水曜日, 7月 13, 2011

八百屋で感じられない季節感は、落語で。

週末、越沢バットレスで少々怖い思いをしたんですが、
人間て怖い思いをしたその瞬間より、後になってから
ジワーっと恐怖を感じるんだって事を実感。

「思い出し笑い」ってよく言うけど、
「思い出し冷や汗」っていうのもあるんだ(苦笑)。

・・・しかし、「この困難もクライミングの醍醐味!」
とか思ってる自分は、なんたるMっぷり(笑)。

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続きますが、落語ですよ。


「よってたかって夏らくご」@よみうりホール

入船亭辰じん 「真田小僧」
柳亭 市馬  「船徳」
三遊亭 白鳥 「新・あたま山」
 ---仲入り---
柳家 三三  「おばけ長屋」
柳家 喬太郎 「極道のつる」


趣味人の集まり、通称「らくご部」(という名の飲み仲間(笑))
の恒例企画。見ごたえ満載でした!

しかしまー なんというバラエティっぷり(笑)。
演目も「夏、真っ盛り!」って感じになってきましたね。

このメンツである以上、最初から誰が新作で誰が古典かは
ほぼ想像がついてたわけですが、白鳥と喬太郎は確実に相談して
やってますね(笑)。

「あたま山」も「つる」も、落語の噺の中では
際立ってナンセンスというか、ショーモナイ話。
それでいて「粗忽長屋」ほど洗練された話でもない。

こーいう、ある意味身もフタもない話を自分なりにアレンジして
やるっていうのは、結構チャレンジだなーと思います。

「極道のつる」は、落語の「つる」を、ヤクザの親分と
アホなチンピラの掛け合いに乗せ変えて進む話なんだけど、
そのチンピラのアホっぷりがなんともリアル!
喬太郎の人間観察力は、ホント秀逸だと思う。

これをトリにしていいのか?って疑問はありつつもネ
(事実、喬太郎自身が「なんで俺がトリ!?」と言ってました)。


今回は、三三の「おばけ長屋」が良かったかなー。
最後までやりませんでしたけど。

 # 空き室を倉庫代わりにしてた長屋の面々は、
 # その部屋が埋まらないように、怪談噺をデッチ上げ、
 # 部屋を借りたいと言ってきた人を怖がらせていた。
 # しかし、そんな噺をなんとも思わない男が、部屋を
 # 借りたいとやってきて・・・・

この噺は、おばけが出るという噺をモノともしない男と、
そんな男のテンポに巻き込まれながら、怪談噺を進める
男との掛け合いが面白さのポイント。

三三の演出はそこが実に巧みで、おばけをちっとも怖がらない男に
戸惑い、テンション下がりまくってもなお怪談噺を続ける男が、
とてもユーモラスに描かれています。

師匠小三治の「景色が見える落語」を、三三は確実に継承しているなと。

早く年をとって、円熟した芸が見たい。

・・・まあ、私は三三君と同級生なので、彼が年をとるという事は
私も年をとるわけなのだけど(笑)。


高座がハネた後はいつも通り打ち上げへ。

今回、私は用事があって途中退場だったんですが、
後で聞いたら、のれんが掛かるのと同時に入ったその店で
閉店まで飲み続けたそうで(笑)。

およそ7時間。鈴鹿耐久レースかっ!

このメンツで飲むと、6時間7時間はへっちゃらって
事も確かに多いので、自分がその場にいなかった事は
良かったというか、悔しかったというか・・・(笑)。

でも、年齢や立場を超えて(なんたって会社では部長の人が2人もいるんで)
ダラダラとアホ話しながら飲める友達は、とても貴重なんだと思います。
(部長を友達と呼ぶべきははともかく、私はその2人の部長とは、
 仕事的な接点がゼロなので、まー「友達」で、いいでしょう)


本や映画で学ぶ知識もあるけど、
結局は人が学べるのは、「人」しかいないんだな・・・って、
最近シミジミ思います。

悲しい事や辛い事も含めて、
「人生はそういうモノだ。だったら泣くより笑おう!」と
思える強さを、落語は教えてくれる気がします。

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