくあまりに気分の悪い映画なので、
 今日の画像は週末の多摩ズーで撮った
 「フリーダム孔雀」にしよう。
 檻なしで、園内を自由に徘徊する孔雀。ストレスないな。

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