火曜日, 8月 25, 2009

ダメな男の描いたものが。

ゴーギャン展、ようやく行ってきました。

ゴーギャンの絵は、なんと言っても人間が持っている
荒々しいまでの生命力みたいなものを
絵に表現しているって事が魅力だと思うけど、
私が最初にゴーギャンに興味を持ったのは、
彼が一度ビジネスマン(株売買の仲介人)として成功して、
その後絵画の世界に入ったって事だったんだよね。

もちろん「月と六ペンス」で
彼のダメっぷりを読んで、より思い入れを深めた(笑)。

だってさー。
確かに彼は多くの芸術的作品を残してるけど、
現代の尺度で見ると、

・急に脱サラして「絵描きになる!」とか言い出した。
・嫁と子供を捨てて勝手に海外へ移住。
・友人(ゴッホ)と同居して、相手が錯乱して耳切っちゃうとか、事件多発。
・愛人に子供を孕ませたあげく、責任持たず


・・・ってな具合で、要は

 ダメ男じゃん!

って事なわけですよ。

でもさ。時が過ぎると、そういう人でも
絶対的な才能で「すばらしい作品を残した偉人」とか
言われちゃうわけよ。
人間がいかに勝手か・・・というのがよく分かります(笑)。

結局、最終的には「自分の 心の声 に従って生きる」
のが一番イイんじゃないか、って思うよ。彼の生き方をみると。

今回の展示の目玉、

「我々はどこから来たのか。我々は何者か。我々はどこへ行くのか。」

って作品は、掛け値なしに絶対見ておいたほうがいい作品です。

絵を見に行って、久々に1つの作品の前に
20分近く居続けるという経験をしちゃった。

題名の付け方も秀逸だよね。
ボブディランの「ライク・ア・ローリングストーンズ」ばりの、
ものすごい広がりのある世界観。


タヒチの大地のエネルギーみたいなものは、
NZに住んでた頃、先住民のマオリ族に感じたそれと
通じるものがあって、それもなんだか親近感がありました
(というより、タヒチとマオリはルーツが一緒なのよね。
 言語もマオリ語。ゴーギャンの作品にも、マオリ語でタイトルが
 付いたものがたくさんあります)

会期が結構長いので、お時間ある方はぜひ!


*ゴーギャンと言えば、豊満な裸婦像だけど、
 実は端っこにチョロっと描いてある動物がナニゲに好き。
 すべての動物はなんらかのメタファーになっていて、
 一説によると、犬はゴーギャン自身を現してるんだとか。

1 件のコメント:

りりか さんのコメント...

あはははは。「ダメ男」って確かにww
勝新太郎とか松田優作とかもそうだけど
偉人の破天荒と豪快さって要は「ダメ男」だよねwww
落語家さんとかもそうだよね♪

20分も動けなかった作品に出逢えたなんて素敵だね*~~*

私はそのタッチの太さや生命力にあまり魅かれるものは
なかったんだけどこれを読んで行きたくなった。
ゴーギャン展。