水曜日, 2月 15, 2012

【Break time】脳から鍛えるクライミング

営業に頼まれたある書類をクライアントに提出する期限がせまり、
作成した資料を担当営業にメール&口頭で確認依頼するも、2度に渡りスルー。
私の独断でFIXできないので、最終の返事を待っているうちに
私もすっかり忘れてしまい、
そのまま期限が過ぎてクライアントからクレーム。。。

・・・・これって、私も悪いけど営業にも問題ないか?

 私は「資料を作る」のは仕事だけど、「催促する」のは
 仕事じゃないよー。お母さんじゃないんだから!

・・・・と、いうモヤモヤした気持ちを抱えながら、
グっと抑えて営業に「すみません」と謝る私、
「気にしないでください」と私をなぐさめる営業。

・・・・・んー。なーんつーかこう、モヤっとするんですけどぉ。
大人になるってこういうコトなのかしら・・・・・(苦笑)


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こないだ読んだ脳化学の本で、「脳は物事を全体で捉える」
という話が面白かった。

脳の研究は、「海馬の××の部位が記憶を司る」など、パーツ単位
での研究が進んでいる。だから、研究者間でも「シナプスがどうだ」とか
「脳細胞がどうだ」という議論になりやすい。そもそも研究というのは、
そういう方法で行ったほうが具体的な成果が出やすいし、周囲にも理解されやすい。

ただ、脳というのは他の部位以上に「全体」で動いている臓器。

たとえ、海馬がまったく働かなくなっても、ある種の記憶は
海馬以外の場所によって担われる。これは、そのほかの臓器には絶対に
あり得ないことで、「心臓の動脈に問題が出たら、静脈がその役割を果たした」
なんてないでしょ?

それに、脳には除去しても日常には一見なんの影響もない
ように見える部位もあるけど、長年人間が生きていく中で、
その部分が「無い」ことによる影響は確実に出てきたりするんだそうだ。

こんな実験がある。

ねずみに「ラ」の音ばっかり聴かせ続けると、
「ラ」の音に対する反応が非常に鋭敏になる。

言ってみれば、そのネズミは「ラ」のエキスパートになるわけです。

まあそれは分かるとして、じゃあそのネズミが
「ラ」の音とそのほかの音の違いを認識する力も付くかというと・・・
どうもそれはつかないらしい。

この実験が言いたいのは、「ひとつのことに特化した能力」
というのはわりと危険で、他を受け入れる余地がなくなる。
いずれにせよ、脳というのは「バランス力をとても重視する」
ということなんでしょうね。


で。
クライミング。
(なんでもクライミングに結びつけるな、という議論はこの際おいといてw)

私はこれまで、わりといろんなスポーツをやってきたほうだと
思うけど、クライミングはそのどのスポーツよりも

「脳でするスポーツ」

だと感じています。頭を使うのはもちろんだけど、
それ以上に「思い切りと慎重さのバランス」とか「判断力」とか、
人間が生きるためにそもそも必要な「生命維持力」を高めないと
上手くならないスポーツなんじゃないのかなと。

でもって、前述のとおり、
脳は「全体」を重視するものなんだとすると・・・

「ムーブがどうだ」とか「あの道具が必要だ」
ということは、大切なことではあるけど、根本的な
クライミング上達のためには、実は瑣末なことなんじゃないか、と。

つまり、これは極論なんですけど、

 たとえば、あるルートでどうしても抜けられない
 核心があったとして、そのためにやる気が落ちたり、
 似たムーブのあるルートをガムシャラにトライするくらいなら、
 いっそ、その時はたとえ1本しか登ってなくてもクライミングはやめて
 美味しいモンでも食べに行ったほうが、その次にフト登れてしまったりする

んだろうな と。


まあ、正直あるレベル以上の人にはこのロジックは通用しない気がするし、
実感として、日常でこういう事(=根詰めた時は気分転換したほうが
上手くいったりする)って誰でも体験してるので、
当たり前といえば当たり前のことなんですが、

・・・・なんというか、「脳化学」の視点から説明されると、
すごい腑に落ちたんスよね~。

私も今度は根詰めたら、登るのやめちゃおw

クライミングが上手くなると、「精神的なバランス力」も
高まるんだとしたら、それってとってもオトクなオマケだなw


脳って本当に不思議で興味深いな。


※この人の「脳」シリーズ、超オモシロイ。

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