昨日、朝の車内で前に立っている女性の携帯画面を
なんの気ナシに見たら、ちょうどメールを打ってる最中で、
『そういうことばっかり言ってるから死にたくなるんだよ。
どうして分からないの? こういうのって不毛だと・・・・云々』
なんてことを書いてて驚愕。 ・・・朝から重っ!
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最近なかなか映画を観に行けないんですが、
今回ばかりは逃せない! 強引に会社を出て行ってきました。
「サヴァイヴィング・ライフ ‐夢は第二の人生‐」
監督:ヤン・シュヴァンクマイエル
# 中年の男エフジェンは、夢の中で見知らぬ美しい女性、
# エフジェニエと出会い恋をする。
# 何度も同じ世界の夢を見るエフジェンは、
# 夢の操作法に興味を持ち、ある日、自由に夢に入る方法を見つけ、
# 毎日夢の世界に没入。やがて、何が現実で何が夢だか分からなくなり・・・
私の大好きなチェコの映画監督の最新作です。
彼の描く世界観はとにかくシュール。人形アニメなんかも
たくさん撮っているんだけど、決して子供向けではなくて、
大人のある意味「イタイ部分」とか「潜在的な感情」を
むき出しにした作品も多い。
今回は、広告なんかでも予算がないときによくやる、
「カットアウト」(=ロケではなく、背景に写真を使い、
そこに人物などを切り絵風にコラージュする)という手法が
全編に渡って使われています。
笑っちゃうのは、作品の冒頭に監督本人が出てきて、
「今回は予算がなかったので、カットアウトで作品を作った」
と言い訳しているとこ(笑)。もちろんそれも、実際は「作品の一部」
としてちゃんと狙いがあるんだろうけど。
でもシュールレアの世界では、切り絵的というかコラージュっぽい
手法ってよく使われるので(横尾忠則のポスターなんか、ほぼそうだしね)、
予算ウンヌンと関係なく、作品をシュールに見せるためには有効な手段だなって思う。
・・・「他人の夢の話」って、「人ん家の子供の話」と並んで
「聞いてて面白くないテーマ」ってよく言われるよね(笑)。
でもこの映画は、最後にわりと衝撃のタネあかしがあって(・・・といっても
ハリウッドみたいに「ジャジャーン!」と終わるわけじゃないけど)、
「なんじゃコリャ?」って思いながらも、最後まで引っ張られる感じ。
この監督の作品には、随所にストーリーとは関係ない
気味の悪いキャラクターとか食べ物が出てきたりするんだけど、
そういうものは、みんななんらかのメタファーになっていたりする。
そういう内面世界って、大体性的なこととか世の中のタブーと連動してて、
「夢」っていうテーマととても相性がいいので、他の作品に比べると
ワケ分からなキャラが出てきても、あまり違和感がなかったな~(笑)。
たくさんの人が観る「映画」ではあっても、
「夢の世界」なんて自分だけのものだから、
何を考えようと何が出てこようと自由だもんね。
・・・・最近、思うところあって「脳化学」とか「脳研究」の本をたくさん読むんだけど、
人間の「精神世界」ほど、複雑で解明しようがないものってナイなーって思う。
でも、世の中のすべての事が「化学」や「数式」で解明されちゃったら
そんなツマラナイ世界ってないもんね。
「分からない」から悩んだり、苦しんだりするけど、
「分からない」からこそ、そこに少しだけ近づいたり、理解できたり
したときの喜びも大きくなる。・・・まーもちろん、永遠に「分からない」こともあるんだけど。
映画ではおかしな夢を見る主人公が、精神分析医に通うシーンがあって、
そこでフロイトやユングの「夢」の解釈が随所に出てくるので、
「“夢”への学術的なアプローチ」に興味がある人は観ると面白いと思います。
・・・でもマ、全体としてストーリーに一貫性もないし、
「なんだか分からないけど、なんとなく面白いシュールな映画が好き」
って人じゃないと、面白いと思えないんだとは思うけどネ。
変なモノ好きな方はどうぞ(笑。
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