火曜日, 3月 27, 2012

「普通」が安心? @演劇集団MODE「満ちる」

こないだ、朝の電車にダッシュで乗り込もうとした
オジサンが見事なまでにぴっちりドアに挟まれてた。

Oh! チムニーやんけ!w

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せっかくちょっと山へ・・・なんて思ってたのに、
もうここ最近の土曜の雨は、何かに呪われているとしか
思えません。

だからというわけではないですが、
知り合いの役者さんが出ているお芝居に、ちょいと友達と。

「満ちる」 @座・高円寺
http://za-koenji.jp/home/index.php
作 :竹内銃一郎 
演出:松本修 
主演:すまけい


 # 奇才の映画監督、吉田健一(すまけい)は、
 # 10数年ぶりにある離島で新作の撮影に入っていた。
 # 酒・女・博打・・・あらゆる点で豪傑な監督の今回の作品は、
 # 何番目かの妻が産んだ娘、みちるの脚本。
 # 
 # 当然、娘は父である監督を憎んでいる。
 # 老い先短いながらも、大きな存在感のある監督。
 # そんな監督父娘と、それを取り巻くスタッフ達の間で起こる、
 # 島の小さな民宿での問題の数々・・・


60年代、「アングラの帝王」と呼ばれたすまけい。
脳梗塞、癌といった大きな病を乗り越えての舞台復帰作。
そしてもしかしたら最後かもしれない?舞台。

もちろん、私は「帝王」時代は知らないわけですが、
満席の観客の年齢層の高さと、舞台にかもし出される
存在感みたいなものは、やはり「ベテランの役者」の凄みだなと。
麿さんと同じ時代を生きた人だからね。そりゃ大御所だわw

舞台そのものは、私が観るお芝居の中では
かなり「オーソドックス」というか、分かりやすかったです。

たぶん物語の本質的なテーマは「顔で笑って、心で泣いて」的な。

言葉の持つ意味とは裏腹の、台詞の裏に隠れた本質的な「想い」を
伝えたい、感じてほしいというのが、メッセージなんじゃないかなー。

扱う題材も、「父娘の確執」「過去の恋愛」「親の死」「妻の裏切り」
などなど・・・、わりと俗っぽいし、役者の台詞も説明的で構成が
はっきりしてるので、難解な戯曲にありがちな「????」という
突き放された感じはなかった。
それが逆に、物足りなさを感じたのも事実だけど。。。

ある意味では安心して観ることができた2時間でした。


実は今回、なんと言っても面白かったのが、
舞台後のアフタートークと飲み会!

今回誘ってくれた友人の仕事関係の方が、
出演のベテラン役者さんのご主人。
このご主人も、かつては演劇界で多数の脚本を書いている人。

舞台の後、このご夫婦と、友人がもうひとり連れて来た仲間
(この方も、かつては某大劇団の劇団員だった人で今は脚本家)と私、
計5人で飲む機会を得ました。

ご夫婦とはこれまでも舞台後に幾度か飲んでるんだけど、
今回はその元劇団員の友人も含め、演劇の世界にリアルタイムで身を置く
人たちばかりなので、今回の作品に関する考えから演劇論にいたるまで、
とにかく話が最っ高に面白い!!

みんな発言が正直! 言いたい放題!!
この私が、ほぼ9割聞き役w

「それぞれの意見をぶつけ合って議論を戦わせる」
のは、演劇人の基本中の基本なので、みんなイヤな気分にならないんだよね~。

何より、お芝居をやる人っていうのは当然かなり個性的で、
その人個人の生き方が半端なく面白い。

事実婚とか、突然何年も仲間の前から姿を消して放浪するとか、
20歳以上年の離れた夫婦・・・・なんていうのも仲間内にたくさんいて、
いわゆる「社会的な“普通”」を生きてない人が多いので、
それが故の常識に囚われない、斬新な発想が出てくるんだよね。

そのご夫婦も50代後半で、過去にお互いに伴侶を病で亡くして再婚。
時代的にも、「社会でまっとうに生きる」ことを強制された時代に、
ワケの分からない(笑)演劇を続けて、アウトローな人生を選ぶことは
今以上に大変だったと思うんだ。

それだけに、発言のひとつひとつがチョー魅力的!


・・・・かつて私がお芝居を熱心に観てた頃、
新宿の「陶玄房」に何度か寄ったことがあるんだけど、
あそこは文芸人、演劇人の端くれの溜まり場みたいなところで、
まるで団塊世代の学生よろしく、酒を飲みながら口角泡を飛ばして
議論を戦わせていた隣の席の若者グループを思い出しました。

ああいう若者が、いまは立派な役者として
舞台に立ったりしているんだな~。きっと。

本当に時間のたつのがあっという間で、
話の内容も濃い、素敵なオトナの時間を過ごさせていただきました。


・・・・私がいろんなところへ行ったり、いろんなことを体験したいのは、
「そこへ行きたいから。それをやりたいから。」っていう事だけでなく、
「魅力的な人達に出会いたいから」っていうのが多分にあると思う。


そういう人に出会えた時は、本当にその出会いに感謝するし、
「ああーー 人生って時間が足りない!!」って思う。

いまくらいの経験と体力を維持して、あと300年位生きたい。
じゃなきゃ時間が全然足りないw


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