「キンシノ10」に行った。
10回目の記念講演は関内ホール!
いつもの10倍位キャパがある。デカくなった~
サイズがこれだけ大きくなっても
やることが全然同じでユルいのがスゴイ(笑)。
3年前の第1回から通っている私には感慨深いものが・・。
ちなみに志の吉君の高座はまたも「茶の湯」。
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夏は毎日が光速で過ぎてった気がしますが、
10月後半になるとよーやく落ち着く気配。。
でも、落語には行くのです。
『歌武蔵・喬太郎・菊之丞 三人会』
開口一番「真田小僧」
喬太郎 「禁酒番屋」
---仲入り---
菊之丞 「幾代餅」
歌武蔵 「胴斬り」
私にしては珍しい顔付け。
でも最初から、「これはハズレがない落語会だな」
と思ってチケット取りました。
ま、お目当ては喬太郎と菊之丞なんですが。
三人とも修行時代はバリバリの寄席っ子なので、実力に関しては文句なし。
安心して聴いていられました。コスパ高かったー(笑)。
前座はたぶん歌る多のお弟子さんで女の子。
声が高くて可愛らしいコなので、それが逆に弱点になってた。
・・・一般的には「可愛い」は褒め言葉だけど・・・、厳しいよね。
最初喬太郎が出て来た時は、「え~。じゃあトリは
誰なんだよーー」と、少々不満だったんですが、
こうして改めて番組を眺めてると、なんか上質なコース料理みたいだ。
・アペリティフ
・白身魚のラタトウイユ添え(濃厚な主役級)
・コンソメスープ(あっさりだけど手が込んでる)
・季節のデザート(異色だけどコースにはマスト)
・・・・的な(笑)。
予想通り、三者三様でハズレなしの感じだったんだけど、
今回はあえて、初めて聴いた「胴切り」の話をば。
# 侍が下層の町人を試し斬りする「辻斬り」が横行した時代。
# 普段から「ボ~~~~~~~」っとしている男が、
# ある日辻斬りに遭い、上半身と下半身が真っ二つになる。
# しかし、普段からぼーっとしているので、
# 自分が切られた事に気付かず、上と下がそれぞれ独立して生活を始める。
#
# 上半身は湯屋の番頭に、下半身はこんにゃく屋で
# こんにゃくを踏む仕事にそれぞれ就いて・・・
落語には「ナンセンス物」とでも言うジャンルがあって、
現実にはあり得ない世界を描く噺がたくさんあります。
頭の上に生えた桜で宴会が始まる「あたま山」とか、
浅草で生き倒れになった自分の死体を、自分で引き取りにいく
「粗忽長屋」なんかはそのジャンルだね。
私が廓噺の次に好きなジャンル。
今回の「胴斬り」もそうで、侍に切られた上半身と下半身が、
それぞれ別の意志を持って生活する、という爆笑噺。
こーいう噺って絶対にあり得ない世界を描いているから
誰が聴いても「フィクションだ」って分かるわけで、
害のない(誰も傷付かない)爆笑話になる事が多い。
・・・・でもそれでいて、なんとも哲学的というか、
物悲しい部分があるんだよね。。
きっとこの噺が出来た時代は、侍が理由もなく
庶民を斬っても、たいしたお咎めのなかった時代
(「斬り捨て御免」てヤツですね)。
そーいう事に憤りながらも、表立って反抗できない庶民が、
「だったらもう笑うしかナイじゃん!」って事で、こんな噺を
作って鬱憤を晴らしていたんだろうなっていうのが容易に想像付く。
「本当に悲しい人」って、「笑ってる」んだよね、きっと。。
歌武蔵は元力士の噺家なので、やや声が潰れて
聞き取りずらい節があるんだけど、こういう長屋の住民が
出てくるような庶民的な噺は合ってるみたい。
バランスの取れたいい落語会でした。
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