金曜日, 11月 18, 2011

この噺、イタリアでも通用するかも。 ~志の吉夜噺会@小川町

女優の杏がわりと好きで、女性の同僚に
「杏っていいよねー」と言ったら、
「・・・ああいうタイプ、ほんと好きですよね」 って言われた。

た、確かに。
ああいうモデル系・オトナ顔(でもちょっとユルめ)が好きなのよ。
なんたって、生まれ変わったらなりたいものは「黒木メイサ」だし。

「ああいうタイプの男、好きですね」って言われた事はないのに・・・。
女の趣味のほうにだけ統一感があるんだなー。私って。

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前回、なかなか小じんまりして良かった小川町のハコで、
志の吉君2回目の高座です。

立川志の吉@小川町 夜噺会 ~Vol.2~

「元犬」(前座:志の彦)
「紙入れ」
-- 仲入り --
「火焔太鼓」



ちょっとギャラリー少なめ(苦笑)。

でもその身内感もあって、マクラは主に
師匠・志の輔とのエピソード。楽しい~。

時々出てくる話ですが、志の輔は「ガッテン」に出てくる
ような「人のイイおっちゃん」ではないようです。
手間のかかる(笑)師匠としての顔ももちろんあるわけで。

ま、落語の師匠と言うのは弟子に対して「理不尽」で
あるのが当然で、だからこそ弟子は成長するんだと思うしね~。修行ですな。


前座の志の彦君は弟弟子。前も独演会で見たことあるような・・・。
なかなかお客さんの心を掴むのが上手で、将来が楽しみです。

前座にしちゃー長いマクラで、恵比寿の2万9千円の
アパートに住んでいる話を中心に。2.9万! それは家なのか!?
「昭和」って感じの顔の人で、
こういう古臭い(失礼!)顔は落語界では有利。

で。
志の吉君の2席はいずれも過去に2回以上聴いているんだけど、
今回は、先月の独演会でもやってた「火焔太鼓」の話を・・。


 # 商売が下手な古道具屋。とんでもない駄品を仕入れてきては
 # 女房にキレられている。
 # 
 # そんな男がある日仕入れてきたのは、古ぼけた「太鼓」。
 # 当然女房は旦那を攻めるが、店の小僧がこの太鼓を掃除しながら
 # 叩いていると、そこを通りがかったお殿様が目を止め、
 # その太鼓を購入したいと言い出す。
 # 
 # 恐る恐る古びた太鼓をお屋敷に持っていた道具屋だが、
 # その太鼓は、なんと世に2つとない名器「火焔太鼓」。
 # 1分(いちぶ)で仕入れたその太鼓を、お殿様は300両でお買い上げになり・・・


5代目志ん生の得意ネタとしてとても有名で、
志ん生が存命中は、誰もやらなかったというくらい、
志ん生版の完成度が高いネタ・・・・・だそうです。
(さすがに私も志ん生をナマで聴いたことないんで(笑))。


人によって感想は違うと思うけど、この噺は、
女房をいかに「意地悪くなく」演じられるかが勝負だと思う。

この女房、最初は、商売下手な旦那に対して
本当にクソミソに言うわけですよ。
「ついでに人間やってるようなアンタに商売ができるワケない!」
「そんな汚い太鼓をお屋敷に持っていったら、アンタなんか
 ふんじばられて、松の木に吊るされてボコボコだよ!」などなど。

でも、太鼓が大金に化けたその瞬間、態度はコロっと変わって
「んま~~~! この商売上手!アンタ、今夜は寝かさないよっ!」
なーんて言っちゃうわけです。

態度急変。
イタリア男みたいだ(笑)。


でも、この女房を「態度がコロコロ変わるイヤな女」と
聴き手が感じてしまったら失敗。単なる「冷え切った夫婦の話」
になっちゃう。
そういうやり取りの中に、長年連れ添った夫婦ならではの
情愛のある丁々発止のやりとりを感じさせる事ができたら成功、かな。

志の吉君演じる女房は、「口は悪いが、頭がよくて心はシンプル」
な女房にちゃんとなっていたと思います。
毎回クドイようだが、噺を聴かせる実力はもうあるんだし、
ハデなアクションで笑わそうとするのだけは、もう止めていい気はするんだけどねw
(落語に接する機会が少ないお客さんの前でしゃべることも多い立川流だけに・・
 それも仕方ないのかなって気はしますが)


落語はナサケナイ男が出てくる噺も多いので、
もしかしたら、落語が好きな女子の多くは「だめンズ」
・・・なのかもしれませんな(笑


*志の吉さん、あれは「おがわちょう」ではなくて、
 「おがわまち」と読むんですよw

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